この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します 作:伽華 竜魅
ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます!
そしてそろそろ『シンフォギア』と『マクロス』以外の曲を導入したい今日この頃。
スタートの合図とともに、全員が走り出した。
『さーて実況始めるぜ、解説アーユーレディ、ミイラマン?』
『無理矢理呼んだんだろが』
『おーっとゲート前に団子になってる選手たち、早くも状況が動こうとしてるぞぉ!』
『聞けよ』
マイク先生と相澤先生の実況と解説が聞こえる中、私はゲートに入らず、胸の上に手を乗せた。
『シュルシャガナ』の『聖詠』を口ずさむ。
ドクンッ!!!と心臓が高鳴り、私はピンクの光に包まれた。
肌にピッタリと張り付くピンクと白を基調とするバトルスーツを身に纏い、両脚にはピンクの機械装甲である細いガントレットとグリーブが装着される。
頭部はロングがツインテールに結ばれ、そのツインテールを包み込むようにピンクのコンテナとヘッドセットを装着された。
『シュルシャガナ』を纏い終えた私は両手のガントレットからヨーヨーを出して、ゲートの左右にそれぞれ投げて突き刺した。
ちなみに何人か私の近くにいた生徒らは驚きながら見ていた。
「切り刻まれたくないなら、退いて!」
ピンクのエネルギーの糸がグググッと音を立ててる。パチンコ(お金を消費させる方じゃないよ)のように、自分を弾(じゃらじゃら落ちる方じゃないよ)にするようにして、飛び上がった。
瞬間、一気に外までのルートが凍り付いた。そして先頭を見れば左右で白と赤の髪をする、轟くんが走っていた。
そして飛んだのは私だけじゃない。A組の大半が氷を突破するために上へ移動していた。
「甘いわ轟さん!」
「そう上手くいかせねぇ! 半分野郎!!」
「やっぱりクラスの連中は当然として、思ったより突破されたな……」
私は脚のグリーブ先から電ノコを出し、その電ノコで氷の上を走行…この場合滑るのほうが合ってるかな?で進んでいく。
すると目の前に紫のボール…『もぎもぎ』がいくつもついて、その上を峰田くんが踏み台にして飛んでいた。そんなこともできるんだ…!
「轟のウラのウラをかいてやったぜ…! 喰らえ、オイラの必殺……グレーぐぼぉッ!?」
峰田くんが『もぎもぎ』を1つ取り、それを轟くんに投げようとした瞬間、その峰田くんを横から大きな機械が殴り弾き飛ばした。
「峰田くん!」
思わずブレーキして止まる。私たちの目の前には……
「ターゲット……大量!」
「入試の仮想
入試の時に戦った仮想
『さぁ、いきなりの障害物だ!! まずは手始め……第1関門、ロボ・インフェルノ!!』
「入試ん時の0P
「ヒーロー科あんなんと戦ったの!?」
「多すぎて通れねえ!!」
ヒーロー科ではない他生徒は驚いたり怯えたりしていた。
「(突破……『シュルシャガナ』で行ける? でも、纏った以上他のに変えるのはもう無理だから……)」
私は思考を動かして、突破口を探す。
だけどそれよりも早く動いたものがいた。
「——せっかくならもっとすげぇの用意してもらいてぇもんだな…」
声のほうに振り向けば、轟くんが体勢を低くして、右側から冷気を漏らしていた。
「クソ親父が見てるんだから…!」
そして低い体勢から冷気を纏った右腕を振り上げると、強烈な冷気が仮想
凄すぎて、やばすぎるでしょ……!?
