この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します 作:伽華 竜魅
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あの病室での出来事の翌日には私は退院して、残りの職場体験は家でのトレーニングだけで終わった。
そんな1週間の職場体験期間が終わって、登校初日の水曜日。
「ヒーッ! 無理! 無理ィ!!!」
「笑うな歌女ァ!!!」
私は現在、頭が8:2の状態である爆豪くんを見て大爆笑し、お腹を抑えて膝から崩れ落ちていた。
そして本人である爆豪くんは、切島くんや瀬呂くん以上に笑う私により一怒りを露にしていた。
「ほんっきで殺すぞテメェ!!!!」
「ブフォッ!! 頭が戻ったァー!!!」
爆豪くんが次に発した言葉に合わせてか髪の毛が本当に爆破するかのように元に戻り、それを見てまた私は噴き出してしまった。
それのせいで余計にお腹が痛い…!
ヒーッ!無理~!!
「あ、天堕…笑いすぎ…!」
「ダメ、釣られ…ブフォッ!!」
「殺す! マジで殺すテメェら!!」
も、もう無理!
み、緑谷くんたちの所へ避難だァ!!
「髪型が変わっただけそんなに面白いものなのか?」
「だ、だって…あんなザ・不良くんがあんな髪型…ブフッ!」
「人の髪型に対し笑うのは良くないぞ天堕くん!」
ご、ごもっともですけど…!
これを見て無反応のほうが失礼でしょ…!それに、不良が本当にザ・真面目みたいな髪型をしちゃあもう爆笑ものでしょ…!
「(子供の時の髪型の話はやめておこう…かっちゃんに怒られるし、天堕さんの腹筋が死んじゃう…)」
息を大きく吸って吐いてを繰り返して落ち着かせる。なんとか息が整って笑いが収まったところで、上鳴くんが話題をコッチに向けて来た。
「まあな。でも、一番変化というか大変だったのは……お前ら4人だな!」
「そうそうヒーロー殺し! あ、でも天堕だけは別の
「命があって何よりだぜマジでさ」
「心配しましたわ、とても」
それによって爆豪くんに首根っこを掴まれた状態の瀬呂くんと切島くんが、そして八百万さんが眉をひそめて心配してきた。
そして私は背後から肩をガシッ!と誰かに掴まれたと思ったら、振り返らされて、また肩を掴まれてブンブンと前後に思いっきり揺らされた。
「心配したんだからね~! 幻神ちゃん!!」
「えっ、ちょ! は、葉隠さん!? ちょ、視界ガガガガガガ…!」
「葉隠さん! そのままじゃ天堕の首が吹き飛ぶ!」
尾白くんが止めてくれたおかげで、おさまり、私は視界が少しぐわんぐわんになった。
ア~気持ち悪い~。
「でも葉隠の心配も分かるよ。天堕、あんた何かある事に入院してるじゃん」
「半分は"個性"によるものなのは仕方ないけど、女の子なんだから身体大事にしないと!!」
耳郎さんと芦戸さんに指摘された。
確かに、今年に入ってから私必ず事あるごとにいろんな病院にお世話になってる気がするなァ……(遠い目)。てか女子たちいつの間にか私の周りに集まり出しとる!?
「幻神ちゃんほんとに無理したらアカンよ?」
「そうよ。体育祭の時なんか、私とても怖かったもの」
「そ、その節はお騒がせしました……」
思わず縮こまっちゃう。ほんっと~にごめんなさい!
「……俺、ニュースとか見たけどさ、ヒーロー殺しって
ヒーロー殺しが
え、なにそれ聞いてない。
私はこっそりと緑谷くんに顔を近づかせ、耳打ちで質問した。
「それ本当なの?」
「う、うん…脳無とかいたし、記者からの情報だとUSJの時にいたあの2人の目撃もあったから」
マジか……てことはマグニールとメドゥーゴルもまた繋がってるのか?いろいろと私のこと知ってたし、意味深な言葉もいくつかあった。
それにタイミング的にも……。
「あ、あの…天堕さん…」
「ん?」
「ち、近い…です」
「……ッ!?」
それを言われて顔がめっちゃ近くにあることに気づいた。耳打ちをするためとはいえ終わった後もその場から動かなかった私は、声を出さなかったけど(人は本気で驚くと声が逆に出なくなる時があります)一気にズサーッ!と緑谷くんから距離を取った。
「ん? どうしたの天堕、顔手で覆って…って、めっちゃ顔赤いよ!?」
「にゃ…にゃんでも…ない…」
顔がバカ熱い……冷めろ、冷めろォ!!
