キリル「これでよし…っと、、ミカサ?準備できてるか?」
ミカサ「 …うん、大丈夫」
ほんのわずかだが、いつもより顔が強張っている…。
この変化に気づけるのは恐らくエレンとアルミンくらいだろう。
キリル「…ミカサ、エレンたちなら大丈夫だ。アイツらを信じて、今は俺たちがやるべきことをやるんだ…」
ミカサの肩に手を置き、少しでも安心させるために声をかける。
ミカサ「分かった…」
キリル「少しでも気を抜いたり、考えごとでもしようもんなら…俺らといえど命を落とす可能性も高い、、集中していくぞ」
ミカサは、掴んでいたマフラーから手を離すと街の方を見ながら深く頷いた。
エレンのことを考えているとき、ミカサはマフラーを触る癖がある。
出会った頃から変わっていない。
また4人で集まって顔を合わせられるように絶対に生き伸びてやる……!
そう決意を固めた俺たちがいくべき場所は後衛で、住民の避難を見守りつつ、前の部隊で処理しきれなかった巨人の討伐。
超大型による壁の破壊により、住民の避難が完了するまでの防衛を行うこととなった。
調査兵団は壁外調査へと行っており、後衛である精鋭部隊の人数が足りていないらしいく、補うために俺とミカサが招集されたのだ。
前衛で精鋭部隊が巨人を倒し続けるのもアリだと思うが、携帯できる備品も限りがあるし、何よりも住民が安心・安全に避難できる環境を作ることが最優先である。
訓練兵はみんな前衛よりの中衛のようなあたりに行ったはずだ…。
実力者は多いけど、、心配だ。
104期のみんな、頼むぞ…!
そして、俺はガスを吹かせながら宙を舞って立体機動に移った。
キリル「くそ、、!だんだんと流れてくる巨人が増えてきた…!!」
額を流れる汗を、服の袖で拭いながら言葉をこぼしてしまう。
作戦が実行に移ってから、どれほど時間が経過したのだろうか…。
後衛の中でも迎撃部隊となる前の方で巨人の討伐を任せられているのだが、、最初の方はたまに奇行種が来るのみだったのが今では普通の巨人に紛れて奇行種が走り抜けようとする状況だ。
“奇行種だ!!”
誰のものかもわからない声のする方を振り返ると、10mは超えている奇行種が走り抜けようとするのが見えた。
キリル「くそッ…!」プシュッ
すぐさまいくつもの家の上を越えて、巨人の場所に向かう。
精鋭で揃えられた後衛部隊の中でもミカサと俺はずば抜けているらしい。
キリル「…っらぁ!!」ザシュッ!
いち早く巨人のうなじに辿り着き、スピードの勢いを活用して切り落とす。
フーッと一息ついて周りを見渡すと、そこには内部への入り口を、溢れんばかりの荷物を積んだ荷車で塞いでいるのが目に入った。
プシュー…スタッ
ミカサ「キリル、、あの人は何をしているの…?」
キリル「ここの住民のためだとか言って荷車を優先させてんだよ、、きっとこの街のお偉いさんなんだろうな。誰も言い返せなくて困ってんだきっと…」
横に降りてきたミカサは、俺の話を聞いてそのお偉いさんのとこまで歩いて行く。
物申しに行ったのか。
ミカサも言葉足らずなだけで物凄く優しい子だからな。
住民と前衛で戦い続けている人たちを思っているのだろう。
すると、足元に子ども用の可愛らしい人形が落ちているのに気づいた。
避難住民の方に子どもらしき子は……、、
いた!
