この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します 作:伽華 竜魅
U、UAがもう10.000突破!?……あ、ありがとうございます!!
hikki♪様、ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます!
USJ入り口。
オールマイトが駆け付けてから、
主犯格である『触れたものを崩す』"個性"持ちと『ワープ』"個性"の
「16、17、18、19……2名を除いて、他生徒たちは無傷と軽傷で無事か」
しかし、完全勝利とまでは言えなかった。
USJの入口には通報により駆けつけた警察らが
「刑事さん、あの……」
蛙吹は塚内に話しかける。だがその表情はとても暗く、塚内が他生徒を見れば、大半が暗い表情をしていた。
「……怪我人たちの、容態かい?」
生徒たちの大半がやはり頷く。塚内はひとまず自身が把握している限りを話した。
「まず、両足と左手の指を骨折した子は保健室で対応可能な範囲だそうだ。今頃はリカバリーガールの下で安静にしているだろうから、心配しなくていい」
「デクくん……よかった」
最初の怪我人のことが緑谷だとすぐに分かった麗日は安心したように声を漏らした。だが、その表情はまだ少し暗かった。
「救急搬送されたのは13号とイレイザーヘッド、あと黒髪の少女だったね。13号は背中から上腕にかけての裂傷がひどいが、命に別状はなしとのことだ。で、イレイザーヘッドと少女の方だが……」
塚内は電話を1本かける。そして電話に出た相手としばらくやり取りをし、それから端末をスピーカーにし、それを生徒たちに聞こえるよう差し向けた。
『イレイザーヘッド…相澤さんは右腕の粉砕骨折、顔面骨折……幸い脳系の損傷は見受けられません。ただ、眼窩底骨が粉々になってまして、目に何かしらの後遺症も残る可能性があります』
「ケロ…」
「そんな……」
『そして天堕さんは頭部に脚、腕とかなりの重傷です。おそらく半分は自身の"個性"による反動なのかもしれません……逆にその"個性"のおかげもあってか後遺症などは残りませんが、体力が少ないのでリカバリーガールの『治癒』は今は使えない状態です。ですが、どちらも命に別状はありません』
それを聞く時には全員が青ざめていたが、命に別状はないとことにホッとしていた。塚内は礼を言い電話を切った。
「事情聴取は今すぐにするわけにもいかない。酷だろうが、皆は教室へ戻ってくれ」
「「「…はい」」」
塚内は教室に戻るよう指示する。塚内は、生徒たちのメンタルケアは本職の教師たる雄英のプロヒーローに任せることにしたのだ。生徒らが移動を始めると同時に1人の警察が塚内に近寄り、報告した。
「塚内警部。校内の雑木林にて、
「なに、様子は?」
「外傷はなし。無抵抗でおとなしいのですが、呼びかけにも一切応じず口がきけないのではと。それと、
「おそらく、搬送された天堕という少女の攻撃跡だろう。話によれば、燃え上がる巨大な剣ごとドームの外に投げ飛ばしたと聞いている。念のためくまなく調査してくれ。私は保健室に用がある。三茶、後は頼んだぞ」
「了解!」
——◆——
とあるBAR。そこのフロアに『ワープゲート』が出現した。
「ってぇ…」
『ワープゲート』からは死柄木が床に音を立てて倒れ込み、撃ち抜かれた両腕両足には血が流れ出始め、床を徐々に赤く染めてゆく。そしてその傍で『ワープゲート』が元に戻り、黒霧が現れた。
「クソ……脚も腕も撃たれた…脳無もオールマイトどころかクソガキにやられた…オールマイトが弱ってるかもわからずに負けた…!」
「子供じゃなく"個性"に警戒はしておりましたが、あれほどの実力を持つ卵がいるのは予想外でしたね」
『それは本当かい? 弔』
すると突然テレビのモニターが点き、紫文字で『SOUND ONLY』とだけ書かれており、音声、否、通話が繋がりだした。
「
『世代を次いで"個性"は進化する。それと同じように子供の精神も厄介になってるということか。これは面倒じゃのう……ところで、ワシと先生の共作、脳無は?』
「……死柄木弔が言った通り、その子供にやられ、吹き飛ばされました」
『なんと!? オールマイトではなくその子供にか!?』
テレビから流される通話相手は2人。中年男性と年寄りの男性の声が流れており、脳無のことを聞けば、黒霧が答える。その答えに年寄りのほうが驚愕していた。
「いくら『ワープ』"個性"でも、正確な位置座標を把握出来なければ回収は不可能です! それに、脳無がやられた後にオールマイトと他のプロヒーローも来てしまい、そのような時間も取れなかった……」
『せっかくオールマイト並みの
『まっ仕方ないか……残念だが、見通しが甘かったってことだね』
その話を聞いていた死柄木はグググッと身体を動かす。黒霧は心配そうに死柄木を見ていた。
「あの歌いながら戦う変な女がいなきゃ…オールマイトを殺せた…! あの地味で、オールマイト並みのパワーを持つガキがいなきゃ、女を殺せた…!」
『…へぇ……』
モニター越しの正体不明の男性は相づちをうった。だが一方で死柄木は、そんなことよりも邪魔されたことに対し苛立ちを露わにしていた。
「あぁぁ”ぁ”ぁ”!! あのガキ共…クソガキ共ォ!!」
『悔やんでも仕方ないさ弔。今回だって決して無駄ではなかったハズだ。じっくり時間をかけて精鋭を集めよう! 我々は自由に動けない。だから君のようなシンボルが必要なんだ。死柄木弔、次こそ君という恐怖を世に知らしめろ』
しかし死柄木は苛立ち、怒りが止まらず、痛みすら無視して床に爪をたててガリガリと引っ搔き続けていた。だが、中年男性はそれを気にせず黒霧に問いかけた。
『黒霧。その脳無を倒したという少女はどんな特徴をしていたんだい?』
「確か、青黒い髪に赤い瞳を持った少女でした。"個性"に関しては死柄木弔が言った通り歌っており、それに共鳴するかのように規模の大きすぎる剣を出し、炎までも放出しておりました」
『ありがとう。その子に関してはこちらで調べるよ………脳無を倒すなんて、興味が湧かないわけないからね』
それを最後にテレビモニターは『SOUND OUT』に変わり、そしてブツリと途切れた。
——◆——
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ。って、さっきから耳にゆっくりと大きくなりながら聞こえてくる。
窓を見ればカーテンが風になびかれて動いている。身体を見れば所々包帯が巻かれていて、右腕にはテルフュージョンが差されており、輸血されていた。そんな私は上半身を起こして、窓の外を見ていた。
「(あぁ私、生き残ったんだ……)」
目を細めて、ゆっくり右手を握って開いてを繰り返す。左手を見れば、あまり動かない。というよりグルグルに巻かれていた。
アイツに手を掴まれて崩れてたから、その治療によるものなんだろう……。
「…ハハッ(……超人社会なだけあって、前世ではありえない負傷、重傷でも何とか命を取り止めるなんてすごいな……)」
本当に、なんでこんな世界があるんだろう。前世でもこういった世界、作品はしらない……もしあったら、私は節穴かな…?
