この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します 作:伽華 竜魅
ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます!
UA110,000突破。
そしてお気に入り登録900と評価50突破、ありがとうございます!!
【チートっぽいけどチートじゃない】
【主人公最強ではない】
【何でも許せる人向け】
これらを理解していただけると幸いです。
『シェンショウジン・ファウストローブ』
その姿はどこか女王を思わせるようなデザインになっており、『シンフォギア』としての『
なにより、『ファウストローブ』は歌がなくても起動、及び『シンフォギア』に似た
そして『シンフォギア』時同様、その効果は健在。
ヒーローとは、"個性"を悪用する
だが、そんな超常世界にて全てにおいて脅威、まさに最凶の存在を美音は纏った。
「【"個性"殺し】……!?」
「【"個性"殺し】? ギア、それは何だ!?」
それを美音は使用している。
だが『
同時にギアと公安たちもその情報を隠蔽し、隠していた。だからこそギアと公安直属ヒーローたちは冷や汗を流していた。
「全員!! ゆぅちゃんの…美音の放つ紫の輝きに当たらないで! 反撃も全て無駄!! 回避することだけを考えて!!」
ギアの叫びに『
そんな中美音は『シェンショウジン』の自由浮遊機能を使い高く飛び上がる。
遠距離技を持つヒーローたちはさせまいと攻撃するも、それらを【Yami_Q_ray】が『Sv-303』を操作し防御した。
「おいおいおい…!!」
「まずいぞ……全員退避ィ!!!」
公安直属ヒーローたちは青ざめ背を向けて走り出す。ギアも【"個性"殺し】を知らないヒーローたちに話すには時間がないと悟り、とりあえず攻撃に一切当たらず避け続けるよう叫んだ。
美音は自身の背後から無数の円盤型のビットを出し、それらは1個1個が円状になるようには位置に着いて行き、その数は何十、何百と超えていった。
【- 未来 -】
美音は地上にいるヒーローたちに向けて【- 未来 -】を放った。
それはまるで規模のデカい雨、もしくは小さな隕石ともいえよう。
その輝きはヒーローたちへ襲い掛かり、ヒーローたちは必死に回避していく。
「くっ!! なんて数だ!!!」
「ギアッ! 本当に当たったらまずいのかッ!?」
「当たったら……モロに当たったら"個性因子"に直接傷がつく! 最悪の場合、永遠に"無個性"にされてしまう!!」
「なんだと……!?」
避けながらギアがその効果を叫び伝えれば、それを知ったエンデヴァーやエッジショット、近くにいた他ヒーローたちの耳にも届き、全員が絶句していた。"個性"が病原菌で例えられるなら、今彼らが相手しているのはその特効薬。
それ程までに【"個性"殺し】はこの超常世界にて脅威すぎるのだ。
「おまけに…くっ! あの戦闘機の攻撃も!!」
だが攻撃しているのは美音だけではない。
『Sv-303』もまたその攻撃に合わせて同時攻撃を行っていたのだ。
「(くっ! どう突破すれば……!!!)」
避け続けるヒーローたちを見ている美音は、息を吸い始めると同時に、己の声質を変換した。
♪ 散々な思い出は悲しみを穿つほど ♫
♪ やるせない恨みはアイツのために ♫
♪ 置いてきたのさ ♫
変換された声質は『ウタ』となり、美音は【逆光】を歌い始める。
同時に『Sv-303』と小型ゴースト、『シェンショウジン』の円盤型のビットがその歌に合わせて飛び回り始め、崩れ荒れ果てた家やビルなどに座ったり持たれたりしている【Yami_Q_ray】もその歌のリズムに乗り、脚を揺らしたり指をトントンとしていた。
♪ あんたらわかっちゃないだろ ♫
♪ 本当に傷む孤独を ♫
かの世界、【大海賊時代】と呼ばれた世界にて【世界の歌姫】として名を広め、そして希望と絶望、2つが付けられる歌の力を持った歌姫。
堕天使である【Yami_Q_ray】すら可能にさせた今、その歌声だけを再現し歌うことなど、美音にとっては容易いことだった。
♪ 今だけ箍外してきて ♫
「ッ! ここだ!! 殺るぞ!!」
「「「おう!!」」」
