この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します   作:伽華 竜魅

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ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます。

どうも、この作品での挿絵を描こうか、そしてヒーロー名をどうしようか悩んでいる作者です。
他の作品見ると皆様方ネーミングセンスがすごすぎてもう驚愕の驚愕。どうやったらそんなすごいネーミングが浮かぶんだ…!
イラストも私自身も描いてますけど、自分が納得いかなくて没になるのがほとんどなんですよ。
それとついにアニメ7期始まりますね。もちろん1話はリアルタイムで見ますよ。
それではいってらっしゃいませ。




復帰早々また救助訓練ってマ?

 

 

 

 

「あ"ぁ"……なんでこんな朝から疲れるの…」

 

身体を曲げて、腕をぶら下げるようにしてドボドボと教室へ向かってる。何でこんな状態で学校に向かってるかというと、朝から先生がいろいろと面倒ごとを起こしたからだ。

退院したばかりだから朝ごはんを作ってあげると珍しく早起きして作っていたが、案の定、爆発というあり得ないことが起きたり、丸焦げになったりして、もう待ってることができず私もやることになって現在に至る。

 

「なんであれほどの実力を持ちながら生活面ではダメダメなんだろ……」

 

ボソボソと愚痴を言いながら着いた教室の扉に手を掛けて、扉を開けた。

 

「「「あぁーッ!!」」」

 

「うぇ!? な、なに……!?」

 

教室に入った瞬間、大半が驚愕の叫びを上げながら私を見てきた。と思ったら大半が私に近寄って来た。

 

「おい天堕、身体とか大丈夫なのかよ!?」

 

「心配したんだから~!!」

 

「わっ! ちょ…ちょちょ!」

 

葉隠さんが肩を掴んでブンブンと揺らしてきた。ちょ、気持ち悪くなる……。

 

「ちょ、葉隠そんな揺らしたら天堕が……」

 

「え、あ、あぁ! ご、ごめん!!」

 

「だ、大丈夫…」

 

耳郎さんに言われて何とか解放された。あぁ~ちょっとだけ頭ユラユラする。

 

「とても心配したわ幻神ちゃん…」

 

「う、うん…心配させてゴメンね梅雨ちゃん。みんなも……」

 

一応ちゃんと謝罪はしておこう。というかした。そしたらみんなは余計に勢いを増して「心配した」だのと言ってきた。ちなみにもう私は蛙吹さんを梅雨ちゃんと呼ぶようにした。

 

「あ、緑谷くん!」

 

「ッ! あ、天堕さん…あの、その……」

 

緑谷くんを見つけて近寄れば、彼は思い詰めたような顔で俯いていた。そして次には頭を深く下げた。

 

「ご、ごめん! 僕のせいで、その……」

 

「あぁいいよ全然! ていうか頭上げて!」

 

私は急いで謝罪を止めた。緑谷くんはおそるおそると、頭を上げて来た。そして私は緑谷くんの手を取った。

 

「私のために危険を顧みず、助けに来てくれてありがとう。むしろこっちこそ心配かけてごめんね?」

 

私はお礼と謝罪を緑谷くんに述べた。だけど緑谷くんはなんか、か、固まった……。

 

「あ、あれ? お~い?」

 

すると緑谷くんは顔が急に真っ赤になって、ボンッ!と音を立てながら倒れた。

 

「えっ? えっ!? ちょ、み、緑谷くん!?」

 

「み、緑谷君!! しっかりするんだ!!」

 

「デクくん!?」

 

その後は相澤先生が来るまで私たちは必死に緑谷くんを起こそうと試みた。

 

 

——◆——

 

 

USJ内部。

 

「まぁ、あんなことがあったけど、授業は授業! という訳で救助訓練はしっかり行ってまいりましょう!」

 

と元気そうな13号先生。麗日さんの心配する声に「背中がちょっとめくれただけだ」と言い、相澤先生と比べたら大したことじゃないと言った。いや、背中がめくれた事をちょっとで済ますのはマズいんじゃないのか?

