この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します 作:伽華 竜魅
ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます!
私は息を荒くしながら、地に伏せていた。
それは泥であろうと、力などは本人と変わりない、泥のNo.1とNo.2相手に苦戦を強いられていたから。爆豪くんと轟くんに関しては何とか倒すことはできたものの、この2人は桁が、レベルが違いすぎる。そんな泥のオールマイトは、私に向けて拳を放とうとしている。
「ッ!!」
だけど泥のオールマイトの背後に出久くんが回り込み、足を構えていた。
【シュートスタイル・スマッシュ!!!】
そして足蹴りを放つも、泥のオールマイトは腕を背後に振るい迎え撃った。
全盛期なのか、出久くんはあっという間に吹き飛ばされた。
「出久く——がっ!!」
私は身体を立ち上がらせるも、その瞬間に顎をアッパーの形で蹴り飛ばされて、再び地に伏せられる。
それでも身体をグググッと立ち上がらせようとして、チラッともう2人の方を見た。
「くぅ!! 熱すぎて痛い!!」
「この装甲すら抜けて感じさせる熱量……泥故のデメリットなしの力なの!?」
イヴちゃんとアリスもまた、泥のエンデヴァーに苦戦していた。
いや、防戦一方と言った方がいいかもしれない。
お姉ちゃんが泥から出てきたのは良かったけど、私たちの方はやばい状況……どう打開すればいい!?
そもそもアダムはどうなったんだ!?
——◆——
「しまっ! あぁ!!」
「ッ! アリスさん!!」
【ジェットバーン】をもろに受けたアリスは後方へと吹き飛ばされる。
イヴは咄嗟にアリスを見るが、泥のエンデヴァーが目の前に来ているのに気づいた。
「(【リフレクター】で防御……いや反撃で…ダメ、どっちも間に合わない…!!)」
次の瞬間、白銀の稲妻を漏らす、白銀と黄金が混ざった輝きが2人の間に落下した。
泥のエンデヴァーは吹き飛ばされ、イヴもその場で吹き飛ばされないようもがく。
「——散々待たせた挙句、迷惑をかけて、どの面下げて立ってんだって話よね」
「…ぇ?」
その声を聴いたイヴは、疑うように自身の目の前に、背を向けて立つ人物を見た。
その正体を見れば目を疑い、驚愕する。
「う、そ……!?」
「まだ全部失ったわけじゃない……やり方はどうであれ、ここにいるみんなが、こんなわたしのためにここまで大掛かりにやってくれていた……なにより、わたしのために命を懸ける友が今こうして、いてくれてる」
その正体はイヴへと振り返る。
「いっぱい迷惑かけてごめんね、わたしの最愛の友達——イヴ」
正体は『白いガングニール(Another)』を纏う黒換ミネであった。
「~ッ!」
イヴは目から涙を漏らし始める。
黒換ミネ……日陰の歌姫にして、イヴが救おうとした少女。
本当なら抱き着きたいところだろうが、状況が状況故、2人はすぐに切り替え、ミネは前へと向き直した。
同時にイヴは、『イチイバル』を急ぎミネへ返却しようとするがミネは拒んだ。
「『イチイバル』は今後もあなたの『シンフォギア』として預け続ける。それに、『イチイバル』もわたしよりかはイヴに使われた方がいいって言ってるし。癪だけど」
「癪…!? えっ!? どういう意味!?」
イヴは困惑するが、ミネは無視してガントレットを合体させて射出し、変形させる。
変形したガントレットは槍……否、大剣へとその形を完成させ、持ち手をミネに握られ、そのまま泥のエンデヴァーへと駆け出した。
「(神野の悪夢以来だけど……それでも、わたしだって出来たんだ。ユウカには及ばなくても…それでも!!)」
ミネは空気を大きく吸い込み、そして吐き、呼吸を大きく整える。
次の瞬間、彼女から発せられた声は、メロディーを乗せていた。
ミネは自身の声質、声帯を『プリンセス・ジール』へ変換し【OVER THE BLAZE】を口ずさむ。
すれば彼女の纏う『ガングニール(Another)』の装甲は輝きをオーラとして放ち始めた。
♪ さあ うつくしい世界で ♫
