この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します   作:伽華 竜魅

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ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます!

コチラではお久しぶりです!
別の作品の執筆のもそうですが、一番の理由は、この作品でのモチベーションがしばらく落ちてしまっていました。
誠に申し訳ございません。
他の作品の作成もありますので、ペースは落ちてしまいますが、途切れないよう頑張ります!!




TRUBUTY UNISON

 

 

 

 

戦場より少し離れた位置。

そこに『マクロス・クォーター』は不時着している。

 

「ダメだ! 完全に推進機がやられてる!!」

「マクロスキャノンはどうだ!?」

「緊急メンテで一回だけなら放射可能かもしれない! 作業員はマクロスキャノン優先で取り掛かれ!!」

「最悪人型に変形さえできれば歩行で進める! そっちは2番目に優先で取り掛かるぞ!!」

 

そして外と内関係なく、人々の声が響き渡っていた。彼らは今、急ぎ前線に復帰するために、修復作業に取り掛かっている。

 

「あまり良くないっすけど、作業類で活躍できる"異能"のエキスを働き蜂たちに持たせたっス! 時限式だけど身体に害のない程度に付与させるんで、"無個性"の人たちは来てくださいっス!!」

 

アリスの代理として指揮等を行っている蜂沼は、自身の"個性"『女王蜂』を発動させ、左目から無数の働き蜂たちを放つ。

そして蜂沼へと駆け寄った"無個性"たちは、次々に蜂に刺され液体を注入される。

すると次の瞬間、"無個性"たちは一時的に"個性"持ちとなり、能力を発現させていく。

 

しかし同時に、前線の方で大きな衝撃が幾度も起こり、その振動が自分たちの元まで届いた。

 

「……作業! 急ぐっス!!」

 

「「「おう!!」」」

 

時限式の"個性"を付与された者たちは、一斉に効率を上げるため、少しでも早く動けるようにするために作業に取り掛かった。

 

 

——◆——

 

 

白銀の左腕が、【神殺し】の拳が、赤い銃が、黄金の錬金術が、黄緑の稲妻が、激しく泥と衝突し合い、死闘を繰り広げる。

 

「この!!」

 

「はぁ!!」

 

「ふっ!!」

 

白銀の短剣と、赤い刃を出す銃が、泥の大太刀と衝突し火花を散らす。

その隙に両サイドから、拳と足が迫る。

だが泥を壁として生み出し、簡単に防ぐ。

 

「ッチ!!」

 

「固い…!!」

 

次の瞬間、凝縮され放たれた無数のエネルギーの塊が降り注ぐ。

4人はすぐにその場から離れ、撃ち続けられる終わりなき災禍は上を見上げる。

そこには赤い銃爪を引き続ける人物が浮いていた。

 

「うっとおしい!!」

 

遠距離系、属性系の"異能"を同じ発動させ、放射する。それに対し、ジェットパックを最大出力で瞬時に移動し躱す。

 

「…ッチ!」

 

幻神は短剣を、ミネは拳をそれぞれ振るい、終わりなき災禍の身体に傷を付ける。

終わりなき災禍は刃が黒炎で燃え上がる大太刀を振りかざすも、アリスが赤い刃を伸ばす銃で受け止めた。

 

「今よ!!」

 

そして叫べば終わりなき災禍の直上から、緑谷が足を振りかぶりながら落下していた。

 

「脳天一撃! 【マンチェスター・スマァァッシュゥ】!!!」

 

その足を、踵を振り落とし、終わりなき災禍の頭部に命中させる。

 

「…~ッ調子に乗るなぁ!!!」

 

だが頭部に激しい痛みを感じる終わりなき災禍は、その肉体から膨大な複数の"異能"らを、自爆する形で発動させる。

次の瞬間、全員がその光に包まれ、爆破と共に拡散するように吹き飛ばされた。

地に激突すれば土煙があがるが、だとしてもと、陽だまりと日陰は再び駆け出し接近する。

 

「幻神ァ!!」

 

「うん!!」

 

ミネは右腕のガントレットを変形させ、ブースターへ。幻神は白銀の左腕を変形させランチャーへ。

すればそれぞれのパーツが動き出し、高速で回転しドリルとなる。

 

「「はぁぁぁあああッ!!!!!」」

 

互いに終わりなき災禍に接近し突き刺すが如く、その拳を突き出す。

 

「静止しなさい、歌姫」

 

「「ッ!?」」

 