 

「授業を行えるなら何でもいい。とにかく早く始めるぞ。時間がもったいない」

 

「相澤先生! 前回は13号先生と相澤先生、あとオールマイトが見てくれるはずでしたけど、オールマイトは……?」

 

「知らん。ほっとけあんな男」

 

相澤先生は緑谷くんの質問に少し足を止めたけど、素っ気なく突き放して再び歩きだしてしまった。

 

「(喧嘩でもしたのかな?)」

 

そんなことを思いながら、私たちは先生たちの後に続き、山岳ゾーンまで移動した。

 

 

 

断崖絶壁の山岳ゾーンでまずはやるのは山岳救助の訓練。訓練想定とし、登山客3名が誤って谷底に滑落。1名は頭を激しく打ち付け意識不明。他2名は足を骨折し動けず救助要請という形だそうだ。

 

「うわぁ! ふけえぇ!!!?」

 

「2名は良く骨折で済んだなぁおい!?」

 

切島くんと上鳴くんが覗き、驚愕の声を上げていた。そんなに深いのか。

 

「切島君上鳴君! 何を悠長なことを! 一刻を争う事態なんだぞ!! 大丈夫ですかぁぁ!? 安心してください! 必ず助け出しまぁぁすッ!!」

 

い、飯田くんらしい…まだ始まってもないのにもうやるなんて……。

 

「うおぉ~! 本格的だぜ! 頑張ろうねデクくん! 幻神ちゃん!」

 

「そ、そうだね麗日さん…!」

 

「…うん! 病み上がりだけど、頑張る!!」

 

麗日さんが距離を詰めてくるけどやる気は伝わる。そのやる気に乗るように私も気合が入った。

それぞれ最初の組み分けが決まったが、まさかのやる気満々だった緑谷くんと麗日さん、飯田くんの3人が選ばれた。

そして、駆けつけて来た側なんだが……——

 

「よし、それじゃあまず救助要請で駆け付けたと想定し、この4名だ。そこの道具は使っていいこととする」

 

「待ておいッ! なんで俺がデクを助けにゃならんのだ!!」

 

「ランダムなんだから仕方ないわよ爆豪ちゃん」

 

「納得できるかァ!!」

 

——選ばれたのは轟くんと常闇くん、八百万さん、そして爆豪くんだった。爆豪くんは緑谷くんを助けるということに対し、物凄く苛立ちを露にして反論していた。入学時から緑谷くんに対して当たりが強すぎると思ったけど、ここまで行くか……谷底からは飯田さんの救助を求める声が聞こえる。相変わらず演技派だなぁ……。

 

「始めるぞ。誰が降りる?」

 

「仕切ってんじゃねェぞ半分野郎! 降りるまでもねぇ……谷そのものを無くしちまえば問題ねェ!!」

 

「正気ですか!?」

 

うん、正気じゃない。周りも「考えてることが人とは思えない」とか「緑谷絡むとヤバいなアイツ」って呟いてる。本当に、緑谷くんは前世とかで何かしでかしたんじゃないか……そんな爆豪くんに対して轟くんはため息を吐いた。

そして轟くんは八百万さんに滑車を出すように指示、それを使って倍力システムを作るみたいだ。常闇くんは要救助者の元へ降りて下から介添。

上では八百万さん、轟くん、爆豪くんで引っ張りあげる。これで救助を行うと言いだした。

 

「(推薦入学者なだけあってすごいなぁ~)」

 

この指示に八百万さんも常闇くんも頷いているけれど、ただ1人、爆豪くんだけは轟くんの胸倉を掴んで「勝手に決めるな」と猛抗議している。

いや、轟くんの考えはベストだと思うけどな……だけど轟くんは爆豪くんに、なんか喧嘩文句(?)みたいな感じで言葉を言い放ち、爆豪くんはその言葉に対して手を出そうとしたけど八百万さんが間に入って叱りだした。

そして八百万さんの言葉によって2人も黙り込み、それぞれ救助訓練に取り組みだした。

複数の滑車と崖の(ふち)に轟くんの氷を張って摩擦を軽減させてロープをゆっくりと降ろす。

そして常闇くんがロープにつかまりながらゆっくり谷底まで降りていった。

担架を下ろし、要救助者が乗ったのを確認すると、上ではロープを引っ張り下では常闇くんの黒影(ダークシャドウ)が一定の高さまで介添してくれている。

引き上げた担架の上では麗日さんが吹き出しながら笑っている。麗日さん曰く、飯田くんがあまりにも真面目すぎて、耐えられなかったとの事。

正直私も笑いそうです。

 

