便利屋の部長   作:ピカ丸

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行動

 

カイザーローンが今月返済する利息を車で運んで行くのを見送り、私はアビドスの教室へと戻っていた。

みんな教室へ戻ると、アヤネが待っていたかのように話を始める。

 

 

アヤネ「全員揃ったようなので始めます。まずは2つの事案についてお話ししたいと思います。」

 

 

アヤネ「最初に、昨晩の襲撃の件です。」

 

 

アヤネ「私たちを襲ったのは便利屋68という部活です。ゲヘナではかなり危険で素行の悪い生徒たちとして知られています。便利屋とは頼まれたことは何でもこなすサービス業で…」

 

 

アヤネ「部活のリーダーの名前はアルさん。自らを社長と称しているようです。彼女の下には4人の部下がいて、それぞれ部長、室長、課長、平社員の肩書があることです。」

 

 

“結構本格的なんだね。”

 

 

ホシノ「部活じゃなくて会社みたいだね~」

 

 

アヤネ「いえ、あくまでも自称なので部活でしょうし…それで今はアビドスのどこかに入り込んでいるようで、今朝も部下の2名に会いましたし…」

 

 

ホシノ「…その2名ってどんな特徴だったか分かる?」

 

 

アヤネ「白髪のポニーテールの方と顔全体がマスクで覆われている方でした。」

 

 

“確かマスクの子の方はナツムって名前だったかな。”

 

 

私がこの名前を口に出したとき、シロコが目の前に瞬間移動したかのようにいた。

その目には光が宿っていなかった。

気が付いた時にはシロコに肩をつかまれてた。

 

 

シロコ「ねえ先生。朝どこで出会ったの?教えて、早く。」ハイライトオフ

 

 

“っ!シロコ!落ち着いて…”

 

 

シロコ「私はいたって冷静。だから早く…」

 

 

ホシノ「そこまでだよ~、シロコちゃん。」

 

 

ホシノがシロコを止めてくれたおかげで、シロコは私の肩から手を放してくれた。

 

 

シロコ「…ん、先生、ごめんなさい。」

 

 

“大丈夫だよ。それよりもなんでシロコはナツムのことを聞こうとしたの?”

 

 

ホシノ「それについてはおじさんが説明するよ。」

 

 

“ホシノが?”

 

 

私はまだナツムという子のことは名前と昨日見たほんの一部の戦い方しか知らないけど、ホシノやシロコは何かこの子のことについて知っていそうだ。

 

 

ホシノ「そうだねぇ~、何から話せばいいか…」

 

 

“なんでもいいよ。私も生徒のことはなるべく知っておきたいし。”

 

 

ホシノ「じゃあ最初に…ナツムは

 

 

 

男

 

 

 

なんだ。」

 

 

“…え?”

 

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 

プルルルル…

 

プルルルルルルルル…

 

事務所に電話の呼び出し音が大きく鳴り響く。

アルはその受話器を取るか悩んでいるようだった。

 

 

ムツキ「アルちゃん、何してんの?電話でないの?」

 

 

アル「…」

 

 

カヨコ「表情が暗い…もしかしてクライアント…?」

 

 

ムツキ「うわ、そりゃそんな顔にもなるわ。失敗したって報告しないとじゃん?」

 

 

ハルカ「アル様…」

 

 

アル「…」

 

 

見るに忍びない。

 

 

ナツム「でねぇなら俺が出るぞ。」

 

 

アル「あっ!ちょっと!」

 

 

アルの静止を聞かず、俺は受話器を手に取る。

失敗報告することに関して、俺はあまり不安を感じなかった。

相手がどんな大物であろうとも。

 

ガチャッ

 

 

ナツム「はい、便利屋68です。」

 

 

『…この前掛けた時とは声が違うようだが。』

 

 

ナツム「現在社長不在のため部長の私が対応いたします。」

 

 

『そうか…、では今回の依頼だが。』

 

 

ナツム「その件は…

 

 

 

 

 

 

 

 

