この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します 作:伽華 竜魅
ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます!
『悪夢のような光景! 突如として神野区が半壊滅状態になってしまいました! 現在、オールマイトと元No.2のギアが元凶と思われる
報道のヘリに乗るリポーターが神野区で起きている悪夢の戦いを日本全域に伝えてる中、報道のヘリの横を通り過ぎるもう一機のヘリ…『UH-60JA』が向かっていく。
美音の意思により『Sv-303』は頭部の二丁が搭載されたライフルと右手に持つライフルからレーザーを放った。
ヘリはそれを必死に避け続けながら進んでいくと、後方の扉が開きそこから数人の人影が飛び降りた。
「ッ!」
同時にギアの片耳に支給されつけていた無線機から受信が入り、ギアはそれに応答する。
『時間切れです。ここからは私たちが対処します』
その通信越しは少しばかり年老いた女性の声だった。
「なっ! 何を言っているの!? まだゆぅちゃんは救けられる! オール・フォー・ワンを倒して黒換美音を説得すれば…——」
『もう一度言うわ。時間切れよ。やはりあなたに委ねたのはミスでした。天堕幻神基黒換美音を現時刻を持って……——』
『——
「ッ…そん、な…ふざ、ふざけないでよッ!!!」
「「ッ!?」」
思わず声を上げるギアに、オールマイトとグラントリノは驚愕する。
そんな中、ヘリから飛び降りた数人は地面に着地した。
「戦いもせず、ただ上の立場を利用して駒を使っては切り捨ててを繰り返す…オール・フォー・ワンとほぼ似たようなことをしているあんたたちが、勝手にうちの愛娘を
『もう決定づけられたこと。あなたがそれらを言う資格はないわ。それにあなたでは彼女を仕留められない。あなたは彼女に肩入れしすぎている……』
「……ッ!!!」
公安の人物であろう女性の冷めきった言葉に、ギアは自身の口を深く噛み、唇から血が漏れ出してしまう。オールマイトとグラントリノは加勢に来たヒーローとギアの話している姿を見て悟った。
公安は
最悪、抹殺をしようとしていることを。
そしてギアに掛けられていた通信は途絶え、逆に公安直属のヒーローたちだけに通信が入る。
『優先は黒換美音の生け捕り。それが不可能だとそちらで判断した場合は、平和を保つためにも殺しなさい。いいわね?』
「了解」
ガタイの大きい大男のヒーローが返事をすれば通信は終わる。そして公安直属のヒーローたちがそれぞれ構える。
拳を構えたり、"個性"による力を身体から出したり、武器を構えたりと……そして彼らの視線はAFOではなく美音へと向けられていた。
「随分と客人が増えたね。美音くん、そろそろどうだい?」
「……はぁ、わかったよ」
美音が大きく前へ跳躍すれば公安直属ヒーローたちは一斉に美音へ駆け出す。
ギアが静止の声を叫び、オールマイトたちがそれは駄目だと止めようとするも、既に距離は大きく空いているため間に合わない。
公安直属ヒーローたちの攻撃が美音に迫る中、美音に軽く息を吸った。
美音は片足の黒いヒールを地面に力強く踏むと黄金の錬成陣が美音を囲むように出現し、ヒーローたちの攻撃を全て防いだ。
そして『イガリマ』のアームドギアをバトンのように振るいながら、美音は自身の声質を『VOCALOID』の『GUMI』へと変換して歌いだした。
♪ 幽閉 利口 逝く前に ♫
♪ ユーヘイじゃ利口に難儀ダーリン ♫
♪ 幽閉 ストップ 知ってないし ♫
♪ 勘弁にしといて なんて惨忍 ♫
そして黄金の錬成陣はヒーローたちを吹き飛ばし、美音は1人のヒーローの元へ駆け出す。
ヒーローは近づいてきた瞬間を狙おうとその剣を振るうも、美音は『イガリマ』のアームドギアで防いでからその腹にヒールを突き刺すように突き出した。
「ッ!」
「フッ…!」
だがその攻撃は届くことがなく、ヒーローは美音の脚を片手で受け止めてそのままがっしりと掴んでいた。
♪ 人様願う 欠片のアイロニ ♫
♪ だれもが願う無機質なような ♫
♪ 一足先に始めてたいような ♫