「"個性"を上手く作用させ合い人助けをする。1組目にしてはとても効率の良い、模範的な仕事です! これこそ、超人社会の在るべき姿だー!」

 

「1人、ただ引っ張るだけの人居ますよ」

 

「ガヤがうっせェんだよ! 黙れよ!!」

 

瀬呂くん、流石に今の指摘はダメだと思うよ。私の個人的な意味では。

 

 

 

んで最後、緑谷くんと麗日さん、尾白くん、そして私の4人ペアだ。

崖下への声掛けは緑谷くんと麗日さんが最初にやってくれたから、後はどうするかだ。と思ったけど、思ったより早く決まり、すぐに行動できた。

それも、麗日さんの"個性"が大活躍なのだ。麗日さんが1人で谷底へ降りる。そしてロープは私と尾白くんがしっかり握ってる。私?病み上がりだからと決められましたよ。

まぁ私の"個性"は体力をエネルギーに変換。そして足りない部分は生命力で補うことで発動できる。だから13号先生が言っていた「自身の"個性"が貢献出来ないと判断した場合、フォローに回ること」と言っていたから、まさにこの状態である。

 

「(ん? 軽くなった?)」

 

「1人目が来るぞ。緑谷」

 

「うん!」

 

あぁそうか。麗日さんが『無重力』にしたんだ。その後は要救助者を全員救助し、無事訓練は成功した。

 

 

——◆——

 

 

次の訓練は倒壊ゾーンで行う救助訓練だった。

その内容は簡単に言えばかくれんぼ。うん、かくれんぼ!4人組が他の隠れている要救助者17人を探す訓練らしい。

最初の4人は緑谷くん、麗日さん、峰田くん、爆豪くんだった。相変わらず爆豪くんは緑谷くんとの活動に怒っており、峰田くんは以下略。

そして要救助者側である私達はそれぞれ散りながら隠れだした。

 

「ん~! 暇だ!」

 

小さいビルの中でそう吹いた。まぁ救助者である4人の誰かが来るまではただ待つことした出来ない。今声を出しても意味ないし……。

 

……30年に一度の星座が近づいてる♪

 

私は声質を『フレイア・ヴィオン』の声質へと変換し、歌いだした。

 

 

♪【風は予告なく吹く】♫

 

 

♪ 眠りたくない あなたの隣で見届けるまで ♫

♪ 歯車がゆっくりと、ゆっくりと回るのを 感じる ♫

♪ (Can you hear my heart) ♫

 

歌いながら器用に他4人の『ワルキューレ』メンバーの声質に変換して、ハモらせて歌う。

1人で出来るわけないだろうと思うけど、これも私なりの応用…というか前世から同時に複数人で喋ってるようにできないか努力をした結果である。声質変換も合わさったおかげで複数人の歌もある程度なら1人で歌えるのだ。

 

♪ 一年が 一日が 一瞬が ♫

♪ 何秒かなんて 考えたことないでしょう? ♫

 

窓ガラスのない窓から外を眺めながら私は歌い続ける。

 

♪ Don't tell me now 次の流星がいつか ♫

♪ 知りたくもない ♫

♪ () ♫

♪ Don't tell me now これが最後になっても ♫

♪ 悔やみたくない ♫

♪ () ♫

 

風は予告なく吹き始めぇッ!?♪

 

——瞬間。

とんでもない振動、いや地震?が起こりだして、私は足を踏み外し、尻もちをついてしまった。

 

「な、なに!?」

 

すぐに立ち上がって、窓に近づいて外を見れば、ある一か所が大きく更地になっていた。よく見れば、真ん中には見覚えのない(ヴィラン)っぽい恰好の大男と……ッ!?

 

「あれって、轟くん!? (それに周りにはみんなが、てことは……!?)」

 

アイツは、本当の(ヴィラン)!?もしかして襲撃時の残党!?

