この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します 作:伽華 竜魅
ちびたXtreme様、そらまめ24様、誤字報告ありがとうございます!
屋上、ヘリポート。
ケースとデヴィットを持ったウォルフラムは、ヘリで待機していたもう1人の部下と合流した。
「ボス、他の連中は?」
「警備システムが再起動しきる前に俺たちも出るぞ」
「「は、はい!」」
時間がないのと足手まといは見捨てると、そう察した部下たちは慌てて操縦席へと走った。
するとデヴィットは意識を取り戻した。
「私を…殺せ…!」
「もう少しだけ罪を重ねよう。その後で望みを叶えてやる」
そしてヘリのプロペラがエンジンと共に回転を始め、ウォルフラムはケースとデヴィットをヘリに乗せた。
「待てッ!!」
緑谷の叫びがウォルフラムの耳に入り、振り返る。
タワーのエレベーターがあるそこには立つことすら必死な状態の緑谷がいた。
「博士を返せ!!」
「なるほど、悪事を犯したこの男を捕らえにきたのか?」
「違う! 僕は博士を救けにきたんだ!!」
緑谷は【フルカウル】を纏い駆け出す。
同時にウォルフラムはタワーのほぼすべてが金属であるため、すぐ真下である地の鉄に触れた。
「犯罪者を?」
「僕はみんなを救ける! 博士も救けるッ!!」
ウォルフラムの"個性"によって金属は柱となり、生きているかのように緑谷へと伸びて向かって行く。
「お前、何言ってんだァ?」
それを緑谷は回避や反撃などで破壊などをして、距離を詰めていった。
「うるせぇ! ヒーローはそうするんだッ! 困ってる人を救けるんだぁ!!」
「どうやって?」
「なっ!?」
ウォルフラムは後ろのヘリに乗っている、負傷状態であるデヴィットに銃口を向けた。
それを見た緑谷のすぐに動きを止めてしまった。
「全く、ヒーローってのは不自由だよなぁ……たったこれだけで身動きが取れなくなる」
ウォルフラムはそう言いながら"個性"を使用。
金属の柱が緑谷へ攻撃し、それを回避が間に合わずモロに受けた緑谷は吹き飛び、倒れた。
そして回避する隙を与えまいと立て続けに攻撃し、緑谷は最終的に回避のできない空中へ誘導されてしまい、より長く伸ばされた金属の柱に、上から叩きつけられ、地面に激突した。
「どっちにしろ利口な生き方じゃない……出せ!」
その隙にウォルフラムはヘリに乗り込み、ヘリは上昇し始めた。
だが緑谷はすぐに立ち上がり金属の柱を駆け上がり、ヘリへ向かって大きく飛び上がった。
「(あいつは手で触れないと"個性"を発動できないはず!)」
金属に直接触れることで発動する"個性"だと戦いの中で分析した緑谷は、ヘリもまた金属であるが、逃走用でもあるヘリを使えば揺れなどの支障によって飛行が出来なくなると判断していた。
そしてヘリのタイヤが繋がっている出っ張っている部位を掴み、振り落とされないよう耐えていた。
「君は……」
「ぐぅ……博士!」
そしてタイヤに身体を乗せ、ヘリの中で横たわっているデヴィットへ手を伸ばす。
「やめるんだ、ミドリヤくん逃げろ…!」
「メリッサさんが……! メリッサさんが待ってますッ!!」
「……!」
たった1人の娘の名。
それを耳にしたデヴィットは、全てを諦めていた顔に、微かに驚いた表情がにじみ出た。
「確かにお前はヒーローだ。バカだけどな」
そう言い放つとウォルフラムは銃口を緑谷に向け、発砲しようとしたが、デヴィットが足でウォルフラムの腕を蹴り妨害。
銃弾は緑谷の『フルガントレット』に当たることで弾け、負傷はしなかったもののその勢いによって緑谷は手を離してしまい、落下してしまった。
「(諦めるな! 考えろッ!! どうする!? どうすれば……!?)」
だが落下はそれを待ってくれない。
緑谷はヘリポートに落下し、その勢いでヘリポートがへこむような形になってしまった。
警備システムを戻し、急ぎ屋上に来ていたメリッサはその一部始終を見ており、すぐに落下した緑谷の元へ駆け出した。
「う…うぅ……くそ…ッ! ちくしょう……!! 返せッ! 博士を返せ!! クソォォォオオオッ!!!」
緑谷は
「こういう時こそ笑え! 緑谷少年ッ!」
そんな時、自身たちの下の方から、最も頼もしい声が緑谷とメリッサの耳に聞こえた。
その声と共に緑谷はハッと目を見開いた。
同時にタワーの下、それも外から止まることなく一直線に屋上の上、さらにヘリよりも上まで一瞬で何かが飛び上がってきた。
「もう大丈夫! 何故って? …… 私が来た!!」
笑顔で言い放ちながらも威風堂々と現れたのはオールマイト。
「親友を返してもらうぞ!