「あいつが止めたぞ!!」
「あの隙間だ! 通れる!」
動かなくなった仮想
だけど、もしかしたらという予測をして、ツインテールのコンテナを展開した。そして……。
「やめておけ。不安定な体勢ん時に凍らしたから……——」
氷漬けになった巨大仮想
「——倒れるぞ」
轟くんの忠告通り、巨大仮想
『1-A轟! 攻略と妨害を一度に!! こいつぁシヴィー!!! すげぇな! 1抜けだ!! アレだなもうなんか……ズリィな!!』
『合理的かつ戦略的行動だ』
ギィィィィィッ!!と音を立てながら、真っ暗な視界に火の粉だけが映る。
「お、おい! 誰か下敷きになったぞ!!」
「死んだんじゃないのぉ?」
「体育祭なのに死ぬのか!?」
音はさらに大きくなり、他生徒たちの声も聞こえてきた。
「死ぬかァー!!」
『あぁー!! 1-A切島潰されてたー! 受けるぅ!!』
「轟の野郎! ワザと倒れるタイミングで…! 俺じゃなかったら死んでたぞ!!」
切島くんの声が聞こえる。マイク先生のセリフから見て、潰されたのだろう。
「A組の野郎は……本当嫌な奴ばっかりだなァー!」
『アァー!! B組『鉄哲』も潰されてたぁ!! ウケるゥ~!!』
もう1人も潰されてたの?まぁどっちにしろ……。
「"個性"だだ被りかよ! ただでさえ地味な——」
「死ねるかァァァアア!!!」
【- γ式・卍火車 -】
『アァァァ!! A組天堕もまた潰されてたァァ!! でもなんだあれ!? デッケェ電ノコみたいなので切り裂いて出てきやがった!?』
『あいつの"個性"なら潰されずに済むことも出来たはずだが……』
私は事前に出しておいた巨大電ノコ2枚、【- γ式・卍火車 -】で潰されないように切り裂きながら抜け出した。てかうっさいわ相澤先生!どっちにしろ結果が良ければすべて良しなんじゃい!!
そしてそのままその2枚を元に戻してコンテナにしまい、脚の電ノコで走行する。そして背後から爆発音が聞こえてチラッと振り返れば、他のA組生徒も次々と突破しようとしていた。
「ッ!?」
通常サイズの仮想
同時にもう一度コンテナから電ノコを出し、【- γ式・卍火車 -】で真っ二つに切り裂いていく。それでもまだ邪魔するかのように、立ちはだかってくる。
「そんなに
♪ 首をかしげて 指からするり ♫
♪ 落ちてく愛をみたの ♫
声質を『月読調』に変換。歌いながら先頭に追い付くために再び走行する。
『さぁさぁ!! オープニングでも言ったが実は雄英内で噂になってる歌姫! ヒーロー科A組の天堕が歌いだしたぞォ!! 本当に自分の"個性"でなのか、格好を変えて歌いながら走ってるゥ!! つうかマジで声も別人だな!!』
『アイツは"個性"で自身の身体、体力と生命力をエネルギー源としてイメージしたものを具現化できる。歌う点に関しては知らんが、声質は自身のエネルギーを変換するという行いを応用することで別人の声に変えることができるらしい。俺からしたらなんでわざわざそんなことするか疑問だけどな』
♪ 拾い集めて 積み上げたなら ♫
♪ お月さまに届くの…? ♫
うっさいわ相澤先生!!これは私のこだわり!歌ってみたも確かにいいよ?なんなら本家より好きってのもあるし……けど、やっぱ本家のほうがしっくりくるの!!私の中ではね!!
そして噂になってたことも実は知らないよ!いったい誰がどこで噂話したの!?
♪ DNAを教育してく ♫
♪ エラー混じりのリアリズム ♫
仮想
「ターゲット、ピン——」
何か言おうとしたけど、それよりも早く踏み台にしてさらに跳躍。
そしてコンテナの電ノコしまってから、小さい電ノコをいくつも射出した。
♪ 人形のようにお辞儀するだけ ♫
♪ モノクロの牢獄 ♫
【- α式・百輪廻 -】
【- α式・百輪廻 -】で仮想
♪ だからそんな…世界は… ♫
脚部のグリーブ先と頭部のツインテールコンテナから、体の周囲に円形のブレードを縦向きに展開し、電ノコのように回転しながら突撃する!
