if呪術 ネット意見取り入れ小説バージョン   作:パワーボム

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秤VS裏梅

坐殺博徒の独自設定。
読んでもよくわからないという方は

・おだてブタ2
・CR餃子の王将

の動画を調べてみて下さい。


裏梅VS秤〜爆誕、パーラー金次

「なぜ君の台が当たらないか分かるかい?」

 

冥冥はパチンコ台に向き合いながら、秤に言った。

 

「回んねぇからッスね……」

 

「そうだよ。その台は私が釘を調整したからねぇ……おっと。釘調整は違法だった。済まない。言い換えよう。魔法を送ったから回らない」

 

秤はハンドルから手を離した。

 

「ずりぃすよ。冥さん」

 

「狡い? 何がだい?」

 

「そりゃ、だって自分はいい台に座ってるんでしょ?」

 

「ククク。悪いね。だって遊戯ってそういうものじゃないか」

 

冥冥は悪びれもしない。

 

「君が保守派に嫌われた理由…坐殺博徒は古くからある術式であり、丁半博打、チンチロ、花札……まあ、一般的にはそうした“賭け”をする術式だ。1年の頃の君はそうだっただろう?」

 

「あの頃は…パチとか打って無かったッスからね」

 

「それだよ。君の傑出した才能は。坐殺博徒は賭けの術式。そして、君は拡張させることでパチンコという遊戯性をそこに取り入れた。断言してもいい。こと“術式の拡張”に冠しては、君は五条悟を遥かに超えている」

 

「マジっすか!!」

 

「喜んで終われば君はそれまでだ。だが坐殺博徒は賭けを前提とする限り、君の想像力と熱に応えるだけの器量は持っている。そこから先は君次第だ」

 

冥冥は言い終わると、再びパチンコ台と向き合った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

(この男の武器は反転の速度にある)

 

裏梅は確信する。

 

(無限の呪力による再生速度のみ、宿儺様を上回る物であると認めざるを得ない)

 

しかし裏を返せば、他は凡庸な呪術師でしか無い。

裏梅にとっては、生きの良い魚を〆る事と大差は無かった。

 

(展開される領域…それも情報の必中のみ。押し合いは有利に運べるとしても、殺傷能力も無い領域)

 

裏梅を包んだ領域のルールは……。

 

【P イッピン! よーそろ〜だっしゅつ回遊版〜】

・初代から引き継いだ王道のゲームフロー!

・懐かしの演出にわくわく!?

 

〜機種説明〜

オーソドックスな羽根モノ機で、スタート入賞後の羽開放で玉を拾わせ、役物内のVに入れば大当たりを獲得。

 

秤金次の攻撃が命中する瞬間が肝。0.5〜2秒間の均等な振り分けで思考時間を与えられるので、しっかり防御するか回避しよう!

防げなかった場合は羽開放扱いだ!

 

役物内はメインルートが2つあり、玉が拾われた直後にシーソーで分岐。

左のノーマルルートはタイミングよくプレートに玉が押し出されると回転体に向かい、V入賞のチャンス。

 

8穴の回転体はVが1つ、リプレイが1つ、ハズレが6つの構成だ!

 

回転体のリプレイに入った場合は、だっしゅつルートを通ってSPルートに玉が運ばれる。

シーソーで玉が右に流れるorリプレイ入賞の2ルートから突入するSPルートは約1/3でV入賞!

 

特図1大当たり振り分け

1/1/1

 

10R通常 約1134個

5R通常 約504個

3R通常 約252個

 

※大当たりの際の振り分けは役物抽選です。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

裏梅は脳内に与えられた情報を即座に忘れ去った。

海馬が無駄になる。

 

「下郎が…何をするかと思えば」

 

「焦んなよ! 俺も最近わかったんだぜぇ! 1発台の魅力がなぁ!」

 

秤は裏梅の張った霜の中に飛び込んだ。

 

「ごぉ、う…ぐぅ……」

 

全身が凍りながら、秤は裏梅へと拳を振り上げる。

 

(畜生に劣る脳だ……)

