ブルーアーカイブ二次創作 要塞奔走!ザ・スクランブル・フォートレス!   作:よるめく

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なんか思いついたのでまた見切り発車だ。
オチは考えてあるし色々設定も思いついたので…続くかもしれない!


第1話 ウォータイム流来客歓迎

「……ここで合ってる、よね?」

 

 先生は送られてきた手紙の住所と目の前にそびえる建物を見比べ、そのあまりの威容に立ち尽くした。

 

 要塞。灰色の、あらゆる敵の進軍を阻む巨大な城壁がそこにある。

 空を区切るほど高く、果てが見えないほど幅広い。壁には大砲や機関銃が顔を覗かせる穴がいくつか空いており、恐ろしく物々しい雰囲気を醸し出していた。

 

 なぜこんな場所に来ることとなったのか? それはもちろん、シャーレに援助を求める手紙が来たからである。

 

 送り主は、ウォータイム硝園(しょうえん)学校要塞部。荒野に座した学園であり、武器や兵器開発に力を入れているのだという。その開発力も、この巨大要塞を見れば謙虚な表現だ。

 

「とりあえず、中に入らないと。入り口は……」

 

 手紙を見ながら一歩踏み出す。次の瞬間、要塞からけたたましいサイレンが放たれた。

 

 要塞のシャッターが次々と開き、警備ロボットと生徒たちが駆け出してくる。先生はたちまち包囲され、四方八方から銃を突きつけられる羽目になった。

 

「動くな! 何者だ貴様!」

「見ない顔だが、さてはゲヘナか? それともゲヘナか!?」

「おのれゲヘナめ! 人畜無害そうな顔をしているが騙されないぞ!」

「ここに温泉が無いことはウォータイム温泉壊滅部が既に調査済みだ! 私たちにやられるか、私たちにボコボコにされるか、私たちに吹き飛ばされるか好きな方を選べ!」

「それって選択肢全く無いよね!?」

 

 慌ててハンズアップしながら先生は叫んだ。

 

 このパターン、なんか前にもあったような。そうだ、イチカとゲヘナ行きの鉄道に乗った時もこんな感じだった気がする。あの時もこんな感じの剣幕でいきなり怒られたのだった。

 

 あの時は結局暴力と暴動で切り抜けた(?)が、今回はそうもいかない。先生は身一つであり、近くに頼れる生徒もいない。

 さてどうしたものか、と考えていると、包囲網を形成する生徒のひとりが掲げられた先生の手に目を向けた。

 

「……ん? おい待て。貴様、その手に持っているのはなんだ。温泉開発計画書か?」

「い、いや……ここの要塞部の子から送られた手紙だけど……」

「手紙? 要塞部から?」

 

 警備員らしき生徒たちは顔を見合わせると、改めて銃を突き付けてくる。

 

「その手紙を足元におけ。妙な真似はするなよ。温泉開発や美食の探求を始めたら、この最新式アサルトライフル“スーパーウォータイムブラザーズ”が火を噴くぞ」

「個性的なネーミングだね……」

 

 いや、ツッコミどころは他にあったか。なんてことを考えながら、先生は手紙を足元に置く。

 包囲網から飛び出してきたロボットアーム付きラジコンが手紙を拾い、隊長らしき生徒の下へ運んでいった。

 

 隊列から一歩下がった隊長は手紙を読むと、先生をまじまじと観察したのち、命令を出した。

 

「総員、銃を上げろ! その方はシャーレの先生だ」

「シャーレ……?」

「シャーレってあの……?」

「ミレニアムの生徒にバニーガールの恰好をさせて奉仕させているって噂の……?」

 

 最後の発言には反論したいが、半分事実だけに言い返しづらい。

 今度からトキやアカネには注意しておこうと決心していると、隊長は渋い顔をしながら道を開けた。

 

「……要塞部部長直筆のサインもある。なら、まあ、いいだろう。だがおかしな真似は決してするなよ。我々はお前を見ている。入浴中でも水泳中でも着替え中でもだ!」

「覗きはやめてね……?」

「黙れ! さっさと歩け!」

 

 背中を銃口で小突かれた先生は、早足で要塞の中へと入った。

 

 中を通って学区を抜け、連れて行かれた場所もまた要塞である。今度はややこじんまりとしていたが、立派に要塞と呼んでよいものだろう。

 廊下とエレベーターを抜けて最上階へ赴くと、コタツ付きの和室で三人組の生徒が先生を待ち受けていた。

 

「ようこそ、シャーレの先生! よくぞいらっしゃいました!」

「此度は我々、要塞部のヘルプに応じてくださって感謝感激砲弾あられ!」

 

