この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します   作:伽華 竜魅

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入学初日は式もなくいきなり"個性"ありの体力テスト……だとぉッ!?

 

 

 

 

雄英入学当日にて、教室について記念すべき一言目は——。

 

「で、デッカ……」

 

——だった。

なにこれ、え、ナニコレ?なんで扉こんなデカいの?巨人さん用?それか過去にこれぐらいしないと通れない生徒か教師でもいたの?

 

「(開けるの大変そ——)って軽…ッ!?」

 

思わず二度目の驚きの声が出てしまった……なんでこんな巨大で普通の扉のように軽いんだ。重さの概念とかそういうの無視してるの?

とりあえず恐る恐ると言った感じで扉を開けて、中を覗きま~……。

 

「君ッ! 何だその座り方は! それにその服の身だしなみッ!!」

 

「アァ…?」

 

……して、そっと閉じました。

 

「(なぜ相反するとも言える、ザ・真面目とザ・不良が同じクラスにいるのよ!!!)」

 

話していないけど、第一印象がそれで、とてもやばいと私の本能が悟った。これは荒れるぞ……あぁ、どうやって入ろうかな……後ろから?いやそれだと席がどこかわからないし……。

 

「(あれ、これ詰みなんじゃ——)」

 

「あ、あの…?」

 

「ピャイッ!?」

 

「わぁっ!?」

 

隣から急に話しかけられて思わず声を裏返って出してしまった。慌てて両手で口を押えて声のしたほうへ視線を向ければ、そこには、彼がいた。

 

「あ、あなたは…!」

 

「あ、えっと……」

 

どうしよう。うん、どうしよう…!会えたし、合格してたんだって嬉しさもあるけど、それ以上にどう話せばいいかわからなくてお互いオロオロしてる。私は「と、とりあえず入ろうか?」って言って、扉を開けて——。

 

「雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないのか!?」

 

「思わねぇよ! てめぇどこ中だよ端役が!」

 

——まぁぁだやってたよあの二人。てかそのまま眼鏡のほうは自己紹介してるし……。

 

「(つ、ツートップ……!)」

 

あ、二人がこっちに気づいて、その流れで自分のなんだろう席に座ってた他のみんなも視線を私たちに向けた。思わず身構えちゃった……。

 

「おはよう。俺は私立聡明中学出し——」

 

「聞いてたよ!」

 

「うんうん!」

 

ずしずしと歩きながら自己紹介を待たして来たけど、隣のモジャモジャくんが急いで止めて、私もそれに合わせて必死に頷いた。

 

「飯田天哉くん、だよね? 僕は緑谷出久、よろしくね?」

 

「そうか。して隣の君は…?」

 

「あ、わ、私は天堕幻神。よろしく」

 

眼鏡……『飯田天哉』くんが隣にいる『緑谷出久』くんに何やら話かけている。なんか「実技試験の構造」とか「見誤っていた」とか言ってる。と、とりあえず私はこっそり自分の席の確認を――。

 

「あっ、そのモサモサ頭は……地味めの!」

 

「「ッ!?」」

 

第三者の声が聞こえて、二人そろって声のほうへ視線を向けた。そこには、試験の時に瓦礫に挟まっていて、助けてあげた茶髪ショートボブの女子がいた。

 

「それに綺麗な子も! 受かったんだね!」

 

まるで自分のように喜んで、試験当時のことを話していて、緑谷くんは顔を赤くしながら両腕で顔を隠している。私のほうに近づいて話してくるし、てかほんとに距離近っ!?

 

「お友達ごっこがしたいなら他所へ行け。ここはヒーロー科だぞ」

 

「「「えっ…」」」

 

またまた第三者ならぬ第四者の声が聞こえて、全員が声のほうに視線を向けた。そしてゾッとして引いた。

 

「ヒッ!?」

 

黄色い寝袋が、その中に入っている小汚い大人がいた。そのままゼリー飲料を一瞬で飲み干してから、立ち上がって寝袋から出てきた。そして、ドアを開けて教室に入っていった。

 

「はい、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限。君たちは合理性に欠くね……担任の『相澤消太』だ。よろしくね」

 

た、担任……だとォ!?こ、こんな小汚すぎる担任がかつていただろうか?そもそも学校で寝袋で寝ること事態おかしい!!!

 

「さて、早速だがそこの箱の中にある体操服(コレ)を着てすぐにグラウンドに集合だ。更衣室の場所は箱の中にある紙に記している。時間は有限、急げよ」

 

そう言って、相澤という先生は教室を去っていった。えぇっと、このダンボールに入ってる体操着を持って着替えればいいの?というか、更衣室とかそう言った場所は、この紙に記してあるから大丈夫だろうけど……にゅ、入学初日に体操着なのはなんで……?

