ハーベストハーベスター~踏み台型ラスボス少女と呼ばれた推しを、今世では幸せにしたい!~   作:夏目八尋

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いつも応援ありがとうございます。

感想・評価いただくたびに、やったぜと喜んでいます。
楽しんでもらえてるんだなと実感が沸きます。
誤字報告も助かっています。本当にありがとうございます。

てんさい贄ちゃん。


第98話 建岩命は2回刺す

 

 おはようございます、終夜様。

 はい、こちらは天2基地の保健室です。

 終夜様がお倒れになられましたので、運ばせていただきました。

 

 ――はい、はい。

 すべてわかっております。

 

 説明が必要なのですよね?

 もちろん、お話させていただきたく思います。

 

 ――はい、はい。

 これは、つい今しがたのお話です。

 終夜様が気を失っているあいだに、皆様に贄が語ったことについてのお話となります。

 

   ・

 

   ・

 

   ・

 

 特別集会の最中、突如として終夜様が気絶してしまわれました。

 

「黒木!」

「黒木さん!?」

「黒木くんっ!」

「終夜っ!」

 

 佐々様、輝等羅様、帆乃花様、巡様が即座に駆け寄り、タマちゃん様と細川様が淀みなく救護の指示をお出しくださいました。

 

 贄は、それを予期していましたので。

 彼が倒れるその勢いを、まとった神威にて軽減させていただきました。

 

 大事はないと思われます。

 

 

「え? 倒れ、た?」

「どういう、こった?」

「やっば~☆」

「え、え……???」

 

 本日の主役であったはずの4名の追加人員様方は、やはり戸惑っておられます。

 

 が。

 今は彼らに居てもらっては困りますので……。

 

 贄は百乃介を見つめます。

 

 彼は、すぐに行動を起こしてくださいました。

 

「はぁい! なんかとんでもないことになっちゃったし、集会は終わり。多分、彼は少ししたら復帰してくれると思うから、君たちは今の内に旧プレハブ校舎に移動してもらおうかな。歓迎会の用意がしてあるんだよぉ~」

「え?」

「あの……」

「はいはーい! こっちだよー。揚津見先生、佐藤先生、お願いしまーす!」

 

 誰かが言葉を返す間もなく、教師の皆様が連携し、4人を連れて行ってくださりました。

 残ったのは、いつもの天2の皆様のみ。

 

 できれば木口様と駆ちゃん様にはこの場をご退場願いたかったのですが、どうせ早いか遅いかでしかないとも思い、行動に移すこととしましょう。

 

 

「皆様、そのままお聞きになってください」

「建岩? 今それどころじゃ」

「贄は、終夜様が気を失われた原因に心当たりがあります」

「なに!?」

 

 贄の言葉に、一気に注目が集まりました。

 であれば、こののちは淀みなく贄の考えを伝えるのみです。

 

「終夜様が気を失われた理由……それは」

「それは?」

 

「――想い人との予想外の出会いによるショック、です」

「え?」

「ご説明します」

 

 そして贄は、これに至るまでの話を語りました。

 

 

「終夜様の言葉に度々登場する不思議な単語、めばえ。贄はその言葉の正しい意味を知るべく、資料を集め、足を使い、調べておりました」

 

 タマちゃん様の助力を乞い、彼の住居、生家、父母の実家に至るまで調査しました。

 それでも行き詰っていたところに、終夜様に暇を出されたあの日、天啓をいただきました。

 

 めばえとは、特定の誰かである、と。

 

「その結果、彼女……黒川めばえ様に辿り着きました」

 

 資料を見たとき、何とはなくても、彼女であると確信しました。

 

 

「その後、さらに調べ上げた結果。黒川様と終夜様に接点らしい接点はありませんでした。察するに、おそらくは終夜様が一方的に彼女を何らかの方法で知っていたのだと予想されます」

 

 そんな、一方的な関係なのだと理解して。

 そんな関係だというのに、あの方が彼女へ向ける矢印は、とても大きくて。

 

「……今日、終夜様には秘密にして彼女と会わせましたが、結果はご覧の通りです。これはもう、確定したと言っても良いでしょう」

 

 即ち。

 

 

「彼女こそが終夜様の、想い人。終夜様にとって彼女こそ……何ものにも代えがたい、大切な存在であるのだ。と……」

「「………」」

 

 

 拍にして、8。

 それなりに長い沈黙のあと……。

 

 

「「えええええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?!?!?」」

 

 

 驚きの大合唱が、体育館中に響き渡ったのでした。

 

   ・

 

   ・

 

   ・

 

 以上が概要となります。

 この後、皆様には根掘り葉掘り聞かれましょうが、それは贄の埒外のことと存じます。

 

 ……はい。

 贄は贄なりに考え、これが最善と判断し行動しました。

 

 彼女は貴方様にとって何よりも大切な人。

 彼女は貴方様にとっての何よりの望み。

 

 ですので。

 こうして全力で探り当て、人事を捻じ込んだのです。

 

 はい?

 真白一人……ヒーローはどうしたのか、ですか?

 

 では、そちらについてお伝えします。

 

 終夜様。

 心してお聞きください。

 

 真白一人は、昨年8月に消息を絶ち、行方不明となっております。

 手の者を使い周囲を捜索、痕跡を探りましたが……現時点で見つかっておりません。

 

 貴方様の言う、ヒーローは。

 残念ながら、今現在……どこにも存在していないのです。

 

 

 

 ハーベストハーベスター

  第3部 サード・ブレイク  完




これにて、第3部完結でございます。
いわゆるここまでが“前半”として想定していました。ここより折り返しです!

様々な思惑が交錯し、もはや原作とは違う道を邁進するこの世界。
新たに加わった仲間や暗躍する者たちと巻き起こす新たな波紋が、新たな物語を創造していきます!

そしてそして、とうとう出たぞめばえちゃん!
果たして、終夜の推し活はここからどうなっていくのか……!!!

ここらでまたひとつ。
応援、高評価してもらえると更新にますます力が入ります!
ぜひぜひよろしくお願いします!!
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