私はまぁぼちぼちです。
突然ですが、今回はかなり訳分からなくなってるかもしれません。
その場合はご指摘頂けるとありがたいです。
追記
お気に入り300件越えました。
感無量ですね、いつもありがとうございます。
完結目指して頑張ります!
「はっ、はっ、はっ、はっ。」
風魔衆頭領である加藤段蔵は、肩でしている息を整えるために戦場から離れた木陰で休んでいた。
その間も、目から雫は滴り続ける。
段蔵はそれを煩わしく思い顔をしかめる。
その姿で先程『渦刀』を使用している時との違いがあるとすれば。
双眸からとめどなく溢れる液体が、赤く染まっている事だった。
「くそっ・・・。」
『渦刀』を連続で使用した所為で体力の消耗が激しく、もう一人の大将首どころか雑兵と戦う事すら困難な状況であった。
段蔵は、少しでも体力を回復しつつ、周囲の状況に気を配っていた。
「(死んでたまるか、あいつらを見捨てるわけにはいかない。それに、
フッ、と笑みを浮かべた瞬間、段蔵はこちらへ接近してくる足音を捉えた。
「(足音からして三人。かなり速いな、忍び・・・風魔衆か?)」
忍者刀に手を掛けつつ段蔵は音の主の動向を伺う。
しばらくして、三人の忍びが段蔵の所へ到着した。
段蔵はその姿を見て、ほっと息を吐きつつその方向へ視線を向ける。
「頭領、良くぞご無事で。」
「・・・これが無事に見えるか。まぁ良い、それで何があった。単独行動を好む風魔衆が三人も同時に馳せ参じるとは、それ程の事が起きたのか?」
「いえ、いかに風魔衆といえど、軍を単独で突破出来るような武力は持ち合わせてはおりません。」
「ふふっ、忍びが武力で道を斬り開いてどうする。例えその様な武力があったとしても忍び込むのが忍びだろう。というかその返し、答えになってないからな。」
段蔵は風魔衆の者たちも冗談を言うことがあるんだな、と思い笑みをこぼすと共に、きりりと張り詰めていた気が少し緩むのを感じた。
「私はこの通りかなり疲弊していてな、一度城に帰らせて貰う。すまないが、誰か一人少し肩を貸して貰えないか?」
「承知しました。」
段蔵が忍びの一人に肩を借りつつよろよろと立ち上がる。
そして、段蔵は肩を借りている忍びの耳元でぽつりと囁く。
「駄目じゃないか、前に教えただろ?しっかりと目標を『殺さない』と心掛けないと勘付かれるってさ。」
「なっ・・・!」
「まぁもう遅いけど。」
その忍びが忍ばせていた刀を振るうより速く段蔵は幻術に嵌める。
力が抜けて崩れ落ちる仲間を前にして、なおも忍び達は焦らない。
「全く、次はしっかりと教育しておくんだよ?」
「・・・・・・その者に次があるとも思えませんがね。」
「何言ってんのさ、君達がここで死ねば地獄で先輩ってことになるわけだろ?だからこそ言ってんだ、『次は』しっかりと教育しておけ、とね。」
「いくら貴方と言えどそんな疲労しきった身体で勝てるとお思いか?」
「確かにもう斬り合いじゃあ勝てないよ。でもさ」
すうっ、と段蔵の口角が上がり、薄気味悪い笑みを顔に貼り付ける。
忍び達はここで自分達が死地へいる事を確信する。
しかし、それでも取り乱す事をしないのは流石風魔衆の忍びである、と言ったところか。
「なんか忘れてないかい?例えば一人で上杉軍を壊滅に追い込んだ忍術とかさ?まぁ、言ってる間にもう君達は物言わぬ死人になっている訳なんだけど。」
忍び二人を『渦刀』で肉片に変え、最初に幻術に嵌めた者に止めを刺した後、段蔵は膝から崩れ落ちる。
血涙は、もう出ていなかった。
「(もう『渦刀』はしばらく使えない・・・いよいよ不味いな。)」
これからどうしようか、段蔵は朦朧とした意識の中で懸命に考えていた。
その時、背後に強烈な殺気を感じて咄嗟に左へ身体をそらす。
右腕に何かが突き刺さり、勢いのまま押し倒され組み伏せられる。
馬乗りになった忍びが、クナイを構えるのを見てあぁ、あいつらは囮か、これは死んだなと察し、ぎゅっと目を閉じる。
衝撃、そして生暖かい液体の感触。
しかし、いくら待っても痛みがやってこない。
そろりと目を開けると、
「ごめんな、完全には間に合わなくて。許してくれ。」
馬乗りになっていた忍びを斬り殺した佐久間信盛がそこに居た。
ここに来るまでに上杉軍の足軽やもしかすると風魔衆とも戦ったのだろう、そこかしこに傷を負っていた。
自分の為に。
それでも助けに来てくれた。
それが段蔵にとってとにかく嬉しかった。
それを感じ取ったのか、段蔵の右腕の止血をしながら信盛がからかう。
「なんだ泣きそうなのか?ほらほら存分に泣くが良い。」
「・・・・・・今は涙が出ないんだよ、バカ。」
風魔衆≒真庭忍軍なイメージが(何故か)ある。