 

裏梅はその秤の腕を砕いた刹那。

 

『でぇ〜ん……ぴゅん♪』

 

「?」

 

時間にして0.5秒。砕けた腕の破片を口に咥え、秤は裏梅を切りつけた。

 

「莫迦だな、テメェ…ルールは教えただろうがよ」

 

秤の声のみ。姿勢はそのまま。裏梅もまた体制を動かせない。

 

「なんだこれはーー」

 

「結んだろ? 縛りを。つーわけでスタートだ」

 

秤と裏梅の間に銀玉が現れる。それはシーソーを通り、SPルートへと流れ、2つの歯車を通ったあとに、V穴がある回転台へと向かっていく。

 

1/3のV穴が玉を拾う。

 

当たりは振り分けを決める3種のクルーンへと。

 

回る銀玉。

 

「くっ…なんだこれはッ! 何故動かんッ!」

 

「役物機の大当たりは神の時間だ。何人たりとも触れられねぇよ……台パンなんてしてみろ? 出禁だぜ?」

 

決定。10R、1134発。

 

「フゥゥッ!! 秤金次ッ! 復活!」

 

秤の体から呪力が漲り、凍りついた肉体が再生する。

 

同時に裏梅の体の自由も取り戻される。

 

(この男の術式……結ばされたのか?! 強制的に縛りをーー)

 

裏梅は秤から距離を取る。

 

1度目の領域はブラフ。本体はこの2度目の領域だった。

 

裏梅は破棄した記憶の思考を整理する。

 

(攻撃時に私に与えられるのは、有り得べからざる思考時間。この男の不利であり。私にとっては確かに“有利”でしか無い!)

 

通常、他者間で縛りを結ぶ場合はお互いの了承が必要になる。

 

(しかし…この男が私に一方的に施しを与えるのであれば、私の了承は必要無いッ)

 

「ふざけているのか…貴様は……ッ」

 

「大真面目だぜ? だから修行したんだよッ!」

 

秤は裏梅の冷気を展延で中和しながら、再び突っ切り……神の時間が裏梅に与えられる。

 

『でぇ〜んでぇ〜んでぇ〜んでぇん』

 

鳴り響く不快な音の中で裏梅は考える。秤は腕を前に出し、足は後ろ下がっている。

人体の構造上、拳は正面、もしくは振りかざすより無い。

 

『ぴゅん♪』

 

羽根の始動音と共に、裏梅は身を交わしながら、秤の拳を受け止めーー。

 

「こっちだよ、間抜け♡」

 

秤は“この1ヶ月で身につけた反転術式”で止められた腕の血液を無理やり増大させ、爆発した反動で膝蹴りを裏梅の腹に打ち付けた。

 

「ッ゙ーーー」

 

羽根を通った扱いとなり、手出し不可の時間が始まる。

今度はノーマルルート。

不規則に動くプレートが掠り、玉は横に飛び回転体に向かう。

1/8のV。ハズレる可能性が遥かに高い。

 

しかし、玉は吸い込まれるようにVへと流れていく。

 

裏梅が担うのは羽根だけでは無い。台の傾斜角度、釘配列、それも強制的に担わされている。

 

それは平等な天秤。

裏梅が体制を整えれば、秤は玉を寄りにくくなる。

しかし今の秤は、裏梅の体の動きから配列と角度を見極め、ジャストスポットに攻撃を当てている。

 

当たりやすいのでは無く、当てている。その差が意味するものをまだ裏梅は理解できていない。

 

今回は5R504玉の大当たりを秤は獲得する。

 

「フゥウ! いいねぇ! やるねぇ!!」

 

「下衆がッ!」

 

裏梅は怒りで腸が沸える。

 

ただ凍らせるだけでは意味が無い。この男の呪力を超え、反転出来ぬほど高速で殺す必要がある……。

 

(なんだ…この感覚は)

 

最初の領域では時間制限で無限に呪力を得ていたはずの男。しかし今は手持ちの総量自体が増えている。

 

「貴様ッ!!」

 