♪ 夢を追いかけてく ♫
泥のエンデヴァーは『ヘルフレイム』を発動し、【ジェットバーン】を放つ。
それに対しミネは『
高速回転しながら飛んでいく双刃刀は、泥のエンデヴァーの炎を真っ二つに断ち切りながら止まらずに進んでいく。
♪ さあ 輝いていくの ♫
♪ みんなの場所だから ♫
切り開いた道をミネは進み、『白いガングニール(Another)』のアームドギアである大剣を泥のエンデヴァーへと振るった。
泥のエンデヴァーは大剣を防ぎ、空いている片腕から再び『ヘルフレイム』を発動する。
だがそれよりも速くミネは片手を放し、『アガートラーム(Another)』のアームドギアを形成、ピンクのエネルギー状の鞭を泥のエンデヴァーの腕に巻き付けた。
♪ 心のカケラを守るため ♫
♪ 熱い想い 見失わずに ♫
♪ (Believe in my heart) ♫
引けば泥のエンデヴァーはバランスを崩し引っ張られる。
ミネはそんな泥のエンデヴァーの顔面に膝蹴りをかます。
♪ いくつもの光照らし ♫
♪ 奪われないように掴んでくの ♫
さらにと、立て続けに身体を回転させその推進力を乗せた蹴りを今一度叩きつけることで、泥のエンデヴァーを蹴り飛ばした。
♪ 今 握り締めた勇気 ♫
♪ 胸に抱きしめて ♫
♪ ヴェールを脱いで ♫
追跡するようにミネはそのヒールを泥の地に着けた瞬間に、
♪ 絶対まけたくない まけられない ♫
♪ 離さない Zeal ♫
間合いに入れば、アームドギアである大剣を何十回、何百回も連続で切り付けていき、さらには通り過ぎ様に切りつけたりもしていく。
♪ 美しい 自由の場所 ♫
♪ 誰にも邪魔させない ♫
負けじと泥のエンデヴァーは、片腕に"個性"を溜めて赫灼熱拳を放とうとする。
しかし次の瞬間、その腕は飛来したエネルギーの弾丸によって射抜かれ、切断された。
♪ 生み出される ♫
♪ 幸せへの痛みだったなら ♫
それは後方の離れた位置にて、『イチイバル(Another)』を纏い、アームドギアである狙撃銃を構えているイヴによる援護射撃。
それでもと、泥のエンデヴァーは今度は身体全体で赫灼熱拳を放とうと溜めていく。
♪ 何度だって耐えていく ♫
だがそれよりも速く、ミネはアームドギアにエネルギーを溜める。
それは『
彼女自身未だ気づくことなく宿らされている、
♪ 歌うの 誰かのため ♫
故に、その身と大剣が纏うは白銀の輝きだけにあらず、白銀の稲妻もともに。
それはまるで、
♪ 必ず 届くと信じて ♫
【- GIGANTIC†BREAKTHROUGH -】
そして刃を大きく振りかぶり、泥のエンデヴァーを断ち切るのと同時に、
しかしミネ自身、その超パワーは己の感情の高ぶり故に溢れた『
「……ッ! この歌声は!!」
「もしかして、お姉ちゃん!?」
やがて距離が近づいたのか、泥のオールマイトを相手にしていた幻神たちの耳にも、ミネの歌声が聞こえだす。
その一方で、アリスは別の意味でもある理解をしていた。
「やり遂げたのですね、局長……あなたの意志は私が引き継ぎます。どうか、ゆっくりお休みください!」
自身が握るスペルキャスターを構え、アリスは前を向いた。
そして幻神は『シュルシャガナ』のヨーヨーにて泥のオールマイトを拘束。
その隙に緑谷が接近し、出力を50%まで引き上げて【シュートスタイル】を放ち、消し飛ばした。
——◆——
二つの意味で聞き覚えのある歌声が聞こえたと思ったら、泥のエンデヴァーがこっちに吹き飛んでやられて、それに続くように私たちも何とか泥のオールマイトを倒すことに成功した。
すると私たちの下に2人の影が駆け付けて来て、私はその影の正体を見て、分かっていながらも、言葉を失った。
「『並行世界』とはいえ……こうして再会できるなんて、ほんと、生きてると不思議なことでいっぱいね」
『白いガングニール(Another)』を纏い、ガントレットをアームドギアにして槍……というよりも、大剣にしている。
そんなお姉ちゃんが……立っていた。
洗脳も解かれて、完全に自分の意志で……だけど、だけ…ど……!!
