この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します 作:伽華 竜魅
誤字報告誠にありがとうございます。
さて、ついに本編へ戻り文化祭編です!!
やっと…やっと本編書ける……こんなうれしいことがかつてあっただろうか!!いやあったな何個か。
まぁとりあえず!文化祭編に突入します!!
お知らせと面会
『並行世界』のこととか大変なことがあったけど、無事に解決し、私と出久君が元の世界に帰ってきて数日が経った。
学校側でもいろいろとやっていたらしく、その詳細は教えてもらえなかったけど、ミネたちも『並行世界』へと帰っていった。
そして——
「——文化祭があります」
「「「——ガッポォォォォイ!!!*1」」」
——文化祭の季節、時期になっていた。
もう季節も夏が過ぎて秋だし、学校のイベントの一つだ。
「いいんですか!? このご時世にお気楽じゃ!?」
「切島…お前変わっちまったな……」
「でもそうだろ!
「もっともな意見だ。しかし雄英もヒーロー科のみで回ってる訳じゃない。体育祭がヒーロー科の晴れ舞台だとしたら、文化祭は他科が主役。注目度は比にならんが彼らにとって楽しみな催しなんだ。そして現状、寮制を始めとしたヒーロー科主体の動きにストレスを感じている者も、ついこの間の件もあったこともあり少なからずいる」
そういわれて思わず俯いてしまう。
特に私だよね…神野なんて特に……。
「そう考えると申し訳たたねぇな…」
「あぁ、だからそう簡単に自粛とするわけには行かないんだ。今年は例年とは異なりごく一部の関係者を除き、学内だけでの文化祭になる。主役じゃないとはいったが決まりとして1クラス1つ出し物をせにゃならん。今日はそれを決めてもらう」
相澤先生はそう言いまた寝袋に入っていった。
そして飯田くんとヤオモモが前に立ち司会を始める。
「ここからはA組委員長、飯田天哉が進行を努めさせて頂きます! スムーズに纏められるよう頑張ります! ではまず、候補を上げていこう、希望のあるものは挙手を!」
飯田くんの声を皮切りに、みんなが一斉にやばいと言えるほどの熱量で手が上げ始めた。
何だったら爆豪くんも上げてる…意外だ!
「なんという変わり身の早さだ…! ええい! 必ずまとめてやる!」
私以外のみんなが既に考えたことを黒板にまとめられた。
メイド喫茶、腕相撲大会、ビックリハウス。
おもち屋さん、暗黒学徒の宴、ダンス。
オッパ?、コント、郷土史研究発表。
たこ焼き、アジアンカフェ、演武発表会。
お勉強会、ヒーロークイズ、手打ち蕎麦屋。
僕のキラメキショー、かえるのうた合唱、クレープ屋。
すっごい……。
「天堕君は何かないか? 君だけが候補が無いようだが」
「……ライブ」
「天堕らしいな」
「ゴフッ!!!」
だって歌以外何もないんだもん!!
「では一通り皆からの提案は出揃ったため、不適切・実現不可、よく分からないものは消去させていただきますわ」
そしてみんなから出た意見の中で、暗黒学徒の宴、オッパブ(?)、
「あっ!」
「無慈悲…!」
「ハナから聞くんじゃねぇよ!!」
聞かなきゃ意味ないでしょ…そう思った。
その後も言い争いのような状況になっていき、だんだん収拾がつかなくなくなってる。
私の場合は……いろいろとあれだからなぁ。
「静かに! 静かにぃ!」
「まとまりませんでしたわね……」
そしてチャイムがなってしまい、その瞬間に相澤先生が立ち上がって教室から出て行こうとする。
「実に非合理的な会だった……明日朝までに決めておけ。決まらなかった場合——公開座学にする」
先生は凄みながらそう言い放った。
私たちは衝撃を受けて戦慄してしまう。
公開座学って……なんかの死刑かなんかですか!?
——◆——
文化祭のお知らせをロングホームルームでされた日の放課後。
インターンで公欠扱いとなり授業を参加していなかった私や出久くんたちに加え、常闇くんを加えた5人と一緒に穴埋めの補習を受けていた。
特に私と出久くんは『並行世界』の件で不在になってしまっていることもあり、他4人よりも量が少し多い……解せぬ。
そんな中、相澤先生が壊理ちゃんの話を切り出してきた。
「——壊理ちゃんが、緑谷ちゃんと幻神ちゃんに会いたがってる?」
「あぁ。厳密には緑谷と通形、そして天堕を気にしている。要望を口にしたのは入院生活始まって以来、初めてのことだそうだ」
まさかそんなことが…出久くんをチラッと見ると、唖然と口を開けてびっくりしている。
私は……逆に不安だ。
「あの、うろ覚えなのと後からの報告で聞いたことなんですけど、私暴走したんですよね? しかも壊理ちゃんの前で何度もその、想像を絶するぐらい酷い状態だったみたいですし……」
「その件に関しては俺も目撃しているから気持ちは分かる。だがそれでも本人が要望したからな。行けるなら行ってやってくれ」
本当にそうなのかな……少なくとも嫌な記憶として刻まれたかもしれない。
多分だけど、何度も手足失っては再構築して、加えて猛獣らしい声もあげたはずだ。
じゃなきゃこの手足があるのに説明がつかないもん。
「大丈夫だよ。壊理ちゃんのためにも行こう? ね?」
「……うん」
出久くんが不意に顔を覗いて慰め交じりで誘ってきた。そうだよね。行かなきゃいけないんだ。
「なら明日行けるか?」
「はい空いてます! 壊理ちゃんに会いに行きたいです!」
「なら俺が送迎するから病院に行くぞ」
明日…明日ァ!?
そんないきなりですかァ!?
