退き佐久間   作:ヘッツァー

49 / 49
どうも、お久しぶりです。
次の話は早めに上げるとか言っておきながらもうすぐ1年が経とうとしています。本当にすみません…。
しかもほぼ内容を忘れてしまったので、リハビリって感じで中身も少ないです…。




第四十九話

「で、その辺で拾ってきた『猿』を飼うことにしたってことでしたが、まさか人語を解するとは予想外でしたな。姫様、此奴は物の怪の類かも知れませんよ?」

「良いのよ信盛、物の怪が足軽なんて我が軍の精強さが伝わるでしょ?」

「我が軍に志願してくる浪人が減らなきゃ良いんですがねぇ…。」

「ちょっとちょっと⁉︎さっきから佐久間さん辛辣過ぎない⁉︎」

 

濃尾平野での戦の後、相良良晴とかいう少年が我が軍に加入していた。

姫様の命を助けたという事で足軽として召し抱える事になったらしい。

しかも驚くべき事に、この相良良晴という男は未来から来たようなのだ!

な、なんだってー⁉︎

コレますます俺が未来人でしたなんて言えなくなってるじゃねえか。

ま、いいんだけどな、言ってもややこしくなるだけだし。

それにしても、『猿』かぁ…。

いよいよこれは歴史が動くな。

『木下藤吉郎』でないのだけは気になるが。

相良に触れず、俺はあくまで仕事の話に徹する。

 

「で、斎藤道三殿との同盟の件はどうなりましたか?」

「うまく美濃を手に入れることが出来そうよ、喜びなさい。」

「わーいやったー。では、一時期私は兵の指揮から離れて軍備増強を進めます。あと一度京の方へ貢物を持っていきますね。先代様の時に贈っていた貢物が中断したままでありますので。」

「わざわざ戦列から外すんだから、絶対に成功させなさいよね。」

 

そう言い残し、姫様はさっさと帰っていく。

このように、一応俺は仕事をきちんとこなしているのだ。

要約すると、いつもの仕事に加えて出張してこなくてはならないという事だ。

嫌だなぁ、しかも今の京を牛耳ってんのってあっちの歴史だと松永久秀じゃねえか。

行きたくねえなぁ、爆弾魔とかだったら本当に嫌だなぁ。

そういや、とあるゲームのボンバー松永ってキャラは好きだったな。

ゲッ〇ンカ、もう無いのかなぁ。

つーかお猿さん忘れて行ってるんだけど…。

少し憂鬱になってきた俺に相良は呑気に話しかけてきた。

 

「なぁ佐久間さん、軍備増強ってどんなことをするんだ?」

「相良、目上の人には敬語くらい使えた方がいいぞ、人としてな。まぁ、『猿』の君に人としての常識を説いても無駄かもしれないけどな。」

「うぐっ…。す、すみません。」

「ふふっ、冗談だ。今俺達が率先して進めている軍備増強の策はな、聞いて驚け、『給食』だ!お、犬千代ちゃーんちょっといいかい、コイツを長屋に案内してやってくれー。」

 

言い終わらないうちに、相良1人だけがズッコケていた。

リアクション大きいし古くないか君。

そんな相良を無視して俺は犬千代に相良を引き渡す。

 

「まぁ、後の事は犬千代が説明してくれるだろ。じゃ、もうう俺は行くよ。」

「ありがとうな、佐久間さん!」

「あぁそうだ相良、一つだけ言い忘れていた事があったんだ。」

「え?なんですか?」

 

俺は相良の肩に手を置きながら(制服の記憶を読み取りながら)こう続けた。

 

「忍びを雇っているのなら、しっかりと言うべきだ。敵の刺客かと勘違いされては敵わないだろ?」

 

相良の心底驚いたような青ざめた顔を見て、俺は静かにこう思うのだ。

『ドッキリ大成功』と。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。