進撃のサイヤ人   作:ただのトーリ

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作者はおだてられると、嬉しくなって後々のペース考えずに更新するタイプなんです。

それはそうと、前もって言っておきますが主人公以外に宇宙人やゼット戦士は出てこない予定です。
ここから仮にベジータとか出したら全部ギャリック砲されて水の泡&ドラゴンボールの世界に早変わりしちゃうので。
小ネタとしては色々出してくのでお楽しみに。


試験

 

 場所は変わって調査兵団訓練所。

 

 駐屯兵団訓練所とは異なり、より実戦的なトラップや配置でのダミーなどが設置されており、その入口に俺とリヴァイ兵士長が並んで立って居る。

 

 

 他にはエルヴィン団長、ハンジ・ゾエ、またハンジの副官であるモブリットが居る。

 

 モブリットに関しては「興味深いケースだから是非副官にも見せたい」と言って無理やり引っ張ってきたらしい。

 

 事情をつかめずに混乱する彼は完全武装のリヴァイ兵士長と、立体機動装置を装着していない俺が並んでたっているのを見て首を傾げていた。

 

 

 するとエルヴィン団長はその場にいるものに聞こえるように声を上げる。

 

「これより、リヴァイとバルト訓練兵による擬似訓練を行う! 制限時間は10分、時間が切れるか全てのダミーを討伐するまでとする!」

 

 その宣言にモブリットだけは驚き固まる。

 

「接触による妨害は禁止、ただそれ以外は何をしてもいい。それで問題ないな?」

「ああ」

「問題ありません!」

 

 その返答を聞くと、彼は合図を送る。

「開始!!」

 

 

 直後、リヴァイ兵士長は電光石火の勢いでアンカーをのばし空を駆ける。

 それを見送りながら俺は目を閉じたまま立ち尽くす。

 

「えっと、バルト? 始まってるんだけど……?」

 

 ハンジが困惑した様子で声をかけてくる。

 それに答えずに深呼吸を数度、そして次の瞬間――閃光が走った。

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーー

 

 リヴァイ目線

 

 ……動かねぇな。なんのつもりだ?

 あれだけ大口を叩いておきながら全くの無策なんてことは有り得ねぇ。開拓地に帰りたいだけなら素直にギブアップを告げるだけでいいからな。

 

 それに奴は部屋に入る際に行った俺の攻撃を余裕を持って防いだ。

 そりゃ新兵相手ってことで怪我をしないよう加減をしちゃいたが、速度はほぼ本気だ。

 生意気をやらかしたクソガキを躾ける目的でやったんだ。舐められちゃ意味がねぇからな。

 

 

 しかしそれをやつは目で追って、さらに()()()()()()()()()()()ブレードを掴んで砕くなんて馬鹿げた真似をして見せた。

 

 あのレベルの身体能力を見たのはいつ以来だ?

 

 確か15歳だと資料にあったはずだが、同じ歳頃の俺に同じことは出来たか? ……いや、まず無理だな。むしろあの時の動きすら奴にとって加減した結果と言う可能性すらある。

 

 

 

 アンカーを伸ばし木々に刺してはガスの噴射で姿勢制御しつつ、巻き取りにより高速で前進する。

 するといくつかのダミーが木の影に配置されている。

 

 これが生きた巨人ならば肉質などを考慮して回転攻撃や、高所からの急降下で一気に削ぎ落とすのだが今回はただの的。

 正確さと速度を優先してシンプルな立体機動に移行する。

 

「シッ!」

 両手のブレードで的を削ぎ落としたのを感触で確かめ次の標的へ向かう。

 

 木々の隙間を、地面スレスレを、時には天地を逆転しながら縦横無尽に駆ける。

 

 その時不可思議なものを見た。

 

 光。

 

 真横を追い抜く形で通り過ぎ、俺が削ぎ落とすはずだった部位に大きく穴を開けたのだ。

 

