2人を殴ってお説教した後、私は遅めの昼食を作っていた。
メニューは親子丼だ。
「なぁ猫」
「なんだ小僧」
「夏目って怒るとあんな怖えかよ」
「私も初めて知った。レイコの血を引くだけある」
「レイコ?」
「あやつの母親だ」
「ふぅ〜ん」
2人は頭に漫画みたいなたんこぶをつけてヒソヒソ話していた。
「できましたよ〜」
「「まってました!!」」
2人と一緒にご飯を食べる。
五条君の先生も美味しいと食べてくれたので作ったかいがあった。
「なぁ、夕飯も一緒に食っていいか?」
「えっ?構わないけど?」
「ほんとか!!?」
「うっうん」
そんなにイケメンフェイスを近づけないで!!
人とあんまり関わってこなかったボッチには眩しすぎるよぉ!!!
「よっしゃ!約束だかんな!」
そう言って五条君は食堂をでていった。
「随分と懐かれたな夏目」
「うん。そうだねぇ。こんなこと初めてだから驚いちゃったよ」
私はそう言って食器を片付けて先生と部屋に戻っていった。
ー五条ー
初めて見た時はなんかナヨっとした奴だと思った。
でも六眼でよく見てみると俺の知らない術式を持ってるし、連れてる呪霊も相当なものだったかた興味が出た。
スーパーに行くと言うからついて行ってみた。
初めてスーパーに入った。
ホントにいろんな物が売っていて驚いた。
いつも家で食っていたお菓子じゃないお菓子があんなにあるなんて!
店にあるもの全部買い占めたかったけど止められた。
かいみが終わってから車に戻ると猫が酒がないと騒いでいた。
高野が買いに行ったからなんとかなったけど、使役している呪霊に何かを買い与えるのは不思議に思った。
聞いてみたら親から受け継いだ物だから大切にしたいと言っていた。
本当に変わった奴。
俺にはそんなものがないからちょっと羨ましかった。
スーパーから帰ってきて、食堂で夏目と言い合っている猫をおちょくった。
そしたら猫がキレて白くてデカい犬みたいになのに化けた。
いや、こっちが本来の姿だろう。呪力が半端ねぇ。
でも俺って最強だから負ける気がしねぇ!
猫とやり合おうとした瞬間、頭に強烈な痛みが走った。
はっ?どういうことだよ?今の俺は無下限発動してるから誰も俺に触れられないはずだろ?
何が起きたかわからない俺は顔を上げるとそこには、目に光がない夏目が木製のバットを担ぎながらこちらを見ていた。
あっこれはなんかやばい予感がする。
案の定俺と猫はまたバットで殴られて説教された。
今までで一番怖かったけど、俺のことを心配してくれていることが伝わってきてなんか嬉しかった。
けどもう夏目は怒らせないようにしようと思う。
夏目が作ってくれた親子丼を一緒に食べた。
誰かと食事するなんて初めてだった。
夏目が作ってくれた親子丼は今まで家で出されていた高級食材を使った料理よりも美味しくて温かかった。
図々しかったかもしれないけど晩ごはんも一緒に食う約束をした。
誰かと食う飯がこんなに楽しみだなんて初めての経験だ。
夏目と出会ってから初めてをたくさん経験した。
きっとこれからもいろんな初めてを経験するだろう。
最初は来る気なかった呪術高専に着てよかったと今は思っている。
ー五条endー
先生と部屋に戻るために廊下を歩いていると夏油君を見かけた。
「夏油君」
「やあ、夏目さん。それにポンタも」
「ポンタって先生のこと?」
「ああ。私にはどうしてもそれが猫に見えなくてね」
まぁ確かに先生はその辺にいる猫には見えないよねぇ
「おい夏目、この変な前髪したやつ食っていいか?」
「そんな事したらお酒なしにするから」
「チッ!命拾いしたなチョウチンアンコウ」
「呪霊ごときがあまり調子に乗るなよ?」
「ふんっ、貴様こそあの時ビビッて動けなかったくせに強がるでない!!」
あの時って私が夜蛾先生の可愛いたちにボコられていた時のことかな?
