ごめーんね☆
あと言い忘れてましたが主人公はエルフです
「ついについたぞ、、、ソル・タァッーーナ!!!」
初めての町に着いた喜びの雄叫びもソル・ターナを行き交う喧騒の一つとなり消えていく。
流石はと言うべきか聖剣伝説を聞きつけてやってきた屈強な男共、食材をいっぱいに詰め込んだバッグを重そうに運ぶ町娘、真昼間から酒の臭いが酷い酒場、うーんこれぞ王道ファンタジーって感じだ。
今にもケルト音楽が聞こえてきそうな騒々しいが愉快な町、辺境の地としてはとんでもない発展をしているとは聞いてはいたがここまでとは思わなかったわ。
本当にあるかも分からん剣一本の噂でここまできたとは思えない程の賑やかさだ。
(否定。噂は案外侮れませんよ。マスター)
鼓膜からは聞こえない声が脳に響く。
(噂一つでも人はそれを信じ財産を大きくしようとします。また自身の障害となるものも言葉一つで簡単に捻じ曲げられ憎悪の矛先も変えてしまう。言葉の力とはどんな矛よりも鋭いのですよ)
どんな矛よりも鋭い、ね。
腰に差している鋼にチラリと目を向ける。
まさかあんな強靭な戦士達よりもこんなどこにでもいる普通のエルフが目的の物を持っていようとは誰が思うだろうか。
まあ俺のものじゃないんだけどね!あくまで俺は配達員だし!
それでもこの「実は俺が最強だよ」感を味わえるのは中々良いかもしれないな。
「さて、、、」
リュックサックの中からいくつかの角やら草やらを取り出す。神のやろう俺にくれたのはギフトでもなんでもなくこの剣と鬱陶しいSiri擬きしかくれなかったからな。
生活資金調達のお時間だぜ☆
こう言う素材系はギルドとかに渡せば換金してくれるのが普通だが、ギルドが有無は世界線によってまちまちだ。
町探索もかねてギルド探しに出発した。
数時間が経った。
ダメだった。
ものが売れそうな店大体回ったが全員「こんなの買えませんね。もっといいの持ってこい」の一点張りだった。
そりゃそうよな。(この世界では)生後一ヶ月くらいしか経ってない男が取れる程度の物なんか買わないのが普通だわな。
ファンタジーラ◯フの世界って凄い良心設定だったんだな、、、
「あーマジでどうしよう。まさか初日から宿の一部屋も取れないとは思わなかったぞ、、、」
(疑問。そもそも何故わざわざ宿に泊まる必要があるのですか?野宿でよかったのでh)
「黙れ小僧!貴様に宿の良さの何が分かる!?」
(、、、)
俺も文明を満喫したいんだよ。酒!肉!寝床!もうなんでも良いからちゃんとした料理が食いたい。ふかふかベットに飛び込みたい。暖かい風呂入りたいシャワー浴びたい。
いやこの世界にシャワーはまだ無いか?流石にそこまでは、、、いやどうだろ作品によって変わるからわかんねぇな。
顔を上げるとすっかり夜だ。町は街灯こそ無いにしろ家々の窓から漏れ出た光が道を頼りなく照らしていた。
呆然と歩いていると道端には酒に溺れた奴らが寒そうな格好でいびきを掻きながら熟睡している。
いいなぁ、酒買える金あって。一応世界救うのに必要なアイテム運ぶとかいう超重大任務背負ってるのにこの差はなんなんだよおかしいだろ。
「、、、」
だらしない男の横にゆっくりと起こさないよう座る。相手は酔っているのもあってかよく寝ている。
寝ているのを分かっていても様子を伺いながら体を近づけてゆく。
名前も知らない男のきつい酒と口臭に眉間に皺を寄せてしまう。
それでも少しずつ手を腰へと伸ばし円盤の形が浮き出た袋を静かに且つ素早く引き抜き逃げるようにその場を立ち去る。
そのあとも何人かの浮浪者から金を盗みを働いた。
悪いとは分かっている。だが「世界を救う為には仕方ない」なんて薄っぺらい大義名分を掲げてやる事がこれだ。
我ながら小さい男だなと嫌でも自己嫌悪になってしまう。
(軽蔑。マスター、そんな事をしてまで宿に泊まりたいですか)
うっせぇわ!自己嫌悪してる時に止め刺さないでくださる!?
(理解。私のマスターはあまりにも人間として矮小)
姿が見えない相手に罵られ怒りを募らせながら少ない金と小さな罪悪感を抱え暗い道を歩いていると路地から声がする。
なんだ?人の、、、女の声?
夜の路地で荒い息遣いに甘い匂い、甲高い女の声とたまに聞こえる男のため息。流石にここまでくれば俺でも分かる
「、、、まあこんなにでかい町なら全然あり得るわな」
(質問。マスター、まさか使うのは宿の料金ではなくばいs)
んな訳あるかぁ!そろそろはっ倒すぞお前!!
町があれば少なからずそういう商売をする人も出てくるだろう。前世でも共通の常識だ。
周りを見わたせば壁によしかかったり路地近くで屯しているに女性達が立っているのがちらほら見えるな。
まあここは透き通った綺麗な世界じゃない、あくまで一つの現実だから売春行為の一つや二つあるだろう。
「っと、そろそろ宿見つけねぇと」
宿を探そうと駆け出す瞬間。腕を捕まれそのまま路地へと連れ込まれる。
一瞬の出来事でもあった為、抵抗する事もできず町の影へと吸い込まれてしまった。
路地に拉致され腕を掴んでいた手は俺の手より細く小さかった。勢いに流され奥にへと乱暴に投げつけられた痛みで呻く
「っ、おい何すっ!?」
拉致犯に問いただそうと声を荒げるも逃げないよう手を壁に、所謂「壁ドン」をされびっくりして声を飲んでしまった。
「ねえ」
まずい、相手に会話の主導権を握られた。
なんだコイツ、まさかカツアゲか!?いやでもナイフみたいな脅しに使う凶器は見当たらない。
だとしたら盗みがバレた?いや無いな。自分で言うのも最低だがあの時は周りに人がいないかちゃんと確認してたからそれは無い。
いや待てよ。まさか隠れて俺の事を見てたのか。だとしたらチクられたらマズイ、今すぐ脱出を
「1発抜いてかない?250、、、いや200シェルで良いよ♡」
大丈夫みたいですね