終わりなき災禍が静かに呟いた瞬間、2人の動きがピタリと完全に静止した。

だが2人の意思ではない。

身体が本人の意思を無視して、終わりなき災禍の命令に従ったのだ。

 

「くっ……『対象の意思を無視して操る』みたいな"個性"か!!」

 

「ずるっ、すぎるでしょ!!」

 

終わりなき災禍は、新たな武器を泥で作り出そうとする。

しかし緑谷が2人に続き駆け付けていたため、その背後を取った。

そして足を構え、蹴りを入れようとする。

 

「……ハッ」

 

「なっ! ぐぁ!!!」

 

だが次の瞬間、泥の龍が一瞬で生み出され、緑谷を噛み、そのまま地面に擦るように進んでいく。

それを見て幻神は叫ぶも、終わりなき災禍は立て続けに『周囲の重力を操る』"異能"を発動させ、幻神とミネは強制的に地面に叩きつけられるように倒れた。

 

「(身体が、重い……!!!)」

 

「ぐぅ……!!!」

 

次第に重みは増していき、二人は地面に埋もれていく。

 

「(このままじゃ…何か、何か打開策を……!! これを突破できるほどのパワーを引き出す方法を——ッ!?)」

 

瞬間——ミネは感じた。

己の中の神経の1本1本までにいきわたる、炎の如く熱い何かを。

全身へ絶え間なく巡るそれは、まるで『紡心(アクシア)』を、『シンフォギア』を纏う際の感覚に近しい。

だがどこか違う。

 

それはまるで()()()()()()()

そして『紡心(アクシア)』を通し、その力の名が脳内に浮かび上がる。

その名を知ったミネは、無意識に口ずさみ、真に発動させた。

 

 

「——……『()()()()()()()()()()』」

 

 

次の瞬間、『ガングニール(Another)』を纏うその身体から、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

すれば、ミネは未だ押しつぶされるその身体を無理やり動かすことができるようになり、グググッと立ち上がり始めた。

 

「……ッ! なっ!?」

 

「…えっ、お姉ちゃんっ…()()()()()()()()()()()()()()……」

 

その場面を見た幻神は、その姿がまるで太陽である緑谷と同じやり方であると、既視感を覚える。

一方で終わりなき災禍は、その力を見て驚愕した。

 

「どういうことだ!? その"個性"はこの世界での小僧の中で、小僧と共に消えたはず……!!」

 

終わりなき災禍が声を荒げる中、ミネは自身の身体を、手を見つめる。

『ガングニール(Another)』の上に重ね着するように纏われる白い稲妻。

それは『紡心(アクシア)』ではなく、もう1つの"個性"の力。

 

「そっか、この力はそういう……だから似てたし、あのクズに捕まってた時の話も、筋が通るわ。それに今までよりも、不思議と身体的能力面が、パワーが上がってるわけだ」

 

「ッ!」

 

「あの日、あんたがこの世界に出てこようとしたとき、絶望してなにもできなかったわたしを、彼は必死に救けようとしてくれた。でも結局、核ミサイルによって亡くなっちゃった……でも、でも!!!」

 

ミネはその瞳から涙を漏らし、己の胸元に手を重ね優しく包むように握る。

 

「——ずっと、わたしの中にいてくれたんだね…太陽(イズク)…!!!」

 

聖火の如く引き継がれてた力の結晶。

名を『ワン・フォー・オール』

されどこの世界のAFOは、オールマイトたちは神野事件で命を落としている。

 

だがその最後の瞬間、緑谷イズクはミネを救わんと駆け出し、核ミサイルが着弾し爆発したその瞬間まで傍にいた。

きっと彼はその瞬間に、咄嗟に、己の"個性"を、『OFA』をミネに譲渡させたのだろう。

方法はわからない。でも、自分たちが、AFOが他者に力を与えることができるのだ。

そういった力を誰が持っても不思議ではない。それが超常の世界なのだから。

 

故に、『並行世界』の黒換ミネの身体には今、AFOから派生し生まれた"個性"

紡心(アクシア)』と『OFA』、その二つが内包されている。

そして今では『並行世界』から『紡心(アクシア)』を宿す幻神と、『OFA』を宿す緑谷がいる。

 

相手がAFOの上位互換であろうと関係ない。

AFO打倒の末に生まれた"個性"が、そして寄り添い支える"個性"が今、それぞれが2つでここにあるのだ。

 