「お前如きにビビる?冗談はそのふざけた顔だけにしてくれ」
「貴様といいあの小僧といい、ここには身の程知らずのアホォしかいないのか?」
先生から良くない気配があふれ出してきている。
「君こそ身の程を弁えろ呪霊が!」
夏油くんの周りから呪霊がたくさん出てきた!!
もう!さっき喧嘩止めたばっかりなのにまたこんな展開になるなんて!!
とりあえず私は先生をバットで殴る。
ゴチンッ!
「うごっ!!」
「先生?さっき喧嘩はダメだって言ったよね?」
「何でお前は口より先に手が出るのだ!!」
「だって先生私が言っても聞かないんだからしょうがないじゃん?」
言ってもわからないならそうするしかないよね?
「夏油君もあんまり先生を挑発しないでね?」
「あっああ。わかったよ」
なんでだろう?夏油君が引いてる気がするのは。
「それじゃあ夏油君、学校でね」
「うん、学校で」
私は先生と部屋に戻っていった。
ー夏油ー
彼女と関わるようになったのは呪術高専に来る前の任務で出会ったのがきっかけだった。
彼女とは同じ学校で同じクラスであったが一言も話したことなどなかった。
いつも彼女は一人でいて毎日つまらなそうにしていたのが印象的だった。
きっとこのまま関わることなんてないであろうと思っていたがあの日、強力な呪霊と強大な呪力をもって現れた。
今まで同じクラスでこんな呪力を感じたことなんてなかった。
詳しく聞いたら亡くなった母親の遺品からこの呪霊が出てきたのだという。
縛りによって従えていると言っていたがこんな強力な呪霊と縛りを結べるなんて彼女の母親は何者なのだろうか?。
彼女を連れて高専にやってきた。
ついた時に呪霊と漫才をしていたのには笑った。
ああ、意識せずに笑ってしまったのはいついらいだろうか?。
高専の教師に何故高専に入るのかと聞かれた。
私はすぐに答えられたが彼女は答えられなかった。
無理もない。彼女は数日前までは一般人だったのだから。
教師の呪術に手も足も出ないでボコボコにされていた。
ここに連れてきたのは私なので助けようと思った時、彼女の連れている呪霊が本来の姿になった。
それを見て思った。勝てないと。
それと同時に嫉妬した。
何故私ではなく彼女にあんな力があるのかと。
彼女ではなく私だったらうまく使い人々のためになるのにと。
しかしないものを願っていてもしょうがないので今ある力を伸ばすことを考える。
彼女も無事に高専に入学することができた。
きっと彼女が自分の力を知れば強くなるだろう。
それは良いことだ。
強い人が多くなればそれだけ弱い人を守ることができる。
弱者生存。それが私が掲げているものなのだから。
ー夏油endー
部屋に戻ってきた私は気になったことを先生に聞いてみることにした。
「ねぇ先生」
「ん?何だ?」
「友人帳に名前がある呪霊を呼び出すのってどうすればいいの?」
「そんなものお前が命じれば出てくるさ」
「そうなの?」
「試しに呼んでみろ。そうだなぁヒノエなら呼んでも大丈夫だろ」
「うん、わかった」
私は目をつぶり集中する。
「我を守りし者よ我が呼びかけに応じ姿を見せよ。ヒノエ」
ボンッ!!
煙の中から出てきたのは着物を着た綺麗な女性だった。
えっ!?この人ホントに呪霊なの!?
驚いている私と目があった瞬間ヒノエは私に抱きついてきた。
「レイコォォォ!!やっと私を呼んでくれたんだねぇ!!誰を呪い殺すんだい?私が必ず呪い殺してやるから安心しな!!レイコレイコレイコレイコ!!おや?胸が少し育ってるねぇ?」
「おいヒノエ、そいつはレイコではないぞ?」
「んん?その声は斑かい?なんだいその見た目は?アッハハハハハッおかしな姿だねぇ」
「やかましい!!それより夏目を離せ!そいつはレイコではなくレイコの娘だ!」
「はっ?娘?娘だってぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!?」
ヒノエの叫ぶ声が高専の寮に響き渡ったのだった。