この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します 作:伽華 竜魅
ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます!
ギアペンダントを中心に全身に纏う『ガングニール』の装甲やバトルスーツは変貌する。
形は変わる事がなくとも全体が黒、所々に黄色とオレンジに変わって行った。
だが上半身のバトルスーツ、胸部分は左右対称の左右合わせて計4つの黒のラインが入った黄色いクリスタルのようなものが付けられ、ギアペンダントは下に1本、左右の斜め上向きにそれぞれ1本ずつの三方向に針が伸びていた。
纏い終えると禍々しい光は爆散するように散り、同時に全方向に膨大な風圧が発生する。
同時に私の髪や布部分が激しく揺れた。
「グッ……!!」
口の中が鉄の味に……身体中からも少しばかり黄色い稲妻が漏れ出している。
「女……随分と大きな殺気を放ってたなァ?」
「だからといってあなたとは違う。私のこの"
♪ 始まる歌 始まる鼓動 ♫
♪ 響き鳴り渡れ希望の音 ♫
脚部のパイルバンカーを起動させて私は駆け出す。
それを見た
♪ 「生きる事を諦めない」と ♫
♪ 示せ 熱き夢の 幕開けを ♫
♪ 爆ぜよ この 奇跡に…… ♫
「嘘はないィィイイ!!!♪」
ガントレットからエネルギーを噴射させて勢いを増し、
「うぉ!? 」
「さっきまでとはちげぇな…【テレフォンパンチ】で凌いだ緑谷の攻撃と同等の火力……いいな天堕、お前も強ぇなァ!!」
私もスラスターを噴射させて、脚部のパイルバンカーと同時に一気に飛び出す。
♪ その手は何を掴むためにある? ♫
♪ たぶん待つだけじゃ叶わない ♫
私はそれを跳躍して回避し、スラスターを再度噴射し両脚で
「こっちは装甲を増やすこともできるんだよォ!!」
だけど
私はすぐに脚部のパイルバンカーを再度起動させて攻撃と同時に弾き飛んで距離を取る。
♪ その手は何を守る為にある? ♫
♪ 伝う 熱は
右腕を構えてガントレットを起動させながら落下して行く。
「輝かす種火にィ!!♪」
「天堕ァ!!!」
私はそのまま回転し炎の渦…竜巻のようにして突っ込んでいき、そして
♪ さあ新時代へ銃爪を引こう ♫
そして爆発し、その爆風で私は緑谷くんたちの元へ吹き飛ぶもすぐに体勢を直してから着地して再び
♪ 伝説の未来へとカウントダウン ♫
煙幕の中から
でもそれでもだ。この
♪ 羽撃きは一人じゃない ♫
でもここで負けたら私より重傷な緑谷くんが戦うことになる。それだけは絶対阻止しないといけない。
これ以上彼に傷ついてほしくない。
私が守らないと…私が…太陽を……!!
♪ 過去を 超えた 先に ♫
「創るべき歴史がァ! 咲き燃えてるゥ!!!♪」
パイルバンカーとスラスターを同時に発動させて徐々に私が押し始めた。
「いいぜ…最っ高ォじゃねぇか天堕!! もっとやりあおうぜェ!!!」
まるで自分と渡り合える強敵が目の前にいて、嬉しい、楽しいって感じの笑顔を露にしている。
でも私のほうは正直やばい。
口の中が鉄の味でいっぱいになってるし、視界も少しぼやけ始めてる。
歌っているとはいえ息も荒くなってきているし、身体中が熱い…沸騰しているように……。
♪ 絆、心、一つに束ね ♫
それでも
脚部のグリーブのスラスターからもガントレットと一緒に噴射させてひたすら殴る蹴る。
♪ 響き鳴り渡れ希望の音 ♫
♪ 「信ず事を諦めない」と ♫
「どうしたァ!? さっきよりも弱くなってるぞォ!!!」
「(そんなの私が一番わかってる!!)」
歌いながらも吐血し、目からもきっと血だろう。
それが流れ出しているのがわかるし、身体中も悲鳴を上げ始めてる。
それでも、だとしてもだ!!