【- 非常Σ式・禁月輪 -】
「伐り刻んであげましょぉぉぉう!!♪」
【- 非常Σ式・禁月輪 -】で一気に突撃して仮想
「すげぇぞアイツ!」
「道が開いた! 俺たちも後に続くぞ!!」
「マジでパツパツスーツじゃん……いい!」
「エッッッッだな!!!」
周りは無視無視。今はただ前を見て進め!。
『オイオイ第1関門チョロイってよ! んじゃ第2はどうさ!? 落ちればアウト…それが嫌なら這いずりな! ザ・フォォォォール!!!』
見えてきたのは広大な崖。その間に浮島のような岩が点在しており、それぞれを繋ぐようにロープが張り巡らされていた。
「うっそでしょ!?」
私は思わず歌と走行を止めてしまった。
「(『シュルシャガナ』の電ノコだと100%切れる! 飛行機能もなければ、他のに切り替えるのも不可! =として詰み……いや、考えろ。考えろ! 先生ならどう行く? 緑谷くんならどう突破する!?)」
思考をフルで回し続ける。その間にも次々と他の生徒たちが渡ろうとしていた。
「(いや、迷うな。いつも自分に言い聞かせているでしょ……)……飛べば、飛べるんよ…!!」
脚の電ノコが激しく回転する。だけど私はそこから動かない。ツインテール型のコンテナを地面に突き刺しているのだ。レースゲームとかである、スタートダッシュのような構えでいるのだ。
そして両手からヨーヨーを出し、ブンブンと両方とも縦に回転するように振るう。
『実に色々な方がチャンスを掴もうと励んでますね、イレイザーヘッドさん』
『何足止めてんだあのバカ共』
『っと、さぁ先頭が一足抜けて下はダンゴ状態! 上位何名が通過するかは公表してねえから安心せずに突き進め! そして早くも最終関門!! かくしてその実態は……一面地雷原!!! 怒りのアフガンだ!! 地雷の位置はよく見りゃわかる仕様になってんぞ!! 目と脚酷使しろ!!』
もう先頭は最終関門に…!!?いや、落ち着け…!
「スゥ……!」
息を大きく吸う。そしてコンテナを勢いよくバコンッ!と地面から抜いた瞬間、一気に脚の電ノコで駆け出した。
そしてそのまま勢いよく崖から飛んだ。
「自分の道は、自分で切り開くものッ!!」
片方のヨーヨーを勢いよく投げる。ヨーヨーはその勢いで1つの崖に突き刺さった。そして次の瞬間には投げたヨーヨーと繋がっている片手がウィィィィン!!と音を立てて、私はそのまま崖へと引っ張られるように進んだ。+ぶら下がりながらだからちょっとしたターザンにもなってる。
♪ 誰かを守る為にも 真の強さを ♫
♪ 「勇気」と信じてく そう夢紡ぐTales ♫
ある程度進んでからヨーヨーを取り出し、もう片方をさらに奥に投げ飛ばす。そしてそれが突き刺さったら、同じ動きの繰り返しだ。
♪ 忘れかけた笑顔だけど ♫
♪ 大丈夫、まだ飛べるよ ♫
♪ 輝く絆抱きしめ 調べ歌おう ♫
『フォー! まるで歌うターザン! 痺れるゥ!!』
『さっきのは推進力を少しでも多くするための溜めだったか』
そしてやっと第2関門を突破し、ヨーヨーを戻して走行する。
「(結構足止めを喰らっちゃった。先頭はきっともう最終関門まで行ってるはず…!)」
体勢を低くして、少しでも速く走行する。
そしてようやく最終関門に着けば、先頭をはじめ、みんなが慎重に地雷原を突破しようとしていた。
奥を見れば飯田くんがお得意の足の速さで突破しようとするも、それでも爆風によってバランスを崩してしまっていた。
♪ わからず屋には いいおクスリを ♫
♪ 処方してオペしましょう ♫
【- 非常Σ式・禁月輪 -】
再び脚部のグリーブ先と頭部のツインテールコンテナから、体の周囲に円形のブレードを縦向きに展開し、【- 非常Σ式・禁月輪 -】にて地雷原にそのまま突っ込んだ。
♪ ターゲットには 容赦はしない ♫
♪ 感情をアンインストール ♫
走行したところの背後から爆発音が響き渡る。
「おわあっ!?」
「こ、こっちまで爆風が!!」
「アイツ爆発よりも早く……!!」
♪ 思考回路に リンクしていく ♫