♪ 先が見えないヴァージンハッピーショー ♫
美音はそれでも歌い続けるが、他2人のヒーローが背後から美音の背中へ攻撃する。
美音は再び黄金の錬成陣で防ぐも、脚はヒーローがしっかりとつかんでいるせいで未だに抜け出せない。
「俺ごと殺れ!! 平和のために!!」
「(コイツ…! 正気!?)」
美音は左手を上に伸ばし掲げる。
すると青きレーザーが降り注ぎ、ヒーローたちは思わず後方に下がる。
その間に美音はそのまま左手を自身の足を掴んでいるヒーローへ向ける。
すると左手には再び『イチイバル』のアームドギアであるリボルバーが具現化されていた。
だがその銃爪が引かれる前に美音は横から強く殴られて吹き飛んだ。
「カハッ!!?」
そして瓦礫の山に激突し吐血する。
それによってまだ序盤も序盤である【KING】の歌が止まってしまった。
「すまん…」
「謝るな。もう少し交戦を続けるぞ。生け捕りか抹殺かはその後だ。急ぎ過ぎるな」
「「了解」」
大男のヒーローの命令に他のヒーローたちは集まり構える。
「歌うことさえ許さないって…? ハハッ、やっぱクズね……」
美音は口に溜まった血をペッと吐き出し、口周りを拭いてから猫背のように立ち上がる。
ヒーローたちは構えるが、そんな彼らの前にギアが立ちふさがった。
「何を…」
「それはこっちの台詞よ! あなたたち、平和のためなら子を殺められるっていうの!!?」
「我々はそう教育された。それにこれが初めてではない。それに奴はもう
ギアは公安直属のヒーローたちを説得しようとするもそれはできず、ヒーローたちは目の前にいる美音を
それを悟ったギアは顔をしかめるが、突然衝撃波が全員に襲い掛かる。
「せっかく歌いだしたっていうのに、それを中断させるなんて……君たちは"個性"を奪った後に殺そうか」
闇の歌姫の歌がようやく奏でだしたと思った瞬間に途絶えたことに大変AFOはお怒りだった。
声のトーンなどは変わっていないが、その奥底には怒りが確かにあった。
——◆——
混雑した記憶の世界。
視界には炎の海とも言えるほどに、炎が燃え広がり周囲は炎上していた。
『……どういう、こと…なの…?』
ゲートを出てみればなぜか周辺の町も含めてあちこちで火事が起きている。
いや、家事にしては建物の一部が意図的に破壊されたような跡がある。
すると1つの一軒家が大きく破壊されそこから大きな影が出て来た。
ここは記憶の世界。
でも『私』は反射的に身構えてしまった。
「ハァ…これで後は1人だな…」
『……はっ!?』
そいつは仮面を被っているとても巨体な大男の
そんな男の片手にはある袋が握られていたが、その中が一瞬だけ見えたのと、聞こえてくる声に『私』は息が止まった。
「助けてェ!」
「パパ! ママァ!」
「いやだ、いやだぁ!!」
「うわぁぁぁあん!!」
「暗いよ! 怖いよォ!!」
『こど、も…!!?』
幼すぎる子供たちが袋にまるでゴミを詰めるかのように入れられていた。
まるで、子供を散らばってるゴミをかき集めるみたいな感じとも言えてしまう程に……。
「あ?」
『ッ!?』
すると
いや、『私』は干渉できないでただ見るだけだから…もしかして……。
『はっ!?』
振り返れば、1人の女性が子供を抱いて逃げていた。しかもアレは……。
『美音に、美音のお母さん…!?』
すると
嫌な予感を察して『私』は再度美音たちのほうに振り向き駆け出した。
「はっ! はっ! はっ!」
「待て女ァ! そのガキ寄越せェ!!!」
声が上から聞こえて見上げれば
「ママァ!」
「くっ!」
だけど
「逃げても無駄だぞ女ァア! そのガキ寄越せば見逃してやるぜェ?」
「それともガキどもを守ろうとしたあの
『…は?』
思わず、脚が止まってしまった。
正義面の男見てェに殺されてェか……?それって、お父さんは他の人たちも救けるため、に……。
「オラァ!」
「うぁ!?」
「ぁぅ…!」
『ッ!?』
ハッと気が付いたら
手首から鎖を数本伸ばして、お母さんを縛り付けた。それによって抱き上げられていた美音は地面に落ちてしまう。
「ママァ!」
「くっ、逃げなさい! 逃げて!!」
美音は泣きながらお母さんを呼ぶけど、お母さんは美音のことを持って逃げるよう叫ぶ。
「うぅ…!」