 

 

——◆——

 

 

「「「「「"個性"把握テストォ!?」」」」」

 

グラウンドに集まった私たちに告げられたのは、その"個性"把握テストというものを行うという報告だった。

 

「入学式は!? ガイダンスは!?」

 

「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ」

 

茶髪ショートボブの子が誰もが思う疑問を問いただすも、先生はそれを一言、一刀両断のごとく言い、黙らせた。でも、正直入学式は楽しみなところもあるけど、退屈で寝ちゃうってところもあるから、こっちのほうが良いと私は思ってしまった。口には出さないけど。

 

「お前たちも中学のころからやっているだろ? ソフトボール投げに立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、そして長座体前屈……"個性"禁止の体力テスト。国は画一的な記録を取って平均を作り続けてる。合理的じゃない。まぁ、文部科学省の怠慢だな」

 

端末を見せながら、持論らしいことを話していたけど、そういうのは私あまりわからない。すると相澤先生は、ザ・不良だった男子に視線を向けた。

 

「爆豪、中学の時ソフトボール投げ何mだった」

 

「67m」

 

「じゃあ"個性"使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいい。早よ。思いっきりな」

 

そう言いながら先生はボールを爆豪くんと呼んだ不良に渡した。ボールと言葉を受け取った爆豪くんは軽く準備運動をしながら、速やかに円の中に移動し始め、円の中に入った。

そしてそのまま大きく振りかぶると、爆豪くんは「死ねぇ!!」なんて言いながらボールを投げた。投げた瞬間、彼の手元は爆発が起こり、辺りに爆音と煙が広がって、ボールはそのまま爆風によって遠くまで吹き飛んで行った……けど、そんなことよりも、彼の言動のほうが気になっちゃう。

 

「(……なぜ死ね?)」

 

「自分の最大限を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

だけど先生はそんなの気にせず、先ほどの爆豪くんのボール投げの記録らしい記録が表示された端末を端末を見せて来た。

その端末には『705m』と表示されていた。それを見たクラスメイト達は歓声を漏らし、私も普通に「すっご…」と漏らしてしまった。

 

「なんだこれ! すげー面白そう!」

「705mってマジかよ!」

「"個性"思いっきり使えるんだ! さすがヒーロー科!!」

 

何人かは楽しそうに歓声を上げているけど、相澤先生は真顔で端末をしまい、睨むように私たちを見て口を動かした。

 

「……面白そうか……ヒーローになる為の3年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」

 

その言葉によって、興奮気味でもあった私たち全員に緊張が走った。

 

「よし。トータル成績最下位のものは見込み無しと判断し、除籍処分としよう」

 

————は?

 

「「「はぁぁぁっ!?」」」

 

「自然災害に大事故、そして身勝手な(ヴィラン)たち。いつどこから来るか分からない厄災……日本は理不尽にまみれている。そういう理不尽(ピンチ)を覆していくのがヒーロー。放課後マックで談笑したかったならお生憎。生徒の如何は先生(おれたち)の自由。これから3年間雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。それらを超える意味でも、さらに向こうへ、"Plus(プルス) Ultra(ウルトラ)"ってやつさ。ようこそ。これが雄英高校ヒーロー科だ……全力で乗り越えてこい」

 

入学式のほうが全然安心できてしまうと、私は思った……。

 

 

——◆——

 

 

第1種目:50m走。

 

私の出席番号は4番。隣には3番の同じ女子が立っている。慎重は大体同じぐらいかな?

 

「『蛙吹梅雨』よ。よろしくね?」

 

「私は天堕幻神。よろしく蛙吹さん」

 

「梅雨ちゃんと呼んで?」

 

「ま、まだ出会って一日目で下の名前はちょっと……」

 

とりあえずスタート位置に着いて……の前に、胸に手を乗せて――

 

 

——Balwisyall nescell gungnir tron(喪失までのカウントダウン)——

 

 

『ガングニール』の『聖詠』を口ずさむ。

ドクンッ!と心臓の鼓動が一回大きく高鳴り、身体から黄色の光が溢れ、私を包み込んむ。

 

肌にピッタリと張り付く黄色と白を基調とするバトルスーツを身に纏い、両腕両脚には白色と黄色の機械装甲であるガントレットとグリーブが装着され、頭部には白色と黄色のヘッドセットとブレードアンテナを装着。首元には足先まで伸びている白色のマフラーが巻かれていった。

