この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します 作:伽華 竜魅
ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます。
そしてまたまたお待たせしやした!お気に入り登録500突破しとるのに驚きデェス!!
※感想の指摘により、大変大きなミスをしているのに気づきまいました。そのため一時的な非公開をし、修正をして再び公開いたしました。
指摘してくださったライダー兄貴様、大変ありがとうございます。そしてこの度は、ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございませんでした。
『ヘイガイズアァユゥレディ!? 色々やってきたが、結局これだぜガチンコ勝負!! 頼れるのは己のみ! ヒーローでなくてもそんな場面ばっかりだ! わかるよな!! 心・技・体に知恵知識!! 総動員して駆け上がれェ!!』
マイク先生のアナウンスでスタジアムの歓声が大きくなる。さっきまでのレクリエーションでは和やかな雰囲気だったけど、改めて緊張感が襲ってくる。
各クラスに分けられた観客席に座っている私たちだけど、トーナメントに出る者には緊張のほうが勝っているはずだ。それに……。
「デクくん、大丈夫かな?」
「大丈夫だろう。彼は尋常じゃない速度で既に骨折を克服している! そんな彼の動きはすごいものだ!」
「けど、一瞬の油断は命取りだからね。私たちは他の科の"個性"を把握していないんだ。緑谷くんの場合はわからないけど……」
私と飯田くん、お茶子ちゃんは緑谷くんが無事勝つか心配していた。対戦相手は普通科の『心操人使』くん。トーナメントで唯一のヒーロー科じゃない人だ。宣戦布告してきただけのことはある。
『1回戦!! 成績の割になんだその顔! ヒーロー科『緑谷出久』!!
マイク先生の選手紹介と同時に両サイド入口から緑谷くんと心操くんが現れて、ステージへ登っていった。
『ルールは簡単! 相手を場外に落とすか行動不能にする、あとは「参った」とか言わせても勝ちのガチンコだ! ケガ上等!! こちとら我らがリカバリーガールが待機してっから!! 道徳倫理は一旦捨て置け! だがまぁもちろん命に関わるよーなのはクソだぜ!! アウト! ヒーローは
試合が始まった。心操くんは何かを言っているようだけど緑谷くんは真っすぐ向かって行った。
「やっぱあの猿に聞かされてたか、羨ましいよ。俺はこんな"個性"のおかげでスタートから遅れちまったよ。恵まれた人間にはわかんないだろ!!」
トーナメントに出演する人たち全員配られて首元に装着している小型マイクが、心操くんの声を拾い、彼の言葉が会場に響き渡る。
「誂え向きの"個性"に生まれて、望む場所へ行ける奴らには、俺たちのような恵まれなかった人間の気持ちはわからないだろうよ!!」
「……ッ(僕だってそうだった。でもそうさ、恵まれたさ!!)」
緑谷くんは【フルカウル】を発動させて、一気に心操くんに近づいて身体を掴んだ。
「何とか言えよ! ヒーロー科のくせに人の言葉無視するのか!?」
「……ッ」
「オープニングでも、障害物でも、騎馬戦でも、呑気に歌っていやがるアイツ同様、調子乗ってんだろ!!」
「ッ! 違う! 天堕さんは…——」
なんか私のことを言った瞬間、緑谷くんが反応して、急に動きが止まった。【フルカウル】も解けてしまっている。
そして私たちの後ろで尾白くんが慌ててる。彼が言うにはやっぱり心操くんの"個性"は『洗脳』らしい。発動条件はおそらくかけられた言葉に対する返答。洗脳を解くには衝撃を受けることらしいけど、1対1にこれでは一度かかればもう詰みらしい。
「そんなん、強すぎやん…!」
「緑谷くん……!」
私もお茶子ちゃんも心配だった。緑谷くんはとても友達思いだ。きっとそれらを使って煽られて、つい怒って答えてしまったんだ……心操くんは横に移動してから緑谷くんに「そのまま場外に行け」と言い出した。すると緑谷くんは命令通りにそのまま真っすぐ場外に向かいだした。
『緑谷! ジュージュン!!』
「悪いな。俺だってヒーロー目指してるんだ。だから、負けてく——」
緑谷くんは場外に出ようとして、そんな緑谷くんに独り言のように喋っていた心操くんだったが、次の瞬間、緑谷くんから強大な風圧による衝撃が起こった。近くにいた心操くんは少し飛ばされながらも、場外に出ないようもがいていた。
緑谷くんをよく見れば、息を荒くしており、人差し指と中指が折れており大きく腫れ上がっていた。
『こ、これは…!? 緑谷留まったァァァアア!!!!』
まさか、"個性"を自損覚悟で暴発させて自力で洗脳を破ったっていうの!?
