NEWGAME P.S2   作:しゅみタロス

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CHAPTER3 バナナジャングル

モグモグモグモグモグモグモグモグモグモグ

 

とある午前中の事、青葉は机に置かれたバナナロールケーキ、バナナシュークリーム、チョコバナナにバナナキャラメルプリンを頬張りながらゲーム研修を行っていた。画面に接続されているのはGキューブと樽。

 

青葉「よし、やるぞい!!」

 

そう、今青葉はドンキーコング ジャングルビート(名倉の私物)で攻略RTAに挑戦していた。樽を軽快なリズムで叩きながらステージを攻略していく。

 

その陰では……

 

ひふみ「まさか、バナナスイーツ食べながらドンキーコングのRTAなんて……」

ゆん「一体何が起きとるん?」

はじめ「でも、これ美味しいよね!!七海先輩、もう一個貰っていい?」

七海「ああ、好きな食べてくれていいよ」

 

今から数日前の終末、イーグルジャンプから左に少し進んだ所にスイーツ店が出来た。何とそこはバナナスイーツの専門店、ジャングルキングと言うお店でおしゃれなスイーツに似合わないゴリ……いやガタイの良い男たちが店を回している。そのギャップからテレビでも取り沙汰されるほどでこのスイーツ店は一躍人気店となった。

 

ゆん「せやかてよぉ買えたね」

七海「割と朝早くから用事があったのでそのついでです」

ひふみ「用事って……」

七海「名倉さんとの会合です」

ひふみ「名倉君!!日本にいるの!!」

 

一同驚愕する、七海は少したじろぎながら弁明した。

 

七海「あくまで仕事の関係で一時的に日本に来ただけでその後はどうしてるのかは僕も分からない。ただその事を話したら青葉ちゃん拗ねてあの有様に……」

3人「ああ……」

 

青葉が何故ドンキーコングをやり出したか理由が分かった後、お互いに中々会えない事も含めて皆心中を察していた。

 

 

 

 

午前の仕事中

 

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

 

一人キャラデザインに思案しながら青葉は考えていた。

 

青葉(マーガレットさん、以前渋谷のカフェで紹介して貰ったけど、以前のリモートの時に名倉さんとの関係がよく分からなくなっちゃたな……社長秘書と言う風に言ってたけどあんな感じなんだろう。何よりこの事、ひふみ先輩は知っているのかな?)

 

一方ひふみは……

 

ひふみ(ここの所、青葉ちゃんと話せていないな……それに青葉ちゃんが意図的に話しづらい事を抱えてるみたいでちょっと不安。やっぱり新しい環境やかつての先輩との出会いで浮かれてるのも分かるけどそれ以上に何かありそうな感じが……)

 

お互い思案しつつも抜け出せない悩みの連鎖、そんな状況をバナナロールケーキを食べながら背後で見ていた七海は……

 

七海(二人の空気感が重い……仕事中で流石にこれはまずいな……)

 

七海は空気感を変えるために席を立った。

 

七海「ひふみさん、青葉ちゃん、ちょっと買い出し手伝ってくれないかな?」

ひふみ「買い出し?」

青葉「おお、良いですね。行きましょう」

 

近くのスーパー

 

青葉「いや~、やっぱりポテチは海苔塩ですね~」

ひふみ「チョコレートのディープミルクも買って行こう」

七海「ゴマせんべいもオツだよ」

青葉「藤原先輩ゴマせんべい本当に好きですよね~」

 

それぞれお菓子をカートに詰めてレジへと向かう、買い物袋を手にスーパーを出ると歩いている途中に七海が提案する。

 

七海「せっかくですし、少し早いですがお昼食べていきましょう。kfc寄っていきません?」

青葉「kfc!!昼食にフライドチキンとか最高ですね!!」

ひふみ「丁度お腹空いてたからいい提案、行こうよ」

 

そう言って3人はkfcへと入店していく。

 

青葉・ひふみ キラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

目を輝かせながらランチボックスを見つめる、チキンフィレバーガーにオリジナルチキン、フライドポテト、アップルパイ、メープルビスケット、炭酸ドリンクと魅力的なラインナップが揃っている。