ミネは片腕のガングニールをブースターのまま、エネルギーを噴射させる。

 

「喰らえぇぇぇえええッ!!!!」

 

同時に『OFA』の純粋なる力を籠め、終わりなき災禍の腹部へ叩き込む

 

「ゴッ!!!」

 

- GUNGNIR・SMASH -

 

パイルバンカーが起動し、これまで以上の超パワーでインパクトが放たれる。

次の瞬間、終わりなき災禍ははるか遠くまで、その衝撃によって吹き飛ばされ、着弾した際には土煙が大きく、空へ届きうる高さまで立ち上った。

それによって身体に襲い掛かる重みが消えた幻神は、ミネを見ながら立ち上がる。

 

「お姉ちゃん…その力って……」

 

「……その顔は…そう、幻神はまだ知らないのね。と言ってもわたしも具体的なことはさっぱりだけど」

 

今日にいたるまで、未だ『OFA』を知らない幻神は不思議と疑問でいっぱいだ。

だが己のAFOに拉致されていたころの記憶、彼らの会話と自身の"個性"のことでうまく線を繋ぎ理解した。何より、『紡心(アクシア)』自身が、その力の正体を教えたのだ。

 

「どうやって、出久くんと同じ"個性"を……」

 

「それは本人に聞きなさい。自分の世界のね。でも今は、終わりなき災禍を止める事が最優先よ」

 

「……わかった。とりあえず信じるよ!」

 

幻神は微笑み、今は『並行世界』の姉を信じることを選ぶ。

その間にも復帰したイヴとアリス、緑谷が2人を追い越し、終わりなき災禍へと駆け出す。

 

「ボケっとしない! 今は一秒でも早く終わりなき災禍を倒すのよ!!」

 

「ッ! 行こう!!」

 

「えぇ!!」

 

その2人に続き、幻神とミネも駆け出した。

 

 

——◆——

 

 

はるか先まで吹き飛ばされた終わりなき災禍は、ゆっくりと己の身体を起こし立ち上がる。

 

 

——なぜうまくいかない。本当ならあんな戦いせずとも勝てたはず。

 

——なぜ日陰の歌姫は、緑谷イズクの"個性"を持っていた?

 

——なぜ十分な力を発揮することができない。

 

——なぜ、なぜ……なぜ、なぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜ⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉

 

 

そんなの、決まってるだろ?

 

 

——ッ! お前…なんで!! 取り込んだはずだ!! 無に返したはずだ…!!

 

 

お生憎様、今の俺は残留思念的存在だ。触れることも殺すこともできやしない。

 

それで?俺の可愛い愛娘たちとそんな愛娘に愛されてる太陽に負け始めてる気分はどうだ?

 

 

——…ふざけるな、■が負ける事なんぞない。

 

——なぜなら、なぜなら……だって…!!

 

——■の方が! あたしの方が強いんだ!!!

 

——あたしが強いんだ! だからこの世界を!! あたしが!!!

 

 

……それがお前の、いや、君の本当の感情なんだな。

 

 

——はっ…?

 

 

どうやら愛娘たちの勝利は見えたようだ。

 

俺はあいつらを応援する。けどな。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

原初の"異能"にして、始まりの子……。

 

 

——◆——

 

 

「ッ!」

 

紡心(アクシア)』と『OFA』の両方を持つミネは感じ取る。

それに伝播するように『並行世界』の『紡心(アクシア)』を持つ幻神、『並行世界』の『OFA』を持つ緑谷、ミネの『紡心(アクシア)』の力の一部を纏うイヴもまた、さらにミネから感じ取った。

 

「……そっか、パパはそのために…ハッ、どんだけお人好しなのよ、馬鹿パパ」

 

駆け出しながらに俯き、ぼそりと呟きミネは、一滴の涙を漏らすが、すぐに拭い叫ぶ。

 

「幻神! イヴ!! 出久!!!」

 

「感じたよ!! アダムの…()()()()()()()()()()()()()()()と!!」

 

「終わりなき災禍の、()()()()()()!!!」

 

()()()()!! 涙を流し手を伸ばすあの子を!!!」

 

今、目標は変わった。

終わりなき災禍を倒すのではない。

終わりなき災禍を、終わりなき災禍の奥底にいる本当の原初の"異能"発現者を、一人の子供を救けるために。

 

 

「調子に乗るな…■に、あたしに近づくなァ!!」

 

 