「緑谷くーん!」
「良かった…良かったぁ! ね! 幻神ちゃん!!」
「う、うん! そうだね! (でも、操られているのにどうやって"個性"を暴発なんか……)」
お茶子ちゃんと手を合わせて喜びながらも、私は緑谷くんあのやり方に少し違和感を感じていた。
息を荒げてるところからも、必死に洗脳を破ろうとしているのはわかる。だけどそれが"個性"を意識上で発動に繋がるのか?
「なんだよ。それほどのパワーもあって洗脳を解いたっていうのかよ!? 身体の自由は効かないはずだ! 何したんだ!!」
「はぁ…はぁ…! (違う。指は僕だけど、動かせたのは僕じゃない…! 今、操られてるあの瞬間、知らない人達が浮かんで一瞬、
緑谷くんはすぐに【フルカウル】を纏い、心操くんへと接近していった。
「何とか言えよ! おい!!」
心操くんは叫ぶけど、緑谷くんは無視してそのまま心操くんを掴み、場外まで向かう。
そして心操くんが抵抗するために暴発で怪我してしまった指を殴った。だけど緑谷くんは痛みながらも止まらず、そのまま心操くんを場外へ背負い投げで出した。
『心操くん場外! 緑谷くん2回戦進出!!』
緑谷くんは無事、2回戦への進出を得た。
「(あの戦い方、心操くん自身も狙ったんだろうけど、緑谷くんもそれを予測して、あえて狙わせた…! そして心操くんのその勢いも上乗せしての背負い投げ……さすがとしか言えないなぁ)」
私も負けてられない。この戦いでそう思った。
——◆——
「あ、デクくんお疲れ~!」
「隣、空けてあるぞ!」
「ありがとう、麗日さん、飯田君」
1回戦目の初戦を終えて、無事2回戦へ進出した緑谷くんは観戦席へ戻ってきた。
「いろいろと大変だったね」
「う、ん……でも、だからって負けるわけにはいかないから」
お~~カッコいい……後ろの席にいた切島くんが「漢だぜェ!」って言ってた。それは漢なのか?
「あ、次の試合が始まるよ!」
お茶子ちゃんの言葉で、視線を中央へ向けた。
『さぁ2回戦はこちら! 優秀! 優秀なのに拭いきれぬその地味さは何だ!? ヒーロー科『瀬呂範太』!!』
「ひっでぇなおい…」
マイク先生、それ本人気にしてたらどうするの……自分だって本名で呼ばれたらやめてって言ってるんだからさ、やめなよ。山田先生。
『
瀬呂くんが『テープ』に対して轟くんは『半冷半燃』。左で炎を、右で氷を出す"個性"……攻防と移動と、どれも強い……でもこれまで轟くんが炎を使うところは、見たことがない。左を使う時も氷に直接触れて溶かしていくか、騎馬戦であの瞬間使用しただけだ。
『スタートッ!』
「まぁ勝てる気はしねぇんだけ……どッ!!」
瀬呂くんが言葉を述べながら、一気にテープを射出して、轟くんを拘束した。
「つって負ける気もねぇぇええ!!!」
そしてそのまま場外へ引っ張りだした。
『場外狙いの不意打ち!! この選択はコレ最善じゃねえか!? 正直やっちまえ瀬呂ォォオオ!!!』
山田先生本音漏れてる漏れてる。でもこれは確かにうまい。轟くんに対しては先手必勝がある意味で勝ち筋になるから——
「……悪ィな」
——と思った。だけど侮っていた。彼の、轟くんの実力を……。
「「「「ぁぁぁ……!?」」」」
目の前に、巨大すぎてもはや中央が見えなくなる規模の、大氷結があった。うまく観戦席や観客席には当たらないようにしている……てか近くにいるだけで寒いんだけど!?
「や、やりすぎ…だろ…」
『瀬呂くん…動ける…?』
唯一見えるスクリーンから見れば、ミッドナイトまでも身体の右半分が巻き込まれて凍っていた。
「む、無理でしょこんなの…!? い、痛ぇ…!!」
『瀬呂くん、行動不能!! 轟くん2回戦進出!!』
あぁ、あまりの結果に、歓声どころかドンマイコールが……これは瀬呂くん落ち込み案件ですわ……。
「すまねぇ、やりすぎた……イラついてた」
——◆——
その後の3回戦では上鳴くんがB組の塩崎さんにナンパっぽいことをしてから、放電を放ったけど、あっという間に防がれた挙句、拘束されて終わった。
山田先生も「これまた瞬殺ゥ!!」と言っていた。もう、それしか語ることがなかった。うん。
ちなみにその試合を私の隣で見ていた緑谷くんは、もうトレーニングとかで見慣れたブツブツモードになっていた。周りはドン引きだけど、慣れたらもう何も思わない。てかむしろその内容が気になるようになった。
4回戦の飯田くんと『発目明』さんの戦いはもはや完全に広告塔としてでしか見えなくて、飯田くんはそれに利用されての進出になっていた……あの人、色々とヤバいだろ。
——◆——
『さぁ5回戦を始めよう! あの角から何か出んの? ねぇ出んの!? ヒーロー科『芦戸三奈』!!