♪ 唄え 可能性に ゼロはない ♫
♪ 飛べよ この 奇跡に…… ♫
「天堕ァァァアアアッ!!!!」
「ヒカリアレェェェエエエッ!!!!♪」
——◆——
「天堕さんッ!!!」
緑谷は『ガングニール・イグナイト』が解除され壁にもたれるように倒れている幻神を見て思わず叫ぶ。だが幻神は反応しない。
それどころか彼女の地からは血が溜まり始めていた。それを見た緑谷はなぜか怒りが沸き上がり始めた。
「……下がってて洸太くん」
そして緑谷は重傷でありながらも構わず立ち上がり、マスキュラーをその眼でしっかり捉えた。
マスキュラーもその視線に気づき、ニヤつきながら緑谷を見る。
「僕が奴とぶつかったら全力で施設へ走るんだ」
緑谷は人を見捨てることはできない。
だからといって自身の後ろにいる少年と倒れてしまっている友人を同時に連れて逃げるのも不可能と察した。
幻神が戦ってるときにすぐに加勢に行けばよかったと思っていたが、後悔しても遅いとすぐに自身に言い切った。
それでも救けたいと、必ず救けると強く思う。
結果彼は、根元の部分からの狂気にして極致の『自己犠牲』を行った。
「ぶつかったらって……お前まさか!? ムリだ逃げよう! お前の攻撃効かなかったじゃん!! あっちの女もやられて……それに、両腕折れて……!」
「大丈夫…!!!!」
緑谷は【フルカウル】を纏い、自身の右腕に『OFA』をさらに溜める。
「(『ワン・フォー・オール』100%ォ!!!)」
そしてマスキュラーは緑谷へ。
緑谷はマスキュラーへ飛び出した。
「緑谷ァァァアアアッ!!!!」
【デトロイトスマァァッシュゥゥッ!!】
そして緑谷とマスキュラーはぶつかり合った。
「——ってええ! どうしたァ!? さっきより弱えぞォォォオオオッ!!!!」
緑谷の右腕は次々に内出血が外に漏れ出し、そして骨も砕けていく。
だがそれでも必死に拳で食い止めながら、緑谷は痛みによる涙を流しながらも洸太に向かって叫んだ。
「——…じょうぶ……大丈夫ゥ!!!」
「ッ!」
「こっから後ろには行かせない! からっ…走れ!! 走れェ!!!」
「緑谷てめェ…最っ高じゃねぇかァァアアッ!!!」
マスキュラーはさらに興奮し、緑谷をそのまま圧し潰そうとする。
「——ゔるっせえぇぇええッ!!!!!」
緑谷は口を悪くしながらも必死に食い止め続けていた。
「血ィイイ…見せろやァ!!!」
「(ごめんお母さん! お母さんごめん!! オールマイト! オールマイトォ!!!)」
「潰れちまえぇ!!!」
そして緑谷はそのままマスキュラーに押され、地面にめり込んだ。
マスキュラーは一気にトドメを刺そうとした。
だがそんなマスキュラーに水がかかった。
「なんだ!? 水?」
マスキュラーは自身の濡れた身体を見ていると、涙を流しながら両手が濡れている洸太が叫んだ。
「や、やめろォォオオ!!」
「後でな! な!? 後で殺してやっから待っ——」
「ギリギリ、まで…Love、Forever…悶える、ほど…歌え、ば……♪」
「ッ!?」
「(…………う、た…?)」
マスキュラーは微かすぎる女の声に驚き、視線を声のほうに向ける。
その声の方向には、ボロボロで身体をふらつかせながらも立ち上がっている幻神がいた。
「魂は、
そして声質を『美雲・ギンヌメール』に変換し血を吐き、途切れ途切れながらも【破滅の純情】を歌っていた。
「それでもまだ…叫べば……!♪」
そして地面にめり込んでいる緑谷が動き出し、そして押され始めた。
「(気を取られた一瞬に……! いや、待て……!?) お前、パワー上がってねェか!?」
緑谷は自身の"個性"で纏っている【フルカウル】の緑の稲妻だけにあらず、徐々に身体全体から黄金の輝きがオーラのように溢れ始めた。
「殺っさせてェ…たまるかァァアアッ!!!!」
「生きることに…
それに
「(力が溢れて来る……!! 胸の奥底から、天堕さんの…幻神の歌が感覚として…!!!)」
「(歌え…歌え…歌え……!! 緑谷くんに胸の歌を届けろ!!!) その先は…破滅の純情!!♪」
「(『OFA』10.000.000%!!!)」
そして緑谷は『OFA』の出力を最大まで上げた。
「Ah、誰もがBaby! 許してあげるわ…♪」
