if呪術 ネット意見取り入れ小説バージョン   作:パワーボム

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ちょいちょい進ませつつ、原作再開までにはAfterストーリーも思っています。


【オリ主注意】釘崎Afte⑥特級戦力

ケニア首都、ナイロビの最高級ホテル。そこのプールで羽根を伸ばしながら、冥冥は国際通信を開いた。

 

「通信料金はそっち持ちで頼むよ。歌姫」

 

『はぁ、かけてきたのはそっちでしょう? まあいいけど。それよりも、アフリカ呪術連合は今回の呪霊操術に関わるつもりは無い。間違いないわね』

 

「ということだけど、ボスはどうかな?」

 

「オレ達はわざわざ地球の反対まで散歩するほどヒマじゃねぇ」

 

ミゲル・オドゥオールはわざわざ用意したビーチパラソルの下でくつろぎながら言った。

 

天元という存在が紡いだ運命の歯車こそ、日本に呪力が集中する原因となっていた。

その極端に偏った天秤を除き、呪いの発生率を世界に当てはめれば呪力はアフリカ大陸こそ本場と言える。

 

古来より連なる呪の歴史は重みが違う。

 

ファントム・パレード以降の世界情勢では、アフリカはある意味で先進国よりもアドバンテージを握る形となっていた。

 

(まァ、夏油に感謝だな)

 

部族間での呪い合いの絶えなかったアフリカという土地に、夏油傑は秩序をもたらした。

 

外国人である夏油を、ミゲルが王の器であると確信したのは、そこにも1つ理由がある。

 

夏油が基盤として根付かせた呪術師の共同体は、今やアフリカ呪術連合という巨大な組織となっていた。

 

「アタシたちが好きだったのは、傑ちゃんであって呪霊操術では無い。暫くは静観させてもらうわ」

 

ラルゥ、そして祢木も同意する。

 

「但し条件は2つ。1つはODAの増額」

 

『がめついわね』

 

「コッチの兄弟たちを飢えさせる訳にはいかないんでね。それに安保の件もあるんだろ?」

 

『……そう言うと思って、理事長が最初から予算に入れ込んでるわよ。まったく。で、2つ目は?』

 

「ラルゥの言う通りオレ達は呪霊操術に興味がないが……悪く使われるのは気分が良いもんじゃない。呪霊の軍事利用が懸念される場合は、残念だが今のような“トモダチ”では居られなくなるネ」

 

『その件に関しては理事長も同意見よ。夏油に羂索……その実例がある限り箭島勝の秘匿死刑は決定しているわ』

 

「……ソウカ」

 

ミゲルはサングラスをかけ直した。

 

「さてと。これからは有料ホットラインだけど。聞くつもりはあるかい?」

 

冥冥がパンと手を叩くと、憂憂は素早く1枚の写真を持ってきた。

映されたのは独りの男。目鼻立ちの厳つい印象と、どこか憂いを帯びた淋しげな横顔は、七海にも似ている。

 

「ロシア連邦から呪霊操術確保の為、1人の呪術師が派遣された。等級は“旧”基準で特級」

 

『……は? 嘘でしょ。それはつまり……』

 

「単独での国家転覆が可能な呪術師だ。少なくとも入手した術式の情報からは私自身もそう判断せざるを得ないね」

 

冥冥は写真を裏返す。

男の名前はボルフ・ゴールヌイ。

 

「事前情報ナシでは、秤も乙骨も負ける可能性がある。それどころか私の知る限り、彼に“必ず勝てる”と言える呪術師は五条くんだけだ」

 

『……分かった。報酬は』

 

「3000万だね。これだけの情報となると、かなりの即決価格だよ」

 

冥冥が金の上で嘘をつかないことは、歌姫もよく知っている。

スイス銀行に振り込まれた金額を確認して、冥冥はニヤリと笑った。

 

「お見事です。姉さま……」

 

うっとりと憂憂は言った。

 

「名前はボルフ・ゴールヌイ。職業は牧師。もっとも、そっちが本職で呪術師が副職だという話だが……」

 