歌戦士ってなんじゃいそれ……っとそれよりも、芦戸さんの酸は『シンフォギア』の装甲をも溶かす恐れがある。でも向こうは距離を詰めてくると思うし、おそらく遠距離系で行っても……いや、もう纏うものは決まっているんだ。
『スタートォ!』
胸の上に手を乗せた。
『アガートラーム』の『聖詠』を口ずさむ。
ドクンッ!と心臓が高鳴り、白銀の光に包まれた。
肌にピッタリと張り付く水色と白を基調とするバトルスーツを身に纏い、両腕は左右統一ではなく、左腕にのみ肩まで鎧が装備され、両足は足首から下が鎧のようなヒールを履き、臑はそれより薄い鎧。膝はバトルスーツだけになっている。腰部は左右横に鎧があり、私からして右側には腰マントが付けられた。ヘッドセットは王冠のようなデザインになっており、イヤパッドは横四角形の形になり、後方に向けて左右それぞれ2本ずつ白の三角の輪っかのようなものが伸びている。
『アガートラーム』を纏い終えた私は、鎧から短剣のアームドギアを出し、キャッチして逆手に持った。同時に歓声が響いた。そんな中一気に駆け抜けて、距離を詰めていく。
「その鎧、溶かしてあげる!!」
「ならそれより早く、終わらせる!!」
♪ 何回泣いたのか? 何回折れたのか? ♫
【- EMPRESS†REBELLION -】
アームドギアを蛇腹状にし、
【- EMPRESS†REBELLION -】で攻撃する。芦戸さんはそれを避けて、足から酸を出しながら滑って来た。
♪ そんな (そんな) 数は (数は) ♫
♪ どうでもいい… ♫
「やっぱ歌いながら戦うって、すごいね!!」
芦戸さんは『酸』を投げ飛ばして来た。私はアームドギアを振るって、防ぐように酸を斬った。だけど、酸が付いた部分からは蒸気が発生して、少し溶けていた。
「(やっぱり、遠距離のほうが良かったかな? いや、どっちにしても酸を浴びたら溶かされるんだ。なら、切り抜けるのみ!!)」
♪ 「PRIDE」とか 洒落たアクセサリーは ♫
♪ いらない(いらない) ♫
アームドギアを元の短剣へと戻して、一度距離を置くために離れる。
「逃がさないよ!」
だよね。そりゃあ離れようとしたら逃がさんとばかりに負う。バトロワゲーとかでも絶対あるよね!だけど、それでいい。距離が近ければ……!!
「裸になろう!!♪」
アームドギアを鎧に接続させて、砲身に変形させて脚を踏み込み、砲撃として一気に突き出す!!
【- HORIZON†CANNON -】
「うぇ!? うっそでしょ~!!?」
芦戸さんは慌てながら止まり、急いで回避した。
戦闘訓練から思ったけど、動きは結構いいほうだ。だからこれも回避するのではと予測はしていたけど、本当に避けるなんてね……。
「(まぁ、真っすぐ直線のレーザーなら避けれるか…)スゥー……先を走り道を教えてくれる!!♪」
♪ (Stand up) 涙 (Stand up) 嘆き ♫
すぐに鎧を元に戻してアームドギアを出し、さらにその勢いで小型の短剣をいくつも出して、周辺に展開し、それら全てを飛ばす。
♪ (Stand up) 痛み (Stand up) 力へと ♫
♪ 変わると…… ♫
「歌えぇぇええ!!!♪」
【- INFINITE†CRIME -】
「そ、そんなのできるのぉ!?」
芦戸さんは【- INFINITE†CRIME -】を避けていく。驚きながらも避けれるって何なの……でもこれで…!
『天堕の広範囲攻撃が芦戸を襲う! 芦戸はそれを滑りながら避けるも中々天堕に近づくことができない! いや、それどこか反撃する暇もない!』
『原理は不明だが、剣を複数出してそれを浮遊させての広範囲による攻撃……こりゃあ、"個性"だとしてもサポート会社も気になる作りだな』
♪ 強さの本当の意味のため ♫
♪ 弱さを受け入れ今を飛べ ♫
アームドギアを再び蛇腹状にして、タイミングを、芦戸さんが次にどこに移動するか予測する……!!
