NEWGAME P.S2   作:しゅみタロス

8 / 15
CHAPTER7 エクストラプレイヤー。

カタカタカタカタカタカタカタカタカタ……

 

青葉「これでいいかな?」

七海「よし、こっちは順調だが……」

ゆん「うーん、うーん……」

はじめ「ここはこうして……」

ひふみ「うへぇ……やっぱ慣れない……」

 

PECO製作から数ヶ月が経ち、メンバーも新型エンジンに慣れ始めたころ。

 

 

 

今朝

 

青葉「技術研修生?」

コウ「今日から出資元の芳文堂から3人技術研修生と言う形で入って来る。基本は期限付きの入社扱い、素質が認められれば晴れてウチの社員って訳」

青葉「それで、私は何を?」

 

コウはため息をつきつつ事情を話した。

 

コウ「その技術研修生の中に、

 

名倉の差し金と思しき人間が紛れ込んでる」

青葉「ええ?!」

 

よりにもよって再び面倒な予感しかしない話をされた青葉。ただでさえゲームの開発環境とメールで送ったゲームのデモ映像でダメ出しを嫌と言うほど聞いた青葉からすれば名倉が何かしら手を回してくる可能性も決して0ではない……と言うより100%何かすると思っていた。

 

コウ「とりあえず、とんでもない曲者の可能性があるからその研修生の事頼む。名倉と行動共にしていた青葉なら多分話が通じると思うから」

 

青葉(どうしよう……名倉さんの事だからきっとまともな感性の人間送って来るはずない……このままだと私のPECOが名倉さん主導に……)

 

ゲーム開発の主導権を握ってしまう事もあり得る、名倉を知っている青葉からすれば危機的状況である。

 

そんな中……

 

和子「涼風さん?」

青葉「あ、はい……」

 

目の前でPADを手に青葉に声を掛けたのは芳文堂の大和・クリスティーナ・和子。芳文堂のプロデューサーで大手電機企業への連絡役である。

 

和子「例の技術研修生の方がいらっしゃいました」

青葉「あ、あ、はい!!すぐに向かいます!!」

和子「ひふみさんも」

ひふみ「わかりました」

 

そうして二人は会議室へと向かう。

 

そこには……

 

ねね「あ、あおっち!!」

青葉「え?」

 

そこには青葉のよく知る友人、ねねと二人の女の子が座っていた。

 

席に着くと話を始める。

 

紅葉「望月紅葉です、デザイナー志望で来ました」

つばめ「鳴海つばめです、プログラマー志望で元Eスポーツゲーマーです」

ねね「桜ねねです。名倉エンタープライズからの指名でプログラマー見習いとゲーム制作のスキルアップの為に来ました」

ひふみ「え?ねねちゃんが名倉エンタープライズの指名で?」

青葉「じゃあ、ねねっちは今……」

ねね「名倉エンタープライズの期間契約社員だよ、大学にいる間に名倉さんとリモートでやり取りしてた時にやってみないかってスカウトされたんだ」

青葉「あ~、ねねっちで良かった~」

 

安堵の涙を流す青葉をしり目にひふみは話を続ける。

 

ひふみ「一応、3人には……」

青葉「まずはゲーム研修してもらいましょう」

ひふみ「え?ゲーム研修?」

青葉「一本私とやって欲しいゲームがあるんです。いいですね」

ひふみ「まあ、そういう事なら良いけど」

紅葉「ゲーム研修はもしかしてゲームをプレイするという事ですか?」

つばめ「それならいくらでも相手なるよ!!どんとこい!!」

ねね「それで、何を……」

青葉「仕事場に見学がてら案内しますね」

 

そう言うと青葉たちはオフィスを見て回る、周囲の空気感を覚えようとその仕事ぶりを目に焼き付けるかの如く研修生は社員たちとデスクを凝視した

 

最後にかつて名倉のスペースだったゲーム資料室へと案内すると青葉はモニターを起動する。

 

紅葉「それで、ゲーム研修は何をやるんですか?」

つばめ「何でも来いだよ、こっちはゲームに関しては無敵……」

青葉「では、3人にはこのゲームをプレイしてもらいます」

 

そう言って青葉が取り出したディスクは……

 