オールマイトは空中で一度身体を振るい、その風圧でヘリへと拳を構えながら接近し、ヘリを貫通した。それによってヘリはその場で爆発し、燃え上がりながら墜落していった。
そしてオールマイトはデヴィットを抱き抱え、緑谷とメリッサのすぐ横に着地した。
「パパ……パパッ!」
「…メ、メリッサ……」
オールマイトはデヴィットの両手足に着けられた拘束具を破壊した。
そしてデヴィットはメリッサに手を伸ばした。
「もう大丈夫だ」
「良かった…!」
緑谷とメリッサは安心した表情を見せ、デヴィットのほうはオールマイトを見た。
「オールマイト……私は……」
だが次の瞬間、金属の柱が炎の中から伸びていき、オールマイトを吹っ飛ばした。
そして立て続けに鉄製のコードや配線が屋上の地面を突き破り、デヴィットに巻き付いて行き、デヴィットはそれによって炎の中から、金属系の物が集まった巨大で禍々しい塊の中に連れ去れた。
「サムめ……! オールマイトは"個性"が減退して、往年の力は無くなったとか言ってた癖に…!」
その金属の塊の上にはウォルフラムはおり、ウォルフラムの頭部には、デヴィットが発明した試作段階の"個性"を人体に影響を与えることなく増幅させる装置、『"個性"増幅装置』が装着されていた。
「まさかアイツ、博士の装置を…!?」
「ゴホッ、ゴホッ! (Shit! 時間が……) 往生際が悪いな!」
活動限界が限界まで来ているオールマイトは、身体から蒸気を漏らしながらもウォルフラムへ向かって飛び出す。そして拳を構えた。
「【
しかし、オールマイトの進行方向に地面から四角く分厚い鉄の壁が生えるかのように現れ、オールマイトの攻撃はそこに命中する。
そして衝撃波は広がり鉄壁はめり込むも、壊れることはなかった。
「何ッ!?」
「何だそりゃ?」
鉄壁から金属の柱が生え、オールマイトは吹き飛ばされる。同時にウォルフラムの手で触れて金属を操るという"個性"の使用が『"個性"増幅装置』によって活性化したことにより、鉄や金属であるなら触れずとも伝播するように伝わっていき、更にタワーの金属が操られ、ウォルフラムの金属の塊へ取り込まれて行った。
「流石デヴィット・シールドの作品…"個性"が活性化していくのが分かる……! ハハハ、いいぞこれは! いい装置だァ!」
「こ、これがデイヴの……」
「パパが作った装置の力……」
そんな"個性"の活性化を目の当たりにしたオールマイト、緑谷、メリッサの表情は絶句と驚愕に染まり切っていた。
「さぁて、装置の価値をつり上げる為にも……——」
「——オールマイトをぶっ倒すデモンストレーションといこうか!」
活性化の影響なのか、感情までも高ぶっているウォルフラムは高慢な宣言をし、活性化されたことで協力になった"個性"を使用し、金属の柱をオールマイト目掛けて伸ばし攻撃する。
オールマイトも負けじと回避などを駆使して接近するも、金属の柱が圧倒的数の差で攻め、オールマイトは破壊などするも押し負けていった。
「きゃぁぁああ!」
「メリッサさんッ!」
その激しい戦闘によってメリッサは投げ出されるが、緑谷がすぐに駆け出し抱えて安全な位置まで移動する為に走り出した。
その間にも緑谷はオールマイトを見る。
「(オールマイト……やっぱりそうだ…! 活動限界なんだ!!)」
「フッハッハッハッ!!!」
ウォルフラムは高笑いしながら、追い打ちをかけるように金属の柱を更にオールマイト目掛けて攻撃した。そのうちの数本は緑谷とメリッサの方に伸びていき、緑谷はメリッサを抱えたまま避けるのに精いっぱいだった。
「マイトおじ様…!」
