聖園ミカを虐めている生徒の日記   作:メヌエットゆりー

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六記目

 

 α月◯日

 

 山々が紅葉して少しの寂しさを感じさせる秋に私は本を買った。

 読書の秋なのでサスペンス小説とユーキャンの本を数冊買い漁り、資格習得のための勉強をしていると、窓から見えたお月様に惹かれた。寮の屋上へ移動した私は月に見立てた団子と月そのものを楽しんだ。やはり花鳥風月とは良い物だ。

 

 今日も聖園ミカを虐めてやったぜ。何故かアイツのプリクラ写真が学校の壁に貼られていたから焼き芋をする時の燃料にしてやったぜ。自分の写真を燃やされた挙句、焚き付けにされたんだから悔しいだろう。しかも壷焼きで焼いた焼き芋を職員に配ってやった。そして聖園ミカにもだ。自分の写真を焼いた火で作られた焼き芋の味はさぞ不味いだろう。私からしたら絶品だったがな。

 

 

 α月×日

 

 秋の夕暮れ。朱色に染まった世界がいつもとは違う日常であることを証明する。黄昏という幻想が今日の終わりを告げる瞬間は儚くも美しく、何も考えていない子供の頃を思い出させた。と言っても今もまだまだ子供だけど。

 

 今日は学校を休んだ。理由は聖園ミカの弱点を探るためだ。

 手始めに寮の職員に許可をもらい、電気工事士の資格を一種も二種も持つ私は聖園ミカが使用している屋根裏部屋に電気ケーブルを繋げた。盗聴器を設置したいのにコンセントが無いことに気づいたからだ。

 今日はコンセントを完成させた段階で聖園ミカが帰って来てしまったため、盗聴器は仕掛けられなかった。やはりいつでも記録できるようにWi-Fiを設置する前に盗聴器を仕掛けるべきだったぜ。

 

 

 α月⬜︎日

 

 コオロギやキリギリスの虫の音は結構好きだ。しかし虫本体は嫌いだ。生理的に受け付けない。特に夏のセミはうるさいし気持ち悪いしで。Gが出ないだけマシだと思っておこう。こんなことを書いているのは私とは違う寮の部屋で虫が大量発生したからだ。

 

 今日も虐めてやったぜ。アイツに贈られていたプレゼントボックスを盗み出して元の送り主の元へ返してやった。もちろん返された相手は開けてから驚くようにプレゼントボックスは違う物に入れ替えて、中身の箱はそのままにした。

 せっかくプレゼントを贈ったのにお手紙も付けずにそのまま返される。これでアイツにプレゼントを贈るような仲のいい友人もいなくなったに違いない。

 

 

 α月△日

 

 今日は暑くも寒くもない良い日だ。こんな日がずっと続けばいいのにと思ってしまう。しかし早く寒くなってほしいとも願う。何故なら炬燵で食べるアイスほど背徳感のある食べ物はないからだ。

 

 今日は聖園ミカに圧倒的な差を見せつけてやった。

 芸術の時間で私と聖園ミカはペアになってしまった。決して同年代の人と話すのが苦手な私とハブられている聖園ミカの余り物どうしで組んだわけではない。クラス委員長が組めと言ってきたから仕方なく組んだだけだ。

 そんなわけで私と聖園ミカでお互いの似顔絵を描くことになったのだが、似顔絵検定準一級持ちの私が書いた聖園ミカの似顔絵と、素人の聖園ミカが書いた私の似顔絵の完成度の違いを見せつけてやったのだ。

 

 

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