???
ナツム「…よぉ。」ガチャ
黒服「クックックッ…お待ちしておりましたよ。ナツム様。」
事務所を出て、人気のない道を進む。
黒服のところには連絡をしていないが、あいつならそこまで気にしてないだろう。
黒服「要件はアビドス高等学校に関してでしょうか?」
ナツム「話が早くて助かる。」
ナツム「回りくどい話は嫌いだ。お前、カイザーに入れ込んでいるな?」
黒服「クックックッ…半分正解といったところでしょうか。」
やっぱりか。
あそこまで大胆な行動に出るなんていくらカイザーでもしないはずだからな。
こいつが後ろ盾にいれば多少はなんとでもなるからな。
もう半分は何なのかは知らないが。
ナツム「それで、もう半分は?」
黒服「小鳥遊ホシノさんを手に入れるためですよ。」
ナツム「ホシノをか?」
予想していなかった回答。
俺でなきゃ、びっくりしちゃうね。
しかしホシノか。
ナツム「何故ホシノなんだ?」
黒服「彼女の神秘はキヴォトスの中でも最高潮。利用しない手筈がありませんよね?」
ナツム「つまり、てめぇのくだらないに研究にホシノを使おうってわけかい?」
黒服「そうとらえてもらって構いません。」
ナツム「そうか…」
黒服の話を聞き、腰につけている銃を取り出し発砲する。
放たれた弾丸は黒服の顔の横を通り抜け、後ろの窓ガラスを割る。
黒服「…何か、お気に召さないことでもありましたでしょうか?」
ナツム「しいて言うならお前の態度と価値観。」
黒服「難しい話ですね。」
ナツム「お前がキヴォトスから消えてくれたら解決することなんだがな。」
銃をしまい、近くのソファにドスンっと腰掛ける。
アビドス…ホシノから手を引かせるにはどうすればいいか考える。
“ホシノの神秘と同等レベルの対価”
この言葉が最初に頭をよぎった。
となれば…
ナツム「…よし、俺と取引をしようじゃないか黒服。」
黒服「取引ですか…内容は?」
ナツム「俺の体をあんたのお遊びに提供してやる。その代わり、アビドスの借金を7割以上の肩代わり、カイザーとホシノから手を引け。」
黒服「…」
俺の話を聞いた黒服は少しの間、黙っていた。
そしていきなり笑い出す。
まるで新しいおもちゃを与えられた子供のように。
黒服「クックックックックッ…!まさかあなたからそのような提案をしてくれるとは…!」
黒服「こちらとしてはキヴォトス最高の神秘を持つホシノさんから手を引くのは痛手ですが、ヘイローを持つ男を手に入れれるなら願ってもないことです…!」
黒服「ナツム様が提示してくれた条件では少々足りませんね、アビドスの借金を全額負担してもいいのですが…」
ナツム「待った。俺の話はまだ終わっていない。」
黒服「?」
俺の待ったで興奮気味だった黒服を止める。
まったく、人の話は最後まで聞いてろよ。
ナツム「体を提供するとは言ったがな、全部やるわけじゃないぞ。俺が許可する範囲だ。それとすべてのことにおいて俺の意見を優先させてもらおう。」
黒服「ふむ…でしたら借金の7割は高すぎますね。5割程度が限界でしょう。」
ナツム「ホシノからは手を引いてくれるんだな?」
黒服「ええ。」
ナツム「ならのその条件で構わない。契約書を用意してくれ。」
黒服「少しお待ちください。」
その後、黒服が用意してきた契約書に目を通す。
書いてあることでこちらを騙そうとしている意図はなさそうだ。
そのことが確認できたのでサインをする。
ナツム「ほらよ、書いてやったぞ。」
黒服「ありがとうございます。これにて契約は成立となります。」
ナツム「そうな、なら帰っていいか?」
黒服「ご自由に。」
ナツム「邪魔したな。」
黒服「いえいえ、こちらとしては考えてもいなかった利益を獲得できたので。」
薄暗い部屋を出て、外の空気を吸い込む。
あそこの部屋なんか息苦しかったんだよな。
帰り道ついでにアビドスにでも寄っていこうか。
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ナツム「失礼しまーす。」
セリカ「うぇ!?なんであんたがここに来ているのよ!」
どこ行こうが俺の自由だと思うんですけど…
なんか見られたら困るもんでも置いてあるのかい?