冥冥はボルフの写真を憂憂に渡す。

 

「術式名は“黒い神(チェルノボーグ)”。ある能力を持つ式神を行使する術式だ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

特級戦力の集結。

その気配を察し、輝沙は五条に連絡を取って、市街地を離れることを決めた。

 

「あのさ…」

 

「はい。とりあえずは終わりましたので。貴方の置かれた状況についてお話します」

 

五条を待つ間、輝沙は箭島と隣同士のベンチに座った。

 

(どこからみても、普通の少年です)

 

「貴方の持つ生得術式は、呪霊操術と呼ばれる術式です」

 

「呪霊操術……?」

 

「呪霊を操る。読んで字の如く。そういう術式です……呪霊を見たことは?」

 

「んな事言われても、なんかうすぼんやり“そういう”霊感は有る気はしてたけど」

 

「しっかりと認識は出来ていない。なら完全に呪力に目醒めた理由では無いようですね。でも…いつ覚醒してもおかしくない」

 

「その呪霊操術が、さっきの呪術師や……その、名前聞いてないよな」

 

「繁縷輝沙です」

 

「繁縷さんに…何の関係が有るんだよ」

 

(本当に普通の人だ。だけど……なら言うべきではない)

 

百鬼夜行はもとより……死滅回遊、彼が家族を失う原因となった術式であるという事実だけは。

輝沙は言葉を選んだ。

 

「呪霊を操ることは、今現在の各国のパワーバランスを崩しかねない。だから各国の呪術師は貴方を狙っている。それだけの能力だと言うことです」

 

「なんだよそれ……俺は関係無いじゃん! そんなの……」

 

「だから私が来ました。そして…釘崎さんもすぐに来ます」

 

「釘崎…?」

 

「“さん”を忘れないでください。私の命の恩人で、尊敬する最高の呪術師です」

 

車が来た。黒のフォルクスワーゲン。

 

「…まったく。任務を遂行する気があるのか無いのか」

 

五条伸也はウインドウを下ろして言った。

 

「任務の責任者は釘崎さんです。私は、まだその命令を受けていません」

 

「?」

 

輝沙は箭島の手を引いて、後ろのドアを開けて車に乗り込んだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

人民解放軍対呪霊特殊連隊。

呪術師のみで構成されたその人員の中から、箭島勝の捕縛に相応しい3人が日本には送り込まれていた。

 

二級術師、漢斉蘭(カン・セイラン)。

同二級術師、馬旬(バ・シュン)。

そして特級呪術師、毛一王(マオ・イーワン)。

 

残穢を辿る3人の前に、その男は現れた。

 

「ロシア人か」

 

毛は呪力を籠めた拳を振るう。

 

援護のために、斉蘭と馬は即座に銃を抜く。

3人の目の前に現れたのは、黒いローブを纏った式神。

 

「……せめて。安らかな眠りを」

 

祈るように、ボルフが手で十字を切った瞬間。

 

《Я》

 

式神は短く発し、それが中国の呪術師たちの見た最期の光景だった。

自らの身に何が起きたか知る間もなく3人は即死した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ビルの屋上、双眼鏡を通して、4人の戦いを観戦していた朴は俄に笑んだ。

 

(宗主国様ともあろうものが……無抵抗で終わるとは情けないね)

 

とはいえ、面白くなってきたのは事実だ。

 

「あの呪術師の能力……よく見えなかったが。まあいい。そうじゃないとゲームは面白くない」

 

朴は双眼鏡を握り潰した。

 

「それで……君の等級は?」

 

朴は振り向いた。

 

「特級。釘崎野薔薇だ」

 

釘崎は簪を4本構える。

 

「乙骨憂太じゃないのは物足りないけど……君を殺せば出てくるかな?」

 

朴は自らの生得術式を始動させる。

……御三家、禪院家の当主と同じ“投射呪法”。

 

朴はそこに4つの“縛り”を加え無敵の能力とした。

 

「今のアニメの本場は日本じゃない……我が国だーー」

 

投射のイメージに合わせ、朴は加速する。

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