公安直属ヒーローたちは一斉に攻撃を避けてながら距離を一瞬で詰める最短ルートを見つけて駆け出す。そしてそれぞれの"個性"にて殺そうと攻撃するも。美音は円盤型のビットから『シェンショウジン』の輝きを出し、攻撃ではなく防御としてのシールドを作り防いだ。
「何!?」
【逆光】とは言わば『ウタ』が箍が外れたことで、感情が爆発する瞬間とも言えるような暴走の歌とも言える曲。
「怒りよォ!! 今ァ!!!♪」
それと同じように、歌っているの美音の表情は怒りと殺意と言った感情が出ていた。
♪ 悪党ぶっ飛ばして ♫
♪ そりゃあ愛ある罰だ ♫
「マズい! ここだと回避が——」
防いだまま後方にて『
♪ もう眠くはないや ♫
♪ ないやないや ♫
♪ もう悲しくないさ ♫
♪ ないさ ♫
美音の怒り、殺意の対象は家族を殺し、自分さえも半殺しレベルまでさせた
別の"個性"を与えて、自分のものとして、
そして、あの日自分を救けてくれなかったどころか、今は殺そうとしてくるヒーローたち。
……否、人類…この理不尽な世界へ対しての計り知れない怒りだった。
♪ そう ♫
♪ 怒りよ今 ♫
♪ 悪党蹴り飛ばして ♫
♪ そりゃあ愛への罰だ ♫
『
そんな中、ギアとエンデヴァーは止めようと拳と炎を構えながら駆け出し距離を詰めていく。
♪ もう眠くはないな ♫
♪ ないなないな ♫
♪ もう寂しくないさ ♫
♪ ないさ ♫
そこに『Sv-303』のミサイルが一気に飛来し、爆発が起こる。
グラントリノやエッジショットと言ったヒーローたちは思わず足を止めるが、2人は構わず進み、美音の目の前まで一気に詰めた。
「ッ!」
だが2人は気づく。
美音の右腕の『シェム・ハ』の腕輪から
「逆光よォ!!!♪」
「くっ!!」
美音は右腕を、光束の刀剣を2人へ振るい斬りつけた。それによってギアとエンデヴァーは切断はされなくとも、深い斬り口がいくつもできてしまっていた。
「まだだッ!!」
「ッ!」
だが距離を離されたわけではない。
美音は急ぎ振り返り再び斬りかかろうとするが、実力と経験で言えばやはりプロが上。
よって元と現であるNo.2の2人は既に、血が出るほど握りしめた右拳を、燃え続ける烈火を纏う左拳を構えていた。
「やっちゃえ!」
「ごッ!?」
「がっ!?」
だがその拳が放たれる前に、ギアとエンデヴァーは背中から強い打撃と激痛がぶつけられる。
2人の後方には小型ゴーストが突進しており、そのまま2人を地面に叩きつけた。
美音はそのまま後方を見れば、
それを見た美音もまたニヤついた。
「一歩届かなかったわね。『わたし』にその攻撃をぶつけたければ……——
その言葉の意味を知る者はいない。
ただ1人を除いて……。
——◆——
同時刻。
美音の攻撃が届いていないが旧脳無格納庫に変わりない更地の場所。
そこにAFOとオールマイトはいた。
報道のヘリも美音のほうは難しいため、オールマイトのほうへカメラを向けていた。
「弔がせっせと崩してきたヒーローへの信頼……決定打を僕が、僕たちが打ってしまってよいものか…」
そんな中、AFOはオールマイトへ挑発を続けている。それは自身の回復のためか、オールマイトをさらに怒りに吞まれさせて冷静さを奪うためか、あるいはその両方かはわからない。
「でもねオールマイト。君が僕を憎むように……僕も君が憎いんだぜ?」
こちらも美音の攻撃程ではないが、規模の大きい戦闘跡がある。
それらの言葉は、復讐する場合であれば憎しみを込めて恨み言を言うはずだ。
だがAFOはその逆、普通ではない。
何故なら奴は嬉々として語っていたからだ。
「僕は君の師を殺したが、君も僕の築き上げてきたモノを、そして僕の
次の瞬間、突如AFOの左腕が膨張する。
いくつも合わせた"複数個性"によるものだろう。
膨張の具合がとても大きく、大規模で攻撃してくるとオールマイトは気付いた。
「(避けて反撃を…!!)」
「——避けて良いのか?」
「ッ!!?」
オールマイトはAFOの攻撃を避けるために動こうとするが、AFOの揶揄とも挑発とも取れる言葉に思わずチラッと自身の後方にある崩れたビル、その瓦礫の隙間に、瓦礫に挟まれて動けずにいる女性の姿があった。
「——君が守ってきたものを奪う!」
AFOは膨張した左腕をオールマイトに向ける。
