呪術師と友人帳   作:ヒキニックニク

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 夜蛾先生に3人が怒られてから数ヶ月。

私は相変わらず体力づくりをしながら呪霊を祓いに行ったりしている。

五条君と夏油君はすでに一級になっているので各地を飛び回っていて最近なかなか会えていない。

硝子ちゃん(呼べと言われた)は任務で怪我をした人たちを反転術式で治療したり医学の勉強をしたりしていた。

今日は任務があるのでニャンコ先生をつれて現場に向かっていた。

運転手は高野さんだった。

 

「今回の任務は三級呪霊を2体祓ってもらいます。夏目さんはまだ四級なので現地にて冥冥一級術師とあたってもらいます」

 

「はい。わかりました」

 

私は四級なので1人で任務を受けることができない。

だからいつも二級以上の人と一緒である。

現場につくとそこには白髪をポニーテールにして黒い服を着たきれいな女性が立っていた。

 

「おまたせいたしました冥冥さん。彼女が今回一緒に任務にあたる夏目さんです」

 

「夏目星羅です。今回はよろしくお願いします」

 

「よろしく夏目。君のことは五条君から聞いてるよ」

 

「五条君から?」

 

「ああ。面白くてご飯が美味しいくて怒らすと怖いって聞いたよ」

 

なんてことを言うんだ!私のどこが怖いんだ!!

これは今度あったらお話をしなくてはならない!!

 

「それでは帳をおろします。ご武運を」

 

そう言って高野さんが帳をおろす。

何度見ても帳がおりるところは不思議だ。

 

「それじゃあ行こうか夏目。言っておくが私は今回手は出さないよ?」

 

「えっ?」

 

「私の任務は夏目がどの程度できるか見ることさ。それ以外の料金はもらってないからね」

 

今回は私一人でなんとかしなくてはならないらしい。

今までは他の人がサポートしてくれたからなんとかなったけど。

でもやるしかないんだ!それに私には先生がついてるから大丈夫!!

私はバットをかまえて呪霊がいる建物に入っていく。

ここは山奥にある有名な自殺スポットである廃ビル。

もともとこのビルは宿泊施設であったがバブル崩壊と共に廃れていったらしい。

取り壊しもせずに放置していたこのビルで集団自殺が行われそこから有名な自殺スポットになり、ここで自殺する人が跡を絶たなくなった。

その人たちの負の感情が呪霊を産みここに住み着いたというのだ。

手がふさがるとバットが使えないのでヘッドライトをつけて進む。

冥冥さんはなにもつけずに後ろを歩いている。

呪霊の気配はあるが私では正確な位置まではわからない。

しばらく歩いていると四級程度の小さい呪霊が群れを作っていた。

こういう小さい群れを祓うのは苦手だ。

私の戦闘スタイルは呪力を流したバットで殴るなので相手が小さいと当てにくいのだ。

こういうのは先生に任せるのが一番である。

 

「先生、お願いできる?」

 

「ん?その棒きれを振り回せばいいではないか?」

 

「そうだけど、先生がやってくれたほうが早いから」

 

「ふんっやなこった。めんどくさい」

 

「そんな事言わずにやってよぉ」

 

「私はタダ働きはせん!」

 

むぅ、仕方ない。

 

「今日の任務手伝ってくれたら今晩はお酒2本飲んでいいから!!」

 

「酒2本と七辻屋の饅頭で手を貸してやる」

 

先生はお酒が好きだが甘いものも好きだ。

特に最近は五条君が教えてくれた七辻屋がお気に入りである。

五条君おすすめのお店だから美味しいんだけどお高いのだ。

呪霊討伐でお金がもらえるがまだ四級なのでそんなにもらえてないから痛い出費になってしまう。

けれど先生の助力がないと祓いきれないのでしょうがない。

友人帳で他の呪霊を呼ぶのは冥冥さんがいるのでやめておいたほうが良いだろう。

 

「はあぁ、わかったよ。帰りに買って帰ろ」

 

「よぉし!!ならばさっさとやるぞ!早くしないと七辻屋が閉まってしまう!!」

 

先生がやる気なって良かったけど痛い出費だなぁ。

そう思っていると先生は呪霊の群れに向かって光を放ち群れを一瞬で祓ってしまった。

 

「終わったぞ夏目。さっさと次に行くぞー!」

 

「はいはい」

 

ずんずんと進んでいく先生の後を歩いていると後ろからクスクスと笑い声が聞こえたので振り返ると冥冥さんが笑っていた。

何がそんなに面白いのかと首を傾げる。

 

