この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します 作:伽華 竜魅
ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます。
(今回もよろしくお願いします……!)
そして皆様に謝罪を。単刀直入に言いますと、タイトルでもわかる通りもう体育祭入ります。
理由といたしましては、訓練期間のネタが切れました。はい。ネタ切れです。
ネタ切れです!!!
最後に、UA20.000突破+お気に入り登録300ありがとうございます!!
体育祭前日までのお泊り訓練からあっという間に日は経ち、雄英体育祭当日になった。
1-A組、控室。
そこではA組生徒である私たちが待機しており、本番に向けた準備を行っている。
身体を解したり、緊張を解そうと深呼吸を繰り返したり、友達と喋って気を紛らわしたりなどなど。
私もまた、全力でやるために喉の準備などで、首を回したり、口を「あ、い、う、え、お」と顔全体を使って思い切り動かしたりしている。
そして公平を期すために、生徒は全員が
「緑谷」
そんな中、不意に控室の中に声が響いた。視線を声の方に向ければ、轟くんと緑谷くんがいた。
「と、轟くん……何?」
「客観的に見ても、お前より俺の方が実力は上だと思う」
「へ!? うっ、うん……」
「おまえ、オールマイトに目ぇかけられてるよな」
それに対して目を見開いた緑谷くん。確かに"個性"はとても似てるし、トレーニングの時もオールマイトを参考にしているって言ってたし。
轟くんは「別に詮索する気はねぇが、お前には勝つぞ」と言った。
ていうか「俺のほうが上」って、めっちゃ失礼じゃない?それは思ってても言っちゃダメでしょ……爆豪くんなら平然と言いそうだけど。
それを切島くんが間に入って止めに入る。
「轟くんが何を思って僕に勝つって言ってるのかは……わからない。でも、僕だって……遅れを取るわけにはいかないんだ…!」
緑谷くんは顔を上げて、強い意志のこもった瞳で轟くんを見つめた。
「僕も、本気で獲りに行く!」
緑谷くんのその言葉に、周りもその熱が少なからず伝播したのか、数名もやる気が満ちた顔になっていた。そして委員長の飯田くんの号令で、私達は控室から会場へ向かう……
……のだが。
「天堕君! プレゼント・マイク先生が君を呼んでいた! 至急来てくれだそうだ!」
「は?」
何故か私だけ、急に呼び出しを受けた。
——◆——
会場。
『雄英体育祭! 繰り広げられるのは、ヒーローの卵たちが我こそはとしのぎを削る年に一度の大バトルゥ!!』
会場内に響き渡るプレゼント・マイクの大音声。
『どうせテメェらアレだろ!? こいつらだろぉ!?
プレゼント・マイクの持ち上げ紹介と共に、A組の生徒たちは入場する。
『話題性じゃ劣っているがこっちも実力者揃い!! 同じくヒーロー科1年B組ィ! そして普通科C、D、E組に、サポート科F、G、H組も来たぞォ!!! さらにさらに経営科の……』
その他のクラス生徒らも入場していき、全員が整列した。だが違和感がある。
それは、
「選手宣誓!」
そして、ミッドナイトが鞭を鳴らして壇上に上がった。またも観客から歓声が上がった。男性の声が多い。
「選手代表! 1年A組、爆豪勝己!」
「えぇ!? かっちゃんなの!?」
「あいつ一応入試一位通過だったからな」
爆豪は壇上に上がってマイクを前にし、ズボンに両手を突っ込んだまま、マイクに喋った。
「せんせー。俺が一位になる」
「「「絶対やると思ったッ!!!」」」
