この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します 作:伽華 竜魅
ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます!
念のために言っておきます。
今作は「何でも許せる人向け」です。
『皆位置についたね。それじゃあ今から雄英高1年期末テストを始めるよ。レディイイ―――……ゴォ!!!』
演習会場Bに入ってしばらくしたら、そんな放送が鳴りだし、演習試験が始まった。
そして私は自身の胸に手を重ねる。
『シュルシャガナ』の『聖詠』を口ずさむ。
ドクンッ!!と心臓が高鳴り、身体からピンクの光が漏れて包まれた。
肌にピッタリと張り付くピンクと白を基調とするバトルスーツを身に纏い、両脚にはピンクの機械装甲である細いガントレットとグリーブが装着される。
頭部はロングがツインテールに結ばれ、そのツインテールを包み込むようにピンクのコンテナとヘッドセットを装着された。
『シュルシャガナ』を纏った私は、脚先に電ノコを出し、火花を散らしながら走行した。
とりあえず目標は脱出ゲートに行って通過すること。戦闘はなるべく避ける。
そういうのは、職場体験で経験済みだ。あの2人に単騎で勝とうとしてイグナイトを使ったのは痛手だったからだ。
周囲に『剛翼』がないか警戒を——
「意外と速いね~それ」
「——はっ」
瞬間、背後から声が聞こえた。
咄嗟にツインテールコンテナの片方から電ノコを出し、振り返りながら振るう。
しかしそこにはおらず、紅い羽根がフワフワと落ちていた。
「こっちッスよ~」
「ッ!?」
声のほうに向けば、ホークスがビルの上に立っていた。
「(ここからゴールまでまだまだ遠い! ホークスは私とは反対方向…つまりゴール前からのスタートのはずなのに、もうここまで来たの!?)」
『速すぎる男』…その異名が相応しいほどに、とてつもなく速い……!!!コンテナを元に戻していつでも来ていいように【- α式・百輪廻 -】の発射準備をする。
「さぁどうします? ヒーロー?」
…?よく見たら翼が少し小さいような……ッ!?
「上!!?」
上を見上げれば、『剛翼』の羽根たちが車を持ち上げており、私の上から落として来た。
私はすぐに後方に走行して避けた。
「(このままとらえる!) 行け、『剛翼』!!」
「くっ!!」
【- α式・百輪廻 -】
ホークスが『剛翼』を飛ばしてきて、私は【- α式・百輪廻 -】で抵抗する。
だけど『剛翼』は電ノコたちを避けていき、私のほうへ飛んできた。
「まずっいッ!!」
『剛翼』から離れるために脚の電ノコをフルスロットルで走行した。
選択を誤った!電ノコやヨーヨーでも切断などはできるけど、『
「逃げてばっかじゃ駄目っすよ~? それに、俺速さには自信あるから!」
「(『剛翼』のいくつかがホークスに戻って、本人がどんどん距離を縮めて追いかけてくる!!) ならっ!!」
道が複雑な路地裏などに行けば!!
「ふっ!!」
「がっ!!?」
だけどそれよりも速くホークスは2本の大きな羽根で私を攻撃してきた。
ダメージはそこまで大きくない…!だけど、それらを速さで補うことで威力はちゃんと出している…!
「このままじゃ終わっちゃいますよ! 俺、こう見えて重りのせいで全然普段の速さ出せてないんで!」
この速さで、重りで普段じゃないっておかしいでしょ……!クッソ、その異名通りに、この試験すらも速く終わらせられる…!負ける!!でも、ザババを…『シュルシャガナ』を…舐めるなぁ!!
「このぉ!!」
「おっと!」
2つのコンテナから電ノコを出し、ハサミのように左右から中央へと振るう。
だけどホークスはそれをちょうど速く上昇して避けた。
「まだッ!!」
私はすぐに2つを縦にして、ホークス目掛けて投擲する。
「切り離しもできるのか!?」
ホークスはそれも避けてまた詰めてくる。
だけど、まだ私のターンだ…!
「(最初の左右からの攻撃と一緒に既に出しておいた。伸ばしていたヨーヨー!! それを…!!)」
左右から伸びていたヨーヨーが電ノコに当たり、接続し、より一層速く回転した。
そして私は糸を弾き、同時に片足から大きな電ノコを出して、挟み撃ちする形にした。
「マジか!?」
「これなら、避けられない!!」
そのまま電ノコは前後から中央のホークスに向かっていく。だけど瞬間、ヨーヨーに繋がっていた電ノコがなぜか左右に動き、地面に突き刺さった。
「なっ!?」
「残念!」
そしてホークスはそのまま私の脚の電ノコを避けて、私のお腹に羽根で攻撃してきた。
私はそれを受けてしまい、電ノコを閉じてしまった。2つの電ノコを見れば、『剛翼』が何本かあった。
「(まさか…あの瞬間に既に羽根を飛ばして、電ノコを押し出して後方からの攻撃をなくしたの!?)」
そんな器用なことが……!?