次の瞬間、大規模の衝撃波が放たれてオールマイト、さらにはその奥にいるであろう市民へと向かっていく。オールマイトはそれを左腕を前に出して自ら肉壁になる形で防いだ。
だが規模の大きさとオールマイトの活動限界が重なり、その場で土煙が爆発のごとく立ち昇った。
その土煙によってオールマイトがどうなったのかわからない状態になる。
「まずは怪我を押して通し続けたその
土煙が晴れればそこには、完全なトゥルーフォームへと戻ってしまっているオールマイトが立っていた。
「頬はこけ、目は窪み、貧相なヒーローだ。恥じるなよ、それが
愉快そうに両手を広げながら挑発するAFO。
だがオールマイトはトゥルーフォームでありながら、その眼はしっかりとAFOを見ていた。
その眼をみたAFOは悟った。
身体がどれだけ限界を超えていても、まだ心は、心だけは折れていないのだと。
「身体が朽ち衰えようとも……その姿を晒されようとも……私の心依然平和の象徴!! 一欠片とて奪えるものじゃあない!!」
「…素晴らしい……参った、強情で聞かん坊な事を忘れてたよ」
マスクで口元が見えていないが、なぜかAFOのその口角は上に上がり、ニヤついていた。
「じゃあこれも君の心に支障ないかな…あのね……——」
「——『死柄木弔』は『志村菜奈』の孫だよ」
「…………——ッ!?」
突然の告白。
先代後継者にして己の師である存在。
そしてUSJ襲撃から今日にいたるまで犯罪を犯していた死柄木弔。
その2人は、血縁というとてつもない繋がりがあった。
「君が嫌がることをずぅ~っと考えてた。君と弔が会う機会を作った。君は弔を下したね。何も知らず勝ち誇った笑顔で」
「嘘を……」
「——事実さ。わかってるだろ? 僕のやりそうな事だ」
オールマイトへの最も最高で最悪なカード。
それを使用し、成功したことにAFOは嬉々として語る。オールマイトは笑顔が崩れ落ちるように消えていき、信じられないという表情だけが残っていた。
「あれ……おかしいなオールマイト。笑顔はどうした?」
笑顔のジェスチャーをしながら、AFOはさらにオールマイトを煽る。
そしてオールマイトの脳裏には、先代であり師である志村菜奈の姿が浮かび上がっていた。
『人を救けるって、つまりその人は恐い思いをしたってことだ。命だけじゃなく、心も助けてこそ真のヒーローだと私は思う。どんだけ怖くても「自分は大丈夫だ」っつって笑うんだ。世の中、笑ってる奴が一番強いからな』
「き…さ…ま…!」
師である人の孫が
「やはり……楽しいな! 一欠片でも奪えただろうか」
「(お師匠のご家族…彼が…私は……) 私はなんということを……——ァァアアアアアッ!!!!」
平和の象徴と言われたオールマイトも人間。
そうなるまではかけがえのない人たちに支えられ、ここまで上り詰めた。
だが、オールマイトも人である。故に、AFOの最悪なカードによって心は揺らいでしまい……今まさに折れかけていた。
「負け、ないで……オールマイト…お願い……救けて!」
後方の瓦礫の隙間に、挟まり動けずにいる女性が、涙ながらにオールマイトへ救いを求めた。
そんなオールマイトを見て、女性だけではない。
ここにはいない、そして聞こえないが、日本全体に今の状況は報道により知らされているため、人々はオールマイトへ声を上げている。
だが、その言葉はオールマイトとAFOに切り裂くように降り注いだ紫の輝きによって衝撃、爆発音とともにかき消された。
「ッ! ギア…!?」
オールマイトは驚愕しながら見れば、そこにはボロボロのギアがおり、その後にエンデヴァーやグラントリノ、公安直属ヒーローたちが叩きつけられた。
そして初手でAFOにやられた他ヒーローたちも吹き飛ばされたことで、AFOとオールマイトの方へ飛んできていた。
「ほぉ…素晴らしいな。
AFOは両手を広げながら喜びを露にし、ヒーローたちが飛んできたほうを見ている。
オールマイトもつられて見れば、『シェンショウジン・ファウストローブ』を纏い浮遊している美音と後方に同じく浮遊したり瓦礫などに寄りかかったりしている【Yami_Q_ray】。
そして歌姫たちを中心に球体状に旋回しながら、守るように飛んでいる『Sv-303』並びに小型ゴーストたちが飛んでいた。
「……」
そんな美音は、哀れみ、失望と言った目でオールマイトを見ていた。