 

「くっ!!」

 

そのまま窓から飛び降り、落下しながら胸の上に手を乗せた。

 

 

——Zeios igalima raizen tron(夜を引き裂く曙光のごとく)——

 

 

『イガリマ』の『聖詠』を口ずさむ。

ドクンッ!と心臓の鼓動が大きく高鳴る。そして身体から緑色の光が溢れ、私を包み込んだ。

 

肌にピッタリと張り付く緑と白を基調とするバトルスーツを身に纏い、そのスーツに繋がるように前側だけが黒緑と緑でそこ以外は白のスカートが履かれた。両肩には左右合わせて4つの黒緑の装甲が装備され、両腕に緑と白のオペラグローブに指先は緑、手首は大きな緑のバングルが装備された。

両脚には白と黄緑のシマシマストッキング、外側に黒緑のバツ型の装甲が装備され、脚先には緑の刃のような靴が履かれた。

そして両耳に緑のヘッドセット、頭部には前部分にのみ尖った帽子の装甲が付けられて、左側にはバツ印が刻まれた。

 

『イガリマ』を纏い終えた私は両肩部装甲のバーニアを起動させて、一気に駆け抜けた。

そして距離がどんどん近づいていき、私はそのまま(ヴィラン)の傍について、アームドギアの鎌を振るった。だけど(ヴィラン)は私のアームドギアを片手で簡単に掴み防いだ。

 

「1人足りないと思っていたが、そこにいたか!」

 

(ヴィラン)が私を投げ飛ばす。私は体勢を立て直して着地した。

 

轟くんを返せ!! デスッ!!

 

 

♪【獄鎌・イガリマ】♫

 

 

♪ 警告メロディー 死神を呼ぶ ♫

♪ 絶望の夢Death13 ♫

♪ レクイエムより 鋭利なエレジー ♫

♪ 恐怖へようこそ ♫

 

声質を『暁切歌』に変換。そして歌いながら駆け出す。それと全く同時に横から爆発音が聞こえてチラッと見れば、爆豪くんが爆風に乗って(ヴィラン)へ向かっていた。

 

♪ 不条理な未来 叫んでみたけど ♫

♪ ほんとは自分が許せない ♫

 

「死ねやァッ!!」

 

「ふんっ!!」

 

爆豪くんの爆破の攻撃を(ヴィラン)は片手で簡単に防いで、いなしていた。私はその隙に背後に回ってアームドギアを構える。

 

♪ すべて刈り取り 積み上げたなら ♫

♪ 明日へと変わるの? ♫

 

「ッ!」

 

「なっ!?」

 

だけど(ヴィラン)は爆豪くんの腕を掴んで、そのまま私に回してきた。

 

いますぐにぃ!?♪

 

そのまま爆豪くんは私にぶつけられて、私たち2人は壁へと激突した。

 

「邪魔すんじゃねぇ歌女!!」

 

「…えぇ!? なんで私が怒られなきゃいけな——…ッ!?」

 

爆豪くんが暴言(?)を言ってきて、思わず言い返していたら突然周りが影になった。咄嗟に上を見れば瓦礫が降って来ていた。

 

「ふんっ!!」

 

「クソがッ!!」

 

私が瓦礫を切り刻み、さらに切り刻まれた瓦礫を爆豪くんが『爆破』で吹き飛ばした。

 

「野郎は俺が潰す! テメェは他のモブ共と一緒に引っ込んでろ!」

 

「ちょっ!?」

 

爆豪くんはそのまま(ヴィラン)の元へ向かっていった。

 

「……ッ(病み上がりでまだ少し完全復活ってわけじゃない。けど、(ヴィラン)は1人。だけどここいらを更地にするほどの実力+プロヒーローや警察の目を避けての潜伏を得意としている。現に爆豪くんの攻撃を片手で簡単に防ぎ続けてる。けど、なんか引っかかる…なんで脳無にも匹敵するかもしれない実力を持つ(ヴィラン)がずっと隠れてたんだ…?)」

 

いや、今は轟くんを助けるのを優先するんだ。両肩部のバーニアを起動させて、一気に駆け抜ける。

 

♪ いますぐに just saw now ♫

♪ 痛む間もなく… ♫

 

「ッ!?」

 

恐らくこの(ヴィラン)の"個性"はオールマイトや緑谷くんみたいな『身体能力上昇』もしくは脳無のような攻撃されないと判明されない"個性"系のどっちか!