緑谷は火事場の馬鹿力によって引き出された100%をマスキュラーに完全に打ち込んだ。
【デラウェア デトロイトスマッシュ!!】
「
その衝撃はマスキュラーの筋線維一本一本に伝わり、貫きそのままマスキュラーの顔面へ拳が命中した。緑谷はそのまま押し切りマスキュラーを壁へ吹き飛ばし、マスキュラーは壁に激突し気絶した。
「……なんで、おまえらは、そこまで……なんで……!」
離れた位置にいた洸汰は震えた声で問いただす。
だが緑谷はダメージが大きすぎるあまりふらつき倒れそうになるも踏ん張った。
洸太はそんな緑谷に思わず駆け寄り、緑谷は洸太の無事を確認してから幻神の方へ視線を向けた。
幻神本人はというと、膝を地に突いて息を荒くしながらも口周りに着いた吐血跡を拭き取っていた。
「天堕さん! 大丈夫!?」
「だい、じょうぶ…ただの、反動だか、ら……!」
幻神はグググッと自力で立ち上がった。
「……天堕さん、洸汰くん。まずは施設に向かおう」
「まずはってなんだよ、そんな身体でお前、まだ何かする気なのか!?」
「さっき、あの
緑谷は思い出す。
マスキュラーは戦う前に緑谷に爆豪と幻神の居場所を聞き、そして幻神が来た時には本人確認をしていたことを。
「でもまずは君を安全なところに届けないと。だから、一旦施設に行く。二手に分かれることも考えたけど、途中でまた
「それが、妥当なんだろうけど……ごめ、ん。すぐに動けない…消耗が……先に行って」
「ッ!? 何を言っているんだ!?」
幻神は「自分を置いて、洸汰を連れて行け」と言っている。それを理解した緑谷は困惑するも、幻神は「動けない自分が一緒だと逆に足手まとい」だと言った。
「動けるぐらいまで回復したら、すぐに施設に向かう……」
「でも、今の体力じゃ装甲を纏うのも……」
「いいから、行って!」
「……ッ」
幻神は叫ぶ。
それによって緑谷は険しい顔になりながらも、洸汰に掴まってと言った。
洸汰は幻神を見るも、幻神は「大丈夫」と言いながら精一杯笑った。
そして洸汰は緑谷の背中に掴まり、緑谷は【フルカウル】を纏った。
「施設に向かったらすぐに先生にも伝える! 無理はしないで!!」
返事を待たずに緑谷は洸汰を連れて飛び出した。
「(あぁ、何でだろう…先に行ってって言ったのに、今は行かないでって気持ちが強くなってる……)」
幻神は無意識に手を伸ばしていた。
遠くなっていく緑の閃光を…光を…それを最後に、幻神の視界はブツリとテレビが突然切れるように真っ暗になった。
——◆——
広場。
マンダレイと虎はそこで、依然として
「あーん、もう近い! アイテム拾わせて!!」
「(此奴…我のキャットコンバットを読んだ動きを…!)」
どちらも肉体を直接強化する増強型の"個性"ではないが、己の鍛えた身体能力を駆使している。
そして虎はキャットコンバットにてマグネを捕えようとするも、マグネはそれを躱しいなしを繰り返している。
同時に少し離れた位置では、スピナーが幾つもの刃物を組み合わせた大型の剣を振り回しており、マンダレイはその攻撃を躱しながら、反撃の機をうかがっていた。
「しつこっ…」
「い…のはおまえだニセ者! とっととされちま——」
【スマッシュ!!】
スピナーが大剣を大きく振りかぶりマンダレイに振り下ろそうとした瞬間、森の中から【フルカウル】を纏う緑谷が一瞬で現れ、スピナーの大剣を両足の飛び蹴りで破壊した。
「えぇ!?」
「マンダレイ! 洸汰君無事です!」
「君…」
「い”っ!! 相澤先生からの伝言です! テレパスで伝えて!!」
緑谷は不時着しながらも必死にイレイザーヘッドからの伝言を伝える。
それを聞いたマンダレイはすぐに"個性"を発動させた。
『A組B組総員——プロヒーロー『イレイザーヘッド』の名に於いて……戦闘を許可する!!』
イグナイト時の曲、本音を言うと『限界突破 G-beat』が良かったんですけど、使用楽曲になかったので『RADIANT FORCE』にしました。そこは深く理解していただけると幸いです。いや本当にごめんなさい。
次の更新もいつかは分からないので、待っていてください。よろしくお願いします。
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