「——イヴちゃんもだけど何でお姉ちゃんもAnother版のシンフォギアなの!? カッコいいし羨ましいんだけど!!!」
「——いやわたしが言うのもなんだけど、他に言うことあるでしょ普通!!?」
私はもう我慢できずAnother版のシンフォギアを纏ってることを指摘し、羨ましさも合わさった感想を口に出してしまう。
お姉ちゃんも反射的に思いっきりツッコんできた。
だって!だってだって!!『マリア・カデンツァヴナ・イヴ』のAnotherである『子供マリア』が纏う『黒いガングニール』ならぬ、『白いガングニール(Another)』を纏ってるんだよ!?
見た目とかそんな変わらないにしても、カッコよ過ぎるでしょ!?似合いすぎでしょ!!!
「ふ、2人とも…今は状況が状況だから……」
「イヴちゃんに至っては本来纏う
「そんなの言われても知らないわよ!? てか今はそんなこと気にしてる場合じゃないでしょ!!!」
一度吐いてしまったらもう止まらないとばかりに、いろいろとツッコミたかったことをツッコんでいれば、しびれを切らしてお姉ちゃんが頭をひっぱたいてきた。
痛い……けど。
「……よかった、お姉ちゃんが無事に戻ってきてくれて…」
「……そうね、結局わたしは、家族に救けられないと立ち上がれないバカな姉だって痛感したわ」
申し訳なさそうにと、お姉ちゃんは俯くけど、「でも」と続けて、アームドギアを握り直した。
「妹から受け継いだ知識、記憶、力。そしてパパのおかげで全部思い出して、生かされて、今こうしている」
「パ、パパって…お父さんがいたの!? ど、どこに——」
「――もういない。■が取り込み、無へと帰らせたのだから」
「「「ッ!?」」」
「今の声は!!」
今この場にいる5人、全員が聞こえた。
の声。
すると足元の泥が一気にうごめき始めて、ある一か所で1つの塊になり始める。
「終わりなき災禍…!? 最後の柱は!?」
柱って確か封じるために作られたもの。
その最後の1本がある場所に刺さっている所を見れば、既にアルビノの子供たちが破壊していた。
「そんな……くそっ! 完全に封印が解かれる!!! 全員身構えろ!!」
「「「ッ!!」」」
やがて、地上に広がっていった全ての泥が巨大な1つの塊となる。
「ッ! 異能格納幼体が!!」
さらに塊は触手を伸ばすと、アルビノの子供たちをわし掴みにして、取り込んだ。
すると、卵のように亀裂が入り始めた——
「——ッ!!」
——その瞬間だった。
私は、激しい恐怖や死の感覚に襲われた。
AFOの時と同じ、あの、感覚が……!!
「出てくるわよ!!」
アリスさんの声で、私たちはすぐに構える。
そして塊は完全に割れて、そこにその存在は現れた。
両の腕は手先から前腕が侵食するように黒く変色した真っ白な肌。
その上に泥で出来た布面の少ない衣服を纏い、目元は泥で出来たバイザーを付けて隠し、頭部には朽ちかけ状態の錆びついたティアラを乗せ、額は鋭く伸びた棘。
そして真っ白なベリーロングヘアを持つ、そんな女性が姿を露した。
「あの女性が……
「……」
バイザーで分からないけど、でも顔はジッと私たちを見ている。
真の姿を現した正体は終わりなき災禍……あの人が、この世界で一番最初に、"個性"を発現させた——
「——来るッ!!」
お姉ちゃんの声と共にハッとする。
終わりなき災禍は片腕を突き出し、掌をかざしている——
「――焼き斬れろ」
——と思ったときには、私たちの間を、巨大な光の何かが通過した。
そして後方でとんでもない爆発が起こり、思わず振り返れば大爆発が起こっていた。
「これが……」
「そうさ」
終わりなき災禍の声が聞こえて再び前を向く。
空中に浮くというよりも、終わりなき災禍はそこに足場でもあるように立っていた。
「これこそこの世界を破滅へと追いやったまことなる支配者――
終わりなき災禍はそう言いながら、手を上に掲げる。すると終わりなき災禍の背後から火、水、風、土と、四大元素でそれぞれ龍を作り出した。
「嘘ッ!?」
「まずい!!」
4体の龍は一斉に向かってくる。
私とお姉ちゃんは咄嗟に錬金術——『
いつになったらオリジナル編終わるんだろうね、ごめんなさいね本当にいやマジで本当に。
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