この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します   作:伽華 竜魅

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ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます!


今回短めでございます。ご了承ください……。


職場体験 編
目が覚めれば既に終わっていて…職場体験先決めがもう始まっていた…


 

 

 

 

目を空ければ、照明が最初に視界に映った。

口元が「コヒュー、コヒュー」となっていて身体は動かない。目だけを動かしてみれば、私の身体は包帯まみれになっていた。

 

「おや、目が覚めたかい?」

 

「……?」

 

白衣を着た人……?そうだ……私、爆豪くんとの試合で【絶唱】を……。

 

「ここ、ぁ……?」

 

「雄英近くの病院だよ。君、試合が終わってリカバリーガールの治療が終わってからすぐにここに運ばれたんだ」

 

……あぁ、そうか。試合が終わって治療の後すぐにってことは、私は負けたんだ……。

 

「試合…は…?」

 

「体育祭は3日前に終わってるよ。君は体育祭から今日まで丸々3日間眠ってたんだ」

 

「……」

 

決勝戦も、表彰式も終わって、それぐらい眠ってたのか。いや、【絶唱】を口ずさんで3日目に目覚めたほうが幸運なのか……。 

 

「"個性"の反動とはいえ君の身体はとても危険な状態だった。リカバリーガールの『治癒』もできなかったから、苦労したよ」

 

「ごめん、なさい……」

 

「別にいいさ。ただ、女の子がここまで無茶するのは正直やめてほしいと思うよ。僕にも一人娘がいるんだけど、娘がこんな状態になるまで戦ってほしくはない」

 

こんな状態まで…か……先生に心配かけたな。それに【絶唱】の後の姿なんて、人によっちゃトラウマものになる……そんなことを考えず、ただ、あの瞬間だけは、2人の思いも背負って、爆豪くんに勝ちたかった……!

 

「(…でも負けた……悔しい…!)」

 

痛くてしょうがなくても、その手を、片手を、ギュッと握らずにはいられなかった。

 

「とりあえず明日も含めて身体にまだ問題がないか確認するから。その結果次第では明後日には退院ね」

 

「は…い……」

 

けど今は、身体を直すのに専念しよう。

 

 

——◆——

 

 

さて、私が【絶唱】の反動で眠ってる間に、体育祭+その後の2日間の休日+通常の授業の1日目、の最中に目を覚ました。

んで目が覚めて2日目。昼間に検査を行って問題ないことが判明し無事退院。今日は学校には行かずゆっくりと家で休むことになった。

ちなみに先生に体育祭の結果を聞いたところ、爆豪くんが決勝へ進み轟くんとぶつかり合い、勝利は爆豪になったらしい。

一応あらかじめ録画をしておいた映像も見ていたが、表彰式がひどかった……なぜか1位の座にいる爆豪くんは拘束されており、轟くんはすました顔、3位には誰もいないという状態だった。

後々に聞いたことだけど、飯田くんは家の事情で早退し、私は病院へ搬送されたことでの状態らしい。

 

「っと……そんなことよりも…」

 

自室に戻って机に広げている何十枚もの紙。

『ヒーローネーム』『職場体験体験先提出書類』『各ヒーローからの指名リスト』

それらに分けられる。期限は今週の金曜まで。それまでにヒーロー名並びに職場体験先事務所を決めなきゃいけない。

 

「ヒーロー名は後にして、とりあえずまずは指名してきたヒーローを見ないと……」

 

書類を何枚も取ってその内容を見る。ちなみに私にきた指名はざっと2300件ほどだった。

全部見てから別の書類を……うわっ、トップ10内からも来てるじゃん。

トップ10内だと『ベストジーニスト』に『ホークス』、『リューキュウ』……それ以外だと…………ん?ん!?

 

「はぁ!? ヒ、ヒーロー『ギア』…!?」

 

せ、せせせ、先生の名前が何故にある!?何故に!!?

