この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します 作:伽華 竜魅
ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます!
UAも70.000突破ありがとうございます!!
1学期も終え、夏休みに入った私たちだが、林間合宿に向けて遊んでいる暇はない。
それに、今年の合宿先は
例年使わせていただいている場所だと既にバレている可能性が高く、急遽変更での生徒にすら機密自体になった。
まぁ合理的かつ厳重な警戒態勢なのだろう。
そんな中だが、今私たちA組女子は夏休みでありながら雄英高校に来ていた。目的は単純明快である。
夏休み前にプールの使用のための申請をしていたのだ。そしてその日が今日である。
んで今は更衣室で学校の水着に着替えている最中だ。
「おニューの水着着たかったのになぁ……」
「学校だから仕方ないよ~」
「その分いっぱい楽しもうよ!!」
着替えながらも芦戸さんはやっぱり残念がってる。
まぁ、せっかく買った水着が着れないのが誰でも残念なのは確かだ。
「でもすんなり許可されたのには驚いたよ」
「そうね。きっと相澤先生も長期の外出自粛に負い目があったんだと思うわ」
「先生なりの気遣いって感じだね」
着替えが済み、みんなでプールへ向かう。
その最中に「仲間がいてよかった」と耳郎さんが隣で呟いてた。いやまぁ…言いたいことや思う所は分かるけど、私の場合はもう吹っ切れて気にしなくなってるから……。
んでプールに着いたはいいけど…なぜかA組男子たちもいた。
「飯田さんたちも申請を?」
「あぁ! 緑谷君にトレーニングをしないかと誘われてね! 参加させてもらったというわけさ!」
「へ~緑谷くんが……」
みんなも誘ってトレーニングってことか。
緑谷くんらしい。
え?申請は峰田くんに上鳴くんが……?……察したわ。ってあ、噂をすればなんとやらで形で2人が来た。
「遅かったじゃないか!」
飯田くんが2人に挨拶すれば、2人はコントのように滑っていった。
その後2人は色々と何でとか言いながら話してる中、私たち女子は準備運動を始めた。
準備運動の後、普通に皆でビーチバレーで遊んだり、のんびり泳いだりして過ごし、少し休憩に入った。にしてもやっぱりプールは気持ちいい。
前世だと高校生から通ってた学校にプールがなくて、それ以降ずっとプールや海とは無縁の生活をしていたから、こうして冷たいものに入って過ごすのは、久々でちょっと楽しい。
今もみんなが上がってる中、私だけ足だけをプールに付けて過ごし——
「おいコラ歌女ァ!!」
「うひゃぁ!?」
——ていたら突然の爆豪くんの呼びかけに変な声を出しながら驚いてしまった。
声の方を見ればなぜか怖い顔をした爆豪くんが私を見ていた。
「テメェもだ!! テメェも参加しろ!!」
「え、は? さ、参加って…何に?」
私が爆豪くんのいきなりの参加の誘いに困惑していると、お茶子ちゃんが説明してくれた。
なんでも男子で50メートルの競争をするのだが、その時に爆豪くんが緑谷くんと轟くんだけに飽き足らず、私にすら勝つ気満々でいるらしい。
いやあの私前世も今世も女なのですが!?