「フンッ!!」
「がっ!!!」
そしてホークスは一度離れてからとても速い速度で私を蹴り飛ばし、私は蹴り飛ばされて、ガードレールに激突した。
「(強さが…戦闘とかのそう言った攻撃系じゃない……この人の強みは速さだ…! その速さが、攻撃力も生み出してる…! 先生の『衝撃波』が、1回目の後+での打撃による勢いで加速するように、反対のやり方…!! No.3ってだけあって…強すぎる…!!) ッ!!?」
いない!?どこに行った!?
どうする?このままゴールに向かう?それとも警戒しての迎撃で勝利?
——ズキッ
「…ッ」
こんな時に頭痛が……!!
空気読んでよ、お願いだから…!!
「ふぅ…ふぅ…」
こっちもこっちで、速く終わらせないと…!
——◆——
少し離れたビルにて、ホークスは幻神を伺っていた。『速すぎる男』故に速く終わらせることもできるが、そうはしない。
その理由はこれが生徒のための試験であるからだ。だが、同時の意味もホークスにはあった。
「しかし、公安はなぜあそこまで彼女に対し
今回の演習での試験官になった理由。
それは、公安委員会からの指示でもあったからだ。
公安直属でもあるヒーローホークスは、今回の試験で幻神の相手をしろと公安に命令され、雄英にも既に連絡したことにより今回のような結果になった。
「俺にさえ詳細を話そうとしない辺り、彼女はとんでもない何かを背負ってるんだろうけど……ま、それらも含めて調べるためにこうやって指示されたんすけどねェ……」
ホークスは『剛翼』を広げ、羽ばたいた。
——◆——
『シュルシャガナ』で脱出ゲートに向かいながら警戒する。急に攻撃が止んだ。いや、ホークスが目視で確認できなくなった。
『報告だよ。条件達成最初のチームは、轟・八百万チーム』
「ッ!」
轟くんと八百万さんはもうクリアしたの!?まだ始まってから10分経ったぐらいなのに!さすがは推薦入学者組ってところか!
そしておそらく向こう側は私を確認できているけど、こっちはそれらを更に索敵すると言った能力はない。
「(脱出を忘れずに周囲を警戒しないといけない。こういう時、緑谷くんならどうする? 脱出は絶対だろうけど、私、いやクラスで一番"個性"だけにあらず分析力が高くて、1つに対し多数な可能性を見出しているんだ。私もそれぐらい考えれば——)」
そのまま進んでいたら、通過して一瞬見えた路地裏。そこから羽根が何枚も飛んできていたのが見えた。
「ぐわッ!?」
そしてその羽根は私の身体にくっつき、私は持ち上げられた。
「はい残念。ここからどうする? ヒーロー」
ホークス!?いつの間に目の前に……!ぐっ、取り外そうとしても、羽根を掴んで捨ててはその羽根が戻ってくる!エンドレスか……!
——ズキッ
「…ッ」
こんな時に…!イグナイトを使えって言うの?でも……いや、目の前にいるのはNo.3だ。
オールマイトに先生、エンデヴァーに続く五本指に入る実力者の1人。
この日のために、家で何度イグナイトをやっては暴走して先生に止められたかわからない。けど!!
「だとしてもだ…」
「ん?」
ギアペンダントを掴む。憎悪に恐れるな。
受け入れろ。それらを己の武器にしろ!天堕幻神!!
「イグナイトモジュール - 抜剣 - ッ!!!」
-
ギアペンタントの左右をカチッと押し込む。
すると音声と共にギアペンタントからドス黒く、禍々しいオーラが一気に溢れ出た。それはやがて身体全体からも溢れ出し、私を覆いつくし始めた。
「ぐUぅッ…う”ぅ”a”ぁ”あ”a”あ””あ”ァ”a”ア”A”ぁ”ァ”a"ッ!!!!」
私の苦痛な悲鳴によって風圧が発生し、それによって羽根は吹き飛び、私は地面に落下し激突した。
「(あれが、公安を通して届いたギアからの情報…!)」
「う”ぅ”a”…ぁ”あ”a”…!! ア”A”ぁ”ァ”a"ッ!!!!」
「(ヒーロー、
身体中が痛い。飲まれる…飲み込まれる……意識が、朦朧としてくる。
ノイズ塗れの記憶がずっと流れ込んでくる。頭痛すら、激しく……!!
「ヴヴぅ”ぅ”u”U”う”ゥ”……!!!!」
足元が次々に罅が入り始めている。視界が、いし、き…がぁ……!!!
