えっ!?トリニティで血の教えを!?   作:ふぃーあ

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今回はアミ目線の強化だけ回です


今こそ、昇華の時……え、ミカさんって追憶枠なんです?

「まず、ルーンの整理を始めよう」

 

 そう言ったメリナさんが私の前で目を閉じると、私の身体から膨大な量の光が抜けていきます。ぎょっとしたものですが、黙って見守っていると、瞳を開いたメリナさんは不思議そうに首を傾げていました。

 

「……多くない?」

「……どんくらい、ありますぅー?」

「概算だけど……110万ルーンくらい」

 

 110万ルーンですか。……どんくらいなのか、分かんないですねぇ。全然、分からない。

 

「それってその……どのくらいで……」

「ハチャメチャに多い」

「ハチャメチャに」

 

 メリナさんの口から出た「ハチャメチャ」という語彙に驚いて思わずオウム返しにしてしまいましたが、とんでもない量のようですね。

 

「何を倒したらここまで……?」

「……知り合いとエルデの獣を倒したんですよ」

「……エルデの獣(500000ルーン)

 

 メリナさんが黙り込んでしまわれました。ですがまだまだ終わりませんよ……!! 

 

「あと心中に宿るモーグさんを倒して」

血の君主(420000ルーン)……」

「これだと計算、合いませんか?」

 

 メリナさんは少し考えてから、追憶、と口に出してこちらを見た。

 

「追憶ってもの、貰った?」

「……貰った記憶は、ありませんが……」

「なら、それもおそらく撃破時にルーンとして回収されているから……およそ9万ルーンを加算して……それでも約9万ルーンほど足りないのは……今までの経験、ということなのかもしれない。それか、強大な相手に打ち勝ったことがあったとか、なにかその相手の一部を身体に取り込んだとか」

 

 身体に取り込み……身体に、取り込み? 

 

(モーグさーん?)

(何用だ、アミ)

(《数え上げる呪い》ってアレ取り込む技ですよねー?)

(然り。相手の血を読み、血を飲み、血を喰らい、新たな力を手に入れるのが我が《数え上げる呪い》よ)

(……すぅ。そうです、か)

 

 心中のモーグさんサポートによって、結論が出ました。

 

「メリナさん。たぶん、とある人と戦った時にちょっと多くの血を取り込んだのでそれじゃないかと……」

「……なるほど。まあ……出処は、聞かないでおく。それじゃあ、選んで……なにを、あなたは強くしたい?」

 

 メリナさんが話し出す。此度の強化において、選ぶことが出来る力のことを。

 

「生命力、精神力、持久力、筋力、技量、知力、信仰、神秘。開かれた道は多岐に及ぶ……私の知る通りに強化されるわけではないことは、アビドスのみんなで試した時に分かったから、この世界じゃどうなるかはわからない。恐らくは『文字通りに』そのステータスが強化されていくと思う」

「この世界の摂理において、この量のルーンを一度に強くなるため使えば慣れるまでは日常生活にすら支障をきたすかもしれない。だから、ある程度で止めておくことを勧める」

 

 メリナさんがそう言葉を結ぶのを聞いてから、私はあえてそれを笑う。

 

「ふふ、いいでしょうとも。メリナさん、どの程度強化できるのですか?」

「ルーンの必要量は昇華一度ごとに上昇する。私の感覚的には、最初期のステータスであるならば80回分の昇華に必要な量があるという認識」

「なるほど。で、いっぺんに上げられるんですよね?」

「もちろん、だけどオススメは……」

 

 口角を吊り上げる。甘えたこといってんじゃあないぞ、と。そう口に出すまでもない。

 

「んふっ……決まってるじゃあないですか? 必ずモノにしますから、フルパワー、ドンと行きましょうよ……あ、どれ上げるかはちょっと相談の上で」

 

 そう笑って言ってから、心中へ一言。

 

(で、どうしましょうか)

(筋力と、神秘を上げよ。次いで、技量を上げよ)

(その心は?)

(我が聖槍はその力を発揮するためにある程度の力と神秘、そしてわずかながらの技を求める。やはりお前が私の別世界の並行存在のようなものであるとするなら同様のモノを本来は必要としてもおかしくはないはずだ)

 

 向こう……狭間の地にあるオリジナルの「モーグウィンの聖槍」は筋力と神秘、そして少しの技量を用いる武器。その似姿である私の「血炎教団(モーグウィン)の聖槍」もまた、そうだろうという意見に論理的な破綻はないように思えます。

 

(なるほど。では、残りは?)

(耐久関連の力がこの世界に生きる生徒とやらに必要とは思わぬ。こと、お前に関してはなお無用の長物になりかねんだろうよ。今までの戦闘法で行くのであれば、先の三つでよかろう)

(信仰、というものは良いので?)

(はっ、貴様に信仰がなければ誰が信者か)

(ごもっともで……)

 

 そんなわけで相談終了。

 

「とりあえずキリのいい感じに神秘と筋力と技量を上げましょう! 優先は神秘で!!」

「わかった。では、儀式を始める……」

 

 数分か、数十分かした後。儀式の終わった体をグッと伸ばした私は一言。

 

「変わった気が! しない!!」

「神秘ばっかり上げようとするから……!」

 

 メリナさん、渾身の一言。

 

 一応メリナさん曰く「筋力30技量20神秘50で振ってみた」とのことですが……ほんとわかんないです。神秘って、なんなんでしょう? 

 

 あとこれは以前からメリナさんが気づいていたらしいことなのですが、キヴォトスの生徒たちのステータス、それぞれ固有の数値が加算されたり数字が固定されたりしているようです。

 

 ホシノさんがブッチギリで「ヤバい」補正をしているようで、次点で私だそうです。聞いた感じ私の補正も相当ヤバイんですけどそれ超えるってなんですか? 

 

「『最初の信仰が70以下なら70にして以降の計算を行う』ってスゴすぎますけどねぇ……この世界の人達の平均的な信仰、10なんですよね?」

「どうしてもホシノさんの補正には勝てない。……アレは、別格……!」

「えー……正直ちょっと気になるんですけど教えてもらえたりとかって……」

「プライバシーってものもあるって教わったばかりだから……」

 

 そうですか、残念です……と言いつつも諦めません。そのうち絶対知ってやりますからね小鳥遊ホシノ……! キヴォトスナンバーワンの激ヤバ補正、確かめてやります……! 

 

「とりあえず、戻りましょうか」

「えぇ……とりあえず、やりたかったことは終えられた。私が案内するから、ついてきて。会議しているであろう教室は3階にある」

「はい、お任せしますね。とりあえず扉を……」

 

 少し調子が良くなったか? 気のせいかと訝しみながらもドアノブを掴み、捻り……猛烈な強化された力でひねりあげられたノブが弾け飛んだ。

 

「「あっ」」

「……すぅー……いい天気ですね」

「無理がある。アビドスは毎日快晴」

「なかったことには?」

「ならない。だからオススメしないと言った……!」

 

 この後中に入る手段を失ったので仕方なくラミナに刻んでおいたサインを使ってワープしました。力の制御……覚えておいた方が良さそうですね……。

 

 




・キヴォトス人のステータス

ヘイローによって庇護されているが故、ある程度のラインの耐久性能補正と神秘補正が統一で付与されているようにメリナからは見える。

また、一部生徒は特別な補正を持っており、アミの補正は作中通り「計算前、信仰が70以下の時、70として扱う」。

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