ラブライブ! 月光る宇宙の彼方へ...   作:ペルソナスキー

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#7 ファーストライブ

〈昼休み 音ノ木坂学院 教室2-1〉

 

「びぇぇぇー!心配したんだよぉぉ〜!」

 

「ごめん.....」

 

穂乃果は机の整理中の理にしかかるかのように抱きついてきた。理もこればかりは穂乃果達に申し訳ないと思い、謝った後に他の言葉をかける事は出来なかった...

 

「穂乃果ちゃん・・結城くんにひっつき過ぎだよ・・困っているよ?」

 

「別にどうってことない。・・い"いっ!?」

 

「困っているよ、ネ?」

 

「う、うん....」

 

ことりは服越しに理の肋骨の隙間を指で強く押した強引に理の言葉をねじ曲げた。人間の急所である部分を突かれた為か、声を殺しながら悶絶する理であったが、ことりの威圧ある笑顔に目を向けれる勇気も無く、言い返すことが出来なかった。

 

「あはは、ごめんね....結城くん、色々無理して頑張ってたようだったからから励まそうと思って〜。あっ、そうだ!グループの名前決まったのだよ!μ'sて言うの。」

 

「ふぅ.....石鹸?」

 

「違うから。」

 

「響希、いたんだ。」

 

「って、影薄い人だねって風な発言やめてぇ!てか、僕がいない間に両手に花な状況になっているじゃないか、羨ましいよ!」

 

「あはは・・」

 

途中参加の響希であったが、その場の状況だけ見れば、男子生徒なら誰もが憧れる女子生徒に囲まれて小規模なハーレム築きあげる光景に見えたのか内心悔しがっていた...だが、理の性格を知ってた為か、言及はしなかった。

 

「神話のおなはしに出てくる9人の女神様の事だよ。」

 

「へぇ〜・・・」

 

「そうだ理、話があるから一緒に来てくれないか?」

 

「......分かった。」

 

「えぇ〜!もう行っちゃうのー!?」

 

「わがまま言わない。ほら、行くよ理?」

 

「あっ...あぁ...」

 

理は駄々こねる穂乃果から離れ、響希と一緒に渡り廊下まで同行した。そして、誰もいないのを確認した響希は真剣な表情になり、話題をもちかけるのであった...そう、4日前のあの夜の出来事を...

 

「単刀直入に言う。4日前の晩に突然現れた怪物を倒したのはお前か?いいか、これは、これから先、下手すればお前自身の命に関わる程の危険な目に遭う事になる。正直に答えてくれ...。」

 

「......多分、俺だと思う。」

 

「そうか...じゃあ理もあのアプリを持っているのか?」

 

「アプリ...?」

 

「......。やっぱり違うのか....あの拳銃がトリガーで召喚出来るのか...?」

 

「.....??響希?」

 

「おっと、ごめんごめん。本題にはいるけど、ここ最近で行方不明の数が増えて騒がれているだろ?あれは、アイツらの仕業なんだ....」

 

「.....!!」

 

理は思わず驚きを隠せない顔でいた、あの時の出来事は、紛れのない現実だと言うことだと言い渡されたからであった。響希は渋い顔をしながらも説明が続く。

 

「お前が持ってた銃は、今はこっちで預かっている...ちゃんと返すけどお願い、いいか?僕たちと一緒に戦ってくれないか....?」

 

(もしかすると、僕たちの召喚アプリが使えなくなったのは理の力によるものが非常に高い.....そうなれば大和による制裁で、理が粛清されるかもしれない.....リスク覚悟で仲間に入り、協力関係になれば。今死ぬことは無くなる...頼む...仲間になってくれ.....)

 

響希の願いは届いたのか、理は無言で縦に頷いた。でも、どこかしら無気力に答えているようにも見えたが、響希は願いが届いた事にほっとしていて、理の態度に気を遣う余裕はなかった。

 

「ヨシっ!そうと決まれば、湿っぽい話はおしまい!ラーメン奢るから、今日は付き合え。ちょっと早いけど、新人歓迎だ!」

 

「太っ腹だ...。」

 

「へへっ、任しとけよ~、あのラーメン屋の裏メニューとか教えてやるからよ。大船に乗った気で来なよ~?」

 

気分転換に響希と2人でラーメン屋に行くのであった。あそこの裏メニューの丼物は格別だと堪能し、夜を過ごした。明るく振る舞う響希であるが、内心では親友も守り抜く覚悟を決めたのであった。

