季節は冬、どこもクリスマスに湧いている東京ではゲームソフトを手にする子供が沢山いる。ゲームを売るには絶好の機会と言えるクリスマスイヴ。東京は光の街並みとホーリーナイトが夜を色付かせる。
そんな中、クリスマスイヴの夜に青葉と七海はデートに向かったのだが、とてもじゃないけどクリスマスと何も関係ない場所に来ていた。
ドド―――――ーン!! ホルモン焼肉 大男
七海「まさか、デートの場所がここだとは。と言うかクリスマスにも関わらずホルモン焼肉とは思い切ったなあ」
ジュウウウウウウウウウ!!
青葉 グビッグビッ 「プハアアアアア!!これやっぱ最高だよ!!」
鉄板で焼かれる肉を目の前に麦茶を飲み干す青葉。さながらおっさんの所業であり、七海も若干笑う。
七海「この店は駅から近い人気の飲み屋だけど、どこで知ったの?」
青葉「去年の入社当初から気になってはいたんだよね。何れは入る予定だったし。でも一人焼肉は心細いから」
七海「そういう事なら、いくらでも付き合うよ。ほら、お肉焼けたよ」
そう言うと油の滴るホルモンを皿に乗せる。
青葉「それじゃあ、はふっ」
青葉はホルモンを口に運んだ。
青葉「うううううん!!この弾力と噛み応え、油も甘くてトロトロの身、これがホルモンかぁ!!」
七海「このスッと溶けるような油の透明度が良いんだ。長らく中華料理店通いだったがホルモン焼肉も悪くない」
そう言うと七海はビールを手に取る。
七海グビッグビッ「あああああ!!ホルモンにはやはりこれだ」
青葉「良いなあ、私も早くビール飲みたいよ。後、一ヶ月かあ」
七海「来年の青葉ちゃんは成人式だね、もうお酒が飲める年に近付いてるのか」
青葉「飲むときは誘ってくださいね」
七海「もちろんだよ、僕も飲みたい」
青葉「へへっ!!」
お互いしばらく距離が離れていた分青葉もまた七海との時間を楽しんでいる。他愛もない言葉や会話が何気なく大事に想える。
七海「この店にはホルモンだけじゃ無くかなり美味しい焼肉メニューあるんだ。韓国風赤牛カルビって言うんだけどこれがご飯と合うんだ。頼んでみる?」
青葉「おお!!いいですね。ご飯も大盛りで行きましょう!!」
七海「よし来た!!」
そうしてカルビとご飯をオーダー、目の前には赤い肉が並び、それを焼いていく。
青葉「うわあ、ちょっと目が痛いですね。辛そう」
七海「これは若干半生が良いんですよ。ハイどうぞ、ご飯に乗せて食べてみて」
青葉「おお!!禁断の匂いがします!!」
ご飯に乗せられたカルビを大きく頬張り……
青葉「ん!!ナニコレ超美味しい!!辛いけどちょっと昆布だしを感じる!!」
七海「その香辛料と昆布だしにごま油の香り、なかなかいいでしょう」
青葉「もっと焼きましょう!!」
七海「よし来た!!」
そうして思う存分焼肉を堪能した二人。
ガラッ!!
青葉「あ~、大分食べましたね~」
七海「クリスマスイヴの焼肉も中々良かったですね」
店を出ると周りは風船やプレゼントボックスに包まれていた。周りを見ながら二人は歩き始める。
七海「今年の一年、考えてみれば自分の想像以上にあの頃に戻れた気がする」
青葉「ねねっちとほたるんとも一緒だったからね。一番楽しんでたのは藤原先輩じゃない?」
七海「そうかもしれない。まあ、当時の後輩3人の今を見れたって事には満足している。でも。まだまだ何か皆でやれそうな気がする」
青葉「だったら、1年終わる前にもう一度二人を呼ぼうよ」
七海「わかった、ほたるちゃんにもそう伝えておくよ」
青葉「また、予定が出来たね」
七海「休まるどころじゃ無さそうだけど」
青葉「それ言う~」
七海「寧ろそれでいいでしょ」
お互いじゃれ合いながら道を進んでいくのだった。
アメリカ ロサンゼルス
名倉「いや~、やっぱこれだ~。ひふみの手料理ほど良い物はない」
マーガレット「本当にすみません、わざわざ日本から」
ひふみ「ううん、名倉君のお誘いなら断る必要ないから。クリスマスのご馳走は作るの楽しいし名倉君が美味しく食べてくれるなら嬉しい」
そう言ってローストビーフ、ライ麦パン、コーンスープにカルパッチョと鮮やかな料理を平らげていく。
名倉「旨かったよ、ごちそうさん」
ひふみ「どうも致しまして。じゃあ、そろそろ」
そう言うとひふみは人差し指を2回左右に振る。
それを見た名倉はまるで待ってました!!と言わんばかりの表情をする。
名倉「マーガレット、ちょっと二人で出かけてくる」
マーガレット「ええ、わかりました。遅くならないように」
名倉とひふみが出ていくと一人取り残されたマーガレットは呟く。
マーガレット「バカ、知らないとでも思ってるんですか?あの指のジェスチャーは……
私ですらまだ処女なのに……」
つまりそういう事である。
マーガレットは多少不満げな顔で乾燥野菜チップスとドイツ製のクラフトビールのフタを開けてヤケ酒を決め込むのだった。
マーガレット「今に見ていなさい、私も来年には彼氏を……」