便利屋の部長   作:ピカ丸

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孔明な罠

 

ナツム「もうこんな時間か…」

 

 

イオリに長い時間説教されていて今解放された。

かなり長時間拘束されてて体が鈍る。

 

 

ナツム「心配してくれるのはありがたいけどな。」

 

 

1人で鎮圧できる自信あるんだけどな。

俺が勝てないのなんてゲヘナじゃあヒナさんくらいだろ。

まぁ負けもしないがな(対抗意識)

 

 

ナツム「戻っても待機しているだけだしなー」

 

 

待機時間って何すればいいか分からんのよ。

スマホとかいじったら怒られるのは確実だし。

本なら読んでも大して何も言われなさそうだけど…

 

 

ナツム「俺は本読まないしな~」

 

 

ガチャっと重たい扉を開けて部屋の中に入る。

どうやら誰もいないみたいだ。

 

 

ナツム「ありゃ、アコ先輩くらいはいると思ったのにな。」

 

 

この部屋に誰もいないこともあるんだな。

一番重要そうな部屋だから一人くらいはいさせてもいいとおもうんだけど。

しかし、誰もいないとなるとただ怖いだけの部屋になるな。

ゲームのラスボスが座っていそうな席だな…

 

 

ナツム「いつもだったらここに風紀委員長が座っているんだろうな。」

 

 

といいながら堂々と座る。

意外と柔らかい素材なんだな。

王様にでもなった気分だ。

 

 

ナツム「さてと、暇だし色々と見て回るか。」

 

 

近くの机の引き出しの中を見る。

中にはペンやら紙やらいろんなものが入っている。

書類も何枚か入っている。

中には忌々しい風紀委員会への所属希望紙があった

 

 

ナツム「こいつのせいで風紀委員の手伝いすることになったんだよなー」

 

 

何も書かれていない状態の書類を戻し、他のところを探索しようとする。

…もしかして、サイン書いた紙を探して燃やせば手伝わなくてもよくなるんじゃ?

 

 

ナツム「なんで気が付かなったのか…」

 

 

今なら誰もいないし、部屋中隈なく探せばワンチャン…!

 

 

ナツム「よーし!早速書類を…

 

アコ「何がよしなんですか?」

 

 

ナツム「ぎゃあああ!!??」

 

 

真後ろにアコさんがいた。

いつの間に!?

 

 

ナツム「あああああああ!!!」

 

 

アコ「お、落ち着いてくださいナツム!」

 

 

ナツム「…」

 

 

アコ「うわぁ!いきなり落ち着かないでください!」

 

 

どっちだよ(怒)

 

 

アコ「急に叫ばれてびっくりしてしまいましたけど…何をしていたんですか?」

 

 

ナツム「な、何もしていませんよ…?」

 

 

アコ「本当でしょうか?」

 

 

机の方に歩いていき、アコ先輩が引き出しを開く。

数秒間その中を見つめて、アコ先輩が話し出す。

 

 

アコ「この中の書類、重ねた位置が一部違いますね。」

 

 

ナツム「…他の人が見たんじゃないですか?」

 

 

アコ「この書類は何かしらの役職についていないと閲覧禁止なのですが…」

 

 

ナツム「俺がやりました。」

 

 

見事な土下座を披露する。

 

 

アコ「まぁ重ねた位置なんて私も覚えていませんが。」

 

 

ナツム「ゑ?」

 

 

もしかして…はめられた?

そんなことないよな!?

アコ先輩がそんなことをするわけ…

 

 

アコ「…」にちゃぁ

 

 

うわこれ絶対にやってるわ。

やっぱ風紀を乱す風紀委員会なんて信用できねぇわ。

 

 

アコ「こうなってしまうと、風紀委員会に加入しないと犯罪者として罰さないといけなくなりますね~」

 

 

ナツム「ちょっと見ただけじゃん!それにじっくり読んでないし!」

 

 

アコ「何を喚き散らしているんですか。あなたが自分で勝手にしたことですよ。」

 

 

正論で人を殴るのは良くないと思います。

特に不利的な状況に陥っている人に対しては。

 

 

アコ「あー、ナツムが風紀委員会に入ってくれるならば今まで出席しなかった分と成績も上げれるのになー」

 

 

白々しいなこと人。

もうはっきりと言えよ。

なんでこういうところもめんどくさいんですか…(呆れ)

 

 

アコ「あ”?誰がめんどくさくて重い女ですか。」

 

 

ナツム「そこまで思ってないし心読まないで。」

 

 

ナツム「それで、俺が風紀委員会に入ればいいんですか?」

 

 

アコ「そうですよ。そうすれば円満解決です。」

 

 

俺は満足じゃないんですが。

何が円満解決なんでしょうかね。

人の権利を尊重してください。

 

 

ナツム「これだから露出まがいの服着てる奴はよう…」

 

アコ「は?」

 

 

ナツム「やべ。」

 

 

前々から思ってたこと口に出しちゃった。

まぁアコ先輩チョロいし許して…

 

 

アコ「今度という今度は許しませんよ…!」

 

 

あれ?