「お前、よく見れば結構別嬪だなァ…! さぞお前の旦那はお前とヤるとき最っ高の気持ちだったろうなァ? せっかくだ、あのお方に頼んでコイツだけは生け捕りでもらえるか聞いてみるか……子分共も女に飢えてるだろしなァ……」
『……ッ!?』
それって……だめだ。
そんなのは駄目だ。止めたい。
救けたいのに今の『私』じゃ何も……。
「さっきからギャアギャアうるせぇぞガキ共ォ!!」
袋に入っている子供たちの声が耳障りだったのか、
その瞬間に嫌な音が嫌でも聞こえた。
そして何人かはさらに泣き声や悲鳴が聞こえたけど、数人減っていることが分かった。
「女…お前があのガキをくれるってんなら、お前は俺たちが生かしてやる。生きるのに代償は付き物なんだからな…お前の命を繋ぐ代償はお前の子供だ。どうする?」
「ママ、ママを放して…!」
「テメェは黙ってろ!」
「うぁ!」
「美音!!」
美音が
『私』は思わず駆け寄るけど干渉できない……なんで、なんでなのよ!!!
「どうする?」
「…ッ……お断りよ!」
「……そうかい。せっかくの別嬪でもったいねぇが……」
まさか…!?
「最後に子供のトラウマになってやりな」
『ダメェ!!!』
「ママァ!!!」
『私』も声を上げながら手を伸ばすも、お母さんは口に血を吐きながらこっちを向いて、申し訳なさそうにしながら微笑み、お母さんは握り潰された。
「ママ…ママ……」
『…美音』
美音はよろよろと近寄って、無残な姿にされたお母さんを揺する。
それはとても心が痛んで、目を背けて見ることも拒んでしまいたくなる場面だ。
これを、幼い美音は目の前で……。
「来いガキ」
「ぁ…ママ、ママァ!!!」
「ったくコイツもママ、ママってうるせェ……ンだよ!!」
それに嫌気がさしたのか
『 』
飛び散る血。
血は無機物でもあるため『私』に飛びつく。
美音はダランと反応しなくなり、
『これが、美音の…過去、なの……?』
残酷、すぎる……こん、なの…精神がおかしくなってもおかしくない。
いやそれ以前にさっきので死んでしまっておかしくないはずだ……でも美音は、『私』は……。
『ぁ…』
瞬間、浮遊感に包まれた。
そして周りがどんどん下から黒くなっていく。
いや違う、これは真下にゲートが現れてそのまま落下したんだ。
『私』はたださっきのことで頭がいっぱいいっぱいで、落下を止めることはなかった。
——◆——
次に辿り着いたのは、幼い『わたし』が話しかけてきた施設だった。
戻って来た…というべきなのだろうか…でも、美音と美音のお母さんのあれを見たせいで、それが頭にこびり付いてる。ずっと過ってくる……。
『……』
それでも『私』は施設に足を踏み入れる。
そこには重傷である程度の手当てだけをさせてもらえた子供たちが不安や恐怖でいっぱいになりながらいた。1人で抱えて怖がったり、数人で固まって互いを守るようにしたり……これだけでも、残酷だ……思わず自身の唇噛み、拳を強く握りしめていた。すると扉が開き、そこから1人のスーツを着ている男性が入って来た。
子供たちは怖がり離れるように壁に向かう中、男性はニヤリと笑いながら両手を広げた。
「怖がらないでくれ。僕は君たちの味方だ。君たちをさらった悪い
何を言っているんだ。
ならなんでこんな場所に幽閉している。
それも1人で、ヒーローっぽい格好じゃないし……すると男性は1人の子供の前に向かい、目線を同じにするためにしゃがみこんだ。
「うぅ、ぁあ! ぁ…」
子供は怖がりながら暴れると、男性は優しくその子供を抱きしめた。
「辛かったろう、苦しかったろう。いずれヒーローが、ヒーローがと思っても、誰も救けてくれなかった。辛かったね、親も殺され、自分たちもこの先生きれるかどうかわからないぐらい怪我をさせられて……だけど、もう大丈夫だ」
男性の言葉はどこか信憑性を感じさせられるようなものがあった。
子供はどんどん涙を流し始め、それを聞いていた他の子どもたちもゆっくりと歩み寄っていく。
「僕がいる。君たちを……僕が守ろうじゃないか」
それが引き金になったのか、子どもたちは泣きながら男性の元へと駆け出した。
だけど、怪しいと同時に思った。
だって、普通あんな闇深そうな笑みを浮かべるか?
