ブラックマーケットの中心から離れた俺たちは、先生が待っているところまで到着した。
ナツム「はぁ…はぁ…」
“大丈夫?”
ナツム「大丈夫だ…」
こんなマスクをつけながら走るのはかなり大変だ。
めちゃくちゃ外したいけど外すなってカヨコさんに言われているしな…
セリカ「はひ~、息苦しい。もう脱いでいいよね?」
ホシノ「のんびりしてらんないよ~、急げ急げ。追っ手がすぐ来るだろうからー」
“まだ追ってきているの?”
ナツム「あいつらはかなり執着心が強いからな。ブラックマーケットから出ない限りいつまでも追ってくるだろうな。」
ヒフミ「できるだけ早く離れないと…間もなく道路が封鎖されてるはずです…」
ノノミ「ご心配なく。万全の準備を整えておきましたから☆」
シロコ「こっち、急いで。」
ちょっとくらい休憩させてくれよ…
中々息しずらいんだぞこのマスクつけてると。
セリカ「あの、シロコ先輩…覆面脱がないの?邪魔じゃない?」
ホシノ「天職を感じちゃったって言うか、もう魂の一部みたいなものになっちゃって、脱ぎたくないんじゃなーい?ナツムみたいに。」
ナツム「銀行強盗みたいな依頼は初めてなんだけどな。」
セリカ「え?便利屋っていつもこういうことしてるわけじゃないの?」
とんだ偏見だな。
ナツム「いくら何でもするからと言っても、キヴォトスのコンプライアンスにギリギリ反しないことぐらいだぞ。」
“便利屋とは…”
てかほんとに息しずれぇ。
もうマスクとっちまおう。
カヨコさんとの約束とか知らねぇ!(クズ野郎)
ガバッ!
ナツム「はぁ~、きつかった~」
「「「!?///」」」
“それとっちゃっていいの?”
ナツム「まぁ…問題ないだろう。」
ナツム「それよりも早くブラックマーケットからでねぇと、急ぐぞ。」
ヒフミ「は、はい…///」
ヒフミ(ナツムさんってこういう顔なんだ///)
ホシノ(久しぶりにナツムの素顔みたな~)
シロコ(ん、私に素顔を見せるなんて、襲ってくれと言っているようなもの)
ノノミ(わぁ~☆いつ見ても可愛らしいお顔ですね~☆)
セリカ(な、なによこいつ…急にマスクなんて脱いで…でもちょっと…、いや何でもないわ!何でもないはずよ!)
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アル「さっきの人たちはどこ行ったのかしら!」✨
ハルカ「アル様が人探しをするなら私も…」
ムツキ「まーだアルちゃん気が付いてないよw」
カヨコ「はぁ…」
結局バックはその場に置いてきて、事務所に向けて帰路を辿っていた。
アルは結局最初の目的を忘れてさっきの集団に憧れているし、ムツキはアルのことをからかっているし、ハルカは妄信的でナツムは銀行強盗するしで今日は散々だ。
事務所に帰ったらナツムに問い合わせないと…
アル「あっちにいないかしら!」
アルがあちこちと探し回るので、いつまでたっても帰れない。
カヨコ「アル…いい加減に…」
アル「あっ!いたわ!」
ムツキ「え~、どこどk…」
アルが指さした方には先ほどの集団とナツムがいた。
いたのだが…
カヨコ「なんで…マスクをとっているの…」
アル「あれ?ナツムがなんであそこにいるのかしら?」
ナツムが便利屋に入るとき、私はナツムにマスクを渡した。
外で活動するときは必ずつけるように言い聞かせてきたのに…
ムツキ「あ~、これは事務所に帰ったら“お仕置き”?」
カヨコ「なんで…なんで…」
ハルカ「あの~…、私が今すぐあそこを爆発してきましょうか?」
アル「そんなことしなくていいわ…それよりムツキ、カヨコ。前から思っていたけどナツムの行動に制限をかけ過ぎじゃないかしら?それじゃあナツムの自由が…」
アルが私とムツキに注意をしてくるけど…