——◆——
「ハイ私が来た。ってな感じでやっていくわけだけどもね。ハイ、ヒーロー基礎学ね! 久しぶりだ少年少女! 元気か!?」
「ヌルっと入ってきたな」
「久々なのに」
「パターンが尽きたのかしら」
ほんっと~にヌルっと始まったな。
そして
「職場体験直後ってことで、今回は遊びの要素を含めた救助訓練レースだ!!」
オールマイトがそう言うとすかさず飯田くんが手を挙げて「救助訓練ならUSJでやるべきなのでは!?」と発言した。
それに対しオールマイトは「あそこは災害時の救助訓練に適した施設だからな」と返した。
「私は先ほど何て言ったかな? そう、レース! そしてレース場はここ、運動場
「指さすなよ…」
オールマイトは説明をしたけど、最後には指と顔がどんどん迷いなく爆豪くんへと向けられた。
と言っても初戦闘時にあんだけの爆破を密室でやっちゃったんじゃあ誰だって最も注意するべき人物認定されるわぁ。
一部男子はニヤついてみてるし……ちなみに組み分けは恒例なくじ引きにより決定され、私は2組目になり、同じ2組の人は峰田くん、常闇くん、梅雨ちゃん、葉隠さんの4人だ。
この中だと唯一劣るのは葉隠さんと峰田くんかな?あ、でも峰田くんの"個性"は自身にはくっつかないから壁のぼりとか強いか。体育祭では轟くんの氷を意外にも突破していたし。
そして1組に選ばれた5人はそれぞれ位置に着き、私たちは巨大モニターがある待機場に移動して、そこでレースの様子を観戦することになった。
「機動力あるやつが集まったな」
「でも飯田はまだ完治してないんだろ? 無理せず見学すりゃいいのに……」
瀬呂くんに飯田くん、後は尾白くんと芦戸さんに緑谷くんの5人。
全員が機動力も高い人たちだ。
「トップ予想な。俺瀬呂が1位!」
「あー……う~ん、でも尾白もあるぜ」
「オイラは芦戸! あいつ運動神経すげぇぞ!」
「爆豪、お前は?」
「デクが最下位」
「いやトップ予想だって……」
みんながトップ予想とか誰がどう進むのかを話している。確かにこの中だと瀬呂くんみたいな"個性"が一番生きるかも。混雑してるし……でも…。
「天堕、お前は?」
「え?」
「だからトップは誰かなるかだよ!」
あ~トップ予想か、てか私に振る?う~ん……でもまぁ…。
「緑谷くんかな?」
「アァ? あんなクソナードが1位なハズねぇだろ。目玉腐っとんのか」
素直に言ったのになぜか爆豪くんにぼろくそ言われたんですが……ほんっと~になんで君は緑谷くんに対してそんな刺々しいの…。
「いいじゃん別に。それに、体育祭では私たちを出し抜いて1位になったんだよ? ありえるじゃない」
私がそう言えば、みんなも確かにって感じの表情になった。
それだけじゃない。先生に聞いた話だと、壁などを使った小刻みな動きも少しずつだけどできるようになってるらしい。
先生の速度に一時的とはいえ届きうる速度を持つ飯田くんでも、それはあくまで直線とかだ。芦戸さんの『酸』も、この運動場が本物だったら場所によっては危険だ。
なら普通な尾白くんと『テープ』で複雑なところでも動ける瀬呂くん、あとは先生やオールマイトと似た"個性"を持つ緑谷くんが妥当だろう。これが私の考えだ。
『スタート!』
っと、始まった。
モニターに画面切り替えやそれぞれを切り分けての同時映像などに変わったりしている。
「ほら見ろ! こんなごちゃついたとこは上にいくのが定石!」
「でも緑谷も負けてないぞ! 見ろ! あんな足場が悪そうなところもぴょんぴょんと跳んでるぜ!!」
やっぱり一枚上に行くのはあの2人だった。
「体育祭の時から思ったけど、デクくんのぴょんぴょんとした動き、まるで爆豪くんみたいやね!」
お茶子ちゃんがそう言った。私はそれに対し反射的にだが、チラッと爆豪くんを見——
「(あんの、クソナードがァ…!)」
「…ッ」
——たが、とんでもない
私は思わず数歩ガチで離れた。
そして改めてモニターを見てみんながどうなっているのか……——
「「「——あっ」」」
見始めたら、緑谷くんが足を滑らせて、観察していた全員が声を揃えた。
結果として、瀬呂くんが1位となった。
——◆——
1組目が終わってから、すれ違うように2組目である私たちが運動場γに入った。
「ここら辺かな?」
私はスタート位置に着いた。
「(機動力や安定性を考えると『アレ』がいいんだろうけど、出来れば…あまり良くないけど、クラスメイトにも秘密にしておきたい。何より、万が一世間に知られたりして公安の耳にも通ったら、どうなるか想像もできないし、したくもない)」
先生もなるべく使用を控えるようにと言っていた。
先生は知ってるから、私が教えたからこそだ。だからこそ『アレ』以外で空中を移動できるのは……!