 

光が消えるその瞬間の風圧で、布部分とマフラー、腰より下にまで伸びている青黒の髪がなびく。チラッと横を見れば、蛙吹さんは驚いていて、周りからも驚愕の声が聞こえた。

 

「なんだあの"個性"!? 変身したぞ!!」

「男のロマン!」

「ぴっちりのパツパツスーツ……胸はあれだけど、イイ!!!」

 

特に男子からの驚愕や一部歓声が聞こえたけど気にせず位置に着いて、脚部のパワージャッキを動かし、腰部のスラスターをいつでも噴射できるようにチャージしておく。

 

『位置二就イテ、用意…』

 

パンッ!と音が鳴ると同時に、蛙吹さんは跳躍したけど、私はパワージャッキとスラスターで一気に真っすぐ駆け抜けた。

 

『3秒43』

 

「おわっ! あっとっと……!!」

 

脚を地面に着いた時にパワージャッキも地面に突き刺して、ブレーキを掛ける。な、なんとか止まった……。

 

「(『ガングニール』を使用したから他種目で他の『シンフォギア』は使わない……というか、すぐ使えない。いちいち消して纏っても大変だし、このままで続行かな……それに、まだ完璧に扱えてないし……)」

 

とりあえず、早く移動しよう。後、他の『シンフォギア』ではなく『ガングニール』を選んだのは、一番すべての種目に適応すると思ったからだ。

 

 

 

第2種目:握力。

 

メキッ!って音が鳴って、握力計を見れば、持ち手の計る部分が握り潰れていた。

 

「(——……何故っ!?)」

 

ガタイの大きい腕が複数あってマスクしている人の記録は『540kg』を出していた。それですら普通に頑丈で大丈夫なのに、私のは握り潰れてるって……恐る恐る先生を見れば、先生は冷静に記録を私に見せた。

 

『測定不能』

 

「(誰かがゴリラって言ってたけど、私のほうがゴリラじゃん……)」

 

 

 

第3種目:立ち幅跳び。

 

これは50m走と同じやり方で飛び、そのまま空気を蹴るように跳んで砂場の向こう側までいった。

 

 

 

第4種目:反復横跳び

 

これもパワージャッキで。てかほんとに『ガングニール』を選んでよかったかも。他のでやってもよかったと思う所は多少はあるけど、やっぱすべてに対応できるのは『ガングニール』だ。

 

『75回』

 

 

 

第5種目:ソフトボール投げ。

 

ボールを上に軽く投げてから、左足を前に踏み込む。そして拳を構える。右腕のガントレットが変形し、パーツの一部を展開。そして噴射して——

 

「ふんっ!!!」

 

——その勢いでボールを殴る!!

同時に瞬時にパイルバンカーが起動し、もう一撃入って殴られたボールは、その殴られた勢いで遠くまで吹き飛んで行った。

 

「ふぅ……」

 

一息吹くと、ガントレットが元の形へと戻った。

 

『710.5m』

 

爆豪くんの記録を少し超えた感じの記録だ。ちなみにその本人である爆豪くんには、(ヴィラン)でもなかなかいない程に、怖い顔で睨まれた。怖いです…!

 

 

 

「緑谷君、このままだと不味いぞ」

 

「あ? ったりめぇだ。"無個性"の雑魚だぞ!」

 

——えっ?

 

「なっ! "無個性"!? 彼が入試で何を成したか知らないのか!?」

 

「はぁ…?」

 

爆豪くんが緑谷くんのこと"無個性"……"個性"がない人のことを指す言葉を言うけど、それは信じれない。だって入試の時に、あの巨大仮想(ヴィラン)を彼は一発で破壊させたのだ。リスクが大きすぎるけど、それでも"無個性"というのは100%ない……。

そして緑谷くんはボールを投げたけど、ボールは『46m』という記録になった。

 

「な…今確かに使おうって…」

 

「"個性"を消した」

 

相澤先生が緑谷くんに歩みながら、何か話している。どういう原理かわからないけど、髪の毛が逆立っており、首に巻かれていた包帯のようなものが、ふわりと宙に浮いている。

先生の背中しか見えないから何をしているのかわからないけど……。

 

「消した…? あのゴーグル……そうか! 抹消ヒーロー『イレイザーヘッド』!」

 

い、イレイザーヘッド……?誰?