気がついた時には既に遅く。

 

「領域展開…坐殺博徒」

 

裏梅の脳内に新台情報が撃ち込まれる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【P まぐまぐくん〜でりしゃす7000えでぃしょん〜】

 

出玉獲得までの流れや連チャンシステムは前作までを踏襲しているが、今作最大の注目が役モノの位置と構造。

 

一般的なデジパチと同様の盤面構成であり、いわゆるヘソ部分から役モノに入った玉は、通常・SP(スーパーパンダ)・VIPの3つのルートいずれかを通過してデジタル回転。

 

見事1・3・5・7のゾロ目揃いで大当りだ!

 

1/35.8(通常時) 1/1.3(高確率時)

 

確変突入率100% 10R 1400×5回リミット

 

※リミット到達後は時短0回転

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

見誤っていた。この男の本当の武器は、術式の拡張性だ。

 

下らない情報は煙幕。常に付与するルールが変更され、その度に過去の情報は無意味となる。

 

(理解しなければ、この男は無限に呪力を積み続ける!)

 

裏梅への攻撃が保留となる事に替わりはない。

変更されたのは、部位への攻撃を成功させること。

 

坐殺博徒がランダムに指定した箇所へ、秤の攻撃が命中した場合のみ、保留として認められる。

 

それが新たなルール。

 

(これも、私に有利な条件を追加しただけだ! だが、その分大当たりの確率は明らかに下がり、獲得出玉は増えているっ!)

 

当たるはずがない。どこの部位かなど。事前に知る事はできないはずだ。

 

裏梅は過冷却した呪力を身に纏う。

 

呪力の消費は大きくなるが、これでどの部位を狙われても、秤の攻撃から身を守れる。

 

「んんっ! どうしたよ!! 近づいていいのかッ!」

 

秤は煽りながら、裏梅に拳をぶつける。

 

(指定された! 左脇腹っ…私が0.2秒守れば、権利は失われる)

 

秤は冷気によって失った腕を即座に再生させる。

 

裏梅との0.2秒の攻防。

過冷却した呪力を左脇腹に集中させた裏梅に対し、秤は蹴りを入れ……凍り砕けた脚を反転と同時に再生させ、更に高速で蹴り込んだ。

 

「クソがぁあああっ!!!」

 

痛みを感じた瞬間、裏梅の前で演出が始まる。

 

「隙だらけだぜ! 金魚の糞野郎!」

 

次の攻撃に秤は移行している。

先程までのルールとは違う。それが裏梅の反応を遅らせ、指定された左腕上腕部に、容赦無く秤は殴りつける。

 

「術式反転ッ! 炎丿舞」

 

裏梅は氷から、炎へと攻撃を変える。指向性を持たせた水蒸気爆発が秤を焼く。

 

……パチンコにおいて、炎と熱は圧倒的悪手。

 

蒸気で目の前が見えなくなる。

 

冷静さを失っていた自分の愚行に、裏梅が気付いた時には、3度目の部位に攻撃を当てられていた。

 

続け様に4度目。5度目。6度目。

 

『リーチ! ガオオオ!』

 

裏梅の前でパンダが咆哮する。

激アツ演出。パンダ咆哮予告。

 

『パクパクリーチ!』

 

可愛いドットキャラが運ばれる料理を次々と平らげ……55。

図柄は呆気なく揃ってしまった。

 

(しまったーー)

 

7000発…その呪力が秤を更に燃え上がらせる。

 

「時代と共に、規制と共に、遊戯は変わる! 遊びの形は人生だっ!! テメェみてぇな金魚のフンにゃわからねぇだろうがなァ!!!」

 

「舐めるなゴミクズがぁああああ!!!!」

 

「領域展開ぃいい!!!! 坐殺博徒ォオオオオ!!!!」

 

無害遊戯。回避不能。防御不可の高速展開が再び裏梅にルールを押し付ける。

 

六眼が見出した無二の才能。

 

新装開店。千客万来。パーラー金次、ここに爆誕。

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、裏梅戦決着予定。
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