爆豪の選手宣誓にブーイングの嵐が巻き起こる。そんなブーイングに対しても爆豪は「せいぜい跳ねのいい踏み台になってくれや」といい、親指で下に向けるジェスチャーを決めて更に煽った。
「はぁ……まぁとりあえず、選手宣誓は終わったわね! なら、第1種目! の前に……!」
「「「えっ?」」」
本来なら準備運動もするだろう。だが雄英体育祭はそれをせず、すぐに種目に入る。しかし今回はそうでなかった。
「セメントス! お願い!!」
ミッドナイトの合図に合わせてか、真ん中にあったセメントの塊が動き出した。生徒らは驚愕し急いで離れる。セメントは真上に伸びていき、そこから展開するように先端が横全面に広がっていく。そしてセメントから
『おい、これはなんだ』
『なんだも何も! 体育祭って準備運動とかあるじゃん? でもうちにはそれがねぇのよ! でも、オープニングって大事じゃん? だから当日にいきなりだけど頼んだぜ!!』
生徒らもその人物に気づいたのか声を上げた。特にA組が。
「オイあれって!」
「うっそ呼ばれたのってそういう!?」
「俺より目立ってんじゃねぇ!!」
『実は雄英で噂になってる、俺は歌姫って呼んでるヒーロー科A組、天堕幻神の、ゲリラソロライブをォ!!!』
マイクを片手に持ち、ポーズを決めている幻神だった。
——◆——
1年生徒が入場する前。
『えぇ!? ゲリラライブゥ!?』
『YES!
『だからっていきなり……それに、相澤先生になんて言われるか……』
『そこんとこは俺らに任せな! 歌の"個性"なんてめったにいねぇんだ! 目立って注目してもらえるチャンスだと思えリスナー!』
『……そうですね。せっかくの機会、それにこういうのも大人になったら多々あるかもしれませんし!』
——◆——
『1曲頼むぜぇ! 天堕ァ!!!』
まったく、いきなりすぎてどの曲にしようか悩んだんですよ?事前に教えてくれれば今回だけ特別の衣装だって着れたかもしれないのに……こういうライブは恰好も大事なんだから。
今度言っておかないと……まぁでも、ゲリラライブは経験ないから正直嬉しい自分もいる。どっちにしろ歌うんだ。これはその準備運動と思えばいい。それでも派手にはするけどね!!
「聴かせてあげる……私の歌を!!!」
♪ 天高く轟け 波打つ想い束ねて ♫
♪ 真実の音色はここにあるから… ♫
ポーズをやめて足を踏み出し、
『風鳴翼』……『水〇奈々』さんの声に変換し、マイク片手に【Exterminate】を歌いだす。
♪ 震えるこの胸の
♪ 幾つもの夜を駆け抜けて ♫
♪ 君を探していた 狂おしい程に ♫
1ステップ、2ステップ。リズム良く、歌に合わせて動け。ただボー立ちで歌うことはあり得ないのだ。
♪ 諸刃の温もりに浮かんだ 優美な
♪ 隠した涙は空を彷徨う ♫
スクリーンには私の姿が映っていた。
♪ 眩しい旋律は 求めるたびに ♫
♪ 幻想を映し出すけど ♫
♪ 今という瞬間がいつだって ♫
♪
片足を踏み出し、ドンッ!と大きく音を立てながら、息を一度大きく吸う!
「君の為に歌いたいよッ!!!♪」
♪ 解き放てすべてを 信じる
「すげぇ…!」
「こうして集中して聞くと、天堕って本当に歌が上手いんだな」
「てかこれプレマイ先生が言うにはぶっつけ本番なんでしょ? 良くそれで歌えるね」
♪ 響き合う鼓動は 止められないよ ♫
身体が温まって来けど、一曲丸々で歌えばまだあと3分弱もかかる。流石に終わらせよう。
この温まった熱は、種目で歌うんだ。耳をすませば、観客も一部が盛り上がっていた。
♪ 行こう(一緒に) 手をとって(どこまでも) ♫
♪ その微笑みは…… ♫
「離さないぃぃぃぃいい!!!!!♪」
最後はちゃんと決めのポーズ!