こちらをじっと見ている子どもが見え、人形を拾い上げて女の子の方へと向かう。
キリル「これ、君のかな?」
しゃがんで目線を合わせて、女の子に人形のことを尋ねる。
女の子「ぁ…うん!」
女性「あ、、わざわざありがとうございます…!」
いえいえ…!と言葉を返し、女の子に人形を手渡すと荷車を一度後ろに引き始めるのが見えた。
俺はミカサのところに駆け寄る。
キリル「よく説得できたな…?」
ミカサ「この荷台を後ろに引かなきゃ斬ると言った…」
脅迫かよ…。
怖すぎだろ。
女性「すいません! 本当にありがとうございます!!このご恩は忘れません…!」
女の子「お兄さんたちありがとう!」
俺らが話していると先ほどの親子がやってきてお礼を言われる。
キリル「お兄さんたちはすごーく強いから安心して大丈夫だよ…!」
人形をぎゅっと抱きしめている女の子の頭を優しく撫でてやると、女の子は安心した笑みを浮かべて避難して行った。
その様子を俺たちは敬礼のポーズをとって見守ったのだった。
住民が一通りいなくなり、俺たちはもう一度戦場に戻る。
キリル「ミカサ、そろそろ前の方の皆んなの様子を見に行こう…」
ミカサ「うん、分かった」
そして俺たちは近くの人に声をかけ、制止の声を聞かずに訓練兵がいるであろう場所に向かった。
しばらく飛んでいると、建物の屋根の上に訓練兵のみんなが集まっているのが見えた。
キリル「居たぞミカサ!」
ミカサ「…!」
シュタッ…
キリル「ジャン無事だったんだな…!」
ジャン「キリル…!?なんでお前がここに、、」
キリル「住民の避難はほとんど終わった…だからそれを伝えに来た」
ジャン「あーそうか、、お前にはこの状況が大丈夫に見えんのか?」
キリル「いや、、でも無事に生きてんだから…」
ジャン「ここにいんのは、ガスをほとんど使い果たしたか、巨人への恐怖にうちのめされたやつしかいねえよ。他は全員食われちまったんだ…」
周りを見渡しても、皆生気を失った顔をしていた。
すると、その中に見慣れた金髪が目に入る。
キリル「アルミン…!!」
良かった!アルミンが生きてる…それだけで少し肩の力が抜ける。
アルミンの方に駆け寄っていくとミカサも合流した。
ミカサ「アルミンが生きていて良かった…。ところで、エレンの姿が見えないのだけど、、」
“ここにいんのは、ガスをほとんど使い果たしたか、巨人への恐怖にうちのめされたやつしかいねえよ。他は全員食われちまったんだ…”
そこで一つの言葉とともに、最悪な予感がよぎる…。
そして、知りたくなかった最悪な事実が、堪えきれないほどに大粒の涙を流すアルミンから伝えられるのだった。
アルミン「僕たち、34班…トーマスワグナー、ナックティアス、ミリウスゼルムスキー、ミーナカロライナ、エレンイェーガー…!以上5名は、、自分の使命を全うし壮絶な戦死を遂げました……!」
キリル/ミカサ『…!』
それは俺とミカサだけでなく、その場にいた104期訓練兵全員が驚愕することであった。
キリル「…そうか、分かった。でも、それはここに踏みとどまる理由にはならない」
俺はそう告げる。
エレンが死んだというのに、ここまで冷静な自分に腹が立つ。
ミカサ「そう…。マルコ、あの本部に群がる巨人を排除すればガスの補給ができて皆は壁を登れる、、違わない?」
マルコ「あぁ…でもいくらミカサだからって…!」
キリル「俺もやるさ」
ガスの消費も必要最低限で済ませてきた。誰よりもガスは残ってる。
ミカサ「私にはできる。私は強い、、あなたたちは、1人では腕が立たないばかりか臆病で腰抜けだ…残念だ」
俺から大切なものを奪っていく巨人は許せない。
一匹残らず、、
駆逐してやる…
ミカサ「できなければ死ぬだけ…。でも勝てば生きる。戦わなければ勝てない、、」プシュッ
キリル「俺とミカサで作った道はすぐに巨人に塞がれるから、度胸があるやつはすぐについてこい。度胸もないやつは、大人しく俺らの囮になってくれ…」プシュッ
ここでは、気づけなかった。
実はミカサがほぼ自暴自棄となってこの作戦を立てていたことを。
キリル「ミカサ!ガスを吹かしすぎだ!お前も飛び回ってたんだから少しは節約を…!」
するとミカサが空中で体制を崩し、 落下していく。
アルミン「ミカサ…!!」
キリル「…くっ!アルミンとコニーはガスがあるならミカサを頼んだ!俺は道を少しでも開く!!」
すぐに指示を飛ばし、本部までの道のりにいる巨人目掛けて突き進む。
やがて数十分経った頃だろうか。
キリル「ハア…ハア…!」
もう巨人の討伐数も覚えていない…。
そろそろガスも尽きる頃だろう。
俺は永遠と本部の構造を駆使して群がってくる巨人を討伐していた。
すると一体の巨人が本部にぶつかっていくのが見えた。
斬ろうと思い、アンカーを射出すると…
カキンッ!
キリル「ヤべ……!?」
アンカーが弾かれ俺は勢いのままに巨人の方へと落下していき、そこには大きく口を開けた巨人がいた。
終わった……。
そう思ったのだが、、
ドゴーンッ!!!
次の瞬間、目の前の巨人が別の巨人にぶっ飛ばされるという不思議な光景が目に映ったのだった…。
もし恋愛要素を入れるとしたら誰にする?ほんの少し参考にするかもです。
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ユミル
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我慢強いライナー・ブラウン
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その他は感想にて