「テメェら全員ぶっ潰したらァ!!」
「私だけ飛び火過ぎない!?」
「でしたら私たち女子も参加する形でよろしいでしょうか飯田さん」
「あぁもちろんだ! では男子は3グループに分けて行い、その後に女子たちにやってもらおう! 爆豪くん! それで文句はないだろう?」
「うっせぇ早くしろクソ眼鏡!!」
いやいやいや、2人がいろいろと助け船的な感じなのやったのに……ていうかもう自然と参加が決定されてる。拒否権はないのね……。
——◆——
予選第1グループ。
メンバーは爆豪くん、上鳴くん、口田くん、常闇くん、峰田くんの5人だ。
ホイッスルは八百万さんで、ゴールの確認は葉隠さん。んで早速八百万さんのホイッスルが鳴った瞬間、5人は飛び出した。
「【爆速ターボ】!!」
ていやえぇ……水中を泳ぐというか、空中を泳いどるやん。あいや、爆豪くんの場合吹き飛んでるが正しいけど…流石に他の皆も文句が次々と出るが、自由形なため問題はないという結果に…でもそれだと、爆豪くんみたいなことができる人たちは……。
予選第2グループ。
メンバーは切島くん、砂藤くん、轟くん、青山くん、瀬呂くんの5人。
意外といい勝負になりそうだけど、自由形ともなると……。
「「だから泳げって!!!」」
上鳴くんと峰田くんが揃って言った。
それは何故かというと、瀬呂くんはテープで、青山くんはレーザーで泳がず進み(その最中に青山くんがお腹を下して瀬呂くんを巻き込んで落ちたけど)、轟くんもプールの上を凍らせながら進み、ゴールした。
予選第3グループ。
障子くん、尾白くん、緑谷くん、飯田くんの4人で行われた。
そして意外にもこのグループは泳ぎでの勝者が出た。それは緑谷くんだ。
障子くんに尾白くん、緑谷くんは泳ぎだったけど、人の形をしたともいえる真面目な飯田くんがコースロープの上でバランスを取りながら滑走するように進んだ。真面目な飯田くんがまさかの泳がないという結果に驚いた。でも増強型"個性"の緑谷くんは泳ぎでもその強さを発揮し、飯田君を追い越して1位になった。
なんならこの第3グループの競争が1番盛り上がった感じだ。
さて、男子の予選は終了し、予選第4は女子7人、全員での競争だ。
みんな真剣なのか出番が来た瞬間、一切の会話をしなくなった。まぁ私もずっと黙ってたけど、流石にやるからには纏わないと。
それぞれが飛び込み台に移動したとき、八百万さんは既に何かを創造していた。ならと私も胸の上に手を乗せて息を吸った。
『ガングニール』の『聖詠』を口ずさむ。
ドクンッ!と心臓が高鳴り、黄色い光に包まれた。
肌にピッタリと張り付く黄色と白を基調とするバトルスーツを身に纏い、両腕両脚には白色と黄色の機械装甲であるガントレットとグリーブが装着され、頭部には白色と黄色のヘッドセットとブレードアンテナを装着。首元には足先まで伸びている白色のマフラーが巻かれていった。
『ガングニール』を纏い終えた私が飯田くんに合図を送れば飯田くんは頷き、ホイッスルと共に合図の構えをとった。
「よーい……」
その間に競泳のスタートのポーズを取りながら、マフラーと両腕のガントレットに意識を集中させる。
ガントレットがゆっくりと変形を始め、マフラーも少しずつうねうねと動いて黄色く発光を始めた。
——ピッ!とホイッスルの音が耳に入った瞬間、私たちは一斉に飛び込み台を蹴り、プールに飛び込んだ。そして両腕のガントレットはスクリューのような形に変形し、2本のマフラーも私の首元を先端の中心にするようにして、ドリルのようにする。
計3つが回転しだし、私はその勢いで一気に進んだ。
「ぶっ!!!」
そしてあっという間にゴールまで来て止まる前に勢い余って対岸の壁に顔から激突した。
まぁそのおかげでスクリューとマフラーは止まったけど……。
「ぷはっ…(顔痛い……)」
顔を抑えながら上がる。そして確認係である切島くんが来て、1位だと教えてくれた。
ちなみにスクリューやマフラーが強すぎて、プールの水が巻き上げられてみんなにかかって来たらしい。だからか、さっきから爆豪くんがものすごい殺意を向けてきていたのは……。
「よし、これで決勝進出者が決まったな!」
飯田くんがロボットのようなカクカクジェスチャーをしながら仕切った。
みんなが注目し、通過した4人は飯田くんの前に移動していた。
「爆豪君、轟君、緑谷君、天堕君の4人で優勝を決める! それでいいかい?」
「「うん!」」
「あぁ」
「おい半分野郎! 体育祭ん時みてぇに手加減なんかすんじゃねぇぞ…! 本気で来やがれ! お前らもだ! クソデクに歌女!!」
「分かった」
「う、うん! わかったよかっちゃん!」
こっわ……まぁでもここまで来て手抜きは流石にないから、本気でやるけど。
んで私たちは飛び込み台に移動し、正面から見て左から轟くん、緑谷くん、私、爆豪くんという形で並んでいる。
「それでは、第1回雄英高校1年A組水泳大会、男女混合50m自由形の決勝戦を始める! 位置に就いて!」
飯田くんのアナウンスと共に、見学者から歓声が聞こえる。同時に私たちは構えた。
爆豪くんは両手を後ろに構え【爆速ターボ】の準備をし…轟くんは右腕から氷結を出し構え…緑谷くんは【フルカウル】を纏い、私は両腕のガントレットをスクリューに変形させ、マントを動かしながら、2人して飛び込む構えをした。
「用意…——」
——ホイッスルがなった瞬間、飛び込む。
一気に水中を駆け抜けて……!ってっ!?