 

〈翌日 早朝 神田神社〉

 

「はぁ、はぁ・・」

 

「はぁ、はぁ・・」

 

ファーストライブに向けて体力作りに徹する神社の階段を駆け上がる二人。ここ5日間走っているおかげか、初日の頃に比べ、大分体力が付いている実感が湧いたのか、喜びを覚える穂乃果達がいた。

 

「おっ、二人ともタイムの記録更新したよ。」

 

「やったー!」

 

「喜ぶのはまだ早いです。」

 

「まぁまぁ・・」

 

穂乃果達が喜んでいる最中、遠くでタオルを頭に被り、1人で水分補給をしながら休憩している理を見たことりは様子を見に理に話しかけた。

 

「結城くんも一緒に走るなんて何かあったの?」

 

「体力作りに...」

 

「でも凄いね♪初めて走ったのに良い記録出してたね、流石男の子だね。」

 

「ありがとう...」

 

「ことりね、結城くんが昏睡状態って聞いたとき凄く怖かったの・・原因は疲労によるストレスだって聞いたけど、もしも死んじゃったら・・怖くてしょうがなかった・・・」

 

「自分の事じゃないのに..なんで、どうでもいいって思わないの??」

 

 

ことりは自分の死ですら他人事に思う理に対し、涙目でこう言った・・

 

仲間なんだよ!

 

 

「....!ごめん...。」

 

「ううん。いつも海未ちゃんがすぐに叱って何も言い出せなかったけど。ホントはことりも気持ちは一緒なの・・みんな命は一つしかない。だから、困ったら私達を頼って...おねがい.....」

 

「南・・」

 

ことりの慈愛を直に受けたのか理は少しだけ命の大切さを知り、少しだけ心が成長した。そして、新入生歓迎会まで残り2日、期限が迫るなから彼女達は目標に向かって練習を続けるのであった..

 

 

 

〈朝 渡り廊下 掲示板前〉

 

「おや?スクールアイドル...まさかアイツが復帰したのか?」

 

通りすがりの赤いベストを着た男子生徒が、掲示版前のチラシ置き場にファーストライブの手に取って興味を示した。

 

「ないわよ。そんなもの・・」

 

だが、たまたま通りかかった背丈は低いツインテールの女の子はアイドルを否定するかのような発言を吐き捨て通り過ぎていった・・

 

「たくっ....」

 

 

〈音ノ木坂学院 正門前〉

「おっはよー!」

 

「おっはよー!」

 

「おはよ・・・」

 

「結城くん、もっと元気よく挨拶してよー!」

 

「近い。」

 

その頃、理と響希、そしてμ'sの3人は一緒に登校していた。穂乃果達が元気よく挨拶しているとき、青いワイシャツに帽子を被った無精髭の男子生徒が興味本意で近づいてきた。同じ2年生の人のようだ・・

 

「おっ、チラシ見たぜ。たし かスクールアイドルをやっている」

 

「はい、μ'sと言うグループ名です!」

 

「えっ?グループ名の由来って・・もしかして、せっけ...」

 

「違います。」

 

「おわぁ!急に出てくるなよぉ!てか最後まで言わせてくれよぉ!」

 

「あはは・・君は見に行くのかい?明後日の放課後にするんだけどね」

 

「おう、まぁ先輩との付き添いになっちゃんけどなぁ...オレっちも少しばかり興味持っているからちゃんと見に行こうと思っているぜ。」

 

「よっしゃぁぁ!是非見に行来てくれ!素晴らしいライブになるように努力するからさぁ♪」

 

「へへっ、いいノリじゃねえかよ!おぉ、そうだった。先輩があんたらが踊っている動画を見て結構良かったて言ってたぜ♪」

 

「本当!?」

 

「本当も何もマジだぜ♪そうだ、ここでちょっとだけ踊ってくれよ、ちょっとでいいからさ・・」

 

「えっ?ここでですか?」

 

「いいからさぁ。ちょっとだでいいからさぁ..頼む!」

 

「グフフ...いいでしょう...もし来てくれたらここでもう少し・・」

 

「お前あれか?女子なのに結構ガッツきあるタイプ?嫌いじゃねえぜぇ...」

 

「よーし!そうと決まれば...!」

 

「あのー?海未ちゃんと理は?」

 

「「「えっ、あれ?」」」

 

〈屋上〉

 

