if呪術 ネット意見取り入れ小説バージョン   作:パワーボム

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すっかり出なくなった東堂の再登場。

その他、虎杖、秤、乙骨それぞれの修行パートです。


空白の1ヶ月間〜東堂再登場

一夜明けた、早朝。

虎杖は高専のグランドで鹿紫雲と向き合った。

 

(乙骨先輩は午前中からずっと、秤先輩とオレは、午後から。五条先生に指導を受けるのは)

 

虎杖は基礎的な部分が未熟だからこそ、鹿紫雲が五条に提案し、こうする事になった。

 

(五条先生…かっしーに論破されてすっげぇ落ち込んでたけど……)

 

「来てみろ。宿儺の器」

 

虎杖は集中し、踏み込んだ。

 

拳を受け流し鹿紫雲は膝蹴り……からの踵落とし!

 

2連撃を下って躱した虎杖は、鹿紫雲の軸足に、足をかける。

しかし鹿紫雲は、流れに逆らうこと無く倒れ込むと、逆に虎杖の足を腕で固めながら起き上がる。

 

虎杖はその鹿紫雲に向けて拳を放つが、すでに鹿紫雲はガードを固めて受け止めていた。

 

そこで一旦、鹿紫雲と虎杖は形を組み外した。

 

「なかなか動きは悪くねぇが。秤と乙骨に比べりゃまだまだ遅いな」

 

鹿紫雲は言いながら、しゃがみ込む。

 

「最後のやつは、打撃に呪力が遅れたな」

 

「逕庭拳って技で、隙できるかなって混ぜてみた。かっしー的にはどう?」

 

「……狙って遅らせたのか。あと。かっしーはやめろ」

 

鹿紫雲は言った。

 

「五条先生は武器になるって言ったんだけど。ホントは良くないんだって聞いてる」

 

鹿紫雲は考えるように俯いてから顔を上げた。

 

「あのアホ……順序ってもんが視えてねぇのか。おい、虎杖だったか? おまえ黒閃は撃ったことはあるだろ」

 

「何回か。他より出しやすい体質っぽい?」

 

「じゃあ、なんで黒閃が狙って出せないか判るか?」

 

虎杖は考えた。

 

「呪力が遅れるから?」

 

「逆だ。身体が遅れる。それが理由だ。俺のが判り易い」

 

鹿紫雲は小石を拾うと、放り投げ、それを裏拳で消し飛ばした。

 

「判ったか?」

 

「うん。かっしーの呪力が先に石に当たってた」

 

「いい集中力だが。かっしーはやめろ。呪術師は呪力で身体強化をする。だからどんだけ呪力操作が得意なやつでも、呪力の方が最初に当たっちまう事が殆どだ。俺の場合、帯電から電磁力で打撃を加速させるから特にラグり易い」

 

鹿紫雲は立ち上がると、ストレッチするように身体を揉みほぐす。

 

「六眼と無下限は俺の時代にも居た。やる前に御前試合で死にやがったが……。精密な呪力操作が出来ても、身体がそれに付いていかない以上、六眼でも黒閃は狙って出せねぇのは確かだ。他の奴よりは出やすいだろうがな」

 

そして構える。

 

「お前のソレは悪癖で有ると同時に可能性だ。あのアホが武器になるっつたのもソレが理由だ。お前なら“黒閃を狙って出せる”術者に成れるかもしれねぇからな」

 

「! それが…オレにかけられた課題……」

 

虎杖は立ち上がった。

 

「そうだ。あのアホはお前にソレを期待している」

 

「かっしー、サンキュー! 訓えてくれて」

 

「……昔、門弟を育てた事があった。戦えるヤツを自分で育てるためにな。が、どいつもこいつも半端者で終わった」

 

「……その人たちは、どうしたの」

 

「殺したよ。全員。土塊程度が技に溺れて阿呆な真似しやがったからな……お前はどうなりたい? あの六眼と並びたいのか?」

 

