呪術師と友人帳   作:ヒキニックニク

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 夕飯を先生と食べて部屋に向かい廊下を歩いているとむこうから夏油君が歩いてきた。

 

「久しぶりだね夏油君」

 

「やあ夏目、調子はどうだい?」

 

「元気だよ。夏油君はお疲れだね」

 

前に会った時よりも顔がやつれているのがわかる。

 

「まぁ呪術師自体が少ないから私達に多くの任務がくるのは仕方のないことさ」

 

「明日はお休みなの?」

 

「うん。久しぶりに休めるよ」

 

「そっか。お休みの邪魔したらいけないから私はもう行くね?いこう先生」

 

私はそう言って先生と部屋に戻っていった。

 

次の日、私は教室で硝子ちゃんと話していた。

先生は硝子ちゃんに抱きかかえられている。

夜蛾先生はなにか用があるらしく今は自習である。

色々と話していたら夏油君が教室にきた。

 

「あれ?今日はお休みじゃなかったの?」

 

「部屋にいてもやることがなくてね。授業を受けに来たんだけど夜蛾先生は?」

 

「なんか用があるっていなくなった」

 

硝子ちゃんがそう答える。

 

「そうか。それなら夏目」

 

「ん?なに?」

 

「久しぶりに体術をみてあげよう」

 

「えっ!いいの?せっかくのお休みなのに」

 

「問題ないさ。少し体を動かさないとなまってしまうからね」

 

最近は相手がいなかったので体力づくりしかできてなかったので夏油君の申し出はありがたかった。

皆でグラウンドに出てさっそく組手を始める

 

「前よりは良くなってるけどまだまだだね」

 

まったく夏油君に当たらない。

悔しくなったので最近密かに練習したハイキックをしてみるが顔の前を足が通過するだけだった。

もう一度と思い構えると夏油君が顔を真赤にして私から目をそらしていた。

 

「ん?どうしたの?夏油君」

 

「いやっそのぉね」

 

いつも思ったことはしっかりと言うのになんとも歯切れが悪い。

私が首を傾げていると硝子ちゃんが夏油君の脛を蹴り私に抱きついてきた。

 

「硝子ちゃん?」

 

「夏目、スカートで蹴りはよくない」

 

硝子ちゃんに言われて自分がスカートのままだということを思い出した。

ってことはさっきの蹴りで夏油君にスカートの中を見られたってこと!?

確か今日はいてるのはこの前硝子ちゃんと買い物行った時に硝子ちゃんが選んでくれたちょっと大人な下着だった。

私は一気に恥ずかしくなり硝子ちゃんの背中に隠れる。

 

「おいクズ。なにか言うことはないのか?」

 

硝子ちゃんは虫でも見るような目をしながら夏油君に言う。

 

「いや、あれは事故であって」

 

「事故だろうと夏目みたいな美少女の下着を見たのに何も言う事無しか?」

 

「ああと、ごちそうさまでした?」

 

「ほんと救いようがねぇクズだな」

 

硝子ちゃんはそう言って私の手を引きながら教室に戻っていくのであった。

 

 

 

ー夏油ー

 

久しぶりに休みになったから夏目の体術を見ることにした。

最初に比べてよく動けているがこの程度では三級呪霊を相手にできるぐらいだ。

夏目がなにかを決めた顔をしている。

なにか仕掛けてくるのだろうが私には当たらない。

案の定夏目のハイキックは私の顔の前を通過していった。

その時に夏目のスカートの中が見えてしまった。

そのへんの女の下着を見てもなんとも思わないが何故か夏目の下着から目が離せなかった。

顔が熱くなり頬は赤くなっているだろう。

まさか夏目があんな大人びた下着をはいているなんて思いもしなかった。

硝子に脛を蹴られて虫でも見る目で見られてしまった。

 

「どうしてしまったんだろうな私は」

 

女なんて煩わしく利用できる時は利用するものとしか見ていない。

実際夏目と硝子以外はそうやって接してきた。

硝子のことは友人と思えるのだが夏目はそれ以上に思ってしまっている自分に気づく。

 

「これが恋なのかねぇ」

 

「その恋は叶わないよ」

 

そんな声が聞こえたので振り返ってみると人形の呪霊がデカい鎌を持って笑顔で立っていた。

気配からして特級の呪霊が何故高専にいるんだ?

