この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します 作:伽華 竜魅
ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます!
混雑した記憶の世界。
施設のような場所から落とされた場所は家の中。
そこに『私』は立っていて、無機物に干渉はできる……けど…——
「~♪」
『……』
ここは『私』の記憶の世界じゃない…『わたし』の記憶なんだろう…更に幼い、きっと2~3歳辺りの"個性"の発現もまだしていない頃の『わたし』が目の前にいる。でも『私』が後ろにいるのに『わたし』は気づいていない。
記憶の世界に無機物は干渉はできるけど、有機物…生命体には干渉できない。
ある意味『私』は幽霊に当たるのだろう。
「~♪」
『…ッ』
そんな幼すぎる『わたし』は鼻歌で、曖昧ながらも【アイモ】を歌っていた。
『私』はこれらの記憶を知らない……きっと、本来なら『わたし』が『私』の前世の記憶を蘇らせて、そのまま『わたし』が『私』になるはずだった……転生系の一種の定番。
生まれた瞬間から既に覚醒していれば、ある日何かのきっかけ、もしくは前触れもなくいきなり思い出して転生者として自覚する。それが転生系の定番。
「出来た!」
だけど『私』たちは違った。
どこかでそれが乱れたり途切れたりして二重人格者。転生者じゃないほうと転生者に分かれた……憑依転生と言ったほうがまとまるかもね…そして幼すぎる『わたし』は絵ではない。
文字のようなものを書いていて、それを書き終えたら嬉しそうにその紙を抱えて部屋を飛び出た。
『私』も歩いてその後に続く。
「パパ! またお歌書いたの! 読んで読んで!」
『わたし』はリビングのソファに座っている『私』たちと同じ青黒髪をした短髪の男性、お父さんに話しかけてその紙を見せる。
お父さんはその紙を取って1枚1枚ちゃんと読んでいる。
「すごいぞ美音! また新しい歌詞を作るなんて、本当に天才だな!」
「えへへ~!」
お父さんは満面の笑みで頭を撫でれば『わたし』は嬉しそうに頬を赤くして嬉しそうに微笑んでいた。
その瞳は『黄金色』なのに変わりないけど、十字架の星のような白い柄目模様はないし、ただただ暖かい、穢れも知らない子供の瞳そのものだった。
そして紙に書いてある歌詞は全て、途切れ途切れの曖昧ながらも前世で世界に広まった有名な曲ばかりだった。きっと音楽が好きで歌詞を見ずとも歌えるようになるために必死に勉強した『私』の記憶が、そこだけがこの瞬間に曖昧ながらに『わたし』の不思議な記憶として曖昧な覚醒として流れていたんだろう。
「将来は有名な音楽家かな? パパは鼻が高いよ!」
「鼻が高い…?」
「誇らしい、みんなに自慢できるほどすごいってことさ」
「すごい? わたしすご~い!」
お父さん……『わたし』を抱き上げて嬉しそうにお互いにはしゃいでいる。
親バカって言うんだろうねこういうのを……それよりも——
『(——美音…それが『わたし』の名前……)』
低い棚に置いてある数個の写真立てを見れば、家族写真などが飾られていたり、周りもいたって普通の家庭の家の内装をしている。
これが『わたし』の…美音の本来の家であり家族……すると玄関の方から音が聞こえて、こっちに歩いてくる音が聞こえた。
振り返ればそこには、髪全体が『
てかスタイルもいいし胸もその…デカいです。
そんな女性は『私』をすり抜けてリビングへ入っていった。
「ただいま~」
「あ! ママ!」
「おぉ、お帰り!」
どうやらお母さんのようだ。
まぁ美音がお父さんのような青黒の夜空のような髪にインナーはお母さん譲りの『
「ママ! またお歌書いたの!」
「あら! ほんとみぃちゃんはお歌を作るのがお上手ね!」
「うん! パパにも褒められたの!」
お母さんは美音を抱き上げてキャッキャとはしゃいでいる。ここだけ見ると本当に幸せな家族に見える……でも、なんであんな場所にいたんだろ…なんで美音はあんな生気を感じさせないような冷たい目を……すると後ろからパリンッ!とガラスの割れるような音が聞こえた。
後ろに振り向けば、廊下に続く扉の先が廊下ではなく歪んだゲートのようになっていた。
『【続きを、真意を知りたければこの先に進め】ってことだね……』
首に掛けている『ギアペンダント』を一度見てから『私』はゲートへ入っていった。
——◆——