それに、一部の子供たちは寄り付かず、子供ながらに警戒の目を向けている。
……こいつは一体、何なんだ…?
——◆——
あれからゲートが出てくることはなく、この施設内で時間が進んでいった。
でも外の様子を伺おうにも、扉をすり抜ければ窓一つない廊下が続いているだけ。
ゾンビ映画の巨大地下施設通ってぐらいにはね。
それともう一つ不可解な点があるとすれば……男性が呼び寄せた子供たちが帰ってこない。
最初に呼ばれた子なんてあれからもう5日は(『私』個人の数えた日数だけど)経っている。
そして大半の子は傷も徐々に治っているけど、頭部に包帯を巻いている子がいる……言わずもがな美音だ。美音だけがまだ包帯を多く巻いていて、虚ろな目で自身の膝を抱いてベッドにポツンと座っていた。『私』もまた探索しようにも廊下を出てしばらく離れたら透明な壁があるかのようにその先に行けなくて、結局この部屋で時が経つのを待つしかない。
結果『私』は美音の隣で一緒に座っていた。
『(にしても、子供ってある意味ですごいなぁ…)』
一部だけど、子供たちはもう元気を取り戻して全員共有の大部屋で鬼ごっこをしていた。
他にも読書したり、お絵かきしたり……メンタルの強さと回復の速さはやっぱり無邪気な子供が一番いいんだろうか。
大人になったらずっと引きずったり、ちょっとしたことで傷ついたりしてるし……。
『……?』
だけど、微かに何かの歌が聞こえた。
キョロキョロしてもスピーカーとかはないし、子供たちはお喋りはしてるけど歌は歌っていない。
『私』は徐に美音へと視線を向けると、美音がボソボソと呟いていた。
「光の海の向こう側…祈りの唄を届けよう……♪」
『(これって……——【祈りの唄】?)』
なんで今【マクロスΔ絶対live!!!!!!】の最高に感動な曲を……いや、違う。
『(もう大好きな家族も、いっぱい書いた歌の歌詞も何もかも消えて、残ったのは『私』の断片的な記憶で得た歌だけなんだ……)』
「遂げたい…想い…命が燃える……♪」
だからずっと歌って、その歌に縋っている。
まるで……——
——前世では1人ぼっちだった
『……ぁ』
もしかして……『私』が美音に憑依転生したのって……。
「——とても素敵な歌だね」
『「ッ!?」』
男性の声が聞こえて振り向けば、そこにはスーツを着たあの男性が美音の目の前に立っていた。
「僕は音楽にもある程度触って来たが、君の歌は初めて聞いたよ。一体どんな曲名なんだい?」
「……ッ」
男性は目線の高さを合わせて美音に問いかけるも、美音は目をそらして答えようとしない。
反抗しているんだ。まだ美音は、この人を信じていないんだ。いや、それでいい。
そのままずっと反抗して。
この人は信用できないんだ。
「まだ僕のことを信用できないか……気持ちはわかるよ。なんせ君は実の母を目の前で殺されてしまっているからね」
「…ッ」
コイツ、あの目の前で起きたトラウマを今掘り返そうというのか!?マジで干渉できないのが腹立つ…その顔殴り潰して、干からびて潰れた梅干しのようにしてやりたい……!!!