「オレは…越えたい。五条先生を。でないと、助けられ甲斐が無いから」

 

「そうか。いい弟子だな」

 

鹿紫雲と虎杖は再び組手を始めた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ジャラジャラと銀玉が回る音が響く。

 

「五条くんには折を見て、君と術式との向き合い方を指南する様に云われていてね。金次第だと断ってきたが……家入の治療を受けたからね」

 

冥冥は言いながら、パチンコ台のハンドルを握った。

 

「……冥さん。それは聞いたッス」

 

隣に座った秤は、所在なさげにハンドルを握る。

 

「君の武器を掴むんだ。原点に立ち返り、原石を磨く。ソレが肝心なのさ」

 

「そっすか」

 

秤は台横のポップを見る。

『P TOKKYO タカラタイプ』。

 

所謂1発台というタイプで、クルーンを突破し、銀玉がVと描かれたマスに向かえば大当たり。というタイプだ。

 

「俺、1発台苦手なんッスよね」

 

「フフ。遊技機の極意は1発台にありだよ……おや?」

 

冥冥の台は特別なルートを辿り、銀玉がVに乗った。

 

『デデッデ〜デデッデ〜デデッデデデッデ〜♬』

 

軽快なリズムと共に、玉が登り、今度は大当たりの出玉を決めるクルーンへと運ばれた。

 

1段目を突破。3Rを回避し、残りは6Rか10R。数字が大きいほど、もらえる玉が多くなる。

 

玉は10と描かれた方に流れて。

 

『スーパーフィーバー! デドーン♬ 』

 

「やりい。ラッキーだね」

 

「いいスッね。冥さん。俺まだぜんぜんクリーンにも行けてないっすよ」

 

『デュデーン。ピロピロ♬』

 

オーバー入賞音と共に。ノリノリで打ち出しを調整する冥冥と違い、秤はハンドルをぼーと握っていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

リカの腕に空を掴ませ、乙骨はビルとビルの間を飛ぶ様に駆ける。

 

「ッ!」

 

五条の赫が瓦礫を薙ぎながら近づいてくる。

 

リカの拳が宇守羅彈で、赫を相殺する。

 

「かなり良い術式だね! くれた人には感謝するんだよ!」

 

「当然ですッ、享子さんにはーー」

 

空間を掴み、乙骨は五条を引き寄せる。

空間を掴むこの術式は、五条の無下限にもある程度対抗できるものだ。

触れずとも、空間のヒビは五条に届く。

 

「けどーー爪が甘いよ!」

 

相殺した様に見せかけた赫が五条の接近と共に蒼と混ざり、茈が発生し、乙骨を仮想の質量が押し出した。

 

「まだまだ。憂太はこんなもんじゃないでしょ!」

 

「はい! 先生ッ」

 

瓦礫から這い出た乙骨は五条に応える。

五条はその姿に喜びから笑った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

午後の修行も終え、今日もボロボロになった虎杖はベッドに横になる。

 

「痛むか。悠仁」

 

厨房で野菜炒めを作りながら、脹相は言った。

 

「痛ぇけど、早く強くならなきゃ、時間は待ってくれねぇし」

 

「……話がーー」

 

バコーン。

 

「話は聞いた! 激心友(ハイ・ブラザー)よ! 俺がいる!」

 

熱苦しいその男……東堂葵はドアをピッコロのような腕で押し開けた。

 

「ごめん。東堂。壊れるからそっと開けてくれ」

 

「……虎杖……だれだその男は……」

 

「お前こそ悠仁の何だ」

 

「何?! 極真友(グレート・ブラザー)だ!!」

 

「フッ。俺は悠仁の兄だ」

 

「なに……まさか……兄弟(ブラザー)ったのか…オレ以外の男とーー」

 

「茶番いいから次いってくれよ」

 

虎杖に言われ、東堂と、何故か脹相は膝から崩れ落ちた。

 

 





次回は死滅回遊の合同葬儀、及び各キャラのエピソードになる予定です。
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