旧脳無格納庫。
そこでは二か所それぞれで激しい戦闘が繰り広げられていた。
「…ッ!」
「……ッ」
ギアと美音は激しく動き回り、その動きは攻撃の残像だけが残ってあちこちに飛び回っていた。
実力はギアのほうがまだ上だが、それでも美音は幻神のころにギアが直々に鍛えていただけあって、美音によってより発揮されてる"個性"も相まって、ある程度渡り合えるほどの実力を発揮してギアに食い下がっていた。
「(速ェ…ワシでも追いつけないほどの速度…! ギアはともかくあの小娘までも…いや、小娘の場合はギアが戦い方を教えていたりもしていたからだろうが…それでもだ…!!)」
グラントリノが追い付けずとも必死に追いかけるがその差は縮まらない。
そして美音は『アガートラーム』のアームドギアを逆手の二刀流で戦う中、ギアは"個性"もあって生身。だがその腕や脚には斬撃や銃弾をある程度防ぐための薄いプレートとしての
「(実力ならゆぅちゃんより上か…!)」
「(さすが元No.2…『私』の記憶と一方的な視界共有で見ていただけでもすごいのは分かっていたけど、それでも強い……)」
ギアの攻撃躱して美音はその短剣を振るうもギアはそれを避けて足で攻撃する。
だがその攻撃は義理娘相手でもあるからか、あまり本気ではなかった。
「この身を傷つけまいと無意識に拳が鈍ってるわよ」
「くっ! (口調も全くの別人…! ゆぅちゃんもだけど、この子もまたオール・フォー・ワンに利用された……——)」
「——『
「ッ!?」
美音の問いに呼応しチョーカーが輝く。
ギアはそれに気づくも同時に美音の後方から『
「…?」
美音は腕を振るい土煙を払うもそこにギアはいない。美音は顔を横に向ければ、その方向にギアとギアを横脇に抱えているグラントリノがいた。
「グラン、トリノ……」
「むやみに突っ込んでやられたら元も子もないぞ! 義理娘を救けたいのは、子を持たんワシにとっちゃそこまでわかるとは言えんが、それでお前さんが死んだら小娘は一生後悔するぞ!」
「…ッ分かってる、でもっ!!」
2人が放している中、美音はただそれを見ていただけだが『アガートラーム』のアームドギアを消し、そのエネルギーで別の物へと形を変え始める。
「『アームドギア・イチイバル』」
そして『イチイバル』のアームドギアを具現化させたが、形はクロスボウではなくリボルバーだった。
——◆——
「はぁ…! はぁ‥!」
「残り火ももう消えかけている。どうするオールマイト? このまま僕と戦い続けるかい?」
一方でオールマイトとAFOは、オールマイトが息を荒げ身体から蒸気を薄く出している。
逆にAFOは平然としていた。
「それでも、私は…!」
「勘違いしているから教えてあげよう。僕を倒したら美音くんも正気に戻ると思っているだろうけど、戦う前に言った通り、半分は彼女自身の意志だ。あくまで『催眠』と『洗脳』をしているのは天堕幻神の人格の方。僕を倒しても彼女自身もまた彼女自身で君たちで倒さない限りは止まらないよ」
「…ッ!?」
オールマイトはAFOが美音に『洗脳』している。
ならコイツを倒せば取り返せるかもしれないという可能性も考えていた。
だが結果は不可能だとAFO自身がネタ晴らしをした。あくまで『洗脳』にて操り、『催眠』を同時に付与され眠らされているのは幻神。
美音は美音自身の意志でAFOと肩を並べて戦っている。
「貴様は…そうやって人を弄び! 壊し! 奪い——」
「ッ!」
オールマイトは距離を詰め、"個性"を発動しようとしていたAFOの左腕を潰すほどに強く握る。
それに一瞬驚くAFOは、握られているため動きが制限された。
「——日々暮らす方々を! 理不尽が嘲り嗤う!」
「(マズい…『転送』を……)」
AFOは焦りながら『転送』を使用しようとするも、この機を逃すまいとオールマイトは残り少ない力を振り絞り——
「私はそれが! 許せない!!」
渾身の一撃をAFOにぶつける。
その一撃である左拳はAFOの被るマスクを突き破った。その衝撃は凄まじく別で戦っていた美音たちも思わず動きを止めて、気を取られてしまう。
そして土煙が晴れれば、グラントリノたちは驚愕した。
「俊典…! (活動限界が……!!)」
オールマイトの顔は活動限界を迎えてしまっており、マッスルフォームだが、顔の半分がトゥルーフォームへと変わってしまっていた。
「いやに感情的じゃないか、オールマイト」
「ッ!?」