 

「イレイザー? 誰それ?」

「聞いたことがあるわ。アングラ系ヒーローだったとか……」

 

アングラ系……ダメだ。わからない……見たところ、何か指導を受けているように見えるけど……?相澤先生は包帯を緑谷くんに巻き付け引き寄せた。余計に何を話しているのかわからない。

だけどすぐに緑谷くんは解放された。だけど緑谷くんは思い詰めた顔をしながら何かブツブツと言っていて、そのまま円の中に入っていった。その間に相澤先生は目薬を差していた。

 

「指導を受けていたようだが……?」

 

「除籍宣告だろ」

 

爆豪くんは緑谷くんとどういう関係なのだろうか?なぜそこまで緑谷くんに対してそんなにあたりが強いんだろうか?

 

「……頑張れ!」

 

私はボソッと、気が付いた時にはそう呟いていた。そして、緑谷くんは大きく振りかぶりボールを投げた。彼が投げたボールは凄まじい勢いで飛んで行き、雲を切り裂き、空高く上がっていった。そんな彼の記録は……『705.3m』

 

「先生…! まだ、動けます……!」

 

右手の人差し指が、"個性"の反動なのだろうか、紫色の変色していた。そんな緑谷くんの顔は痛ましげになりながら下唇を噛み、涙目になっていた。

 

「(すごい…!)」

 

彼のその姿は、カッコよかった。

 

 

 

第6種目:上体起こし。

 

『シンフォギア』をそんな活かせなかったから、普段と変わりなかった。

 

『34回』

 

 

 

第7種目:長座体前屈。

 

上体起こしと変わらない。

 

『54cm』

 

 

 

第8種目:持久走。

 

『ガングニール』のパワージャッキとスラスターを駆使してひたすら走る。飯田くんといい勝負な感じで走ってた。

だけどさ、いくら"個性"で作ったとはいえさ、バイクはずるいよ……多分大半のみんなが思ったと思うよ?ちなみに飯田くんと並んだ時、飯田くんはチラッと私を見てから少しペースを上げた。真面目ながら意外と負けず嫌いなんだね。

 

『3位』

 

 

 

全種目が終わり、"個性"把握テストは終わった。終わったから私は『ガングニール』から体操着に戻してる。

 

「んじゃ、パパっと結果発表」

 

先生は端末を一回ポチッと押すと、立体映像のような感じで、各順位が表示された。私は……4位か…そして最下位を見れば、そこには緑谷出久の名前が表示されていた。私はチラッと隣にいる緑谷くんを見れば、彼は絶望の表情を露にしていた。

 

「ちなみに除籍は嘘な」

 

——————ん?……んっ!?

い、今なんと……私含めほとんどのクラスメイトがポカンとしておりますがががががが………!?

 

「君らの最大限を引き出す、そう、合理的虚偽さ」

 

「「「「—はぁぁぁぁっ!!??」」」」

 

相澤先生の告げた言葉に全員驚愕した。その中でも、私を含めた緑谷くんと飯田くん、あとショートボブの女子が驚愕した。

 

「あんなのウソに決まってるじゃない。ちょっと考えれば分かりますわ……」

 

私は思わずそのセリフを言ったポニーテールの黒髪女子を勢いよく見た。

いや、いやいやいや…!わからないでしょ!?仮に本当だとして緑谷くんが除籍されてたらどう思う訳!?

 

「これにて終わりだ。教室にカリキュラムなどの書類があるから、戻ったら目をしておけ。それと緑谷、保健室でリカバリーガール(ばあさん)に治してもらえ。明日から、もっと過酷な試練が目白押しだ。覚悟しておけよ」

 

相澤先生は緑谷くんに紙を渡して去っていた。

 

 

 

 

 

"個性"把握テスト

1位『八百万百』 2位『轟焦凍』

3位『爆豪勝己』 4位『天堕幻神』

5位『飯田天哉』 6位『常闇踏陰』

7位『障子目蔵』 8位『尾白猿夫』

9位『切島鋭児郎』 10位『芦戸三奈』

11位『麗日お茶子』 12位『口田甲司』

13位『砂藤力道』 14位『蛙吹梅雨』

15位『青山優雅』 16位『瀬呂範太』

17位『上鳴電気』 18位『耳郎響香』

19位『葉隠透』 20位『峰田実』

21位『緑谷出久』

 

 

 

 





オリ主が歌わなかったのは、連続で種目をやるのではなく、全員が終わってからであるため、待ってる間に歌いきってしまうと思ったから。

『ガングニール』にしたのは、そのままの通り、すべての種目に対応できる一番の『シンフォギア』が『ガングニール』だと本人が思ったからである。

そしてオリ主の"個性"に関しての詳細はもう少しお待ちください。
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