その頃海未は、人前に出る事に気づき屋上で体育座りでヘコんでいた・・理はそれを察して慰めに入ったが効果は無かったようだ。

 

「やっぱり無理です・・・」

 

「強く生きろよ。」

 

「あちゃぁ〜・・・まさかとは思ったが海未ちゃん、昔から人前に出ると緊張しちゃうタイプだっからね・・」

 

海未は黙ってコクリと頷いた。その時、響希に眠る何かが呼び起こされた!そんな中、穂乃果は海未が人前に出ても緊張しないアイデアを教えるのであった。

 

「そうだ!お客さんを野菜だと思えちゃえばいいってお母さん言っていたよ!」

 

「わ、私に人前で歌えと!?」

 

「くぅぅ!いつもは海未ちゃんのしっかり者であるが、だけどホントはシャイな所『好きだぁー!』あだぁ!?」

 

理は暴走する響希の頬に一発の目覚ましビンタを繰り出し、無理やり暴走を止めるのであった。

 

「ごめん・・・つい・・」

 

「ひ、響希くん.....」

 

「結城くんが正しいと思う...今のは....」

 

 

響希は笑顔で倒れ、真っ白に燃え尽きてしまった・・・

 

 

「はぁ〜・・でも海未ちゃんが辛いのなら何か考えないと・・」

 

「そうだね。」

 

「人前じゃなきゃ大丈夫だと思うんです!人前じゃなきゃ・・」

 

穂乃果は真剣な眼差しになり、海未の手を取った。親友として海未を勇気づける為一肌脱いだ。

 

「考えるとより、慣れちゃった方が早いよ!それじゃあ放課後に行こう?」

 

「いってらっしゃい。」

 

「結城くんも行くのよ!?」

 

「えっ・・?」

 

 

〈放課後 秋葉原通り〉

 

こうして、海未の人前での緊張を克服するためにアキバ通りを向かっていうのであった・・

 

「ひ、人がこんなにたくさん・・」

 

「当たり前でしょう?その為にここを選んだんだから。」

 

「ここだとライブの宣伝になるから、より効果的だよ♪」

 

「うん♪でも・・海未ちゃんが・・・」

 

海未は緊張に押し負けたのかカプセルガチャを回し始めた。そして、それに便乗するかのように理もガチャ回すのであった。

 

(パカッ・・)

 

「あっ、ヒーホーくんだ....」

 

「金のガネーシャ像だ....」

 

「結城くん!海未ちゃん!!」

 

作戦は失敗に終わった・・・穂乃果達は仕切り直しで今度は今日の放課後の正門でする事にした。

 

 

 

〈放課後 音ノ木坂学院 正門前〉

 

「ここなら、緊張もしないし大丈夫だよ。ほら、リラックスリラックス♪」

 

「そ、そうですが・・穂乃果は店の手伝いで慣れてますし。」

 

「・・・無理にしなくてもいいんじゃないかな?」

 

「・・!!また貴方は!分かりました、やりましょう!・・・よろしくお願いしまーす!μ'sファーストライブやりまーす!」

 

(ん?さては狙ってやったのか・・?凄いやり方だが、海未ちゃんの闘争心を煽ったのかな....?)

 

「よろしくお願いしまーす。」

 

「いらない。」

 

「そう、じゃあいい・・」

 

「ぬぁんでそこで諦めるのよさ!フンっ・・!」(ガシッ!!)

 

理の魅力が打ち勝ったのか、通りすがりの小柄なツインテールの女子生徒は理の態度に怒ったが、力任せにチラシを手に取るのであった。

 

「怒られちゃった・・」

 

(やっぱり...まだまだだった・・・・)

 

「あれは流石にダメやろ...。理・・」

 

「あ、あの・・ライブ、行きたい、です・・チラシもらってもいいですか?」

 

スクールアイドルに興味を持っていた眼鏡をかけた茶髪で黒タイツが理の前に現れ、チラシを貰いにきた。あの夜に例の怪物に襲われてた女の子であった。

 

「ん?君は前に会った・・」

 

「えっ?!しょ、初対面ではないでしょうか・・」

 

「会った覚えが....ないです....」

 

「えっ??」

 

あの夜の事を本当に覚えてないのか、女子生徒は戸惑っていた。

 

「確か駅前で・・あっ」

 

理は正門前で隠れている希と視線が合い、付いてきてと合図しているのに気づいた。

 

「ライブ見に来てくれるの?」

 

「では、一枚と言わず全部持って行って下さい。」

 

「海未ちゃん!」

 

(東條先輩?今日は神社のバイトだったような・・・)

 

「ごめん、用事あるから一緒に帰れない。」

 

「えぇ〜!そんなぁ〜!」

 

「そう・・・無理はしないでね?えっ....?ゆ、結城くん!?」

 

理は残りのチラシをことりに渡し、希を追いかけた。希の跡を追い神田神社前の階段付近まで辿りつくのであった...