青葉「これです」

つばめ「そ、それは……伝説の……」

紅葉・つばめ・ねね「パラサイトイヴ!!」

 

一同見覚えがあり過ぎるが故に……

 

紅葉「ごめん、私はパス」

つばめ「えっと……他のゲーム無いですか?」

ねね「あおっち、それは流石に……」

青葉「ええ……」

 

流石に引かれてしまった青葉に対し、背後から……

 

七海「新入社員にパラサイトイヴを勧めるようなのは名倉社長ぐらいだよ」

青葉「うう、皆でやれば怖くないと思ったのに……」

つばめ「ああ、勧めた本人も怖かったのか……」

 

すると紅葉は七海に近付くとある言葉をかける。

 

紅葉「ようやくお会い出来ましたね、@BURUBON0777。いや、魔剣士ブルーボンとでも呼びましょうか?」

七海「え?何故それを?」

つばめ「七海さんは覚えてないでしょうけど、私達は知ってる」

青葉「魔剣士ブルーボン?」

ねね「魔剣士ブルーボン、ドラゴンクエストX(テン)オンラインにおいて最強の魔剣士と謳われてるソロプレイヤーだよ。以前ファミ通で特集されてたんだ」

 

そして紅葉とつばめは名乗った。

 

紅葉「そして私達が半年前にあなたに敗北した」

つばめ「まもの使いのモチとナルだよ」

 

七海「!!!!」

 

七海はこの事をすぐに思い出すな否や汗をかく。

 

七海「事情を、明日話そうか?」

 

新入りたちとその背景に存在していたしくじりが、明かされようとしていた。

 

 

 

その帰り道

 

ねね「こうしてなし崩し的に戻ってきちゃった、名倉さんから「青葉の事を任せた」って言われたから名倉さんの期待に応えないとって」

青葉「全く、人騒がせだよね~。てっきり私の手に負えない魔王の部下みたいなのが来るのかと思ったよ」

ねね「魔王の部下か……なんかしっくりくる表現だね」

青葉「でも、良かった。ねねっちも名倉さんに信頼されているって事がわかって」

ねね「うん、思えば名倉さんって本気で何かに取り組んでる人には案外優しかったりするんだよね。名倉さんからインディーゲームのノウハウ沢山教えてもらっておかげで今開発してるゲームもっと良くなりそうなんだよ」

青葉「完成したら私にも遊ばせて」

ねね「うん、もちろん!!」

 

そう言うと2人は道を分かれて自宅へと向かった。

 

深夜 イーグルジャンプのオフィス。

 

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

 

七海「う~ん、今日の監査報告はこんな所か」

 

七海はそう言うと机の隣に置かれたドリップのコーヒーを飲みながら夜空を見上げる。

 

七海「部門監査役としてここに来て、もうしばらく経つんだな」

 

思い返してみればイーグルジャンプに来てこの仕事を始めて色々学んだ事だろう。最初はただ社員たちの朝の行動やゲーム制作の進捗の資料作り、イーグルジャンプの連絡役としての企業のメール作業と業務を行う中で何故彼がイーグルジャンプを気に入るのか不思議と理解できたと思う七海。

 

すると背後から……

 

和子「例の新入り、何やら複雑な事情のお知り合いと見受けますが……

 

どんな関係で?」

 

七海は少し考えた後に答えた。

 

七海「言うなれば、ライバルって奴かな。一緒に目標に向かって頑張っていて、その先で失望させた情けないライバル」

和子「随分と、否定的なのですね。是非、聞かせてほしいモノです」

七海「それなら明日彼らに話そうと思ってるから一緒に聞くと良いさ。少なくとも、オンラインゲームをやるゲーマーとして聞いたら呆れる話だけど」

和子「わかりました、ご一緒させていただきます」

 

 

翌日

 

会議室

 

メンバーが集まり、ようやく七海は話を始める。

 

七海「それじゃあ、紅葉ちゃんとつばめちゃんの2人に誤解を解くためにもこれから話す事を聞いてほしい。

 

あの時僕が何故、君達二人にあんなことをしたのか。

 

始まりは、呪術師マーリン攻略戦にに遡る」

 

 

魔剣士ブルーボンの英雄譚、開幕。

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。