「これは、一体どういうことだ?」
今俺は、衝撃の光景を目の当たりにしている。
今俺の目の前には、俺のいた時代よりも遥か上の文明を持った都市が存在していたのである。
確かここは最初に人型の哺乳類を見つけた場所のはずだ。
こんな高度な文明はいままで見たことが無く、映画の中だけの存在だけだと思っていたが。
こんなことになった理由はなんとなく分かっている。
最初に集落を見つけ号泣した後、早速コンタクトを取ろうとして何か一言をしゃべろうとしたが、ふと気付いた。
この時代には「言葉」というものが存在してはいない。
そこで俺は身振り手振りを使い何とかコミュニケーションをとることにした。
何とか伝わったらしく、しばらくの間その集落においてもらえることとなった。
しばらくたって、いい加減ジャスチャーがめんどくさくなってきた俺は、その集落の人達に「言葉」を教えた。
最初は初めて見る文字に難色を示していた彼らだったが、次第に「言葉」を覚えていき何ヶ月も経つと俺との意思疎通は容易なものとなっていた。
さて、そんな彼らだが何ヶ月たっても代わり映えしない俺に段々と怪しい目を向けるようになってきた。
これは被害妄想かもしれない。
だがことが大事にならないように退散した方がいい。
そう考えた俺は夜中にこっそりと集落を抜け出し、再び放浪の身となった。
そんな放浪の旅の中ふと「言葉」を教えた集落のことを思い出しなんとなく立ち寄ってみたくなったのでふらりとまた集落へと戻ってきたと言うわけで冒頭の部分へと戻るのだが。
「もしかして、これって俺のせいなのか?」
いや、俺が教えたのは「言葉」だけだ。
こんな高度な「文明」や「文化」は何一つ教えてはいない。
「だとしたら、これはあの集落の中で考え出されたというのか?」
どうやらこの時代の人間は相当な頭脳をもっているらしい。
と考えをめぐらせていた時だった。
「キャアアアアーーーーーーー」
まるでガラスを引っかいたような悲鳴が聞こえた。
その悲鳴を頼りに走る。しばらく走り草木を掻き分けるとそこには今まさに恐竜に襲われそうな一人の少女が居た。
それを見た俺は迷わずに飛び出し、恐竜の顔面にとび蹴りを食らわせた。