胸の上に手を乗せて、息を吸う。
『スタート!』
オールマイトのスタート合図とともにブザー音が鳴り響いた。
そして私は『聖詠』を口ずさんだ。
ドクンッ!と心臓が高鳴り胸元から赤い光が溢れ、そしてその光に包まれる。
肌にピッタリと張り付く赤と白を基調とするバトルスーツを身に纏い、両足には白と赤の足首の左右に装備が付いたストッキングが装着され、腰には正面が開いた輪っか型の装甲が装備され、更にその背面には尖ったリボンのような大きなスラスターが装着された。両腕には装甲が薄いガントレットが装備され、頭部には上面に3枚の装甲、左右の耳には真ん中に楕円型、そしてその上下に六角形の筒のようなものが装備された。
『イチイバル』を纏い終えた私は背面からミサイルを1つ出して走り出す。
そして跳躍した瞬間に発射させて、うまくミサイルの上に乗り、そのまま空中へ行った。
ミサイルって普通乗る物じゃないけど、元の作品だと乗りまくってたからなぁ……初見の時は思わず「えっ?」ってなったはずだよ私は。
っと、そんなことよりオールマイトを探さないと。
——ズキッ
「…ッ」
あのイグナイトを使用してからか、毎日必ず数回だけど頭痛が起こるようになってる。
医者は特に何ともないと結果を出してるところから、おそらく本人にしかわからない何か…イグナイトを克服しない限りダメなやつだったりするのか?
作品だと第三者視点で視聴することしかできないし、実際の性能とかも文章とかだから実際の体験だとどうなるのかわからないから、この頭痛もはっきりとわからない。
「(イグナイトを克服して治るなら、どっちにしても1秒でも早く克服して、物にしないと!) …おっ!?」
ミサイルが急に揺れた。
前には異常はない。後ろ…?って!?
「へっへっへ…!」
「み、峰田くん!?」
峰田くんが自身の『もぎもぎ』をミサイルにくっつけて、その『もぎもぎ』を離さないようにしっかり掴んでいた。
「天堕なら絶対飛行とかすると思ったからな! ちょっと近い位置に着いてて正解だぜ!!」
だからこうして来たってことなの!?
「このまま更に天堕の背中にくっつけば…!」
気……悪…、消え…ばい………
このままだと本当に背中にくっついてくるかもしれない。
「……んじゃ、これは捨てるね!☆」
「へっ?」
背面からミサイルをもう1つ出し、跳躍して元々乗っていたミサイルは噴射を停止させる。
ミサイルと共に落下していき、私は背面にセットしてあるミサイルを、身体を捻って互いの上下を逆にしてからパージし、乗り込んでそのミサイルだけを点火した。
同時に断末魔が聞こえて、チラッと後ろを見れば、ミサイルが地面に突き刺し、落下の衝撃でフラフラしている峰田くんが見えた。
「敵ながらあっぱれってのはあぁ言うことを言うのかな? ん? あっ!」
そう考えていたら、目立つシルエットを発見した。
しゃがんで落ちないように身体を曲げれば、ミサイルもそれに合わせて旋回する。
そして近づいて行けばオールマイトだとはっきりわかった。
「(タイミングは……ここ!)」
オールマイトの頭上を通り越す前より少し前あたりから飛び降りる。
ミサイルの移動中の落下だと落下した際も進行方向に少し進みながら落ちるからだ。
そして着地と同時に一回転してっと!