それ以外ならとっくに"個性"を使用しているはずだから!!私は(ヴィラン)が掴んでる轟くんのほうに移動した。

 

切り刻んであげましょぉぉぉうッ!!!!♪

 

アームドギアを振るい、腕を切り刻んでやろうとしたけど、(ヴィラン)は気づいて、私の方に足蹴りをしてきた。

 

「くっ!!」

 

脳無ほど早くはなかったからか、アームドギアを攻撃から防御のために持ち方を変えて防いだ。だけど…!

 

「死ねェっ!!!」

 

爆豪くんが(ヴィラン)の背後に、背中に手を付けて爆破させた。そして私たちは一度(ヴィラン)から距離を取った。

 

「おい、人の心配するほど強ぇんか、テメェは! ア”ァ”? 棒立ちしてんならとっととその辺の奴ら逃しとけよ雑魚がッ!」

 

「なっ! なんで君はそう、憎まれ口しか叩けないんだ!」

 

確かに飯田くんの言うことは最もだ。私だって爆豪くんの言葉使いにはまだ慣れていない。

 

「おいおい、爆豪! その辺の奴らってのはねぇんじゃねぇのか?」

 

「1年A組21人」

 

「一応全員ヒーロー志望なんだけど!」

 

周りを見れば、他のクラスメイトのみんなが集結していた。つまりこれで20対1……どっちにしても轟くんを助けないと…!

 

「随分勇ましいな…しかし…!」

 

(ヴィラン)が腕を振り上げると、地面の一部がえぐられて瓦礫になり、私たちの元へ飛んできた。

 

「お任せ~☆」

 

青山くんが『ネビルレーザー』で振ってきた瓦礫を破壊して、撃ち漏らした瓦礫は切島くんと砂藤くんが破壊していく。

その隙に耳郎さんの『イヤホンジャック』で動きを止めてから瀬呂くんの『テープ』八百万さんの『創造』で(ヴィラン)を拘束した。

そして残りの男子らが(ヴィラン)へ向かい距離を詰めていく。だけど(ヴィラン)は力ずくで拘束を解いた。+でその勢いで皆が吹き飛ばされた。

 

「まさか全員で挑んで来るとはな。予想外だがその程度じゃこの俺は……ッ!」

 

だけど、それによって生まれた土煙に紛れ込んでいた私は一気に背後を取れた。

 

♪ 信じ合って 繋がる真の強さを ♫

♪ 「勇気」と信じてく そう紡ぐ手 ♫

 

私はアームドギアを振るう。だけど(ヴィラン)はそれを避けて、私を掴みかかろうとしていた。私はアームドギアをそのまま地面に突き刺し、跳躍してアームドギアを立てながら躱した。その隙を突くように爆豪くんが迫り、爆破させるも、(ヴィラン)はビクともしなかった。

 

「ッチ!」

 

♪ きっときっと まだ大丈夫、まだ飛べる ♫

♪ 輝いた絆だよ さあ空に調べ歌おう ♫

 

私はアームドギアを抜いて、空中で回しながら再び(ヴィラン)に斬りかかる。だけど(ヴィラン)はそれを片手で斬られることなくいなした。

 

「舐められたものだな」

 

「(脳無ならまだ納得できる…だけど、脳無並の実力を持ってるこの(ヴィラン)は、いったい……——)」

 

肩装甲のバーニアを噴射させて、距離を離した。

 

「天堕さん!」

 

「ッ! 緑谷くん!」

 

緑谷くんたちが私に駆け寄って来た。そして私に「作戦がある。協力してほしい」と言ってきた。むしろ作戦があるならありがたい…!

