この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します 作:伽華 竜魅
なんか曲アカのモチベが上がってるんで更新デッス!!!
備品室。
ミスコンに出る人が、どのような衣装で出るかを決めるためにここに集まっている。
後、備品室にある貸出可能な衣装があるから。
そんな備品室に、私は荷物を持ってやってきた。
「あれ? ねぇねぇ一年の天堕さんだよね? もしかして衣装着るの? 不思議!」
扉を開けて入った瞬間早々に、既に使用中であった人の一人が来た。
しかもその人は波動先輩だ。
「お久しぶりです波動先輩。そういう先輩もミスコンですか?」
「そうなの聞いて!」
先輩がいっぱい話してくるけど、とりあえず軽く対応する程度で流す。
申し訳ないけど、今は自分のことに集中したいから。いろいろと衣装は個人的に用意してきたしね。
それも洋風から中華、和風まで幅広く………悔しいけど、AFOに着せられてたあのドレスも、AFOという部分を除けばとてもいいデザインだ。
悪役が着るウェディングドレスという設定からのあのデザイン…正直いい味を出しているんだよアレはアレで。
塚内さんが処分したとはいえ、ちょっと惜しいと思ってしまっている自分もいるのだ。
先輩の話も終えて、私は少し離れた位置で荷物を置いて、衣装を取り出す。
「やっぱり普通のもいいけど、一見どう着るんだ? ってデザイン物の方が人の目を惹きつけるよね~」
例外は激しい露出と、出る所がちゃんと出ていて且つ顔がいい人。
丁度向こうで同じミスコンに出る波動先輩がその例に当てはまる。
私はどっちかというと気にしないタイプだし、そっちはそっちでそういう形だからこそ味を出しているようなものだ。
だけど同性でもそういう所に目が行っちゃうのも人の性。
故に敗北を勝手に味わうことも多々ある……別に気にしてるわけではないからね?ねっ???
さてと……集中するために、ミスコンで歌う際の曲を何個か聞いて、最終的に一つに絞りながら衣装を選ぶ。
そのために私は、イヤホンして先輩たちの会話から完全に遮断した。
ちな私しか前世での有名な曲は知らないから、事前に自室で録音してデータとして保存してある。
こういうのに備えてって感じでね。
「ねぇねぇ、なんで壊理ちゃんがいるの? 不思議〜! なんでなんで? 楽しいね!」
この曲の場合だとこっちかこっちの二つになるよね。でもあえてこっちの衣装でインパクトやそういうイメージも出来るって伝えるのもあり。
「やっぱりねじれはセクシー系より可愛い系だよ!」
「それで去年負けたろ?」
この曲の場合はこっちなんだよな~……歌う人が着る衣装と歌い方で意外ととらえ方って変わるし。
でも私の場合『
「波動先輩は"個性"も派手だし! その、お顔も、プッ! プルプル、プロ……」
「プロポーション」
「そんな先輩でも準グランプリなんですね!」
あ、この曲……これって物語とキャラの気持ちがそのまま歌詞に反映されてるのもあって、なんかただミスコンで歌うために利用する私は申し訳なさがいっぱいだ。
いや他の曲たち全部そうなんだけどね?いざそう考えると……うぅ!!
「そう聞いて! 聞いてる? 毎年ね、勝てないんだよ! すごい子がいるの! ミスコンの覇者、3年G組サポート科『絢爛崎美々美』さん」
「何かすごい…!!!!!」
ってなるとこの曲は私の精神的申し訳なさも相まって却下……つまり残る三曲になるわけだ。
でもなぁ、一人でも歌えるけどやっぱ実際は複数人で歌ってるし、ミスコンってルール説明書とか事前にもらえないのかな?
その内容さえわかればいろいろとルールに反さない形で試行錯誤もできるんだけど。
「今年のミスコンには、CM出演で隠れファンが急増しつつある拳藤さんと、入学して間もないのに誰よりも注目とファンを集めた、文字通りの歌姫天堕さんも出る。天堕さんが出るとわかった途端、波動さんはより気合いが入ってる。大衆の面前でパフォーマンスなんて、考えただけで……痛、お腹痛くなってきた……」
「えっ、幻神も出るんですか!?」
「あっちで、衣装選んでる……しかも自作だ」
とりあえず試着してみて気持ち的にも考えたほうがいいかな?
衣装によっては髪型も買えた方がいいし……いや、それだともはやコスプレになるのでは?
ただでさえ『シンフォギア』の時も最初こそコスプレって思って結構引きずったことあるし……いや、ひとまずやってみよう。
曲を一度止めて、イヤホンを外してっと……備品室内に確か試着用の幅も取ってもらってるはずだから、そこで――
「あの、ゆ、幻神?」
「――へっ?」
背後から聞き覚えしかない声が聞こえて思わず振り返った。
振り替えって真っ先に視界に映ったのは、まだ練習しているはずの出久くんと、その少し後ろに通形先輩と壊理ちゃんがいた。
………Watt?
「…ッ? …ッ!! …ッ!?!?!?!?!?」
な、なぜここに!?
「な、なぜここに!?」
私はそこで手に持ってる衣装や後ろに置いてある衣装たちのことに気づいて、咄嗟に隠す。
「えっと…壊理ちゃんが来てね、雄英内を案内してるんだ」
「えっ? 壊理ちゃん…?」
すると出久くんの足元の横から、壊理ちゃんが顔を出してきた。
「ゆうかさん」
マジで来てるんですか…!?