「到着っと」
「1位は天堕少女だったか! 驚いたぜ、まさかミサイルに乗ってくるなんて… 普通なら考えないぶっ飛んだ発想だぜ!」
「そ、それはどうも…(実際には『雪音クリス』が基本的にやってて、原作でも敵のミサイルを乗って回避とか人間やめてるレベルのしてるからなんだよなァ……そもそも当たったら爆発するでしょってツッコミもしたっけ?)」
あ、ちなみに私が乗っていたミサイルは被害を0にするために空中に上昇してから爆破しました。
「
オールマイトはそう言って、みんなの状況を見るために背を向けた。
とりあえず『イチイバル』を解除してっと……あ、梅雨ちゃんが来た。
「2位は蛙吹少女か! 跳躍力などがより上がっていていいね!」
「ケロ、嬉しいわ」
オールマイトに褒められて嬉しそうにケロケロしながら、邪魔にならないようにコッチに来た。
「2位おめでと梅雨ちゃん」
「幻神ちゃんこそ、やっぱりすごいわね。峰田ちゃんのことは彼の自業自得みたいなものだから何も言わないわ」
「ありがと」
その後に常闇くんがやって来て、次に峰田くん、最後に葉隠さんが来て2組目の全員がゴールし終わった。そして「助けてくれてありがとう」と書かれた紅白の襷を貰った。
ちなみに、これを見た緑谷くんは少し羨ましそうに見てきたから「1位になってもらったらどうしたの?」と聞いたら「家宝にする」と言った。
どんだけオタクなんや君……。
——◆——
更衣室。
レースを終えた私たちは制服に着替えるために
「天堕さんのミサイルをあえて移動用に使うのは驚きましたわ」
「アハハ……でもサーフィンとかみたいな乗り方だから、ミスれば落ちるよ」
隣の八百万さんが私の移動法についていろいろと考えがあったのか話をしてきた。
何でも、自身の"個性"で物体を作るという点が同じなためか、私のやり方を一部参考にしているとか。
特に武器や移動法などを……なんか、ちょっと罪悪感がなぁ……。
「どうすればあのような発想ができますの? ご参考までに!」
「えぇっと…単にアニメ知識とかかな? それに、当たり前になってるけど昔だと今の超常も空想のものみたいなものだから、現実を忘れないのも大事だけど、現実離れしたものを、現代のものでより近くに再現できるか…とか?」
「なるほど。確かに天堕さんのはサポート科でも見慣れない作り。しかも小さなものが大きく形状変化したりと幅広いですから…そういったものを知れば私でも可能かもしれません!」
私の場合『具現化』だから出来るってのもあるけどなァ…『創造』だと出来るかわからない…。
「天堕天堕!」
「ん?」
「ど、どうしたの?」
「いや~今日ずっと気になってたんだよね~」
「気になってた?」
「なんか~! 今日緑谷と距離近くなかった?」
「………へぁ?」
な、何を言って…え、今何を言った?
ミ、緑谷クント距離ガ近イ……?距離が…近い!?
「な、ななな何を言って……!?」
「だってだって! 飯田が事件のこと話してるとき、2人でひそひそ話してたじゃん! ンでその後顔真っ赤にして距離取ったじゃん!」
「あ、あわわわ……」
「ねぇねぇ~!」
芦戸さんがジリジリと近寄って来て、私は逃げ場がなく、ロッカーにガタンッと当たってしまう。
こ、この目は…完全に獲物を決めて、絶対捕らえる目だァ!!!やめ、やめろぉ!!
「皆静かにして」
「「えっ」」
するとなぜか壁に『イヤホンジャック』を刺している耳郎さんが静止してきた。
思わずその通りに黙ると、微かに声が聞こえた。
「八百万のヤオヨロッパイ! 芦戸の腰つき! 葉隠の浮かぶ下着! 天堕のぴっちりスーツ! 麗日のうららかボディに! 蛙炊の意外おっぱァアアア——」
「……死ね」
そしてもう1本の『イヤホンジャック』を壁に向けて伸ばした。
「ギャアアアアアア!!?」
「耳郎さんの『イヤホンジャック』!? 正確さ不意打ちの凶悪コンボが強み!!」
どうやら覗き穴があったらしく、峰田くんがそこから私たちの着替えを覗き込もうとしたらしい。
「ありがと響香ちゃん!」
「卑劣ですわ! すぐ塞ぎましょう!」
「うん、お願いヤオモモ……(天堕も同類なのに…ウチだけ何も言われなかったな…)」
八百万さんがすぐに塞ぐために穴をちょうど埋めれるほどのパイプを創造し、穴は埋められた。
そしてその間にそそくさと着替えた私は、これ以上芦戸さんに問い詰められる前に更衣室から逃げ出した。
次回から期末試験編です!
あたしゃあうまく