♪ 1000の傷は 1000を超える ♫
♪ 逃げなかった
「(ここだァ!!)」
タイミングを合わせて、芦戸さんが避ける進行方向にアームドギアを振るう。
アームドギアはまっすぐ伸びていき、そしてちょうど芦戸さんが来て、腕ごと身体を縛った。
♪ 負けた日から立ち上がり ♫
♪ その全部を受け止めて ♫
「嘘でしょ!? でも、溶かせば——」
そんなことさせないとばかりにすぐに大振りで芦戸さんを拘束したまま振るう。
「あ~!!!!」
気持ち悪いだろうけど我慢してね!酸を出さないためなの!!!
♪ わたしはわたしと (さあ
そのまま芦戸さんをこっちに寄せて、私も駆け出す。位置はちょうど場外近く!左腕を構えて、手のひらを張り手のようにする。
「天へと示せェェエエエ!!!♪」
「あいたっ!!」
そして芦戸さんの拘束を私の目の前で解いて、私は勢いよくお腹を手のひらで押し、その勢いで場外へと吹き飛ばした。
『芦戸さん場外! 天堕さん2回戦進出!!』
ミッドナイトの審判後、歓声が響き渡った。とりあえず勝てた……。
「あ~! 悔しい~!!」
「ふぅ…」
『アガートラーム』を解除する。次の対戦相手は、鉄哲くんか切島くんのどっちかだ。
——◆——
無事に2回戦へ進出した私は観戦席へ戻って来た。ちなみに芦戸さんも一緒だったけど、すっごくへこんでいた。ごめんて。
んで次の試合は切島くんと鉄哲くんだけど、山田先生が言う通り2人とも"個性"とかいろいろダダ被りで、もはやドッペルゲンガー対決みたいな感じに見える。だって山田先生の紹介も全く同じだもん。
切島くんに至ってはそれを気にしてちょっと涙目になってる。てかこれってもはやただ固くなった男が殴り合うだけの試合……ちなみに両者ともにダウンするまで行い、回復後に腕相撲での決着となった。なぜに腕相撲?
7回戦の八百万さんと常闇くんは、常闇くんの『
騎馬戦で一緒に組んだりしたけど、やっぱり強いな……相手にしたら結構手こずるかも。
——◆——
『1回戦最後の組だ! 中学からちょっとした有名人!! 堅気の顔じゃねえ! ヒーロー科『爆豪勝己』!
ついに1回戦(切島くんたちは例外として)ラストの戦いが始まろうとしている。お茶子ちゃん、爆豪くんに勝てるだろうか……。
「緑谷君、先程言っていた爆豪君対策とは何だったんだい?」
「えっ、そんなの考えてたの緑谷くん」
「うん、本当大したことじゃないんだけど、かっちゃんは強い。本気の近接戦闘はほとんど隙無しで動く程強力になってく"個性"なんだ。『爆破』での空中移動があるけど、麗日さんが主導権を握るには、浮かすこと。だから……」
『スタート!!』
緑谷くんの説明もつかの間、山田先生のスタート合図が鳴り響き、私は試合に目を向けながら話を聞いた。
「狙うのは速攻!! 事故でも触れられたら浮かされる! 間合いは詰められたくないはず! だからかっちゃん的には回避じゃなくて迎撃!!」
その言葉通りに、お茶子ちゃんは姿勢を低くしながら爆豪くんへと接近していった。
「退くなんて選択肢ないから!」
マイクがお茶子ちゃんたちの声を拾う。そのまま接近していき、それに対して爆豪くんは……。
「うわ、モロ……!!」
「女の子相手にマジか……!?」
下から刈り上げるように爆破をした。しかもその爆破はお茶子ちゃんにモロ命中していた。
「じゃあ死ね」
口癖とも言えるひどい言葉を告げながら、爆豪くんは爆破した。だけどそこにお茶子ちゃんはいなかった。
「ジャージ!?」
「咄嗟に上着を浮かせて這わせたのか!」
ジャージだけがあり、爆豪くんの背後にお茶子ちゃんが構えて出てきて。
「(これで…!)」
だけど爆豪はそのまま爆豪で足元を抉りながらお茶子ちゃんに爆破した。お茶子ちゃんはすぐに体勢を立て直して、またも接近していった。
『麗日、間髪入れず再突進!』
「おっせぇ!!!」
「うぁッ!!」
そんなお茶子ちゃんに爆豪くんは爆破を繰り返し続けた。
「お茶子ちゃん……!」