あ、先輩も……どうもです。
「A組に顔出しに行ったら君だけいなくてびっくりしたけど、そういうことだったんだね!!」
「えっと…山田先生に出てみないかと誘われた次第でこざいまする……」
「なんか言い方変じゃない…!?」
試着は後にしよう……そう思いながら、今持ってる物も荷物の中にしまう。
「さっき、天喰先輩が自作の衣装を選んでるって言ってたけど……」
「あ、アハハ……」
い、今一番知られたくない人に知られてしまった!?
いや遅かれ早かれって言いますけど、こう、なんというか……うぅ~…!!
こんなことになるんだったら自分の部屋でするべきだった!
貸出可能な衣装との見比べとかするためって言い聞かせて来るんじゃなかった!!
「……そうだよ。私も出るの」
「すごいね! 元々注目度が他と比べても高いのにミスコンにも出るなんて!!」
「えぇ、まぁ……」
「けど俺は波動さんが優勝すると信じてるさ!!」
……おっと?
「去年優勝の絢爛崎美々美さんを超え、今年最後こそ優勝する!! 俺は波動さん推しだね!!」
おいおい、それを本人の前で言うのかデリカシーというものがないのか?
波動先輩もそれに乗って意気込んでるし。
……へぇ。
なるほど、煽られてますねコレ。
えぇいいでしょうそうでしょう。
なんせ先輩は私と違って美形に+して出るとこ出るという男の性にダイレクトアタックするスタイル何ですから。
っと、取り乱すな。
今は壊理ちゃんもいるんだから冷静に。
「ゆ、幻神…?」
「ん~? なぁに出久く~ん??」
「な、何でも、ないよ…!?」
よぉし、先輩には悪いけど一位もぎ取ってやりましょうか。
こちとらミスコンっていう種類は初めてでも体育祭や、普通に戦場でも歌ってるんだ。
経験の差なんて、実力でひっくり返してやる。
そう思ってると、壊理ちゃんがこっちに来て私の後ろにある衣装たちを見た。
それも目を少し輝かせながら。
「どうしたの?」
「どれも、綺麗で、可愛い…?」
まだそういうのがハッキリと分からないのか、自分で言って疑問を抱いてる。
まぁそれに、こういうのまだ分からないことも無理はない。
「全部、ゆうかさんが作ったの?」
「そうだよ~まぁ特別何か凄いってわけじゃないけど、デザインはみんなの目を惹くものだからね!」
前世のデザインイラスト担当の方々には頭が上がらないけどこっちは。
「これ……」
そう思ってると壊理ちゃんが一つの衣装を指さした。それはさっき私が試着しようとしていたもの。
私は「なんで?」って聞いてみた。
「えっと、胸元辺りのが、可愛いから……?」
……あぁ、なるほど。
そこに目を付けるとは将来有望ですな。
「じゃあこれにしよっかな」
「えぇ!? そんなあっさり決めていいのかい!?」
「誰よりも可愛くて将来絶対美人になる有望マシマシの壊理ちゃんが言うんですよ? それの何が間違ってると言うんですか? あと先輩は黙っててください」
「めっちゃ敵意向けられてるんだよね!?」
「幻神って、幼い子には結構激アマになるタイプなんだ……」
そこも黙らっしゃい。
壊理ちゃんご指名なんだ。
これで当日優勝してやる!!
——◆——
それから一週間が経った。
出久くんがダンス隊クビ……厳密には出番が削られて演出のために動くことになったりもあった。
そんなこんななある一夜。
「耳郎さん、ご指導も本職さながらですわ。素人の上鳴さんが一週間でコード進行まで辿り着くだなんて」
「別にそんな、天堕と比べたら全然…ってか、今日のお茶いい香り!」
「わかりますの!? お母様から仕送りで戴いた幻の紅茶、ゴールドティップスインペリアルですの! 皆さん召し上がって下さいまし!」
そんな会話がキッチンの方で聞こえる中、お茶子ちゃんが二人分のカップを持って来た。
「デクくん幻神ちゃん! ヤオモモちゃんのお茶飲まんの?」
「あ、ありがとう。出久くんは今……」
「えっ? ヒッ!?!?!?」
「アイテム付きオールマイト、アイテム付きオールマイト、アイテム付きオールマイト僕としたことがそんなレアマイト知らないなんて不覚も不覚、グッズは? 画像……ない!! ……動画で残ってないか?」
なんか出久くんが鬼気迫る様子でスマホを凝視していた。
ブツブツ内容的に、オールマイトがサポートアイテム…なのか?を使ってて本人はそれを知らなかったってところだろうか。
「な、何でこうなってるん…?」
「よくわからないけど、出久くんも知らないオールマイト情報があったらしくて、それを片っ端から探しまくってる様子」
「デクくんでも知らないオールマイトのことなんてあったんや……」
根っからのオールマイトオタクである彼が知らないとなると、この様子にも少し納得はいく。
私も前世で、もう手に入れられない限定グッズが実はあったりした時にはマジで取り乱した経験あるもん。とりあえず紅茶ありがとう、貰っておくね。
短め、すまん!!
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