瞬間、ミネと幻神は息を吸い、吐き出す。

 

 

——Balwisyall nescell gungnir tron(喪失までのカウントダウン)——

 

——Imyuteus amenohabakiri tron(羽撃きは鋭く、風切る如く)——

 

 

奏でる『聖詠』は『天羽々斬(アメノハバキリ)(Another)』と『ガングニール』

瞬間、ミネの纏う『ガングニール(Another)』は蒼く輝き、幻神の『アガートラーム』は黄金に輝き、そして包み込んだ。

 

肌にピッタリと張り付く青と白を基調とするバトルスーツを身に纏い、下部に刃があるヘッドセット。左右の前腕に青く白い鎧を武装。

後腰部にはスラスターが武装され、脚部には膝横に白い鎧。

脛も青く機械的な鎧とヒールの左右外側に青と白のブレードを武装。

 

肌にピッタリと張り付く黄色と白を基調とするバトルスーツを身に纏い、両腕両脚には白色と黄色の機械装甲であるガントレットとグリーブが装着され、頭部には白色と黄色のヘッドセットとブレードアンテナを装着。

首元には足先まで伸びている白色のマフラーが巻かれていった。

 

天羽々斬(アメノハバキリ)(another)』と『ガングニール』を纏った二人は駆け出す。

それに合わせてか、イヴも駆け出した。

そして今——

 

♪ い Let's fly  へ ♫

♪ い Let's fly へ ♫

 

♪ 最ク ♫

♪ 声」 ♫

 

♪ 胸 Let's fly ? ♫

♪ ア Let's fly ? ♫

 

♪ ほとばしる程 の ♫

♪ 強き熱 る ♫

 

♪ 無限大のソウルが ♫

♪ 手よ ♫

 

♪ 激ィ ♫

 

——3つの胸の歌が重なる。

 

 

♪【激唱インフィニティ】♫

 

 

♪ RED ZONE ガン振りして捻じ込むコブシ ♫

 

幻神は迫る泥の塊を拳法にて弾き、誰もいないところへと着弾させる。

 

♪ 一片の曇りなく防人れる剣 ♫

♪ ゼロ距離でも恐れなく踏み込めるのは ♫

 

ミネは蒼き双刃刀にて両断していき、破壊させ爆破していき、その背中を守るように、イヴは狙撃銃を拳銃へと変え銃爪を引き、一つ一つ撃ち落としていく。

 

♪ 背中を託して 番える ら ♫

 

その後も終わりなき災禍は、無数の"異能"と泥で攻撃を仕掛ける。

しかし3つの歌声が重なった3人はそれらをさばき躱し、相殺しながら駆け出していき、その後方でアリスと緑谷はともに駆け出していく。

 

♪ 二度と こない 今日に後悔 ♫

♪ なんてしない為に ♫

闇さえも ハートの チカラへと ♫

♪ 食て ♫

 

やがて3人は、それぞれのギアの輝きを溢れ出しはじめ、さらに押し始めていく。

 

♪ 全 Let's fly を ♫

♪ 全 Let's fly を ♫

♪ ど 」 ♫

 

その勢いに無数の攻撃が徐々に、徐々にと押され始めていき、弱まっていく。

 

♪ 再 Let's fight を ♫

♪ 再 Let's fight を ♫

♪ 何度涙を  何度血を し ♫

 

拳を握り、剣を構え、銃を差し向け、彼女たちは歌い突破する。

 

♪ 愛と呼べる日々まで ♫

♪ 築? ♫

 

 

 

 

「……ッ」

 

一方で終わりなき災禍は明らかに状況の一変により、焦りを露にしていた。

終わりなき災禍にとって今一番厄介と思われる存在は、本来取り込むはずだった日陰の歌姫こと、黒換ミネ。

彼女は『紡心(アクシア)』と『OFA』の二つをその身に宿し同時使用を負担なく行えている。

 

それに共鳴するように、『並行世界』の『紡心(アクシア)』を持つ幻神、『OFA』を持つ緑谷。

さらにミネの『紡心(アクシア)』の一端を纏うイヴ。

おまけにアリスや蜂沼たちの持ちいる錬金術や兵器、その全てがユウカの記憶と『紡心(アクシア)』を通して創り出された、限りなく本家に近しい模造品。

 

自身の掌の上で、完全な復活のために転がしていたはずの駒たちは、その掌から逃げ出し、自らの意思で自身へ牙を向けている。

 