 

3人「いただきます!!」

 

ワイルドにフィレバーガーにかぶりつきながらもそれぞれのサイドを嗜んでいく。

 

そんな中、七海はようやく本題を切り出す事にした。

 

七海「それよりも、そろそろ腹を割って話そうか?」

青葉「何を?」

ひふみ「それはどういう……」

 

七海「お互い、伝えたい事があるんじゃないかな?」

青葉・ひふみ「!!!!」

 

何かを探られた感覚に陥った2人、案の定七海が気付かないはずもなくお互い目線を逸らしていた。

 

七海「言いたい事があるなら、はっきり言った方が良い。この空気感は社員として良くないからね」

 

沈黙の後、ひふみが……

 

ひふみ「青葉ちゃん……」

青葉「う、うん、どうぞ……」

 

ひふみは胸の内を明かした。

 

ひふみ「青葉ちゃんは……今度、名倉君たちとマリオパーティで遊ぶんだよね……」

青葉「そうだけど……」

ひふみ「私もしばらく、会えてないし……何より皆でゲームパーティするの、ずっと憧れてて……名倉君と会えるなら、私も一緒に混ぜてほしいなって……」

 

その言葉を聞き、青葉は……

 

青葉「成程、それならそう言ってくれればよかったのに……」

七海「僕も賛成、社長の彼女なら参加する権利はある。あんまりモジモジせずとも、僕らと遊びたいなら喜んで付き合うよ」

青葉「そうですよ、一緒に遊びましょう」

 

その言葉にひふみは少し笑う。

 

ひふみ「ありがとう」

 

憑き物が落ちたひふみに七海は声を掛ける。

 

七海「次はひふみさんが聞く番ですよ、青葉ちゃん。話したい事、存分に話すと良いよ」

青葉「え、ええと私は……」

 

ちらりと七海の方を見ると青葉に七海は大丈夫と伝える。青葉は一呼吸置き、思いを打ち明けた。

 

青葉「名倉さんの事なんだけど……」

ひふみ「名倉君がどうかしたの?」

青葉「最近、名倉さんが社長秘書の人と仲が良くて……最初に出会ったときは普通の印象だったけどこの前のリモートで二人が一緒の部屋に私服でいたんだ。名倉さん、もしかしてひふみ先輩の事をもう……」

 

話を聞くとひふみは……

 

ひふみ「不安になる事無いよ、だって……

 

私の友達だし、一時期3人で日本で暮らしてたから」

 

青葉「え……

 

えええええええええええ!!」

 

突然の事に驚愕する青葉。

 

青葉「何それ!!超初耳なんですけど!!ていうかいつの話!!」

ひふみ「青葉ちゃんが入社する半年前位、一緒に名倉君とアパートの一室で家事してたんだ。だから、浮気とかの関係じゃないしお互い気の知れた仲だからそこまで心配してくれなくても良いよ。名倉君は非常識だけど女性付き合いは真面目だから」

 

衝撃の新事実に青葉はこれまでの自分の不安が無意味だったことに気付き、カップのドリンクを啜る。

 

青葉「そうならそうと言って欲しかったよ、っていうかあの傍若無人ゲーマーホントに人騒がせな……」

七海「いや、これ社長が悪い云々の前にただの青葉ちゃんの思い違いの様な気が……」

 

おそらくこんな話を近くで聞かれていたら名倉とって良いように笑いのネタにされていただろう。こんな話の現場、本当に聞かれなくて良かった……

 

と思われたが……

 

店員「お待たせしました、メープルビスケット3つになります」

青葉「え?誰か頼んだ?」

ひふみ「私じゃないけど……」

七海「僕もだ。頼んだ覚えはないけど……」

 

すると店員は手を向ける。

 

店員「あちらのお客様がこちらに届ける様にと言われまして」

 

その先には……

 

名倉「よお、久しぶり。良い笑い話を聞かせて貰ったぜ。青葉」

 

青葉「あ、あああああああああ!!」

 

突然現れた名倉とマーガレットの2人、どうやらまだまだ振り回されそうです。

 

 

 

 

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