私は思わず部屋を出て、先生の部屋に突入した。

 

「先生!!」

 

「うんぶっ!! ゆ、ゆぅちゃん!?」

 

先生の部屋に入れば、お茶を飲みながら何か資料を見ている先生がいた。

 

「先生! 引退したんじゃなかったんですか!? なんで指名が……!!」

 

「あ、あ~……そういえば言ってなかったっけ? 引退というより、隠居なのよ私」

 

「元No.2が隠居て……って、それよりもなんで指名を…?」

 

「そうね、ゆぅちゃんの"個性"はいろいろとわからないことの方が多いし、デメリットとかも考えれば、職場体験は誰よりも知る私が受け持った方がいいかな~? ってね?」

 

「……」

 

そういうことか……まぁ確かに、私の"個性"はアレなだけあって、諸々の詳細を誰よりも知っている先生が職場体験先ならちょっと気は楽だ。

と言っても、先生にも話してない詳細は一部あるけど……。

 

「はぁ……まぁいっか。確かに先生の元だとある意味気を使わなくていいし」

 

「ちょ、それどういう意味!?」

 

「そのまんまの意味だよ。じゃあ指名は先生の名前書くね。後はヒーロー名を…——」

 

そうブツブツと言いながら、私は先生の部屋を後にした。

 

「………」

 

幻神が部屋を後にし、翠1人だけになった途端、翠は真剣な顔になり、机に置いてある書類に目を戻した。

 

「はぁ、これだから公安委員会(・・・・・)は好かないのよ……」

 

その書類は、公安直属ヒーローの一覧。

公安委員会が何故絡んでいるのか、それは幻神の不明すぎる"個性"故か、はたまた他の理由があってのことかは不明。

だが、幻神に指名したヒーローの半分は公安委員会に直属しているヒーローらだった。

翠は公安委員会をあまり好んでいない。場合によっては警察すらも敵に回す彼らと肩を並べることを好まないのだ。

公安委員会が裏の社会、裏の世界に義理とはいえ愛娘を引き込もうとするのなら、翠はそれを許さないでいるのだ。

 

「(公安委員会はあっちの意味でも注目している(・・・・・・・・・・・・・・)けど……)」

 

そしてある1つの書類を取り出す。だがその書類は古いものであるがために、汚れていた。

 

「(7年前……あの現場にて発見された人物(・・・・・・・・・・・・・))」

 

翠の脳内には、昔の記憶が流れていた。だが、それをすぐに頭を振って振り消し、書類をしまった。

 

「さてと……愛娘のためにも腕によりをかけてご飯を振る舞わないとね!」

 

そう言いながら翠は自信満々にキッチンへ向かった。だが、料理をする際に幻神に怒られ、結果しょぼん状態になりながらリビングの机にて待機になってしまったとか……。

 

 

——◆——

 

 

後日。

職員室。

 

ヒーロー名は未定だと(・・・・・・・・・・)?」

 

「は、はい……」

 

私は放課後に相澤先生へ職場体験先希望書とヒーロー名の書類を提出した。

職場体験先は先生の名前を書いていたが、ヒーロー名は未定と書いたのだ。

 

「どういうことだこれは」

 

「えっと……この時につけた名前が世に知れ渡ったらそれがプロ名になったりするんですよね?」

 

「あぁ、そうだが……」

 

「その……まだ、これと言ったビジョンというか、ヒーロー名ってのが思い浮かばないんです……だから、胸を張って名乗れる名前が思い浮かぶまでは、無しで行きたいと思ってます!」

 

「……」

 

く、空気が重い……!相澤先生、そんな睨まないで…!多分本人はしてないんだろうけど……!!

 

「……まぁいいだろう。俺もメディア出たくなさからマイクに適当につけられたのをそのまま使ってるしな」

 

「は、は……えぇ!?」

 

許してもらえたと思ったけど、まさかの衝撃エピソード聞いてしまった!?

 

「HEY天堕ァ! 何なら俺が付けても——」

 

「結構です山田先生」

 

「シビィィィイイイ!!! それと山田はやめてくれぇぇええ!」

 

山田先生が付けようとするのを即否定して、職員室を後にした。

とりあえずヒーロー名は置いといて…職場体験先は決まったから、一安心だ。

 

 

 

 





ということでオリ主のヒーロー名は未定のままこの話は進みます。
いやまぁ……爆豪だってヒーロー名は未定のまま話結構進んでたし……飯田だって発表の時にはアレなことで名前にしてたけど、最終的にはヒーロー名を名乗ってたしで……ね?
あ、決してヒーロー名が決められなかったわけではありません。いくつか候補はあります!!

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