すると扉からスライドで開かれる音が聞こえて、意識が戻ってゆっくりと扉に視線を、顔を向けた。
「目が覚めたようだな。天堕」
「相澤…先生……」
そこには肌の部分が全て包帯で巻かれている相澤先生がいた。わかった理由は、声と包帯の上に来ている服装+ボサボサの長い黒髪でだ。相澤先生は私の傍に来るや否やナースコールを押した。
「襲撃からどれぐらい、経ちましたか……?」
「俺と13号が目覚めたのは
「そうですか……怪我は、大丈夫ですか…?」
「
「えっ…?」
私のおかげ…?でも、法とかそういうの無視して勝手に戦ったし……。
「お前も知ってるだろう。脳無と呼ばれていた脳みそが出た
「冗談でもやめてください……私はてっきり怒られるのかと思って身構えてました」
「それは後でだ。教師として、プロヒーローとしてはお前の行動は絶対に褒められん。だから今のは、あくまで個人的な感謝だ」
あぁなるほど。まぁこれで怒られないってのはちょっとおかしいし、怒られる方が当たり前だ。相澤先生は除籍とかそういうのやろうとしてたからちょっと怖いけど。
「緑谷くんは…? あの時駆け付けてきて……」
先生方が無事でほっとしたけど、最後に主犯格の
「"個性"でやらかしたが無事だよ。保健室でとっくに治癒して回復してる」
そっか…無事なんだ。ホッとした……。
「(退院したらお詫びをしないとな……)」
「それと天堕、既にお前以外の連中には伝えてあるが、雄英体育祭が迫っている。出るつもりはあるか」
は?え?体育祭迫ってるの?てかやるの?
「やって、大丈夫なんですか?」
「逆に開催することで雄英の危機管理体制が盤石だと示すという考えらしい。警備は例年の5倍に強化する。何より
「なるほど…ヒーローを甘く見るなと、子供でも有望だと知らしめるってわけですね」
「そういう解釈で構わん。それで、お前は出るか?」
そんなの決まってる。年に一度にして計3回までしかできないし、それに……。
「弱気になって出ないんじゃ、ヒーローなんて夢のまた夢です…!」
「まぁ、お前ならそう言うと薄々思っていたさ。だが、無茶はするな。体育祭までに万全に回復はするだろうがそれでもだ。いいな? 本当だったらお前も
「ア、アハハ……でもへいき、へっちゃらです!」
「そうか……それと、わざわざ声を変える必要はあるのか?」
「そ、そこはツッコまないでほしいです……!」
その後、医者の人が来てひとまず相澤先生の見舞いは終わった。
——◆——
その日の夜、私は検査室に移動し身体の検査を受けていた。
「君自身の"個性"の反動によって、血液不足などもありましたが、もう大丈夫でしょう。ただし、しばらく"個性"の使用時に無理はしない事ね。君の"個性"はリカバリーガールの"個性"と圧倒的に相性が悪い。リカバリーガールの"個性"はわかるね?」
「確か『治癒』ですよね…?」
「あぁ、あの人の"個性"は対象者の治癒力を活性化。だけど、それには対象者自身の体力が必要。それに対し君の"個性"もまた体力をエネルギーにしているんだ」
「なるほど……」
病衣を着なおしながら医者の話を聞いていて、リカバリーガールの"個性"も聞いた。確かに『体力』という共通点がある。
医者が言うには身体の傷などは外見は酷いがそこまで深くはなく、大半が私自身の"個性"の反動によるものだった。それもあってリカバリーガールの『治癒』もある程度使用できたらしい。
「だけど、万全と言えない。本来ならもうしばらくは入院していたほうが良いんだけど、みんなとの差をあまり開けたくないでしょ?」
「ッ! ま、まさかお気遣いで…? あ、ありがとう、ございます…!」
「いいよ。まだ少しばかり先だけど、体育祭頑張ってね」
「…~! はいっ!!」
病院の医者たちに応援されて、私は頑張ろうと誓った。
ちなみに退院したその日には先生にこっぴどく叱られて、泣きつかれた。
実はオリ主の"個性"とリカバーのおばあさんの"個性"の相性は最悪です。両方とも体力を使うという共通点があるからですね。というかこれを知らせたかった。
やっぱり毎日投稿している人ってすごいなって書くたびに思います。自分もスラスラと書けるようになりたい…!