「爆豪、まさかあいつそっち系の……」
「ウチ見てられない……」
クラスメイトのみんなも引いたりしていた。だけどお茶子ちゃんは諦めず攻めている。
「緑谷くん、もしかしてお茶子ちゃんは……」
「うん、何か、別の考えが……?」
そうだろう。だってお茶子ちゃんの顔は、諦めていないのだから。
「おい!! それでもヒーロー志望かよ! そんだけ実力差あるなら早く場外にでも放りだせよ!!」
「女の子いたぶって遊んでんじゃねーよ!」
「そーだそーだ!!」
観客席、それもプロヒーローがブーイングしだした……でもさすがにそれは失礼じゃないのかって思った。
『一部から……ブーイングが! しかし正直俺もそう思……わあ肘っ!? 何SOON——』
『今遊んでるっつったのプロか? 何年目だ? シラフで言ってんならもう見る意味ねぇから帰れ。帰って転職サイトでも見てろ』
そんなブーイングに対して相澤先生が物申した。
『ここまで上がってきた相手の力を認めてるから警戒してんだろう。本気で勝とうとしてるからこそ、手加減も油断も出来ねぇんだろが』
そんな言葉に、ブーイングしていたヒーローたちは何も言わなくなった。
「(まだコイツ、死んでねぇ…!)」
「そろそろ…かな……」
「あ?」
お茶子ちゃん、何を言って……!?
「え、嘘でしょ!?」
「ど、どうしたんだ天堕くん!?」
「う、上!!!」
「「えっ、上…? ッ!?」」
上を見上げれば、会場よりもはるか上の所に、大量の瓦礫が浮いていた。
まさか、あの爆豪くんの『爆破』を利用して武器を蓄えていたの……!?
「勝ァァアアつッ!!!!」
お茶子ちゃんのその叫びと共に、瓦礫が落下しだした。
『流星群!?』
『気付けよ』
そんな降ってくる瓦礫の中、お茶子ちゃんは爆豪くんへと走り出した。
「(こんだけの量、迎撃にしろ回避にしろ必ず隙が出来る! その瞬間に超必で距離詰める! 勝つ!! 勝って、私もデクくんみたいに……!!!)」
だけど爆豪くんは片手を伸ばし、もう片方でその腕を抑えながら、振ってくる瓦礫全てに向かって、戦闘訓練でやっていた特大規模の大爆発を繰り出した。その爆破による風圧は凄まじく、私達にまで襲ってきた。
「……デクの野郎とつるんでいたからなテメェ、何か企みがあると思っていたが——」
『ば、爆豪会心の爆撃!! 麗日の秘策を、堂々正面突破!』
「——危ねぇな…!」
……?爆豪くんの片手が、震えて、痙攣みたいになってる?そして、お茶子ちゃんの切り札ともいえるアレを、簡単に……。
「(通じへんかった……私の今出来る最大限が……でも…!) それ、でも……!!」
「ッ! へっ! 良いぜ……ここからが本番だ! 麗日ァ!!」
「デクくんなら、絶対、諦めたりなんか…——」
爆豪くんがお茶子ちゃんへ突っ込んでいき、それに対してお茶子ちゃんも突っ込もうとしたけど、お茶子ちゃんは次の瞬間には倒れた。
『う、麗日ダウン!!』
「…ま、だ……や…! うぁ…」
お茶子ちゃんは這いずりながらも、爆豪くんへと向かおうとした。それに対して爆豪くんは警戒している。だけどミッドナイトが駆け付けて爆豪くんを片手で制し、お茶子ちゃんの状態を確認した。
『……麗日さん行動不能。爆豪君、2回戦進出!』
結果は、爆豪の勝利となった。お茶子ちゃん……。
『あぁ麗日……うん、とりあえず爆豪突破と』
『やるならちゃんとやれ山田』
『だから山田はヤメテェ!! ん”ん”ぅ”…! さァ気を取り直して1回戦が一通り終わった!! 小休憩挟んだら早速次行くぞォ!』
『私情すげぇな……』
となると、先に切島くんたちがやったのちに2回戦が始まる感じだね……どっちにしても同じタイプだから、対策を考えておかないと。
おまけ
峰田「やっちまえ芦戸! 天堕のぴっちりスーツを溶かせェ!!! 天堕もその剣で芦戸の体操着切り刻んで素っ裸に——」
耳郎「いい加減にしろこの変態野郎」
峰田「ぴぎゃァァァアアア!!!!」
峰田は平常運転をしていた。