NEWGAME P.S2   作:しゅみタロス

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プロローグ

 

アメリカ ロサンゼルス

 

名倉邸

 

名倉「気が付けばもう春、今頃日本は花見に新生活と楽しいだろうなぁ」

 

そう言いつつスーツを着てバッグを手に持つと外を出る。

 

ブオンブオン!!

 

マーガレット「おはようございます、社長」

名倉「おはよう、マーガレット。今日はランボルギーニ・ウラカンでお出迎えか」

マーガレット「最近社長がランボルギーニがお気に入りと聞いて、翌日にまた新車が納入されるそうですね」

名倉「ああ、ディアブロを買ったんだ」

マーガレット「うう、また経理部が胃が痛くなる高級車ですね……」

名倉「俺は欲深い人間だからな。じゃあ行くぞ」

 

ブオオオオオオオオ!!

 

そう言って名倉はウラカンに乗ると会社まで走り出した。

 

名倉「マーガレット、少し寄り道してくれ」

マーガレット「構いませんが何処へ?」

名倉「バーガーキングスに寄ってくれ」

マーガレット「ええっ!!朝からバーガーですか?!2日前に食べたばかりじゃないですか」

名倉「2日前はアボカドワッパー、そして今欲しいのはチーズバーガー」

マーガレット「チーズバーガーですね、わかりました。ドライブスルーで手短に」

名倉「よろしく」

 

 

名倉エンタープライズ 本社

 

ガチャ

 

マーガレット「着きましたよ」

 

名倉が降りるや否や、向こうから誰かが走って来る。

 

ローゼス「社長、おはようございます」

名倉「よう、ロズ。どうかしたか?」

ローゼス「開発部の方でクリエイターの皆さんがゲームプレイデモについて意見が聞きたいそうです……て、朝からバーガーですか」

 

話を聞きながらチーズバーガーを食べ終わるとすぐさま2個目を取り出し、包みを開ける。

 

名倉「報告ご苦労、すぐにとは言えないが出来るだけ早く向かうと伝えてくれ」

ローゼス「はい、では私はこれで」

 

一礼して去っていくローゼスを見届けると名倉とマーガレットはエントランスに入る。

 

名倉「今日の仕事は何がある?」

マーガレット「ACVとの会議と……

 

イーグルジャンプの新作ゲームについてレクチャーがあります」

 

それを聞くな否や名倉は伝える。

 

名倉「イーグルジャンプとの仕事は何時だ」

マーガレット「11時ですが?」

名倉「イーグルジャンプとの仕事の時間を2時間早めてくれ」

マーガレット「その様子だとよっぽど会いたいんですか?かつての仲間に」

名倉「まあな」

夢萌「なあに、セフレの話?」

名倉「お望みとあらばその淫乱ア〇ル調教してやろうか?」

夢萌「いや~ん♡それご褒美~」

マーガレット「そう言う汚いジョークはやめてください!!」

 

夢萌に若干巻き込まれつつも名倉はリモート会議室に向かう。

 

名倉「チャンネルは5番だな」

 

パソコンの回線を繋ぐとそこには……

 

青葉「あ、映った。名倉さん、久しぶり~」

名倉「おいおいおいおいおい、勘弁してくれよ。よりによってなんでゲーム出資の会合にお前がいるんだよ」

青葉「聞いて驚け、私こそが今回のゲームのアートディレクターなんですよ」

名倉「へえ、お前も随分と成り上がったもんだな」

青葉「はい、滅茶苦茶頑張りました」

 

するとワイプで現れたのは……

 

しずく「やあ、久しぶりだね~」

名倉「よお、しずく。青葉が混じっているがこの会合はご挨拶か何かか?」

しずく「いや、今回涼風君にはゲームの世界観の解説の為に来てもらっている。どうしても自分から説明したいんだとさ」

青葉「当たり前でしょう、私と名倉さんのゲーム対決なんですから」

名倉「そういう事なら見せてもらおう、今回はどんなゲームを作るんだ」

 

すると青葉は一枚のイラストを見せる。

 

青葉「これが私の作るゲーム、PECOです」

 

そこにはファンタジー風でありながらぬいぐるみを被った主人公のキャラデザインがあった。

 