だがマスクを破壊され、顔を殴り潰されたにも関わらずAFOは平然としているかのように話を、煽りを始めた。それは、彼の顔が口以外の目や鼻と言った感覚器官などがない状態でもあるが、同時にAFOという男がそうやって相手を感情的にするのが目的だったからだ。
「同じような台詞を前にも聞いたな…『ワン・フォー・オール』先代継承者……『志村菜奈』から!!」
「貴様の穢れた口で…お師匠の名を出すな……!!」
「理想ばかりが先行しまるで実力が伴わない女だった……『ワン・フォー・オール』生みの親として恥ずかしくなったよ。実にみっともない死に様だった…どこから話そうか……」
「Enough!!」
挑発を続けるAFOにオールマイトは怒り任せの一撃を放とうとするも、オールマイトは一瞬だが目を見開く。それは自身の目の前に、『イチイバル』のアームドギアから『イガリマ』のアームドギアへ変えて構えている美音がいたからだ。
「——
そしてアームドギアの刃ではないほうの部位をオールマイトの身体に叩きつける。それも6年前に穴を開けられた部分に的確に。
同時にAFOが複数"個性"を掛け合わせた衝撃波で吹き飛ばすことで、オールマイトは夜空への中、現状を伝えるべくヘリにてカメラを回している報道へと吹き飛ばされた。
そこをグラントリノがすぐに『ジェット』でオールマイトに追い付き、当たる前に掴んだことで激突することなく2人はギアの傍に着地した。
「2人とも!」
「6年前と同じだ。俊典、落ち着け! そうやって挑発に乗って、奴を捕り損ねた! 腹に穴を開けられた!! お前のダメなトコだ! 奴と言葉を交わすな!!!」
「はい…」
「前とは戦法も使う"個性"も違う! それに小娘のほうもある意味で言えば複数"個性"と言えるし、
そのままグラントリノはオールマイトとギアに言い聞かせ、2人は顔をしかめながらもしっかりと把握していた。
「ゴホッ、ゴホッ…助かったよ美音くん…」
「そのまま口もなくなって完全なのっぺらぼうとして死ねば良かったのに」
またAFOも咳込みながら立ち上がりながら美音にお礼を言うも美音は辛辣な言葉で返すだけだった。
「随分酷い言い方だなァ…だがそれでも助けてくれる。こういうのを確か…ツンデレって言うんだったかな——」
AFOが言い切る瞬間、美音は『イガリマ』のアームドギアである大鎌の緑の刃をAFOに寸止めという形で差し向けた。
「気持ち悪いこと言わないで……『わたし』じゃあなたを100%、絶対と言っていい程に殺せないのは分かっている。でも喉を切り刻むことぐらいの可能性ならまだ10%以下でもあるってことを忘れないでよね」
「手厳しい…と言ったほうがいいかな? まぁでもここまで来たんだ。僕は君を手放さないし、君も僕と一緒に行かないとどっちにしろ未来はない。わかっていることだろう?」
「……チッ」
美音は目をそらしながら舌打ちをしながらアームドギアを下ろす。
そして視線を夜空へと向け見上げた。
その視線の先には報道のヘリがいるがそこではない。見ているのは夜空の中旋回を続けている『Sv-303』だ。そして『Sv-303』はその場で『ガウォーク』へと変形すると足と羽部分の計4基のエンジンで逆噴射のように減速し、ちょうど美音とAFOの直上に止まる。
すると本来は操縦席であるキャノピー部分に付けられている謎の装置が青く光り出し、それに共鳴、否、受信したかのように美音の首に付けられているチョーカーが青き輝きを放った。
「やはりドクターに頼んで君専用に改良に改良を加えて、完全な完成品にして良かったよ。オールマイト、美音くんの首に付けられているチョーカーだが、これが何を意味して付けられているかわかるかい?」
「何を……」
「君もその眼で見たはずだ。I・アイランドで
「ッ!! ……まさ、か…!!?」
AFOの発言に、オールマイトはみるみると顔が青ざめていく。
その言葉にギアとグラントリノはまだよくわかっていないようだったが、AFOは美音の首に付けられているチョーカーの正体を明かした。
「そう! 悪に手を染めた君の親友、デヴィット・シールドの発明品。"個性"増幅装置さッ!!!」
「「ッ!!!?」」
「デイヴの…何故貴様があの装置を持っている!!」
「あの日、メドゥーゴルに頼んでね。装置が2つあるから片方を僕の元へ持ってくるよう頼んどいたのさ。ウォルフラムも承諾済みさ」
"個性"増幅装置。
かつてデヴィット・シールドが開発した人体に影響を与えず"個性"を増幅させる装置。