オールマイトは吐血しながらも攻撃に耐えるので精いっぱいだが、ウォルフラムはお構いなしに攻撃を続ける。
「さっさと潰れちまえ!!」
「オールマイトォォオオ!!」
金属の柱が再びオールマイトへ伸びていった。
だが次の瞬間、金属の柱は一瞬で氷漬けにされた。
「ア”…?」
「くたばりやがれェ!!!」
「ッ!」
同時にウォルフラムの頭上に『爆破』で駆け上がってきていた影が連続で爆破をウォルフラムへ向けて放ち、ウォルフラムは巨大な金属の壁を生み出し防御した。
「お代わりだってあるぞラスボスッ!!」
「ッ!?」
その真反対から声が響き、ウォルフラムが振り返れば大量のミサイルが迫ってきていた。
ウォルフラムは爆破の攻撃を防いだのと同じ巨大な金属の壁を生み出し、ミサイルも全て防いだ。
「ぐっ…! あんなクソだせぇラスボスに何やられてんだよッ! えぇ? オールマイト!!」
「ここからは私たちも加勢する!!」
「爆豪少年、天堕少女…!?」
その攻撃の正体は、オールマイトを挟むように現れた爆豪と『イチイバル』を纏った幻神だった。
「今のうちに、
「轟君、みんな!!!」
そしてエレベーターのところには轟を始め、他の7人もいた。
「金属の塊は俺たちが引き受けます!」
「八百万くん、ここを頼む!」
「はい!」
幻神、爆豪、轟、飯田、切島の5人はそれぞれがウォルフラムが操る金属の柱を引き受けて攻撃を始めた。
「教え子たちにこうも発破をかけられては、限界だなんだのと言ってられないな!!」
オールマイトの底を尽きそうだった力が再び湧き上がっていく。
身体から漏れていた蒸気が消え、力が筋肉を躍動させ、オールマイトはその場から一瞬で金属の柱を破壊と同時に跳躍してウォルフラムへ向かって行った。
「限界を越えて、更に向こうへ!! そう、Plus Ultraだァ!!」
凍らされた金属の柱は氷を破いて真っすぐオールマイトへ襲い掛かるも、オールマイトはその金属の柱を破壊や回避などを駆使し、突き進んでいった。
「【
オールマイトの攻撃によって激しい音とともに金属の柱は砕け、それによる衝撃波が屋上全体に広がった。
「チッ……」
「観念しろ!
オールマイトは一気にウォルフラムとの距離を詰め、拳を振りかぶろうとした。
だがそれよりも早く、無数のワイヤーがオールマイトの両手足へと伸び、その場の空中で拘束した。
オールマイトはワイヤーを引きちぎろうとするが、ウォルフラムがその首を掴む。
するとウォルフラムの腕、否、身体そのものが突然熱を持ったかのように異様に赤く、膨らみ始めた。
「観念しろ? そりゃお前だ…オールマイト」
「(な、なんだ…このパワーは…!?)」
オールマイトが苦しんでいる中、ウォルフラムはもう片方の手で、5年前にできた古傷がある左脇腹を掴み、わし掴みするかのように強く握り出す。
その痛みによってオールマイトは苦痛の叫びを漏らした。その叫びを耳にした緑谷は助けようと動くも、身体に激痛が走り蹲ってしまう。
「クソがァ!!」
「チッ!」
「多すぎんだよ金属がァ!!」
幻神や爆豪たちも既に気づいているが、金属の柱がその隙を与えず攻撃してくるため、その対処で精いっぱいな状態だった。
「(この力は『筋力増強』…"個性"の複数持ち……!) ッ! ま、まさか……!?」
首を絞められながらもオールマイトは胸騒ぎを覚え始め、やがてそれは確信へと変わった。
「ああ…この強奪計画を練っている時、あの方から連絡がきた。「是非とも協力したい」と言った。何故かと聞いたら、あの方はこう言ったよ」
『オールマイトの親友が悪に手を染めるというなら、是が非でもそれを手伝いたい。その事実を知ったオールマイトの苦痛に歪む顔が見られないのが残念だけれどね……』
