退き佐久間   作:ヘッツァー

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祝お気に入り50突破!やったね!
後、今までに投稿させて頂いた話を少し編集しました。
他にも見やすくする方法などがありましたら是非教えて下さるとありがたいです。


第十三話

前回までのあらすじ!

なんか俺なんだかんだでニュー◯イプ(いやイノ◯イター?それともXラウ◯ダー?なんでもいいや)に目覚めて殺気に気づき、敵を見つけたので追手を引きつけるために単独行動を取ったのだった。

回想終わり。

さて、どうしたものか。みんなと別れてから超心細い。

うわぁ嫌だなぁ。嫌だなぁって言葉に心こもってねぇな、我ながら。

あーこの刺客引き付ける作戦失敗したらどうしよう。一応頑張って考えたんだけどなぁ。

もし俺が刺客ならどうするか。

俺の背後に立つな。いやそれでなく。

サーティーンの方じゃなくて忍者とかならどうするか。

変装スキルがあるかどうかにもよるが、先ず情報を得る為に誰かと接触を図るはずで、情報を得た後に殺してそいつに成り代わるはずだ。

やべぇ、俺漫画の読みすぎ。

体は大人!頭脳は子供!最強かもしれん。とにかく。

もしも孤立した奴がいれば、そいつが狙われやすくはなるはずだ。

てかそうして。でなければ俺の行動の意味なくなるから。

でも、殺気があまり遠くないってことは、近いってはずなのになー。

 

「あのー」

「‼︎」

 

振り返ると、そこには少女らしき人が立っていた。

びっくりしたぁ、誰この娘。思わず睨んじゃったよ。

あ、取り敢えず返事しなきゃ。

 

「にゃ、なんですか?」

 

やべぇ噛んだ。しかもなんか変な噛み方した恥ずかしいイィ!

気付いてなければ良いけどなぁ。頼むッ!

 

「プッ、す、すいませププッ、少し聞きたいことがククッ、ありまして。」

 

ふぅ、これ絶対聞かれてるわ。てか笑いこらえるの必死だよコレ。

さっきの事もあり、俺は少し慎重に言葉を発した。

 

「な、なんでしょう?」

「実は道に迷ってしまって。良ければ蝦夷の方までの道のりを教えて頂けないかと。」

「え、蝦夷ぉ⁉︎これまた遠いねぇ。」

 

何故蝦夷に?何の用だろうか。

正直気になって仕方なかったが、プライバシーに関わる事だろうから聞かなかった。

 

「で、どこに行けば良いのでしょうか?」

「取り敢えず、船とかに乗るしか無いんじゃない?」

「船はどこから乗れば良いのでしょうか?」

 

言ってその娘は何と地図を広げて見せた。

えぇ〜、それあっても迷うの?筋金入りだね!

ただ、その娘は自分にしか見えないように広げていた為、正直よく見えない。

 

「ねぇ、それ貸して。」

「嫌です。」

 

何故⁉︎なんてシャイガールなんだ。

待てよ?何故この娘は自分にしか見えないように地図を広げたんだ?

そんなことは普通しないだろう。

もしや、この娘は実は刺客で、俺に地図を見せている間に背後から別のやつがブスリとかって考えていたりするのだろうか。

ベタだよね。流石にないかなぁ。

俺は考えた末、それに乗ってみることにした。

 

「ん〜。どれどれ、どんな地図?」

「えっとですねぇ、ほらここ、今ここじゃないですか〜?」

 

そう言われた瞬間、俺の背筋がゾワッとした。これはさっき感じた殺気にとてもよく似ていた。さっきと殺気で掛けてるわけじゃないよ!

俺は咄嗟に居合抜きを繰り出した。無論迷子娘は巻き込ま無いように。まだ刺客かどうか怪しいところだしね。

 

ガキィィィン!

 

「⁉︎」

「おっと危ねぇ。いやー、ツイてるぜ。」

 

俺はそんな心にもないことを言いながら、相手の姿を観察する。

相手は小柄で、黒の忍び装束に頭巾に額当て、極め付けは口の辺りに布を巻いて目元しか見せないと、もう完璧に忍者だった。完璧すぎて役者じゃないかな?と疑ってしまったレベル。

 

「ごめんな、恨みはないんだけど。寝ててもらうぜ。」

 

そう言って俺は振り抜いていた刀を振り抜いた状態のままその忍者の首筋に向けて打ち付けた。つまり峰打ちだ。けど、かなり強く打ったため、何も言えぬまま意識が途絶えてしまったようだ。南無。

相手が動かなくなったのを見計らい、俺は刀を収める。

するとまた背筋にゾワッという感覚。これは近すぎてよく分かる。

見れば、先程の迷子娘が手にクナイを持ちつつ突進してくる。

 

「ッ!よくもっ!」

「おいおい、そういうのは隠さなきゃダメだろう?お前は刺客なんだからさぁ。」

 

そうしてまた刀を抜く。いやー、居合抜き便利だわ。

しかも今回はただ切るのではなく、突進してくる相手の攻撃をすり抜けながら俺は至近距離で抜刀した。斬るのではなく、打撃を与える為に。つまり、柄の先で鳩尾に一撃を与えた。

 

ドフッ!

 

凄い音がした。その後、迷子娘がドシャッと崩れ落ちる。あの感触だと恐らく着物の中に薄い鎖帷子でも着ているのだろう。意識ごと落ちたものの、両方とも生きているようだ。

ここで俺は、ここに来る前に願った事を思い出した。

 

『どうか俺に人殺しをさせてください。』

 

ところが今戦ってみて、そんな考えは霧散していた。

俺には無理だ。人殺しなんて出来るはずがない。

そうと決まれば、この二人をどうするか、だ。

このまま放っておけば、野伏にでも殺されてしまうだろう。

取り敢えず、どちらかの意識が戻るまで待つか。

そうして意識の無い二人を近くにあった休めそうな木に持って行こうとすると、不意に声がかけられた。

 

「おい。」

「ハッ⁉︎」

 

声をかけられた瞬間、俺は心臓が止まるかと思うほど驚いた。

声の主から俺に向けられていたのは、明らかな敵意。

しかも先程の忍者や迷子娘とは比べ物にならない程の強烈な殺気。

それに声をかけられるまで気付かなかった⁉︎そんな馬鹿な⁉︎

すでに戦慄しながらも、なんとか気力を振り絞り振り向くと、そこに立っていたのは、先程の忍者と似たような格好で、それでいて女だと一目でわかるシルエット。そして、そこにいるはずなのに。この目で見ているはずなのに。まるで幻影を見ているような印象を受けた。

そんなことを思っていると、女はこう告げた。

 

「私は君の斬った二人の上役、“飛び段蔵”こと、加藤段蔵だ。私に命を狙われる理由は、分かっているな?部下の仇、取らせてもらうぞ。」

 

それが“退き佐久間”と“飛び段蔵”との、初めての出会いだった。

 

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