「やめ、ろ…来るな…来るなぁ……」

 

気が付けば彼女は——

 

「お願いだから、あたしに近づかないでよォ!!!!!」

 

——本当の自分をさらけ出してまで拒み、拒絶を試みていた。

 

「「だとしてもォォォオオオッ!!!!」」

 

姉妹の声が重なり、伝播するように周りも叫ぶ。

 

「たとえ拒絶されようと、私たちは!!!」

 

角笛を宿す少女が撃ち抜いていく。

 

「救けを求めてる君を、見過ごしはしない!!!」

 

受け継がれし力を宿す少年が、殴り蹴り飛ばす。

 

「局長の遺志を無駄にしないためにも! ここまでの犠牲を無駄にしないためにも!!」

 

錬金術を駆使する女性が、蒼く燃え盛る狼を放ち燃やし尽くす。

 

「この! 胸の歌で!!!!」

 

陽だまりの少女が、繋ぐ手を握り殴る。

 

「あなたと手を繋いで! 救けるッ!!!!」

 

日陰が蒼き刃で断ち切っていく。

 

 

その隙を見逃さず、イヴとアリスは肩を並べ、銃口を向ける。

 

「穿て!!」

 

「撃ち抜け!!」

 

そして銃爪を引き、一直線に放つ。

 

- SEPULTURA BUSTERRAY -

 

【-ミリアドスフィア -】

 

エネルギー弾を燃え盛る蒼き狼が食らい、共に共に一直線へと、終わりなき災禍へと飛んでいく。

そして命中した瞬間——終わりなき災禍が苦しみ、その身体に大きな、謎の空間へと繋がっているであろう穴が開かれた。

 

「あれが!!」

 

「開けたのは一瞬!! この一瞬を逃してはダメよ!!」

 

それを聞いた『並行世界』の陽だまりと太陽は互いを呼ぶように叫び手を伸ばす。

 

「幻神!」

 

「出久くん!」

 

すれば手を繋ぎ、互いの"個性"が強く共鳴させ、互いの鼓動が同じタイミング、リズムで奏でさせる。

そして太陽は陽だまりの土に水をやり、陽だまりはその土から生える花の名を、共に叫んだ。

 

「「咲き誇れ!! アマルガムッ!!!」」

 

叫び繋ぐ手を掲げた瞬間、黄金の花が咲き誇った。

そして緑谷と幻神のそれぞれ、空いている腕に同期し、繋がるように武装され、黄金の腕を、手を形成させる。

 

「今この拳はァ!!」

 

「救け繋ぎ合うための、道を作るための拳としてェ!!!」

 

2人は同期し、空いている手を伸ばす。

すれば【アマルガム】の手が同じように伸び、イヴとアリスによって謎の空間を身体から開けられた終わりなき災禍を、その空間を直接掴む。

それは閉ざすことを防ぐために。

 

「ミネェ!!!!」

 

「お姉ちゃァァんッ!!!」

 

「「行っけェェェエエエッ!!!!!」」

 

太陽と陽だまりは叫ぶ。

次の瞬間——『白いガングニール(Another)』へといつの間にか『シンフォギア』を変えていたミネが接近する。

否、そのまま謎の空間へと続く穴へ、自ら入っていった。

 

「——絶対救ける…! わたしの、胸の歌で!!」

 

するとミネはそのまま——

 

 

「——ぅあっ!?」

 

 

——つの廃家の傍に出た。

 

「……ッ、ここって…?」

 

どう見ても人が住んでいるとは思えない一軒の廃家。

 

『ママ~!』

 

「ッ!?」

 

しかしその家から、否、家の庭から幼女の元気な声が発せられた。

ミネは恐る恐る歩み寄り、その先を見る。

 

「……あっ」

 

『見てみてお花~!』

 

『あら! とっても綺麗なお花ね~!』

 

そこには汚れや破損がひどく、そこを別の布で無理矢理縫うことで形を保ち、衣服として着込んでいる二人の女性親子が笑顔で話している。

その恰好からも、まるで恵まれることなく、街外れで誰にもバレずに静かに暮らす、追放者か、紛い物、異物扱いを受けた者のよう。

 

「……ここが、原点…なの?」

 

ミネがたどり着いた場所、そこは原初の"異能"発現者が終わりなき災禍として君臨する前の——

 

 

 

——始まりにして記憶、そして過去の世界。

 

 

 

 






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