「なっ」

 アンカーを別の部位に伸ばし姿勢制御と共に減速。

 見れば的には焦げ付くような穴が40センチ程ど真ん中に空けられていた。

 

 

 直後、先程見た光が無数に森を駆け抜けた。

 

「なんだ!?」

 

 信号弾とは違う独特な発光体に対し、咄嗟に臨戦態勢に入り木の上に移動を開始する。

 

 その光達は器用に木を避け物陰に隠れるダミーの急所部分や、足の腱部分に穴を開けた。

 

 必ず脚部分に穴を開けた物は首にもトドメの一撃として追撃を忘れていない。

 

「まさか!!」

 光が飛んできた後方へ振り返ると、そこにあったのは立体機動も無しに空を飛び今まさに光を掌から放つバルト・ロメオ訓練兵の姿だった。

 

「これで最後だ!」

 

 その言葉の意味するところを理解する頃には既に勝敗は決していた。

 

 

 ーーーーーーーーーーーー

 

ーーバルト視点ーー

 

「まさかこれ程とはな……」

 

 そう呟くエルヴィン団長はさすがに動揺を抑えきれない様子で顎に手を添えていた。

 

 対するハンジは大興奮で大はしゃぎ。

 

「何今の!? なんで立体機動無しで空飛んでんの!? それに身体から出てた炎なに!? 熱くないの!? あの光は何!?」

「分隊長! 流石に興奮しすぎです!!!」

 

 モブリットがハンジを諌めるが、その視線は俺から離れていない。多分彼もおなじ疑問が脳裏に埋め尽くされているのだろう。

 

 

 最後に装備を外したリヴァイ兵士長が俺の前までやってくる。

 

「お前」

「ハッ」

「あの力はお前だけにしか使えないのか? それとも教えることは可能なのか?」

 

 その質問は皆も気になるのかシンとしてその答えを待つ。

 

「正直分かりません。ですが幼なじみはこの前段階までは修得しました。恐らくセンスや素質が関わると思います」

 

「なるほどな……エルヴィン、こいつを憲兵団なんかに取られるのは人類の損失だ。何がなんでもこいつをうちに引き入れろ。そのためなら俺も慣れない中央へのゴマすりだってやってやる」

 

 その言葉にエルヴィン団長は「それほどの逸材か」と呟く。

 

「わかった、こちらで便宜を図るので10日ほど待機してくれ」

「分かりました」

「答えが出るまでは親しいものにも詳細は伏せるように。また、先程の力を指導してもらうことになるかもしれないので、そのための必要なものがあれば用意しておいてくれ」

「了解しました」

 

 そんなやり取りをして、いくつか決め事を話し合う。

 

 それらが終わると俺は訓練兵団宿舎へと戻ることが許された。

 

 その途中、キース教官と鉢合わせたのだが「その様子を見ると思惑通りにことが運んだようだな」と少しムスッとした顔で言われた。

 まあ、利用されたようなものだから不満は理解できる。

 

「ご迷惑をおかけしました」

「全くだ、それと騒動を知って訓練兵共たちの身が入らず困ったものだ」

「しまった……そこまで想定してなかったです。本当にすみません」

「かまわん。仲間がトラブルに見舞われた程度で集中力が途切れる奴らの軟弱さを早い段階で見れたのは僥倖だ」

 

 どうやら中々の訓練をさせられたようだ。すまんみんな。

 

「それでどうなるのだ?」

「すみません、決定までは」

「…なるほど、だいたい予想出来た。ではそれまでは貴様は追って指示が来るまで待機していろ。それまでは訓練への参加は自由とする」

「ハッ!」

 

 敬礼すると教官は踵を返して立ち去って言った。

 

 

 

 その後、宿舎に戻ったらエレンやジャンたちに囲まれ何があったのか聞かれることになった。

 指示で口外禁止とされたと告げるとそれ以上の追求はなくなったが、代わりにキース教官に動揺を見抜かれ厳しい訓練を課された事に関して文句を言われてしまうのだった。

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