 

「——……いける?」

 

「もちのろん! それが成功すれば一発大逆転の大勝利だからね。私が爆豪くんに合わせてタイミングを作る。頼むよ!」

 

「うん!!」

 

緑谷くんの作戦を聞いて、私は駆け出す。アームドギアの刃を3つに増やす。そしてそれを爆豪くんが(ヴィラン)と距離を離したタイミングに合わせて振り投げた。

 

- 切・呪りeッTぉ -

 

「むっ!? 両サイドからか、しかし!!」

 

(ヴィラン)は片足を地面に強く踏み込む。それによって(ヴィラン)の両サイドに地面が盛り上がり、壁となって防いだ。

 

「なっ、なにその器用なやり方!?」

 

(ヴィラン)を甘く見るなよ女。(ヴィラン)もヒーローも表裏一体なのだからな…!」

 

「そう、けどそれじゃあ……背後がよく見えないよねぇ!?」

 

「なにっ!?」

 

爆豪くんが再度(ヴィラン)の背後に回って、爆破させた。その爆破によって(ヴィラン)の両サイドにあった壁も吹き飛び、なくなった。同時に爆破による煙幕も出来てる…!チラッと遠くのほうを見れば、緑谷くんが宙に浮きながらこっちに飛んできていた。

 

「ここっ!!」

 

「なっ! 爆破のタイミングで!?」

 

右手に持っていた峰田くんの『もぎもぎ』を轟くんにくっつけて、そのまま(ヴィラン)から引き剝がした。

そして地面に着地と同時に『もぎもぎ』が着いた手袋を外し、手を(ヴィラン)に向けて構えた。

 

「スマッシュ!!」

 

そしてデコピンで風圧を一転に集中での攻撃を(ヴィラン)に放った。しかし(ヴィラン)は両腕でそれを防いで耐えていた。

 

「だ、ダメか…!?」

 

「雑魚は引っ込んでろ! 野郎は俺がぶっ飛ばすんだよ!!」

 

「一気に決める!!!」

 

私と爆豪くんは2人で一気に(ヴィラン)の間合いに入る。そのタイミングで(ヴィラン)も緑谷くんの攻撃を消した。

 

「死ねェ!!」

 

death(デス)!!

 

私がアームドギアの刃とは真逆のほうを向けて(ヴィラン)の腹部を叩き、爆豪くんも大きい爆破をして、2人である方向に吹き飛ばした。

 

「ぬぅ!! ッ!?」

 

その先には峰田くんの『もぎもぎ』が大量についた瓦礫が1つあり、(ヴィラン)はそこに見事命中した。

 

「よっしゃあ!! 鳥もち作戦成功だぜ!!」

 

「軌道上からの避難誘導もバッチリ、計画通りだ緑谷君!!」

 

これが緑谷くんが考えた轟くんの救出と(ヴィラン)の拘束を一気に行う作戦……うまくいった……。

 

「(すごい、あんなすぐに思い付くなんて……あれで"個性"を使いこなせるようになったら、もっとすごくなるんじゃ……)」

 

私はチラッと緑谷くんを見てから、(ヴィラン)へと近づいた。もちろん爆豪くんも。顔を怖いけど……。

 

「止めだ! このクソ(ヴィラン)がァ…!」

 

「ま、まて…わ、わた、わわ、わわ、わ…——」

 

(ヴィラン)がもがいて抜け出そうとしたり、何か言おうとしてるけど、私はアームドギアを、爆豪は両手を構える。だが、(ヴィラン)がマスクを無理やり外して素顔を見せた。

 

「——私が着てたぁ!!」

 

——………は?

 

「「オ、オールマイトォォォォオオッ!?」」

 

(ヴィラン)の正体はオールマイトだった……。

 

「アーッハッハッハッハッ! 実は(ヴィラン)が来た時の緊急救助訓練をと思ってね! いやぁ~しかし、みんな思いのほかテキパキしていて、さすが…! 雄…え……………えっと、なんか…すいませんでした……」

 

オールマイトが理由などを語ったりするも、私たち全員が黙り込んでオールマイトを見ていたためか、オールマイト縮こまる(実際は縮こまってない)感じで、最後には小さく謝罪を述べた。

 

「「「やりすぎなんだよオールマイトォォォ!!!!」」」

 