 ばん、ばん、とセルフ効果音を伴って、まず二人がポーズを決める。

 作業用ゴーグルを身に着けた二年生、全身に定規や分度器を装備した二年生。二人はセルフ効果音を鳴らしてポーズを変えつつ、自己紹介を行った。

 

「私は要塞部の警備システム開発担当、火砲見ひづつみホミカ!」

「何を隠そう要塞建設設計担当、杭桐くいぎりウリア!」

「そしてこの方が! 要塞開発総責任者の将杯しょうばいミコ部長で~す!」

「う~~~~~~~~~~む!」

 

 頑丈そうな小型コンテナの上で仁王立ちした、ネックウォーマーで鼻まで隠した三年生が胸を張った。

 

 先生は頷いて熱烈な歓迎を受け止める。

 

「よろしくね、ホミカ、ウリア、ミコ」

「う~~~~~~む! ……このたびは遠路はるばるいらっしゃいまして、誠にありがとうございます」

 

 ミコはペコリと頭を下げた。案外礼儀正しい子である。

 

 自己紹介もそこそこに、三人と先生はコタツに入った。ホミカがチョコケーキとカフェオレを出してくれる。有難く頂きながら、本題に入った。

 

「それで……何か困っているって話だったけど」

「困ってるというか、困らされているといいますか……」

 

 先ほどの元気っぷりが嘘のように、ホミカは溜息を吐いた。

 ウリアがチョコケーキを頬張りながら続ける。

 

「学区に入る時に見たと思うけど、うちら要塞部はこの学園の要塞建築を一手に担ってます。建築した後の整備、建築素材の搬入と保管、そして設計から全部です。しかしですねぇ、最近色んな事に支障が出ているというか。色々ありすぎて何から話せばいいかわからないというか」

「う~~~~~~~~~~~む……」

「部長の言う通り、最近他校からの襲撃が頻発していたり、保管していた資材が消えたり、要塞内にセキュリティホールが突如として出現していたりです」

「原因はわからないの?」

「調べているのですが、さっぱり」

 

 ミコに口周りを拭ってもらうウリアだったが、困り顔まではぬぐいきれない。

 どうやら、ただ要塞に問題があるというわけではないらしい。

 

「もちろん、うちらも手をこまねいてはいませんよ? 資材倉庫の警備を厳重にしたり、セキュリティホールを刷新したり、色々やってます。でも次から次へと問題が起きて対処が追い付かず、ウォータイムの生徒会からも難癖をつけられ始める有様で」

「難癖どころじゃないよ、ウリアちゃん。このままじゃ廃部の危機だよ……」

「廃部?」

「……うぅ~~~~~~~~~~~~~むむむむむ……」

 

 ミコが眉間に深い皺を刻む。

 

 ウォータイム硝園学校は、多くの学校と協定を結んでいる。

 例えばミレニアム。警備システムや新規武装、新素材の開発を共同で行い、ウォータイムでそれを試す。

 例えばハイランダー鉄道学園。線路や特殊装甲車両を共同開発し、強固なウォータイム学区内で一時的な整備や路線変更や臨時車両の保管をしている。

 例えばオデュッセイア海洋高等学校。船舶に使われる鋼板や防衛システムにウォータイムが技術提供を行っている。

 

「で、要塞部はそのほとんどの協定に関わっているわけで、必然的に多くの技術を受け取ったり送り出したりしてるわけです」

「でも、もし他校から渡された技術を盗まれたりしたら? 他校に送り出した技術に欠陥があったりしたら? それはもう、ウォータイム全体の信用問題にかかわってくる。なまじ、要塞部はウォータイムの技術の結晶みたいなところがあるからなおさら……」

「う~~~~~~~~~~~む」

「というわけでお願い先生! 最近事件を起こしてる犯人を捕まえるのを手伝って!」

「うん、いいよ」

 

 カフェオレを啜りながらふたつ返事をすると、三人は目を丸くした。

 

 先生は三人を真っ直ぐに見つめて、力強く頷く。

 

「い、いいの? 本当に? そんなあっさり?」

「もちろん。困っているなら、力になるよ」

 

 ミコが不意に立ちあがり、先生の隣に回り込んでくる。

 彼女はその場で正座をすると、三つ指をついて深々と頭を下げた。

 

「……先生、ご協力に感謝いたします」

「お礼を言うのはまだ早いよ」

 

 先生はカフェオレを飲み干すと、コタツから立ち上がった。

 

「それじゃあ、行動を始めようか!」

「「はい!」」

「うう~~~~~~~~~~~……むっ!」

 

 

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