「ハハ、子どもって言うのは元気だなぁ……」
彼はそう言いながら、さっき自販機で買ったお茶を飲む。
バベルは閻魔大王直々にエマの監視を頼まれているが、彼としては地獄に落としたほうが良いと言う程恨んでいるのだ。
お茶を飲みながら、エマをどう苦しめるか書いたノートを見つつのんびりとしていると、ベルゼブブの能力を持つ青年・ゼノンに声を掛けられる。
「お前、何だそのノート?」
「お前は確か……ゼノンって奴か? ベルゼブブの力を使いこなすって聞いたが」
バベルはゼノンの事を思い出しながら言う。
ゼノンはバベルの質問を答える。
「あぁ、そうだけど。お前はどうしてエマを嫌うんだ? 飴人間化騒動の時もエマを痛めつけたし」
「どうしてか……」
ゼノンの質問にバベルはめんどくさそうに頭を搔きながら言う。
「ちょっと話は長くなるけど、俺の過去に関係してんだよ」
「そうなのか? だったら聞かせてくれよ」
「良いぜ。そう、それはある日の事だった……」
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20XX年の8月8日。
どこかの研究所にて、一人の混血児が生み出された。
その赤子は黒と白の頭髪をし、鋭い銀の瞳が特徴的な男の子であった。
黒と白の赤子・バベルは親と会う前にゲージに入れられ、歴史や座学をテレビを介して学んだ。
そして彼が5歳になると、キマイラと戦う実験を行わされたが──。
「グォォォォォォ!?」
『ウ、嘘だろ……?』
バベルが放ったイナゴとハエの大群に貪り食われて死ぬキマイラを見て、研究員たちは固唾を飲む。
まさかこれほど異宙の力を容易く扱えるとは思ってもいなかった。
研究員たちにとってこれはかなり嬉しい誤算だが、バベルにとっては重い楔のように感じた。
子どもにとっては人類救済はとても重く、何で自分たちがやらないといけないのか分からないのだ。
バベルはそう思いながらゲージに戻らされ、いつものように早く寝ようとする。
だが、一人の声によって眠気が飛ばされる。
「おーい! 何か大人の人達が騒いでいたけど、何かあったの?」
バベルは強制的に起こされた事に苛立ちを感じつつ、声の質問に答える。
「ウルセェな! いつもみたいにサクッと倒しただけだ、鳥女!」
バベルは隣にいる金髪の赤メッシュの少女に向けて言う。
金髪の赤メッシュの少女はそれを聞いて憤慨する。
「私、鳥女じゃないよ! 私はアーシュラだよ!」
金髪の赤メッシュの少女・アーシュラはそう言うが、バベルはめんどくさそうにしながら言う。
「アーシュラって、お前確かミカエルと鳳凰の混血児だろ? だったら鳥女で良いだろ?」
「可愛くないから良くないよ!」
バベルの言葉にアーシュラは反論する。
しかし、なぜかこうしていると心が和らいで行く。
こんな仲だが、ずっと仲間として居たいな……。
バベルはそう思いながら、アーシュラと話す。
だが彼らは知らなかった、まさか弓矢を持った死神に殺されることに。
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「誰がそこまで話せって言ったんだよ! てかこれ、後編があるの!?」
ゼノンは次回の事に驚きをあらわにする。