——◆——
翌日の日曜日。
私たちは最寄り大学病院に来て、壊理ちゃんの入院している病室へと入った。
「会いに来れなくてゴメンね」
「フルーツの盛り合わせ! よかったら食べて! 好きなフルーツある!? 俺当てていい!? 桃でしょ!? ピーチっぽいもんね!」
通形先輩が壊理ちゃんに盛り合わせを渡せば、冗談交じりに話しかけている。
「…リンゴ」
「——だと思ったよね!!」
絶対思ってないはず…まぁ私もリンゴは好きだ。
看護師さんに包丁とお皿を貸してもらっておいたから、私はそのリンゴをウサギ型として皮むきをしよう。
「……ずっとね、熱でてたときもね、考えていたの。救けてくれた時のこと……でも、お名前がわからなかったの。ルミリオンさんしかわからなくて、知りたかったの」
…そういえば、救けると強い思いを抱いてたのに、一方的に知ってるだけだったな。
出久くんもすぐに自分の名前を壊理ちゃんに教えていた。
「えっと…デクの方が短くて覚えやすいかな……デクで! デクです!」
「ひーろめい?」
「あだ名みたいなものだよ」
「じゃあ……」
リンゴの皮むきとうさぎ型に切り終えて棚の上に置いていると、壊理ちゃんが私を見て来てるのに気づいた。
「私は天堕幻神! ヒーロー名はアカシアで……ちょっと覚えずらいと思うけど、幻神でいいよ」
「ゆうかさん…?」
「うん」
すると壊理ちゃんはポツポツと話し始めた。
「……ルミリオンさん、デクさん、ゆうかさん、あと……眼鏡をしていたあの人…皆……私のせいでひどいケガを…私のせいで……苦しい思いさせてごめんなさい……私の、私のせいでルミリオンさんは力を失くして……ゆうかさんも、凄く怒って……」
そこまで言うと壊理ちゃんは泣き出してしまった。
治崎に刻まれた呪い…束縛…呪詛のようなものは相当な深さまで根を張っているみたいだ。
きっとこの子は…私たちが想像する以上に辛すぎるほどの拷問…解剖などを受けたに違いない。
美音の時もそうだ…なんでこんな小さな子たちが、こんな残酷すぎる現実を浴びなきゃいけないんだ。
私がそう思っていると、壊理ちゃんを励ますように通形先輩が話しかけた。
「苦しい思いしたなんて思ってる人いない。皆こう思ってる! 『壊理ちゃんが無事で良かった』って! 存在しない人に謝っても仕方ない!! 気楽にいこう! 皆、君の笑顔が見たくて戦ったんだよ!」
通形先輩のその言葉を聞いた壊理ちゃんは、少し呆然とした後に無理矢理表情を変えようとし始めた。
笑おうとしてるんだ……頑張って…。
「ごめんなさい……笑顔ってどうやればいいのか」
出久くんと通形先輩は、壊理ちゃんのその言葉に何も言えなくなってしまっている。
無論私もだ…美音の時はあの戦場の中、ただひたすら手を伸ばして、歌で想いを伝えたけど今は違う。
こんな時は……ッ?
「出久くん…?」
出久くんが立ち上がって相澤先生の下へと駆け寄った。
「相澤先生、壊理ちゃんを1日だけでも外出できないですか……?」
「無理ではないハズだが、というかこの子の引き取り先は今——」
「——じゃあ!
「ッ! ……なるほど」
え?何がなるほどなの?
「——文化祭! 壊理ちゃんも一緒に……!!」
「ッ!」
そういうことか!!
「ぶんかさい……?」
「壊理ちゃんこれは名案だよ! 文化祭っていうのはね! 俺たちの通う学校で行うお祭りさ!! 学校中の人が学校中の人に楽しんでもらえるよう、出し物をしたり食べ物を出したり……あっ、リンゴ! リンゴ飴とか出るかも!!!」
「リンゴ飴……?」
「リンゴをあろうことかさらに甘くしちゃったスイーツさ!」
「さらに……」
先輩が説明したけど、壊理ちゃんは最終的にリンゴ飴に釘付けになったのか、涎を垂らしていた。
えっ、可愛い。
「分かった。校長に掛け合ってみよう」
「それじゃあ…! ねぇ壊理ちゃん、どうかな!?」
相澤先生がスマホを取り出して電話しようとしている。それを見て私は壊理ちゃんに聞いてみた。
「……私、考えてたの。救けてくれた時の……救けてくれた人のこと……ルミリオンさんたちのこと、もっと知りたいなって考えてたの」
壊理ちゃんは期待でちょっと頬を赤く染めながらそう言った。
まって一つ一つのしぐさが可愛く見えて来た。
「嫌ってほど教えるよ!!!」
「校長に良い返事がもらえるよう俺たちも働きかけよう! あっ、俺休学中だから、壊理ちゃんとつきっきりデートできるよね!」
「でぇと?」
通形先輩の言葉に、壊理ちゃんは不思議そうに聞き返した。
オイちょっと待てコラ。
「蜜月な男女の行楽さ!」
「みつげつなだんじょのこうらく」
「先輩何言ってるんですか……」
思わず私は壊理ちゃんを抱き寄せて先輩を睨んだ。
「次壊理ちゃんにそんなこと言ったら喉元切り裂きますよ。教育に悪い!!」
「そういう幻神も、壊理ちゃんの前で物騒なこと言わないで!!」
そんな感じで、もう面会時間終了の時間になって看護師が呼びに来た。
文化祭…壊理ちゃんが笑えるようにとびっきりのにしないと!
今更ですが、他作品の書いている影響もあって、これまでの書き方とは異なったりして行くかもしれません。
数字の書き方とか読みやすさを重視したりとか……いやほんと今更ですが。
どうぞよろしくお願いします。
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