ナツム「…という感じでございます。」

 

 

『…。ふむ、興味深い報告だ。』

 

 

『ここまでの練習は拝見したよ。で、実戦はいつだ?』

 

 

どうやら昨日のことを練習と勘違いしてくれているみたいだ。

ちょうどいい。

 

 

ナツム「そうですね…、一週間以内に実施する予定です。」

 

 

カヨコ「!?」

 

 

ムツキ「!!」

 

 

アル「??」

 

 

ナツム「はい、そうです。お任せください。」

 

 

ガチャ

 

 

アル「ど、どうなったの?」ぶるぶる

 

 

ナツム「どうやら昨日の襲撃を練習と勘違いしてみたいだ。」

 

 

アル「へ?」

 

 

カヨコ「つまり…」

 

 

ナツム「ああ、一週間以内にまたアビドスの方へ行くことになる。」

 

 

ムツキ「だけどアビドスの連中、思ったより強かったじゃん。それに、あのシャーレの先生もいるから私たちだけじゃ無理だよ。」

 

 

カヨコ「お金もほとんど使い果たしちゃったしね。」

 

 

ハルカ「わっ、私がバイトで稼ぐのはどうでしょうか?」

 

 

ナツム「いや、そんなことしなくてもいいぞハルカ。それに、戦うとは言っていないしな。」

 

 

「「「「え?」」」」

 

 

電話先の声を聞いて分かった。

恐らく、今回アビドスの襲撃を依頼してきたのはカイザーのPMCだろう。

…金を貸しているところを襲撃させようなんて、何を考えてんだか。

あまりこういうことには関わりたくないが、仕方ない。

 

 

ナツム「じゃあ俺今からブラックマーケットの方に行ってくるから、よろしく。」

 

 

アル「え、ちょ、え?」

 

 

困惑いているアルを置き去り、足早に目的地へと向かう。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 

カヨコ「…行っちゃったね。」

 

 

彼が事務所を出てから数分間、誰も言葉を発せなかった。

いつもはムツキやアルが彼を振り回しているが、

あまりに唐突で予想のできない彼の行動にはみな振り回されてしまう。

 

 

ムツキ「で、これからどうするの?アルちゃん。」

 

 

アル「…そうね、私たちは…

 

アル(どうしよう!?ナツムが勝手に大手のクライアントと話をつけてしまったから何がどうなっているかわからないわ!)

 

とっ、とりあえずナツムの後をついていきましょう!」

 

 

ムツキ「でもナツムなんか1人で今回の依頼どうにかしようとしているよ。私たちが行っても反って足手まといじゃない?」

 

 

アル「そんなことないはずよ!私たちだってナツムの助けにはなれる…はず。」

 

 

カヨコ「自信ないじゃない…」 

 

 

アル「だって!なんでナツムがこの会社に入ったのか謎なくらい強いのよ!?毎回毎回1人で何とかしちゃうんだもん!」

 

確かになんでナツムがここに入ったかは本当に謎。

彼は一年生の時からキヴォトスでも有名な人で困っている人がいれば助ける。

まるで漫画やアニメの世界から出てきたようなヒーローだ。

 

 

カヨコ「…じゃあ事務所で大人しくしておく?」

 

 

アル「そんなのアウトローじゃないわ!今回ばかりはナツム1人の手柄にさせないわよ!」

 

 

彼がここに入ってからは、頼まれてくる依頼はほとんど彼1人でこなしてしまう。

まあ社長が最後にやらかしたりしてあまり報酬は手元には残らないけど…

 

 

ムツキ「今回もアルちゃんが何かしてくれそうで面白そうだね☆」

 

 

アル「そんなことはいいから私たちもブラックマーケットに行くわよ!」

 

 

ハルカ「はっ、はい!アル様!」

 

 

カヨコ「はぁ…」

 

 

結局、こうなるのね。

 

 





ちなみにナツムは転生者ですけど、ブルアカの記憶があるわけではないです。
なのでこの後に起こる出来事とかも分かっていません。
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