「可哀そうに…君はただ、家族と一緒に幸せに生きていただけだっていうのに……」
男性はそう言いながら美音の頭を撫でた。でも『私』は一瞬だけど見逃さなかった。
美音の頭部の触れられている部分と男性の手の間で、一瞬何かが赤く光ったことを。
「……ッ! うぁぁああッ!!!」
『ッ!? 美音!?』
男性が手を離して数秒後、美音が突然苦しみだして倒れた。涙を流し、口からも涎を出して、とても苦しそうにしている。
コイツ、美音に何をしたんだ!?
「せんせー、その子どうしたの?」
「苦しんでるよ~?」
「まだお怪我治ってないのぉ?」
「大丈夫さ。お腹を壊してしまったんだろう。また来るときに薬を持ってくるが、しばらくしたらすぐに治る場合もある。さぁ、今日は君たち2人だよ」
平気で嘘を言いやがった……こいつの神経はどうなっているんだ。
男性は立ち上がりって
『ッ!!?』
——次の瞬間だった。
さっき男性が出ていった扉にゲートが現れた。
【ここから先はここを通って知れ】ってことか…なんであんな悲劇が起こるまでのを見せてくれなかったのかが疑問だけど……行くしかない。
触れられないけど、それでも触ってるようにして、『私』は美音の頭を優しく撫でてからゲートへと向かい、そして入っていった。
——◆——
旧脳無格納庫。
そこでは依然としてAFOと美音、そしてヒーローたちの交戦が激しく続いている。
AFOは限界を迎えながらも踏ん張り、耐えているオールマイトとサポートするべく動くグラントリノが交戦しており、美音は公安直属ヒーローたちと交戦をしている。
ギアは公安直属を止めながらも美音も止めようとするため、ある意味で三つ巴戦になっている状態だった。
「貴様も
「あんたたちが愛娘を殺そうとしてるから止めようとしているだけよ!!」
そして続く戦いの中で公安直属ヒーローたちは生け捕りは不可能と判断し、抹殺へと優先を変えたことにより、躊躇も容赦もない攻撃を放つ。
ギアはその攻撃を美音に当たらないようにしながらも、美音を、幻神を救けるべく美音に気絶程度の攻撃を放つも、美音はそれらを防ぎながら反撃する。
「(三つ巴はキツイわね……歌う暇がない…! 誰か別の人に強制的に歌わせたりできれば……——いや、ある。1つだけ歌える方法が!!)」
美音は幻神が表にいる頃、ずっと幻神の前世の記憶をビデオ鑑賞のように見続けていた。
その中には当然映画系も含まれており、自身が具現化させた映画にのみ登場した兵器『Sv-303』がいる。無機物であれば可能。そして『Sv-303』はいわばAI兵器。
ならば可能なはずだと確信を得ていた。
「(ようは『ダウルダブラ』のように
瞬間、美音の右腕に
それに気づいた直属ヒーローらは止めようと攻撃し、剣の先は美音の左肩を、拳は右脇腹を貫いた。
「コホッ!!」
「ッ! ゆぅちゃん!!」
「そのまま殺せェ!!」
ヒーローたちはそのまま殺そうとする。
だが美音は——
「……フフッ」
——笑っていた。
瞬間、右腕の銀の輝きによる腕輪が急激に銀色の大発光を引き起こし、本人である美音以外の、ギアや直属ヒーローたちが全員吹き飛んだ。
またAFOやオールマイトたちも攻撃を止めそっちに視線を向ける。
「おぉ…! 装置によって更なる高みへ舞い上がったか!!」
AFOは嬉しそうに声を上げる中、吹き飛んだ勢いを殺せず転がり続けるギアは、突然何かに抑えられたことで止まった。
「くっ……ッ! 炎司!?」
「何がどうなっているギア! これはどういう状況だ!?」
その正体はエンデヴァーだった。
BAR側の脳無らはすべて制圧したことで、塚内の指示の元エンデヴァーだけでなく、他プロヒーローも加勢に来たのだ。
「どうにか間に合った! と言いたいが…そうとは言い切れんな……」
エッジショットも駆け寄り、シンリンカムイも来たが、シンリンカムイは先に気絶しているベストジーニストたちを救助に向かっている。