「ふぇ!?」
プールに飛び込む寸前。なぜか『ガングニール』全体が砕かれ、消滅し、元の水着姿に戻ってしまった。
そしてあまりの事態に困惑したままプールにダイブしてしまった。
「ぷはっ!! なんで"個性"が——」
「17時。プールの使用時間はたった今終わった。早く家に帰れ」
急いで顔を出して息を吸いながらそう言うと、相澤先生の声が聞こえて、一気に静かになった。
だけど瀬呂くんや上鳴くんが文句を言う。でも相澤先生は「なんか言ったか」の一言で黙らせた。
そしてみんなは一斉に更衣室に戻り始めた。私たちも上がって行かないと……。
「天堕さん」
「あっ、ありがとう…」
先に上がっていた緑谷くんが手を伸ばしてくれて、私はその手を掴んでプールから上がった。
——◆——
その夜。
プールを終えた私は家で夕飯の調理をしていた。
「ゆぅちゃ~んちょっといい~?」
その時に先生がキッチンに来た。片手には何か封筒みたいなの持ってる。
「まだご飯はできてないよ?」
「いやね、夕飯後でもいいと思ったんだけど、忘れないうちが良いと思ってね?」
先生はそう言いながら封筒を「はい」と渡してきた。私は手を止めてタオルで拭いてからそれを受け取り、中身を取り出す。
その中身には招待状があった。
「これって……」
「『I・エキスポ招待状』よ。隠居状態である私にも何故か来てね……本当なら行きたいんだけど、その日どうしても外せない予定があるのよ」
先生は「良かったら行って来て」と言ってきた。どうやらさっきも言った通り外せない予定が重なっているため、行かないのも手だが、どうせなら私に行ってほしいということらしい。
確かI・エキスポ……『I・アイランド』って人工都市のサポートアイテムを作る場所だったっけ?そんな場所に行けるのか……。
「わかった。ならその間のご飯は朝と夜で作り置きしておくから、インスタントとかカップ麺とかで済ませないでよ?」
「わかった! ゆぅちゃんもその当時にI・エキスポ楽しんでね!」
「はいはい。んじゃお皿出して。仕上げして盛り付けるから」
「ラジャ~!」
私は招待状を封筒にしまってからポケットに入れ、先生はお皿を取りに向かった。
——◆——
真夜中のとある空港の滑走路。
そこには数人の男性らがおり、既に飛行機が一機、発進できる状態になっていた。
そんな怪し目なところに、1人の少女と1人の男性が近づいた。
「…ボス、そいつが例の?」
「あぁ、あのお方から授かったついでに、目標物を確実に手に入れるための刺客だ」
「……ご主人様の命により来ました。目標物を回収するまでの間はできる限り協力します。ですが、回収したらすぐに私は撤退いたしますので、そこのご理解を」
「…だ、そうだ。お前らも文句は言うな。今回の計画を成功させるためでもある。なにより、あのお方の願いだ。下手な真似するなよ」
その男性らは返事をしてから飛行機へ歩き出した。
それに続き少女も歩き出す。
その少女は、滑走路のライトに照らされることで、その白い髪と金色の鱗を輝かせていた。
以上プール回でした!
さて次回からは映画第一弾でもある二人は英雄編が始まります。正直うまくいくか不安で不安でしょうがありません!でも頑張ります!
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