「ガあ”ァ”A”ァ”ア”ぁ”ア”ァ”a”ァ”A”ア”ぁ”ッ!!!!」
身体を■しなさい
——プツンッ
……………
…………………
………………………
……………………………
膨大な禍々しいエネルギーが圧縮し、全方面に爆散した。ホークスはそれによって発生した風圧に耐えながら、幻神をしっかりと見ていた。
一方幻神の方は、なぜかイグナイトの暴走時の禍々しい獣のような姿になっておらず、『シュルシャガナ』のまま身体をだらんとしていた。
「気絶している…? いや、それだったら倒れたり武装が解けたりしてもおかしくは——ッ!?」
瞬間、ツインテールのコンテナだけが動き、そこから電ノコを連射した。
ホークスはそれを飛んで避け、距離を取った。
一方幻神は——
「何が…はっ!?」
——なぜか『
それによって服装は元々着ていた
「どういう真似っすか? もしかして実は他のを纏えたり、それとも……降参かい?」
ホークスは武器として持った羽根を構え、幻神へ接近すし、羽根を振るった。だがそれは防がれた。
「なっ! これは…!?」
幻神が右手を前に伸ばし、掌をかざしたことで生まれた
ホークスは急ぎ幻神から離れ、距離を保ち警戒態勢に入った。
「今のは…!? (報告にない技…まさか隠していた? それともまだ未発見だった? それか、窮地に追い込まれた結果…) ッ!?」
黄金の魔法陣を消した幻神は、右手を下げ、そして左腕をそのまま左にまっすぐ伸ばし、掌を何もない場所に開いてかざす。
すると先ほどの黄金とは形が違く、それでいて紫に輝く魔法陣のようなものが出現。
そこから黄金と
その瞬間、幻神は
同時に腰より下にまで伸びている青黒の髪が後頭部へ短く、1つに結ばれて行く。
上半身の前部分に
両肩には真ん中がでっぱっており、前後の先が青い、ポールドロンのようなプロテクターが装着された。その上半身の背面には紫と先が肌色に近い色のフリルが肩のプロテクターと繋がるように現れた。
両腕には前腕までで、関節部分である先は黒。
そして手首部分に斜めに伸び、左右に青いクリスタルがはめられた腕輪が変換し装着され、両手のMP関節部分全てにも黒いひし形が装着された。
下半身は濃く黒いラインがある肌が薄く見える黒いストッキングにハイヒールが繋がっているため、ハイヒールブーツのような形の脚に、左右に青いクリスタルがはめられたミニスカートが装着された。
頭部はカウボーイハットのような、先が尖っている帽子が装着され、その帽子の前面には黒いラインで囲われた赤、水色、黄色、緑の系4つのクリスタルがはめられたものが装着された。
そして最後には背面に、左右に2ずつ、対称に合わせて計4つが1つとなって繋がった大きく、中央下に青い布のようなものが付けられた背部ユニットが装着された。
纏い終えた際の風圧と共に、布部分が揺れ、周りは土煙が吹き荒れながら、幻神から発生するように黄色に輝く稲妻が漏れだした。
そしてその姿を見たホークスの表情は、驚愕に染まり切っていた。
「なんすかその武装、初めて見ますね…」
ホークスは警戒をより強くし、構える。
一方幻神の方は、帽子によって目の部分が見えないでいるが、自身の両手を軽く上げ、握り開きを繰り返す。
「…だんまりっすか? 悲しいんですけど」
幻神はそれを終えると手を下げ、その眼をホークスへ向けた。
「ッ! (瞳が…!?)」
幻神の目は右目だけしか開いておらず、そしてその瞳は『つつじ色』から、まるで吸い込まれるように輝く、『黄金色』へと変わっていた。
その右目からは光が強く、上下左右、まるで星のような形で光が漏れていた。その逆に、左目はまるで
「随分と警戒しているな。ホークス」
「ッ!?」
幻神が突然口を開く。だがその声は通常の声ではなく、なぜか変換されており『キャロル・マールス・ディーンハイム』になっていた。
「声の変換は体育祭でも見せてもらったけど…実際に聞くと本当に別人の声だね」
「ふん、イグナイト直後の影響で、デメリットを引き継いだままだからだろう。今も声質と口調が変換され続けている。とても妙な感覚だ。自分の意志関係なく声質と口調が変換されているって言うのは」
「イグナイト…さっきのやつっすね。にしても、別のに切り替えて武装なんて、出来ないって聞いてたんすけど」
ホークスは話しながら隙を伺う。あまりにもさっきまでの幻神とは違う。そう……——
「(雰囲気までもが違う。
——ホークスはそう考え、予想していた。
「……まぁいい。今の『
幻神(?)はそう叫びながら、右腕を伸ばし掌をかざす。すると背面に赤、水色、黄色、緑の4つの魔法陣……否、『
「——『
幻神(?)の纏う武装は『シンフォギア』ではない。『ダウルダブラ・ファウストローブ』。
『戦姫絶唱シンフォギアGX』にて登場した
『キャロル・マールス・ディーンハイム』の『ファウストローブ』だった。
果たしてこれは、『
知っている人は知っている、GXのラスボスにしてたった1人で世界と敵対した存在。
奇跡の殺戮者……そう、『キャロル・マールス・ディーンハイム』の声+『ダウルダブラ・ファウストローブ』が登場しました!
え?どういうことだ、ちょっとおかしくないかだって?まぁうん…私自身も思う所はあります。本当にいいのだろうかってね!でもやりたいってことと、今作の物語の要の1つでもありますから、許してくれると嬉しいです!それに、タグに+今回の前書きに書いてある通り「何でも許せる人向け」なんです!!改めてそれらを理解していただければ嬉しいです!!