♪ 0,1,じゃ表せない ♫
『轟と爆豪! 両者とも一歩も譲らねぇ! そんな2人に天堕が地雷原を爆破しながら向かっていくぅ!! ——っと! 後方で大爆発!? 何だ、あの威力!?』
「(後方で!? 誰かがやらかしたの!?)」
♪ 上昇エナジー ゲージを超えて ♫
♪ 溢れ出す何かが ♫
チラッと後方を確認するために見れば、その爆発による土煙から1つ、ルートを沿って真っすぐ飛んで行くものがあった。
『A組緑谷! 爆発で猛追——…つーか、抜いたぁぁああ!』
♪ 早くこんな…涙は… ♫
あれって仮想
「デク……俺の前を行くんじゃねェェ!!」
「(後続に道作っちまうが……天堕がとっくに道めちゃくちゃにしているんだ!) 後ろ気にしてる場合じゃねぇ……!」
♪ 伐り刻んであげましょう ♫
他2人も緑谷くんを追いかけて、その3人を更に私が追いかける形で走り出した。
『元・先頭の2人、足の引っ張り合いを止め、緑谷を追う! 更にその2人を天堕が追いかける!!』
【- 非常Σ式・禁月輪 -】の速度を更に上げていく。緑谷くんはそのまま失速して落下していってる。2人が緑谷くんの横に移動して、私も追いついてきた。これなら抜けれ——
「(追い越し無理なら…抜かれちゃ駄目だぁぁあ!!!)」
——ると思った瞬間。緑谷くんは持っていた仮想
『緑谷、間髪入れず後続妨害! なんと地雷原即クリアァ!!』
「ッチ! ——ッ!?」
「クソがッ!! ——ッ!?」
♪ 重ね合ったこの手は…絶対離さない… ♫
2人と違い爆発にあまり巻き込まれなかった私は2人の間をそのまま通過し抜いた。
『それに続いて天堕も爆豪と轟の間を通って抜いたァァァ!!』
♪ だからそんな…世界は… ♫
緑谷君を見れば、トレーニングで得た【フルカウル】を身に纏い、先生の過酷な指導の下で得た動きをしていた。
「走れ! もっと早く!!」
♪ 伐り刻んであげましょう ♫
緑谷くんは姿勢をゆっくりと下げていき、それで加速していった。
「待てやゴラァクソどもォ!!!」
「ッチ!」
後方では地面を凍らせて高速滑走する轟くん。
【爆速ターボ】で吹き飛ぶように飛ぶ爆豪くん。
二人との距離は縮まっていっている。
♪ 誰かを守る為にも 真の強さを ♫
♪ 「勇気」と信じてく そう夢紡ぐTales ♫
ゴールはもうすぐだ!!負けるわけにはいかない!!
♪ 忘れかけた笑顔だけど ♫
♪ 大丈夫、まだ飛べるよ ♫
♪ 輝く絆抱きしめ 調べ歌おう ♫
「もっと、もっとだ…! さらに向こうへ……!」
「最速で、最短で、真っ直ぐに……!」
「Plus Ultraァ!!」「一直線にィ!!」
私と緑谷くんは同時にラストスパートと言わんばかりに、加速した。
『緑谷と天堕! ゴール近くでラストスパートにかかる!! 後方の2人も離されまいと追いかけるも、その差は変わることはない! イレイザーヘッド、お前のクラスすげぇな!! どういう教育してんだ!?』
『俺は何もしてねぇよ。奴らが勝手に火ィ付け合ったんだろう』
ゴールの入り口内に入った。
会場内入口までのそのトンネル内に緑谷くんの走る音。『シュルシャガナ』の【- 非常Σ式・禁月輪 -】で走行する私の音。
少し遅れて氷が張り巡る音と小規模且つ連続の爆発音が響いていた。
『雄英体育祭1年ステージ!』
『無視か!』
『序盤の展開からこの結末を誰が予想出来た!?』
そして、会場へゴールした。
『今一番にスタジアムへ還ってきたその男……『緑谷出久』の存在をぉぉぉおおお!!!!』
結果はギリギリの形で、私が負けた。
私は着いてすぐに【- 非常Σ式・禁月輪 -】を解除して、脚の電ノコとツインテール型のコンテナを地面に突き刺して、急ブレーキをした。
「はぁ…はぁ…(あと一歩、届かなかった…!)」
2位とは言え悔しい。思わず手をギュっと握りしめていた。
『さあ続々とゴールインだ! 順位等は後でまとめるから、とりあえずお疲れ!!』
でも何とか第1種目は無事通過して、次の種目に行けるようになった。