名倉はそれを綿密に鋭く凝視する。

 

すると名倉は……

 

名倉「青葉が描いたデザインはこれまで何度も見てきたがこのキャラクターの活躍するストーリーが気になるな。採用された理由も含めて世界観を知りたい」

青葉「そういう事なら今、資料を送りますね」

 

するとPCのメールボックスに資料が届く。

 

青葉「世界観はぬいぐるみの世界で主人公がぬいぐるみを被って色んな能力を身に着けて冒険するゆるふわファンタジー、フェアリーズストーリーとは一味違った可愛いとハラハラを体験できるゲームになっています」

 

世界観を見るな否や名倉はニヤリとする。

 

名倉「青葉も流石だな、この手のファンシーなゲームはPSハードには少ないから敢えてこの路線を開拓しようとするのが」

青葉「ああ~、実は……」

 

バツが悪そうな反応を見せる青葉。

 

名倉「何かあったのか?」

青葉「実は今年からゲーム販売のの取引先にN社が入りまして……今回のPECOはPS4とスイッチの縦マルチになってるんですよ……」

名倉「あ~、そういう事か。N社が何か最近コソコソしてると思ったらイーグルジャンプに開発出資を約束してたんだな。全く、俺がノーモアヒーローズの開発に絡んでる間によくやってくれたぜ」

青葉「ええッ!!名倉さん今ノーモアヒーローズの開発に絡んでるんですか!!」

名倉「グラス社との機密保持で詳しい事は言えないがスイッチで開発中のノーモアヒーローズ新作にちょっと口出ししてんだ。相変わらず開発リーダーのスダはやりたい放題だけどな」

青葉「本当に何でもやりますね」

 

すると名倉はしずくに尋ねる。

 

名倉「しずく、今回のPECOとかいうゲームはN社が介入してるなら尚更今の開発環境良くなってるんじゃないか?」

しずく「もちろん、君の言う通り、開発に当たってN社から専用の機材を貰ったのと同時にある程度のレクチャーを受けたよ。それがどうかしたかい?」

 

すると名倉はある話をする。

 

名倉「3日後に大手電機企業から部門監査員がイーグルジャンプに入る事になってる。そいつ例のエンジンについて詳しいから分からない事があれば普通に頼ってくれて構わないぞ」

青葉「え、新しい社員ですか!!」

 

眼を輝かせる青葉、気持ちは察しつつ話を続ける。

 

名倉「あくまで社員じゃなくてゲームの開発環境の監査が名目の上層部の人間だから礼節はわきまえろよ。まあ、気難しく接する必要も無いから仲良くしたきゃそうすればいい」

しずく「特に涼風君にとっては何かと縁のある人だから」

青葉「私と縁深い人?」

名倉「まあ、何れわかるさ」

青葉「むう……」

 

不機嫌な青葉をよそに名倉は出資証明書に印を押した。

 

名倉「PECOの開発に出資しよう、良い結果を期待するぜ」

しずく「君なら内容に関わらず印を押すでしょうけど」

名倉「良く読めたな、グリフィンドールに4点」

青葉「ハリーポッターのネタを使わないでください」

名倉「ナイスツッコミ」

 

すると後ろから

 

マーガレット「社長、そろそろ次の仕事が」

名倉「おっと、どうやら時間みたいだ……」

 

しずく「うおおおおおおお、誰ですかこの超絶美人はあああああ!!」

青葉「ままままさか、名倉さん浮気を!!」

マーガレット「うううう、浮気ってそんな、わわわわ私は……」」

名倉「社長秘書のマーガレットだ、浮気相手じゃなくて仕事仲間」

しずく「ぜひ、うちの会社に来てください、そしてその美しい手をすり……」

青葉「葉月さん落ち着いてえええええ!!」

 

混沌とするリモート会議がこうして2時間続いた。

 

日本

 

秋葉原のゲームセンター

 

シャッシャッシャッシャッシャッ

 

一人アーケードゲーム、ドラゴンボールヒーローズに興じる男。藤原フレデリカ七海。

 

七海「よし、勝った」

 

サイドテーブルに置かれたコーヒーを飲み干す。

 

七海「よし、行くか」

 

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