ムツキ「あ”?」
アル「…!…何でもないわ。」
カヨコ「行かないと…ナツムのところに…」
ムツキ「まぁ待ってよカヨコちゃん。」
ナツムのところに行こうとしたら、ムツキに肩を叩かれ、落ち着かされる。
ムツキ「お楽しみはさぁー、後にしておかないと…ね?」
カヨコ「…そう、分かったわ。」
私は大人しく引き下がり、みんなで事務所へ帰ることにした。
カヨコ「…」
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アヤネ『封鎖地点を突破。この先は安全です。』
セリカ「やった!大成功!」
アヤネ『本当にブラックマーケットの闇銀行を襲っちゃうなんて…ふう…」
ホシノ「ナツム、集金記録の書類はちゃんと持っているよね?」
ナツム「ああ。」
ポケットの中から一枚の紙を取り出し、ホシノに手渡す。
ホシノ「ありがと~…あれ?バックは?」
ナツム「逃げている最中にひったくられた。」
ホシノ「…へ?」
瞬間、シロコに両肩を掴まれ揺さぶられる。
シロコ「ん、あのバック意外と高い。だからナツムが体で責任を…」
ナツム「待て待て、それくらい弁償するから。なんなら俺が今使っている物あげるから。だから揺さぶるのやめて。」
シロコ「ほんとう?嘘なら襲いに…」
ナツム「こんなしょうもないことで嘘つかないだろ。」
なんとかシロコの暴走(?)を止め、ホシノが持っている書類を覗き込んで見る。
ナツム「やっぱり当たってたな、あんたらの予想。」
ホシノ「これで決定的な証拠を押さえられたね~」
ノノミ「それでその後はどうするんですか?」
ホシノ「カイザーローンに突きつけるよ。」
突きつけるか…
あいつらはそれで引き下がるような奴らじゃないんだけどな。
この書類の入手方法とかも調べられたらおしまいだし。
ホシノ「もちろんそのまま突きつけるわけじゃないよ~」
ヒフミ「どうするんですか?」
ホシノ「それは秘密だよ~。私たちアビドスの問題だし。」
ナツム「なら俺の役割もここまでか。」
シロコ「ん、ナツムはアビドスの生徒になるからこの後も私たちについてくるべき。」
ナツム「勝手にアビドスに入れようとするな。」
俺とヒフミはアビドスの面々と先生と別れた後、少しだけ一緒に話していた。
ナツム「何とか終わったな。」すちゃ
ヒフミ「あ、結局つけるんですねそのマスク。」
ナツム「走っている途中は息がまともに出来ないからな。」
ヒフミ「あの…ナツムさんは“エデン条約”をどう思っていますか?」
ナツム「“エデン条約”ねぇ…」
前に依頼で万魔殿に忍び込んだ時にちらっとみた重要書類の中にあったなそんなの。
確か犬猿の仲のゲヘナとトリニティが和解するとかなんとか。
まだあまり表沙汰になっていないはずだけどヒフミはナギサのお気に入りだしな。
その関係で知っているのかもな。
ヒフミ「私はなゲヘナの皆さんと仲良くなれるなら賛成ですけど…」
ナツム「う~ん、正直、俺からしたらどうでもいいやって思っている。」
ヒフミ「どうでもいいですか?」
ナツム「いくらゲヘナとトリニティの仲が悪くても、その学校の生徒と話しちゃいけないってわけではない。」
実際、トリニティにも俺の知り合いが何人もいる。
ティーパーティーとかも全員知り合いだなしな。
ナツム「現にヒフミも俺と話しているだろ?」
ヒフミ「まあ…そうですね。」
ナツム「それよりもいいのか?トリニティは寮の門限が早かったと思うけど。」
ヒフミ「え?あ!もうこんな時間!すみませんナツムさん、私はここで!」
ナツム「気を付けて帰れよ~」
ヒフミは別れを告げると、急いで帰っていった。
ナツム「さてと、俺もそろそろ帰りますか。」
俺も事務所の方向へと進んでいく。