私は距離を取り術式で呪霊を出す。

 

「何者だい?」

 

「私はヒノエ。夏目の呪霊さ」

 

「夏目の?」

 

「そうさ。あんたが私の可愛い可愛い夏目にふらちなことをしたからお仕置きにきたのさ」

 

「まっまってくれ!あれは事故なんだ!!」

 

「聞く耳もたん!!私だってあんな間近で夏目の下着見たことないのに!!羨ましいぃぃぃぃ!!!」

 

私はヒノエに鎌を振り回されながら追いかけ回されたのだった。

 

ー夏油endー

 

教室に戻ってきた私は硝子ちゃんにお説教されていた。

 

「夏目はガードがゆるい!夏目みたいな美少女は男共に狙われやすいんだから気をつけないと!!」

 

「わっ私なんか狙う人いないよ?」

 

今までも狙われたことはなかった。叔父とその息子以外には。

あれは手頃なところにいたからってだけだろうけど。

 

「あまい!!夏目は今呪術師の間で可愛いって人気なんだから!!そんなんじゃすぐに食べられちゃうよ!!」

 

「私より硝子ちゃんの方が襲われそうだと思うけど?」

 

今まで人と関わってこなかったから告白どころか友達すらいたことがないのでそういったことはよくわからない。

 

「ねぇ猫ちゃん」

 

「なんだ?」

 

「夏目って危機感がまったくないの?」

 

「こいつはアホォだからそんなもんはない」

 

そう言って先生は硝子ちゃんと一緒にはぁとため息をつく。

2人ともひどくない?

 

「とにかく!これから蹴り技をするんだったらズボンかスカートの下にスパッツを履きなさい!」

 

「はっはい!!」

 

お説教が終わったのでぐでーんとしているとなんか校庭の方が騒がしい。

夏油君がなにかしているのだろうか?

 

「おい夏目、あの前髪がヒノエに追いかけられてるぞ」

 

「えっ?」

 

急いで校庭を見ると夏油君が大きな鎌を持ったヒノエに追いかけられていた。

 

「ええっ!!なんで!!私ヒノエのこと呼んでないよ!!」

 

「あいつのことだ。どうせお前をストーキングしていたんだろう。レイコの時もそうだったしな」

 

怖いよヒノエ!!

私は急いで校庭に出てヒノエに呼びかける。

 

「ヒノエ!何してるの!!」

 

「夏目ぇ〜」

 

ヒノエは夏油君を追いかけるのをやめて私に抱きついてきた。

 

「大丈夫だったかい?あの小僧が夏目にふらちなことをしたから心配してたんだよ!!」

 

「ふらちなことって、夏油君は何もしてないよ?」

 

「可愛い夏目の下着を見たんだ!万死に値する!!」

 

「いや、あれは事故で!ってヒノエは何処から見てたのさ!!」

 

「そんなの朝からに決まってるじゃないかい」

 

ホントにストーカーだった!!

てか何で誰も気付かないの!?

 

「とのかく!あれは事故だから!!」

 

「夏目がそこまで言うのなら仕方ないねぇ。命拾いしたな小僧」

 

ヒノエがそう言うと夏油君は苦笑いをうかべる。

なんとかおさまったので教室に帰ろうとしたら夜蛾先生がこっちに走ってきた。

 

「夏目!!!お前また勝手に呪霊を呼び出したなあああああ!!」

 

「わっ私は呼んでいません!!」

 

夜蛾先生に話を聞くと、朝から登録外の呪霊の反応があり探していたが全く見つからなかったらしい。

そして先程校庭で呪霊の反応が大きくなったので走ってきてみたら私達とヒノエがいたと言うことだった。

 

「夏目、頼むから早く友人帳を使いこなしてくれ」

 

「はっはい!頑張ります」

 

「夏目をせめるんじゃないよ小僧!友人帳を作ったのはレイコなんだからそう簡単に扱えるわけないだろう!」

 

「それはそうだが、こちらとしては早く使いこなしてもらわないと今回みたいにいらない人員をさかなくてはならなくなってしまう」

 

「すいません。私のせいで」

 

「いやっ夏目は悪くない!呼んでもないのに勝手に現れるヒノエが悪いんだ!」

 

「夏目は何も悪くないよ!見抜くことができなかったこのアホがいけないんだよ!!」

 

「「ああん?」」

 

夜蛾先生とヒノエが睨み合う。

 

「どう考えても主人が呼んでもないのに出てくるお前が悪いだろうが!!」

 

「昔から何度も会ってるのに私の呪力を覚えないお前さんが悪いんだよ!そんなんだからレイコにふられるんだよ」

 

「そっそそそそれはかかかっ関係ないだろうが!!」

 

夜蛾先生が顔を赤くしてヒノエに言い返す。

言ってることは夜蛾先生があってるんだけど、ヒノエが言ってることにも納得してしまう。

私達はしばらく続く言い合いをニャンコ先生がおやつタイムを言うまで眺めているのだった。

 

 

 

 

 

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