“さっき振りだねナツム。”
ナツム「先生も大丈夫そうで安心したよ。」
シロコ「ん、あそこから逃げたナツムはアビドスに入って責任を負うべき。」
ナツム「なんでそうなるんだよ…あの後こっちの事務所にヒナが来て色々と大変だったんだぞ。」
ノノミ「ゲヘナの風紀委員長さんがナツムのところまで行ったんですか?」
ヒナが提供してくれた情報のおかげで黒服が関わっていると確信できたしな。
ヒナには頭が上がらない。
“これからアビドスの真ん中の砂漠地帯まで行くんだけど、よければナツムも一緒に来てくれないかな?”
ナツム「カイザーコーポレーションについてか?」
アヤネ「知っているんですか?」
ナツム「ヒナから聞いた。それで、わざわざ確認しに行くのか?」
ホシノ「そうだねぇ。」
ナツム「別にこっちから行かなくても向こうから来てくれるだろ。」
アヤネ「え?どういうことですか?」
ナツム「すぐに分かる。」
窓を眺めていると、向こうの方からぞろぞろと兵隊と戦車、ロボットが隊を成して行軍してくる。
戦闘には恐らくカイザーの理事であろう人物がいた。
「ゲマトリアァァァ!!!話が違うぞぉぉぉ!!!」
何やら発狂しているが、そんなことはどうでもいい。
セリカ「な、何よあれ!?」
ナツム「軍隊。」
見れば見るほどキリがないほどの数だ。
セリカ「見れば分かるわよ!」
ノノミ「なんでカイザーPMCが…」
シロコ「それよりも、早く対処しないと。」
ナツム「たったこれだけの人数でか?」
この場には俺と先生、アビドスメンバーの計7人しかいない。
この人数であの数相手にするのは大変だろう。
シロコ「ん、それしか方法がない。」
セリカ「ちょ、シロコ先輩待って!」
ホシノ「まったく、しょうがないな~」
ノノミ「準備万端です☆」
教室から出ていくシロコを追うようにセリカも出ていく。
それに続いてホシノ、ノノミも出ていく。
“私たちも急ごう。”
ナツム「へいへい。」
アヤネ「お気をつけてください。」
スマホで“とある人”に連絡してから教室を出る。
外ではすでにカイザー理事と相対していた。
「くそっ!くそっ!なんで今になって!」
セリカ「な、何よあれ…」(二度目)
ノノミ「何かいやなことでもあったのでしょうか?」
ナツム「そうだろ。」
「計画は順調だったのに…!それもこれも貴様にせいだ!先生!」
“え?私?”
「貴様がアビドスを助け始めてから変なことばかり起きたのだ!ここで今、責任を取ってもらおう!」
カイザーの兵士たちが一斉に銃を構え、発射する。
それよりも早く、先生を抱えて物陰に隠れる。
ナツム「油断するな先生!」ジャキ
物陰に隠れ、先ほどシロコから(いつの間にか)拝借した手榴弾のピンを外して投げる。
ドカァン!
「うわぁ!」
「助けてくれー!」
「ガキが…舐めてると潰すぞ。」
ちょっと誰かが混じっていたような気がするが、そんなのもお構いなしに銃を撃つ。
ナツム「鉛玉のプレゼントだ受けとれ。」
バァンバァン!
シロコ「ん、援護する。」
ホシノ「うへぇ~、いきなり攻めてくるなんて聞いてないよ~」
セリカ「事前に言ってくるわけないでしょ!」
それぞれ散りながら各個撃破していく。
子供相手に手こずっていることにカイザー理事のイライラは最高潮に達していた。
「何をしている!たかが7人だぞ!早く倒せ!」
あろうことか、あいつらはゴリアテを出してきた。
しかも複数体。
ナツム「いきなり切り札を使ってくるか。」
こいつは俺の銃じゃ倒せない。
だから“増援”を呼んだのだが。
ナツム「もうちょっとでつくかな?」
アヤネ『…?何にがですか?』
ドォォォン!
少し遠くで砲撃音が聞こえる。
ようやく来たか。
ドォォォン!
「なんだ!?何が起きている!?」
ナツム「よそ見してていいのか?」バァン
「ぐはぁ!」
ノノミ「どこからともなく砲弾が撃たれてきてますね。」
シロコ「ん、しかもカイザーに向けて。」
“一体だれが…”
ヒフミ『あはは…みなさんお久しぶりです。』