「…ゆぅちゃんが…オール・フォー・ワンの手に堕ちた……」
「なっ!? 仮にも貴様の娘だろ!! そんな
「私だってそう信じたい! でも、公安はもうゆぅちゃんを
「「…ッ!?」」
自分たちは生徒2名の救出並びに
だが公安は天堕幻神であり黒換美音を救出せずに殺そうとしている。
それを聞いた2人は顔を顰めながら今目の前で起きている状態を見た。
公安直属のヒーローたちは美音を殺すため再び駆け出し攻撃するも、それらはすべて美音を中心に周辺に回転している銀色のオーラが守っている。
同時に上空からも1機だけの『Sv-303』がレーザーを放ち妨害。
「……1つ教えてあげる」
美音は徐に口を開く。
「あなたたちは『わたし』を殺すために今戦っている」
右腕の銀色の輝きの腕輪はその形を完全な形へと具現化させる。
「でもね、自分たちがその
その腕輪は
「——
瞬間、再び大発光が起こり公安直属ヒーローたちは吹き飛ぶ。
その隙に美音は腕輪を付けている右腕を夜空へ向けて掌を掲げれば『Sv-303』が急降下して美音真後ろに完璧な動きで『ガウォーク』で舞い降りる。
そして美音が後方に飛び上がり、『Sv-303』の背面に乗った瞬間、ゆっくりと上昇し始めた。
「逃がすなァ!!」
「ッ!? 待て! 地面が揺れてるぞ!!?」
ヒーローたちは駆け出すが、突然地響きが起こり、そのまま地割れも起こる。
そして地割れから5機の『Sv-303 ヴィヴァスヴァット』が夜空へと飛び上がった。
「"個性"増幅装置、出力……最大」
その言葉に反応し、チョーカーが今まで以上に強く青き輝きを放つと、美音は少し苦しみながらも身体から自身の体力や生命力と言ったエネルギーを漏れ出すように放出し始める。
そのエネルギーはそれぞれ水色、赤、黄、ピンク、緑の5色の色に分かれて漏れ出し、背後にてそれぞれが大きな塊となり始める。
やがてそれは、それぞれ特徴のある歪な人の形へとなったが、大きさは巨大化したMt.レディ並みだった。
♪ 羽をなくして堕ちていく やっと自由になれたの ♫
そんな中、水色の塊は中央で歌い始める。
そのエネルギーは完全な人の形へなり始めると、それぞれがまるで宙を海の中かのように泳ぐように動き出し、5機の『Sv-303』は美音と美音の後方にある5色のエネルギーの塊を守るかのようにその周辺を飛び回っている。
それを見た全員が驚愕、もしくは絶句によって固まっていた。
「なんなの、あれ……」
ギアが思わず漏らす。
それは誰もが思う気持ちだった。
ただ自身に鎧を纏い歌うという"個性"だったそれは、謎の兵器を自立型で具現化させただけでも衝撃的なのに、今度は
「(これも"個性"増幅装置で大幅な活性化と増幅をさせられた小娘の"個性"なのか…!? こんなの、もはや"個性"って言い方だけで納められるほどの規模じゃないぞ…!?)」
グラントリノも思わず冷や汗を流すほどのもの。
エンデヴァー、エッジショットと言った名の高いプロたちですら、その瞬間に目を奪われ、口を半空き状態で見てしまっているのだから。
そして彼らは目の錯覚だろうか…夜空の星々の1つ1つの輝きが強くっているようにも見えていた。
♪ 正義を名乗る神様には 断罪を 今 あぁ ♫
かつて1人の人物が公表した『"個性"終末論』。
その名を付けてもおかしくないほどの規模。
増幅装置を危険視した政府の考えも、"個性"は世代を超えて混ざり進化することも、それらを今この瞬間、1人の少女が起こしていることがまさにその予兆ではないのかと言えてしまえるほどのもの。
そしてついに、そのエネルギーは完全な人の形へと、
茶色気味のセミロングに左右の横髪がだけが黄色のメッシュになっており、黒いサイバー系の衣装を着ているが肩を露出し、一部の黒は薄く肌の色が見えているためタイツなどと言った感じに見える。
肌には黄色いラインが入っており、さらに身体の一部には黒いパイプのようなものが直接接合され、右手の人差し指には黄色い爪が付けられている指輪をはめており中指は爪そのもが黄色く伸びていた。