男子らがついに痺れを切らしオールマイトに怒鳴った。切島くんと上鳴くん、瀬呂くんに至っては動けないことをいいことにオールマイトを軽く踏んだりして、オールマイトは泣きながら謝罪を繰り返してた。

 

「あ、轟くん!」

 

「ア”ァ”!! テメェもこのクソサプライズ共犯かぁ!?」

 

「あぁ、悪かった」

 

うっそでしょ……まさかの轟くんまで共犯者……ちょっと待って、じゃあ相澤先生と13号先生もまた共犯、あぁ……私の中で何かがプツンッと切れた。

 

「ひどいよオールマイト!」

 

「ごめんて、ほんの冗談のつもりだったんだよ~…」

 

「しかし緑谷くんは負傷しております! これは学校としては、非常にまずいことになるのでは!?」

 

「幻神ちゃんだって病み上がりだっていうのに~! ね? デクくん」

 

オールマイトへの文句もしつつ、麗日と飯田は緑谷を心配し振り返る。緑谷は腰が抜けたのか地面に座り込んだ。それを見た2人は心配そうに見てるが、緑谷は笑っていた。

 

「でも、サプライズで良かった…!」

 

それを見た一部のクラスメイトはホッとしていた。

 

「緑谷少年…!」

 

「緑谷少年じゃねぇよ!!!」

 

オールマイトは緑谷に対し嬉しそうに反応するも、それに気づいた他の生徒はすかさず文句を述べる。オールマイトも再び謝罪する。

すると、瓦礫と『もぎもぎ』で動けないオールマイトの周りからウネウネと黒い鎖が生え、オールマイトをさらに拘束した。

 

「えっ? …あ、あれ…?」

 

オールマイトはなぜと思っていると、真後ろからとんでもないオーラが放たれてるのに気づいた。

ギギギギと、ゆっくり振り向けば、未だ『イガリマ』を纏ったままの幻神がとんでもない顔をしながら立っていた。

 

「あ、天堕少女……?」

 

……切り刻んでやるデス

 

「なっ!? ま、待つんだ天堕少女! これ訓練! 訓練としてで……あっ、待って!? 女の子がそんな顔しちゃ……いやそれよりもそんな身体に合わずの大きな大鎌を構えてジリジリと来ないでっ!!!!」

 

オールマイトは今まで以上に焦り、必死に呼びかけて止めようとする。そして他の生徒たちにも助けを求めるも——

 

「やっちゃえ天堕!」

「さすがにオールマイトが悪いので止めませんわ」

「自業自得だな」

「幻神ちゃんからの罰の元、しっかり反省してねオールマイト!」

「万死に値するとはまさにこのこと」

「お供え物として料理用意しとくぜ!」

 

——助けようとする生徒は一人もいなかった。

 

「Noooooooooo!!!!! すまなかった! いやほんとにさーせん!! すいませんでした!!! だからヤメテ天堕少女!! ヤメテェ!! ヤメテクダサァァァイッ!!!」

 

デェェェェェスッ!!!!!

 

「イヤァァァァァァアアアアッ!!!!!!!」

 

その日、普段聞くこともないNo.1にして平和の象徴の叫びがUSJ内に響いたとさ……。

 

 

——◆——

 

 

そんなある意味大変な救助訓練を終えて、放課後。

私は病み上がりでありながら『イガリマ』を纏って戦ったのと、緑谷くんは指の負傷で保健室に来ていた。ちなみにオールマイトも申し訳なさなのか(半分は私がお仕置きしたから)同行していた。

 

「まったく! あんたら2人はもう常連客だよ! 保健室に常連ってのはダメなんだよ! わかるかい!!?」

 

「「はい…」」

 

「オールマイト! あんたも加減を本当に覚えないね! 緑谷はまだともかくとして、天堕は病み上がりなんだよ! 無茶させてどうすんだい!?」

 

「も、申し訳ございません……」

 

そして私たちは3人仲良くリカバリーガールに叱られていた。特にオールマイトなんて縮こまってた。

 

「天堕、あんたの"個性"はあたしの『治癒』と相性が最悪なのはわかるだろ? だから無茶しちゃダメだよ?」

 

「はい……」

 