しかし各国政府は、それは薬品などで言われるトリガーの完全な上位互換ともいえる存在であり、下手したら超人社会の構造が激変する恐れがあると思い、その試作段階だが作られた発明品の2つと研究データは没収され、研究そのものも凍結され、I・アイランドの厳重な保管庫に封印された。
だがデヴィット・シールドは
結果片方はウォルフラムが試作品の段階で使用。
もう片方はメドゥーゴルが回収し、AFOたちの手に渡った。そして装置はドクターの手によって改良なども加わり、完全な状態へと完成された。
それも、黒換美音専用の増幅装置として。
結果として、美音は『可変戦闘機』である『Sv-303』の完全な具現化と『シンフォギア』を纏わずしてアームドギアを出すという、通常であれば持って1分行くか行かないかぐらいの状態を長時間且つ、体力の減少が少ない状態、完全なメリット状態になっていた。
ちなみに、体力の消耗が通常の状態での場合。
使用の100が力を使うであり、消耗もまたピッタリ100使う。
だが増幅装置の場合、使用の100に対し消耗は1か0.5と言っていい。
それほどまでに増幅装置は試作段階よりもより完全かつ完全な上位互換……トリガーで例えるなら10本以上は投与している可能性があるということだ。
そんな会話をしている中、美音は『Sv-303』から受信した周囲の状況を理解した。
「(どうやら政府の犬どもが来ているみたいね…平和のためなら子供であろうと抹殺し存在を消すクソども……)」
上空にいる『Sv-303』の正面を向いている先の奥の奥には、微かにだが一機のヘリ…『UH-60JA』が飛んできていた。
不穏の旋律に刻まれた音符たちは、何を奏でるのか……。
——◆——
混雑した記憶の世界。
『ここは……病院?』
ゲートの出た先は外の駐車場。
空は記憶の世界なのか青空ではなくなんか白とかいろんな色が混ざった感じでうごめいている。
そして病院を見れば『蛇腔病院』と書かれていた。
『『私』は先生からの知らせとかで"個性"がわかってたけど、本来ならここで発現させた"個性"が何なのかがわかるんだっけ……?』
病院内部に入れば顔がボヤけている…モザイクでもされているような人たちでいっぱいだ。
でもその中に唯一なっていなかったのがいた。
幼い美音とその両親だった。
『(てことは、このタイミングで"個性"が何なのかがわかるってことか……『具現化』ってのが元の名前だけど……)』
一家は看護師に呼ばれて病室へ足を運ぶ。
『私』もその後に続いて入っていった。
病室に入れば白衣を着て、なんか歯車を眼鏡にした癖の強いツルツルの老人がいた。
「えぇ、娘さんはつい先日"個性"を発現させたんですよね?」
「はい。ですがその直後に娘は息もできないほどに苦しんでしまいまして……」
「なるほど。であればこちらで念のため検査をしながら確認いたします。ご両親方は傍にいてあげたいでしょうが、少しばかりここで待っていて下さりますか?」
「わかりました。娘をお願いします」
歯車おじいさんが美音を連れて奥へ入っていく。
その間ご両親は心配しながら見つめていたが、無事であることを祈るようにお母さんの方は両手を握っていた。『私』はそのままついて行くと、美音と歯車おじいさんはさらに奥にある扉の中へ入っていった。病院内を知らない『私』は分からないけど、病室の奥に更に部屋なんてあるのかな?
とりあえず後に続いて入る。
「ここはぁ?」
「今から嬢ちゃんの"個性"を調べるんじゃよ。さぁ、そこの椅子に座ってくれ」
「うん!」
美音は駆け足で椅子に向かえばよじ登って、ワクワクしながら座った。
「それじゃあそのまま寝そべっていておくれ。検査はすぐに終わるから」
「は~い!」
すると天井に取り付けられている大げさすぎるような大きな装置が動き出して、椅子に座って寝そべっている美音の直上に移動した。
そして青い光が美音の身体を上から下まで綺麗にスキャンした。
「これは……」
『…?』
歯車おじいさんはいくつもあるデスクを見て、何かを呟いていた。
『私』もチラッと見ようとしたけど、幼い美音の記憶ではそこまでは一切わからず真っ白な画面なだけだった。
「この子も一応候補として伝えておこう。"個性"もまた良くもなければ悪くもないって感じじゃな」
『…は?』
何今の発言…まるで"個性"を新しく発売した道具を見て今までのと比べるような言い方は?