 

 

ナツム「ちょっとアコ先輩?なんですかその手錠は?」

 

 

アコ「少し大人しくしてくださいね~?」

 

 

じりじりと手錠をもったアコ先輩が迫りくる。

少し掛かり気味ですね。

 

 

ナツム「お、俺ちょっと用事思い出したんでまた後で~…」

 

 

アコ「待ちなさい!」

 

 

追いかけてくるアコ先輩から逃げ出し、風紀委員会本部を後にする。

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 

ナツム「ぜえ…はぁ…こんなこと誰が予想できるんだよ…」

 

 

少し離れた公園に逃げ込む。

この時間帯なら風紀委員のパトロールは来ないだろう。

全力で走ってきたので足が震える。

 

 

ナツム「少しベンチで休憩するか。」

 

 

近くのベンチに腰掛け、足を延ばす。

足をつりそうだったわ…

この後をどうしようかと考えていると声を掛けられる。

 

 

???「あなた何をしているのよ。」

 

 

ナツム「疲れ切って休んでいるんだよ。」

 

 

話しかけてきた人の見た目はマフィアみたいなコートを羽織っている。

頭にも角(?)みたいなのがついている。

 

 

ナツム「あんたの方は何をしているんだよ?」

 

 

???「私?私は今依頼をこなしているのよ。」

 

 

ナツム「依頼?」

 

 

そいつの手にはごみ袋とゴミバサミが握られている。

公園のゴミ拾いでもしてるんだろう。

 

 

ナツム「依頼というよりも、ボランティアといった方が正しいんじゃないのか?」

 

 

???「なっ…!?こ、これはちゃんとした依頼よ!ボランティアじゃないんだから!」

 

 

そんなに怒る事かよ…

ボランティアも素晴らしいことだぞ?

 

 

ナツム「依頼ということは報酬もあるんだろ?何がもらえるんだよ。お金か?」

 

 

???「依頼主のおばあさんから飴をもらっているわ。」

 

 

ボランティアじゃねぇか。

どこが依頼だよ。

おばあちゃんの手伝いじゃん。

 

 

 

ナツム「…仕事は選んだ方がいいぞ。」

 

 

???「私“たち”は便利屋68なのよ。どんな依頼だろうがこなすのよ。」

 

 

ナツム「ふ~ん、そうか。」

 

 

たちってことは他にもいるのか。

随分と長い時間掃除していたのだろう。

手に持っているゴミ袋には落ち葉がパンパンに入っているし、公園もかなり清潔感がある。

 

 

ナツム「かなり掃除うまいんだなあんた。」

 

 

アル「依頼だからしているだけよ。」

 

 

だから依頼じゃなくてボランティアだろ…

まぁ本人がそういうならばそれで構わないけど。

でも便利屋か、俺も依頼しようかな。

風紀委員会に脅されなくなるようにしてくれってな。

 

 

ナツム「依頼…か。」

 

 

風紀委員会はここゲヘナでの最高権力。

こいつら便利屋がどれほど大きい組織かは知らないが、便利屋68ねぇ…

聞いたこともない名前だし風紀委員会に対抗できるほどではないだろう。

 

 

ナツム「あんたら、風紀委員会に喧嘩を売る依頼とかでも受け入れるのか?」

 

 

???「ふ、風紀委員会!?」

 

 

この名前を聞くととても驚いている顔をしている。

やっぱりか。

風紀委員会に仇なすらなゲヘナでは二度と活動ができなくなるからな。

 

 

???「そそそそうね、ななな内容によるかしら…」ふるふる

 

 

めちゃくちゃ震えてんじゃねぇかよ。

そこまで風紀委員会が怖いんだな。

つっても、俺も喧嘩を売りたいと思うほどではないんだよな。

ただ言いなりになるのが嫌なだけで。

あの忌々しい契約書類さえなければ…

 

…あの書類さえどうにかできればいいのか。

 

 

ナツム「別に風紀委員会と正面からぶつかりあうわけじゃないさ。」

 

 

ナツム「ただ、一枚の書類を消してもらうだけさ。」

 

 

???「書類?」

 

 

ナツム「ああ、それを依頼したい。」

 

 

それさえなくなれば後はどうにでもなる。

 

 

???「ならその依頼受けるわ!」

 

 

ナツム「よろしく頼むよ、俺は神津ナツム。あんたは?」

 

 

アル「便利屋68の社長、陸八魔アルよ。こちらこそよろしく頼むわ!」

 

 

俺らは固い握手を交わした。

 

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