それが終わった瞬間、歓声が大きく盛り上がり、拍手もされた。
そして微かにだけど「ゆぅちゃ~ん!!!!」って聞こえた気がする…気のせいであってほしいな…。
「スゥ~……ありがと~!!! これから始まる体育祭でも、応援してね~!!」
思わずマイクに向かってそう言ってしまった。ハッと思ったけど、予想外にも観客はまたも歓声を上げていた。
『フォー! センキュー天堕!! 突然のゲリラライブに拍手だぜー!!』
『山田、後で話そうか』
『えっ、あっ…てか山田はヤメテェッ!!』
マイク先生……まぁでも、私も後日とかに怒られるだろうなぁ……楽しかったから別にいいけどね!
するとセメントが動き出し、ゆっくりと下に下がっていった。セメントが完全に地上に着いてから、私は降りる。するとクラスメイト達がゾロゾロと寄ってきた。
「天堕お前、呼ばれたってそいうことだったのかよ!」
「すごかったよライブ! めっちゃ盛り上がった!!」
「あ、ありがとう……正直いきなりだったから私もちゃんと歌えたか心配だったんだ……」
喜んでくれてよかった。
私はミッドナイトに駆け寄り、マイクを返した。
「最高のオープニングライブをありがとうね! しっかりとあなたの歌は日本全国に届いたはずよ! これからの種目も頑張ってね!」
「はい!!」
ミッドナイトにも背中を押された。私は笑顔で返事して、みんなの所に戻る。
「それじゃあ改めて、第1種目、いわゆる予選に行きましょう! 毎年ここで多くの者がティアドリンク! ……運命の第1種目は……コレ!」
巨大スクリーンに映ったのは『障害物競走』という大きな文字だった。
「計11クラス全員参加の総当たりレースよ! コースはこのスタジアムの外周約4km! 我が校は自由さが売り文句! そう……コースさえ守れば何をしたって構わないわ!」
そしてこの後すぐにスタートだ。身体も温まってるから、正直ありがたい。
「(絶対に、通過する!)」
「さあさあ位置に付きまくりなさい!!」
ミッドナイトの言葉に合わせてか、スタート側である外へのゲートが、大きな物音を立てながら開いていた。
指示に従って、皆慌てた様子でスタートラインに並んだ。私はあえて1番後ろ。理由は言わずもだ。
それに、あのゲートにこの人数は、普通に危ない。生徒もまた障害物ということだ。
上を見れば、ゲート上のランプがあり、3つ点灯していたそれが、ミッドナイトのカウントダウンと共に、1つ目が消え、2つ目が消える。
生徒たちも全員が身構える。そして3つ目のランプが消えたその瞬間——
『スタート!!』
——スタートの合図と共に全員が走り出し、雄英体育祭、最初の戦が始まった。
雄英体育祭って準備運動とかなかったんですよ。でも我々がやって来た運動会や体育祭って準備運動とかあったんですよ。
だったらオープニングみたいな感じで、オリ主のゲリラソロライブを入れてもいいんじゃないかって思ったんです。てかこれがやりたかったんです!!だから入れたんです!!
プロデュースはこっそり計画を立てていプレゼント・マイクとミッドナイトで、後から協力するよう頼まれたのがセメントスです。
オリ主は当日にいきなり言われて実はかなり焦ってました。
おまけ。
どうやって先に真ん中のセメントに移動したか。
セメントス「この中に入ってくれ。そしたらこれごと君を会場の真ん中に運ぶから」
幻神「大丈夫なんですか? それだけでも絶対目立ちますし……」
セメントス「終わったら片付けるし、責任は俺ら、特にマイクが取るから」
マイク「頼むぜ!」
ミッドナイト「私たちもうまく誤魔化しとくからね!」
幻神「はぁ……(何歌うか決めとかないと……緊張がががが…!)」
ちなみにこのことを相澤先生は一切何も知らないぞ!!