それに候補とか伝えるとか……両親に伝えるって発言ならまだわかるけど……いやそれ以前に、記憶にお医者さんの姿がこうもハッキリ映ってるってことあるの?普通家族や接点が少なすぎる人に対しての記憶は、顔もそれを見るまでは曖昧な形でしか覚えていられないはず……。
「おじいちゃんもう大丈夫~?」
「ん? おぉすまんかった。もう降りて大丈夫だぞ」
装置が元の位置に戻り始めると、美音も気を付けながら椅子に降りて、歯車おじいさんの傍に駆け寄った。
「ねぇねぇ! 『わたし』の"個性"ってなに?」
「それはパパとママの所に戻ってから教えるよ。さぁ行こうか」
「は~い!」
そう言って2人は来た道を戻り始めた。
この時点で雲行きが少しばかり怪しくなり始めてる…いや、それすら気づけないほどの予兆なんだろうか……首に掛けている『ギアペンダント』を思わず握り、そのまま『私』も後に続く。
戻れば既に美音は両親の間に座っており、話を進めていた。
「娘さんの"個性"なんですが、名前を付けるなら『エネルギー変換』ですね」
「『エネルギー変換』ですか?」
「えぇ、娘さんの"個性"はどうやら自身の体力、もしくは生命力と言った生き物が絶対使うエネルギーといったものを"個性"としての力に変換させることができるみたいです。きっと発現の際に予想以上の体力がエネルギーに変換されたことによる反動で娘さんは苦しんだんでしょう」
「それってつまり、美音は"個性"を使う度に運動して体力を消耗したって感じですか」
「まぁわかりやすい言い方だとそうなりますね。使いすぎれば足りない分を生命力が補う。諸刃の剣的な奴ですよ」
……『エネルギー変換』?
『私』のは先生もみんなも、『私』自身も『具現化』って名前で認識してる。
体力や生命力をエネルギーに変換する点は同じみたいだけど……。
「ここからは私の憶測ですが、娘さんの"個性"は使いこなせればもしかしら強くなるかもしれませんよ」
「というと…?」
「よくテレビなどで見るヒーローのやるやつですよ。エネルギー状の剣みたいなアレとかを出来るようになれば、エネルギーのまま形を変えたりする。ふむ……ご両親方はスライムはご存じで?」
「え、えぇ…アニメやゲームなどのあれですよね」
「そうです。そのスライムで例えると、スライムは液体と固体の性質を兼ね備えた粘弾性物質を持っています。ですが同時に変幻自在に形を変えることができるものでして、その器用さが大きければその幅は広がります。娘さんの"個性"もそれらがエネルギーとして可能ではないかということですよ」
分かりやすいのかどうかは分からないけど、例えとしてた確かに当てはまる…エネルギーも言い換えれば揺らめく炎のようで、液体のように滑らか。
ある意味スライムとエネルギーって近い存在なのかも?いやそれ以前になんで"個性"の名前も能力も全く違うんだろ……?
するとまたガラスの割れるような音……今度は正面にある病室の出入り口がゲートになっていた。
『私』は美音や美音の家族、歯車おじいさんをすり抜けてそのままゲートへと入っていった。
後書き、ちょっと今回はちゃんと読んでくださると嬉しいです。
美音の"個性"の使用が幻神と明らかに差がある理由が判明出来ました。
まぁI・アイランド編を読んでれば、装置が原作と違い2つあって、片方が盗まれたってのがわかるハズです。それをAFOたちは美音に付けさせて、美音の"個性"を試作段階で増幅させてめちゃんこつよくなったウォルフラム以上に強くしちゃってます。
ですが言いましょう。
【チートっぽいけどチートじゃない】し、【主人公最強ではない】です。
あくまで今はAFOたちが"個性"増幅装置を美音に付けさせて無理やり強くしているだけです。
そこをご理解していただけると幸いです。
いや本当お願いします。もう、土下座するレベルなので。
それと発現させた"個性"の検査や調べるのって実際に"個性"ってどうやってるんだろうって思いまして、私個人の勝手な想像で作らせていただきました。これらは原作とは大きく異なります。(医者が殻木ってのもありますしね)
そして
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