「…『オール・フォー・ワン』……!!」
「ようやくニヤケ面がとれたか!」
オールマイトの普段から笑顔であるその表情は、一瞬にして絶望へと染まっていた。
逆にそれを見たウォルフラムのほうが今度はニヤケ面となった。
「Noooooo!! ぬぅッ!?」
金属の柱がワイヤーを引きちぎろうとするオールマイトを押し出す。
そして周辺に大きく、四角く集められた金属の塊たちがあらゆる方向からオールマイトを襲い、潰した。
「…ッ!」
「「「オールマイト!!!」」」
「おじ様……!」
それを見た生徒の大半が絶望の表情をし、ヒーローの名を叫ぶ。
「さらばだ! オールマイト!!」
そしてウォルフラムはトドメとばかりに、地面から鋭い鉄柱が何本も伸び、金属の塊ごとオールマイトを貫いた。
「マイトおじ様ぁぁああッ!!!」
メリッサが悲痛な叫びを上げたその時だった。
【フルカウル】を纏う緑谷が一瞬にして金属の塊へと飛び上がり、拳を構えていた。
「(【 デトロイト スマッシュ 】!!!)」
緑谷の渾身の一撃が、金属の塊へ命中し、それによって金属の塊は砕け散った。
同時に閉じ込められボロボロになっていたオールマイトが飛び出し、緑谷とオールマイトはそのまま金属の破片や瓦礫などと一緒に地面に落下し激突した。
——◆——
「緑谷くん、オールマイト…!!」
警備システムも元に戻って急いで屋上に行けば、とんでもない戦闘が繰り広げられていて、急いで加勢したけど、とても追い詰められている状況。
オールマイトが
「天堕!」
「はっ!」
轟くんの声でハッと気づき、慌てて前を見れば金属の柱が迫って来ていた。
同時に氷結が出てきて守ってくれた。
「2人が心配なのはわかる! だけどそのまま突っ立ってたらこっちがやられるぞ!」
「ご、ごめん!!」
私たちはすぐに走り出し、金属の柱を避けながら攻撃していく。
だけど、これ程までの規模を"個性"1つで……!
「クソ…あんのクソガキが……なら、オールマイトを追い込むためにも、まずはガキどもの始末と行こうか!!」
「な、何あれ……」
「ッチ! まさかあのラスボス、タワーの一部を潰す気か!?」
…?
「くっ!!」
私はすぐに後ろのエレベーター付近にいるお茶子ちゃんたちの元へ走り出した。
「潰れちまえガキどもォッ!!!」
「間に合えぇぇええッ!!!!」
私はギリギリでお茶子ちゃんたちの元に行き、銃をガントレットに戻して、手を突き出すようにしてから尖ったリボンのようなスラスターを展開させて、そこから黄色い結晶を放出させる。
その結晶が拡散するように飛び、それによって黄金の球体の
そして次の瞬間、巨大な金属の塊が襲ってきて、私はそれを踏ん張って防御した。それによる衝撃と風圧は周辺にも広がっていった。
私自身の身体にもその衝撃が伝わっていき、全身に激痛が響き渡って来た。
「ぐぅぅぅ!!!!!」
「ッ!? ゆ、幻神ちゃん…!?」
「天堕さん!?」
「「天堕ッ!?」」
耐えろ!耐えろ!!私がここで【- リフレクター -】を解いたら後ろのみんながやられる!爆豪くんたちはまた金属の柱が邪魔してそっちに精いっぱいだ。だからここは私がやらないと!!!足が地面に埋まっていく…このままじゃどっちにしろ押しつぶされる!!
「ッ! (幻神ちゃん、私たちのせいで動けないんや…私たちを守るために、必死に…!!)」
ッ!結晶がゆっくりと1つ1つ砕けて行ってる!!
「(やるしかない…! 何回もやってそのすべてが暴走したとはいえ、突破できるのはイグナイトしかない!!)」
躊躇うな!!やれ!!天堕幻神ァ!!!