 

 

.....

 

 

〈放課後 神田神社〉

 

(どこ行ったんだろ・・)

 

「えいっ♪」

 

「・・・!」

 

理は背後から気配にいち早く気づき希のワシワシを反射的にしゃがんで間一髪回避した!

 

「あっちゃ〜♪だめやったか。」

 

「くると思った。」

 

「もおっ・・・フフッ♪どうやった?彼女達と一緒にいて。」

 

「悪く無かった・・」

 

「そっか..♪でも、まだ発展途上と言うところやなぁ〜」

 

「どういう意味?」

 

「まだまだ望みは捨てたもんやない。まだまだ成長出来る可能性はある。」

 

「だからどう言う意味?」

 

「時には、自分のやりたいようにするって言う手もあるんや。分かるやろ?」

 

「自分のやりたい事・・」

 

希は制服の胸ポケットから「愚者」のタロットカードを出し、こう言った

 

「知っている?9人の女神のリーダーの子供は旅人となり、未来に淡い希望を託して歩んでいった。そこに何か待ち受けるかは知らないままにね」

 

「・・・」

 

希は意味深な口調で理にそう告げ、時は新入生歓迎会当日まで進む。そして、ライブ会場である講堂は観客で賑やかになる。

 

 

はずだった・・・・

 

 

 

〈ライブ当日 講堂〉

 

 

「嘘。でしょ・・・」

 

「そんな・・私達のやってきた事は・・」

 

ライブに向けて胸が高鳴っていたμ'sの3人と響希。だが突き付けられた現実は、誰一人といない静寂な観客席であった・・・

 

「そうよね・・世の中そんなに甘くない。」

 

穂乃果は悲しむ事を紛らわすために自分に言い聞かせた、それは舞台袖で見ていた響希にとっては哀れの言葉しかなかった・・・

 

(やっぱり、俺たちの力だけじゃ無理だったのか・・・これ以上悲しむを増やすくらいなら中止にした方が・・・)

 

「・・・・」(わからない....どうしてそこまでして悲しむんだろう....)

 

観客席側から見ていた理、今までの努力が無駄になっただけで、理からにしてみればいつも通りの日常に戻るだけだと思った・・・

 

 

その時だった・・・

 

 

「あ、あれ?ライブは?間違えたかな・・?」

 

「うぃーす!あれ?ライブは...てかっ、時間通りでスよね...?」

 

「馬鹿な、時間は間違ってないはずだが。」

 

穂乃果は動揺しかけた生徒達を見て、決意を込めて言った

 

穂乃果「やろう!私達のライブを!」

 

「・・!」

 

「・・・!」

 

絶望的だと思われた中、穂乃果の発言1つに、響希と理は驚きを隠せなかった顔でいた。それは、逆境を乗り越える瞬間でもあった。

 

(いいよ!いいぞ!例え風下に立たさてもそれを貫ける信念。これは絶対に大物になる。素質がなる・・!)

 

そして曲が流れだし、3人が紡いできたライブをこなしている姿を見て、理は初めて気がついた。

 

「これが・・高坂がしたかったライブ・・胸が高鳴るよ・・」

 

ライブが終わり、扉を開けた先に理の帰りを待つかのように希が待ち伏せしていた。まるで、答えを教えて欲しいと言わんばかりに・・・

 

「どうするの?これから・・」

 

「・・・まだ、高坂達の側にいたい・・・」

 

 

 

これからのライブのために・・・

 

 

 

理は無表情のままで言い放ったが、その瞳には穂乃果と同じものを感じさせた。

 

「フフッ。完敗からのスタートか・・」

 

これは、μ'sにとってのスタートダッシュ、失敗から成功につなげるため第一歩でもあるのあり、廃校を阻止への新たな戦いの始まりでもあった・・・こうして、μ'sのファーストライブは無事成功するのであった。

 

 

〈ファーストライブ〉end…

 

 

next memory … 〈ジプス〉

 

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