ピンクの団子ツインテールの髪に、身体中に切り傷のようなピンクのラインが浮かび上がっている。
黒いサイバー系の衣装のジャージの上着を着ているが、その下は黒一色の下着だけで他は肌が露出しており、脚は右足にタイツを履いているがそれもあちこち破かれて肌が見えている状態。
そして身体の一部には黒いパイプのようなものが直接接合され、右手の人差し指にはピンクの爪が付けられている指輪をはめており中指は爪そのものがピンクで伸びていた。
緑ロングヘアに頭髪に額の両側から左右非対称で生えた黒いツノがあり、黒いサイバー系の衣装を着ている。その衣装は中央部分だけが縦に肌が露出し、肩もそのまま繋がって露出していた。
袖はオープンショルダーになっており、下半身もペンシルスカートともいえるようなのような黒いスカートになっており黒いストッキングに黒いヒールを履いている。
そして肌やストッキングの上には黄緑のラインが入っており、身体の一部には黒いパイプのようなものが直接接合され、右手の人差し指には黄緑の爪が付けられている指輪をはめており中指は爪そのもが黄緑に伸びていた。
全体のブロンドに鮮烈な赤いメッシュが入っている癖毛と大きな長髪に1本の大きな
瞳はオッドアイになっており、右目が緑の左目がピンク。そして左目の白目ではなく薄い赤になっていた。衣装は黒いサイバー系の衣装を着ているが、黒一色の背中と脚の付け根まで露出しほぼ前だけを隠しているような衣装に、その上の上着は赤いバットウイングスリーブを着ているが
下半身は白のミニスカートを履いているが一か所だけ黒になっており、脚は黒いタイツと大きめのブーツのような黒い靴を履き、赤いラインが入っており、身体の一部には黒いパイプのようなものが直接接合され、右手の人差し指には赤い爪が付けられている指輪をはめており中指は爪そのもが赤色に伸びていた。
水色のドリルポニーテールに結んだ髪にピンクのメッシュが入っており、髪の結び目の留め具は大きな漆黒の翼となっている。
黒いサイバー系の衣装を着ているが、腹部の位置でへそ出しのように上半身と下半身で分かれている。
上半身は胸元部分が露出し、肩も腕ともいえる位置だけが少し露出しており、下半身はタイツを履いているが上部の一部が露出し、その上に重ね着するように黒い装甲化何かが着て、靴はヒールブーツのようになっている。
そして水色のラインが入っていると同時に身体の一部には黒いパイプのようなものが直接接合されている。両手は唯一手袋を装着しており、右手の人差し指と同時に中指にも水色の爪が付けられている指輪をはめていた。
♪ 「逝かせてあげる。堕天使の歌で」 ♫
5人の堕天使が歌詞でもあり決め台詞でもある言葉を歌った後、全員が美音の後方に泳ぐように移動してから、全員が深い笑みを浮かべながらその名を叫ぶ。
ある世界の銀河にその歌を全銀河へ奮い立たせた堕天使たちの歌声が今、その翼を悪夢の戦いに舞い降らせ、毒のある薔薇を地へ咲かせようとする。
やっとできた…やってしまったけどできた……やりたかったことの1つが…!!!!
正直言うとこれをやりたいがために書き始めたと言っても過言ではない…!!後悔はしておりません!!あ、ちゃんとできた理由はあります。
でもそれは次回に。
後書きだと自分が嫌だし、区切りもちょうどいいので。理由はもうずっと前から書いたのがあります(こういう時だけ用意周到!)
ただ一つ言おう。マクロスシリーズというタグをつけた理由の大きな意味は、これだァ!!!
何度でも何度でも言います。
【チートっぽいけどチートじゃない】し、【主人公最強ではない】です。
【何でも許せる人向け】です。
ご理解していただけると幸いです!!!
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