今回はさすがに『治癒』できたからよかったものの、保健室の常連客は確かに前世でもあまり聞かない。変なあだ名付けられそう……。

 

「はい。とにかくあんたら2人は早く帰りんさい。いい加減保健室に通うってのはやめるんだよ?」

 

「「はい…失礼しました」」

 

「わ、私も——」

 

「あんたはまだ言うことがあるんだよ! そこに座りなさい!」

 

「は、はいぃぃぃ!!!」

 

オールマイトがリカバリーガールに叱られるのを最後に、私たちは保健室を後にした。外を見ればもう夕方。これはまぁた先生にいろいろ言われる可能性もあるなぁ……。

 

「あ、天堕さん…身体は大丈夫なの?」

 

「そりゃこっちのセリフでもあるよ? 私は"個性"の関係上、絶対体力が減るからね……」

 

「"個性"…そういえばさっきリカバリーガールが「相性が悪い」って言ってたけど……」

 

へぇ、話聞いてたんだ。ま、隣で仲良く座って怒られてたんだ。聞いてないほうがおかしいか。

 

「そ。前にも話したけど私の"個性"は自身の体力、生命力をエネルギー源としてるの。だから纏う時も、戦う時も体力は減ってる。わかりやすい例だと『ゲームで自身の体力バーが常に減り続ける』かな?」

 

「すごい分かりやすい例えだね……改めて聞くと確かにリカバリーガールの"個性"と相性が悪いのも納得できるね……」

 

その後緑谷くんはいきなりブツブツと独り言を言い始めた。というか幻覚かわからないけど周りに『ブツブツ』ってフォントが出てる……。

 

「……思ったんだけど、というかずっと気になってたんだけど、緑谷くんって変わってるよね」

 

「へっ!? か、変わってるって!?」

 

「(なぜそんなに動揺する?) だって、言い方はあれだけど爆豪くんとの関係性から見ても明らかに臆病じゃん? それに加えていろんな人の"個性"をまるで自分だったらこうするっていう、持ってない人のような考え。昔からその"個性"を持ってたら普通そういう性格になるのかな~? って思ってたから」

 

「あ、えっと…その…じ、実は…というかかっちゃんが言ってたはずだけど、ぼ、僕……雄英入学するまで"無個性"で……」

 

「えっ」

 

じゃあ体力テストの時の爆豪くんの発言は本当だったってこと!?…ん?じゃあなんで今は……。

 

「それでもヒーローを目指したくて、身体を鍛えて入試に挑んだらいきなり発現して……えっと、それで……」

 

「えっ、じゃあ私があの時助けた時が発現した瞬間だってこと!?」

 

「う、うん! そ、そうなるね……」

 

ま、マジか……そんな奇跡というか、もはや運命(?)的な発現と書いて運命ってあるんだ……もはや運命が彼をそうさせてるようだ……。

 

「じゃあ制御できてないのも納得だね。それでハイもうできますってなったら天才肌だよ」

 

「あ、アハハハ、そうだね……」

 

となると近々の体育祭、緑谷くんは厳しいんじゃないか?それに"個性"は私の見た感じ『超(パワー)』……よし。

 

「緑谷くん、体育祭までの間時間ある?」

 

「え? う、うん。トレーニングとかはするけど……」

 

「ならお詫びも兼ねた提案なんだけど……——」

 

 

 

 

 

「——私のところ()で一緒にトレーニングしない?」

 

「……へっ?」

 

 

 

 

 

私は今日、緑谷くんに体育祭までの間一緒にトレーニングするかのお誘いをした。

 

 

 

 





アニメフェスタ編は飛ばそうと思ったけど、せっかくならやろうと思ってやりました。
オールマイトが見たオリ主の顔はご想像にお任せします☆

Q.複数人の曲を一人って出来なくね?それこそチートな気がする。
A.複数人で歌ってるかのような人いるじゃないですか(A〇oとか)。それに、実際に調べたらそう言うやり方などもありましたし、ね?

Q.バーニアとスラスターって一々変えてるの?
A.呼び方が違うだけで大体一緒。あまり気にするな。

後悔は……ないっ!!!!!

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