「イグナイトモジュール - 抜剣 - ッ!!!」
無理矢理片腕を動かして、ギアペンタントの左右を掴み、カチッと押し込む。
すると音声と共にギアペンタントからドス黒く、禍々しいオーラが一気に溢れ出た。それはやがて身体全体からも溢れ出し、私を覆いつくし始めた。
「ヴぅ”ッ…a”ぁ”あ”a”あ””あ”ァ”a”ア”A”ぁ”ァ”a"ッ!!!!」
だけど今まで変わらず、憎悪や殺意などが痛みと一緒に襲い掛かって来て、私は苦痛な悲鳴で叫んだ。
ダメだ…やっぱり思考が、意識が飲み込まれる…!!足元に罅が入っていく。
仮にもこの金属の塊を吹き飛ばしたところで、また暴走して、今度は私がみんなに危害を……。
「ァ”ア”a”ぁ”A”ぁ”あ”a”あ”——」
「幻神ちゃんッ!!!」
「—ッ!?」
だけどその瞬間だった。
お茶子ちゃんの声が聞こえたと思ったら、後ろから抱きしめられた。
「ぐっ!! (なんやこれ…!? 黒いのが移ってくる!!)」
「オ茶子…ちゃ、ダメ……離れ…テ…! 危ナ…いかラッ!!!」
「嫌やッ!! 幻神ちゃん…USJの時も、体育祭の時も、職場体験の時もずっと無理して、ボロボロになっても乗り越えようとしとる……全部1人でやろうとしとる…そんなの、放っておけん! それに、大丈夫って言うけど、たまに辛そうな顔しとるよ……だから…だから!! 無理しないでッ!! 私が、デクくんが、みんながおるんや! だって私たち…友達やろ!?」
「ッ!」
……あぁ、そうか…私がイグナイトを使えなかったのは、単に憎悪や殺意に飲み込まれて制御できなかったんじゃない……怖かったんだ。
飲み込まれて、そのまま命尽きるまで大切な物を、人たちを傷つけていったらと、単純に私がイグナイトに対して無意識に恐怖心を抱いていたんだ……だから暴走しちゃってたんだ。
ならもう、恐怖しない…私は受け入れる。その弱さを改めて受け入れて、それらも全部含めて私は前に進む。胸の歌だけじゃない……お茶子ちゃんを…緑谷くんを…みんなを信じる!!!
「だから答えろッ!! 『ダインスレイフ』ゥゥゥウウッ!!!」
私の叫びに呼応して、禍々しい黒いエネルギーはその禍々しさを残したまま赤くなる。
同時に防いでいた巨大な金属の塊に亀裂が入り、最終的に粉微塵になり、【- リフレクター -】も破裂するかのように解除された。
ギアペンタントを中心に全身に纏う『イチイバル』の装甲やバトルスーツは変貌する。
形は変わる事がなくとも全体が黒、所々に赤く代わって行った。
だが上半身のバトルスーツ、胸部分は左右対称の左右合わせて計4つの黒のラインが入った赤いクリスタルのようなものが付けられ、ギアペンダントは下に1本、左右の斜め上向きにそれぞれ1本ずつの三方向に針が伸びていた。
纏い終えると禍々しい光は爆散するように散り、同時に全方向に膨大な風圧が発生する。
同時に私の髪や、周辺にいるみんなの髪や衣服が激しく揺れた。
私はゆっくりと瞼を開き、自身の両手を見た。
『イチイバル』と変わらない装甲なのに色は黒く、全身に赤いオーラが出ている。
「…幻神ちゃん……?」
私は振り返り、お茶子ちゃんを見た。
「………ありがとな、お茶子」
「……え?」
「あたしは…ただ怖かっただけみてぇなんだ。それをお茶子が気づかせてくれた……だからありがとな」
声質と口調が私の意思とは関係なく『雪音クリス』にずっと変換されて続けている。
おそらくイグナイトのデメリットみたいなものなんだろう。憎悪と言った感情をより高ぶらせてエネルギーにしている。
それらの影響で口調までも、そのギアごとにそれを纏っていた原作キャラたちに声質と口調に強制的に変換されてしまうんだろう。
それもあってか、お茶子ちゃんを呼び捨てしてしまっている。
「あたしはもう迷わねぇ……あたしの
両腕のガントレットをクロスボウに変形させて構えた。
「第二
オリ主ついにイグナイト完全克服。
本来のストーリーならここですぐに緑谷とオールマイトが一緒に走り出したり、まだ巨大な金属の塊を出したりはしませんでしたが、ここからは一気にオリ展開に入ります(というか入りたい)!
そして内容にも書いてありましたが、イグナイト時のオリ主のデメリットは、その『シンフォギア』を纏っていた元のキャラの声質と口調に強制的になり、イグナイトを解除しない限りは戻りません。他の曲を歌ったりするときは変換可能ですが、歌い終わったら元のキャラの声質に勝手に変換されるので、素の声は出せなります!
演習試験の際の『ダウルダブラ・ファウストローブ』も似たような説明を内容にて書いていたと思います!
ちなみにイグナイト解放時には背景BGMとして私は【TRUST HEART (IGNITED arrangement)】を脳内で流しながら書きました。
よくあるそれがそのままED曲になる的なアレです。
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