「天堕、少女……」
「……結局平和の象徴もまた、偽りで平和を装っていた
「…ッ!」
偽り。その言葉通りともいえるだろう。
『人々を笑顔で救い出す【平和の象徴】。それは決して悪に屈してはならない』ということ。
オールマイトはトゥルーフォームの姿を世間には公表させないよう自ら頼んだものだ。
だが美音からすれば、表ではヒーローとしてだが、裏では金目当てであり自分勝手、そして平和のためなら偽りを作り、子供すらも殺めようとする公安も存在している。
結果として、美音から見たオールマイトの真実は、『結局公安と同じ』だと思わせてしまっていた。
「——その姿はなんだ…なんなんだオールマイトォ!!」
「ッ!?」
そんな時、グググと立ち上がったエンデヴァーが叫んだ。それはオールマイトの姿を見た結果だ。
そんなエンデヴァーを、美音とAFOは黙って見ていた。エンデヴァーがオールマイトに激しく怒声を浴びせていたからだ。
「
「エンデヴァー……」
エンデヴァーにとってオールマイトは、No.1を目指すにいたってその存在は目障りなものだった。
だがそれでも自身のオールマイトの間にある実力の差を自覚し、絶望していた。
そして同じくしてギアにも同じようなものを感じていた。だがギアは表舞台では引退したことになっているため、エンデヴァーの視界にギアはいてもそれはただの腐れ縁ともいえる存在であり、かつて存在した壁。
そしてギア自身からもオールマイトは越えられないと聞いていたことから、改めてNo.1になるために、超えようと強く思っていた。
だからこそ、エンデヴァーはオールマイトの、知らなかったとはいえ痩せ乾せたトゥルーフォームの姿に、満身創痍の姿に、激情と言えるほどの怒りを感じ、ボロボロになっているにもかかわらず叫ぶにはいられなかったのだ。
「どうやら、お互い決着がつきそうだね」
「そのようね」
「……ッ」
ヒーローたちは、平和の象徴は満身創痍。
それに対しAFOはマスクが破壊されてはいるがまだ動けており、美音も"個性"増幅装置によって、今この瞬間だけはAFOと同等の力を発揮した状態。
オールマイトの『OFA』の残り火は振り絞っても一発が限界だろう。
それでもとオールマイトは諦めずにいるが、美音は右腕をオールマイトへ伸ばし、掌を翳す。
すると『シェンショウジン』の輝きが粒、粉として周囲に現れると、掌の前に集まり出し、圧縮と同時に膨大に膨れ上がり始めた。
同時に美音の『黄金色』の瞳、"個性"増幅装置であるチョーカーの青き発光、そしてシェム・ハの腕輪が、強く輝き始めた。
「まずい…!」
「このままではオールマイトが!!」
「俊典!」
「ダメ…ダメ!! ゆぅちゃん! やめて! 美音ェ!!!」
ヒーローたちの叫びも虚しく、『シェンショウジン』の輝きは更に膨大に膨れ上がり、圧縮されては更に更にと繰り返していき、やがて正面からは美音は見えなくなっていた。
「さようなら…平和の象徴……」
そして『シェンショウジン』の輝きは、
「——ガッ!!?」
——ることなく、その場で大きく破裂と同時に美音は突然苦しみだした。
そんな美音に共鳴し、『Sv-303』と小型ゴーストはその飛行が大きく乱れ、【Yami_Q_ray】もその姿が乱れ、身体中にノイズが発生していた。
「美音くん…? (装置は問題はないはず、もしくは本人も予想外のデメリットを引き起こしてしまったのか?)」
AFOは美音の方に顔を向ける。
ヒーローたちもまた美音を見ており、報道ヘリに乗っているカメラマンのカメラも美音へとレンズを向けている中、美音は己自身の身体を抱きしめながら俯き、苦しんでいる。
「ぅ、ぁ…! ァっ…あぁッ!! (なに、これ…!? 身体の奥で…何かが、
美音は身体の奥底、胸の歌の乱れと共に何かが暴れ、出ようとしているような感覚が全体に広がっていく。それと同時に美音の意志を無視して——
——"
ちなみに私個人では実はまだ中間すら行っていない感覚です。ハーッ!なっっっっっがいッ!!!!
そして最後に起こった美音の苦痛。
前話の56話を見れば何となく察せれます。
さて…この戦いに奇跡の光は灯られるのだろうか。
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