聖園ミカを虐めている生徒の日記   作:メヌエットゆりー

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八記目

 

 

 γ月◯日

 

 今日は肌寒い日だった。世間ではコートを着た人やカイロを持った人が見られて季節の変わり目を感じる。

 個人的に冬は好きだ。肌が少し痛くなるような冷たさと心身を温めてくれる炬燵のコントラストは庶民の贅沢だと思ってもいい。

 

 今日も聖園ミカを虐めてやったぜ。学校中に教科書を隠すという学生としてあるまじき行為をしていたので全てロッカーの中に戻してやった。おそらく聖園ミカは勉強や授業が嫌になって教科書を隠したのだろう。そうしたら勉強ができない免罪符が作れるからだ。それも学校に隠したのは寮だと定期的に調査が入るからと予想したぜ。しかし私がそのようなことを許すはずがない。1時間目から真面目につまらない授業を受けることだな。

 

 

 γ月×日

 

 シクラメンが咲いていた。冬の代表的な花を見かけると少し気分が良くなる。冬という植物があまり咲かない時期でも美しく咲き誇るその姿には一種の尊敬に近い感情が湧いてしまう。私もシクラメンのように強い人になれたらな。

 

 今日も聖園ミカを虐めてやったぜ。聖園ミカの部屋にエアコンを設置して冷房をつけといてやった。聖園ミカが学校から寮に帰る頃にはキンキンに冷えた部屋で凍えて眠ることになるだろう。リモコンですぐに切れるとはいえ寒い部屋で過ごすのはさぞかし辛いだろう。もしかしたら風邪を引くかもしれない。流石にやりすぎたかな……

 

 

 γ月△日

 

 冬の寒さが辛くなった今日。鍋を作るためにネギとツミレなどを買った。鳥よりも豚の方が安かったので豚でツミレを作ったけどとても美味しくできた。

 

 今日は聖園ミカを虐めなかった。虐めれなかったのではない。虐めなかったのだ。理由は聖園ミカが風邪を引いてしまったからだ。流石に病人相手を虐めれるほど性格が終わっているわけではない。

 私の虐めが原因で風邪を引いてしまったので早く治せるように加湿器や羽毛布団などを聖園ミカの部屋に置いてきた。

 それと風邪を他の人に移さないためにもアイツの部屋の前にガスマスクを用意して、お見舞いに来た人に付けてもらった。先生から「ありがとう」と言われたけどマッチポンプで褒められても全く嬉しくなくて、死にたくなった。

 

 

 γ月⬜︎日

 

 今日は風邪を引いて辛いので手短かに書く。未来の自分よ、すまない。

 

 今日は学校を休んで一日中寝込んでいた。心配してお見舞いに来る友達もいない。職員のおっちゃんが連絡をくれた以外は寝ているだけだと思っていたけど部屋の前に袋に入ったプリンが置いてあった。それも私宛と分かるように名前まで書いていた。誰がやったのかはわからないけどプリンは美味しかった。

 

 

 

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