「ああ、すまない。君たちのやり取りがおかしくてね」

 

「おかしいですか?」

 

「うん。本来は使役している呪霊は言うことを素直に聞くものさ。それなのに君たちはふふふっ。五条君がおもしろいと言っていたのがわかったよ」

 

確かに私とニャンコ先生は他とは違う。

先生が私といるのは母と結んだ縛りゆえであり私と直接結んだわけではない。

夏油君の呪霊のように私に従っているのではない。

それはきっと友人帳に名がある呪霊もそうであろう。

母が従えたのであって私は娘ってだけで受け継いだに過ぎない。

ヒノエやミスズは友好的であったが他の呪霊がそうとは限らない。

友人帳の力で従わせているが私に良い感情をもっていないかもしれない。

そんなマイナスなことを考えていると先生に頬を叩かれた。

 

「えっ!?せんっせい?」

 

「なにを考えているが知らんがさっさと呪霊を祓え!七辻屋が閉まってしまうではないか!!」

 

そうだ今は任務に集中しなきゃ!

気持ちを切り替えて先生と奥へ進み呪霊を祓っていく。

見つけた三級呪霊をバットでタコ殴りにして祓った。

その姿を見ていた先生と冥冥さんが若干引いていた。解せぬ。

祓い終わったので廃ビルを出て高野さんと合流する。

 

「任務お疲れ様でした」

 

そう言って後部座席のドアを開けてくれる。

 

「ありがとうございます高野さん。冥冥さんもお疲れ様でした」

 

「お疲れ様夏目。また機会があったら会おう」

 

冥冥さんはそう言って帰っていった。

 

「私達も帰りましょう夏目さん」

 

「あっはい」

 

私が車に乗ると高野さんは車を走らせる。

 

「おい夏目、七辻屋によるのを忘れるなよ?」

 

「わかってるよ。すいません高野さん、七辻屋によってもらえますか?」

 

「かしこまりました」

 

高野さんに七辻屋によってもらい先生の好きな饅頭を買い高専に戻ってきた。

部屋につくと先生は早速饅頭を食べ始めた。

 

「あんまし食べたら夕飯食べられなくなっちゃうよ?」

 

先生にお茶をだしながらそう言う。

 

「心配するな!こんなの食べたうちにはいらん」

 

「そうですか」

 

私は饅頭を美味しそうに食べている先生を眺めながらさっき考えていたことを思い出す。

 

「ねぇ先生?」

 

「ん?なんだ?饅頭はあげないぞ?」

 

「それは大丈夫。聞きたいことがあるの」

 

「なんだ?」

 

「友人帳にある名前はお母さんが書かせたんだよね?」

 

「前にそういったろ?」

 

 

「その呪霊たちは私をどう思ってるのかなぁ?」

 

「ん??」

 

先生は何いってんだこいつって顔してた。

 

「ほら、友人帳は元々お母さんのものでしょ?その友人帳で従えている呪霊はお母さんを認めて名を書いたわかでしょ?その友人帳を娘ってだけで受け継いだ私のことを皆はどう思ってるのかなって」

 

もし認めてもらってないなら無理やり従えているみたいで嫌だ。

 

「全くお前はくだらんことを考えるなぁ」

 

「ええっ!くだらないって!」

 

「いいか?友人帳はそんじょそこらの奴らには使えん。力ある者を従えるにはそれなりの力が必要になる。友人帳を使うには膨大な呪力と資質が必要になる。もしお前に友人帳を使えるだけの呪力がなければあの時友人帳は反応しなかった。友人帳が反応したと言うことはその資質があると言うことだ。そんな者を見下す呪霊などいるわけがなかろうアホーめが!」

 

「そう、なの?私の呪力ってそんなに多いの?」

 

「お前の呪力は六眼の小僧の倍ぐらいあるぞ」

 

「そんなに!!?」

 

「レイコ亡き後友人帳がお前を選んだのだからお前は余計なことを考えんでよいのだ!それよりも夕飯のおかずを考える方を優先しろ!」

 

これはきっと先生なりに気を使ってくれているのだろう。

そうだよね。今の私があれこれ考えても何も出来ないもんね。

 

「うん、わかった。今日はヒレカツにするね!」

 

「ヒレカツ!!」

 

先生は目をハートにしてよろこんでいた。

そうと決まれば早速下ごしらえをしないとね!。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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