この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します 作:伽華 竜魅
♪ 今、今、今、 誰かの声が聞こえる ♫
♪ 歌、歌、歌、
皆の想いの輝きを受け取り、一時的に『残り火』が再燃したことで全身マッスルフォームとなったオールマイトは、その身体に想いの輝きを纏いながらAFOへと駆け出していく。
「2人の、そして皆のこの想い、決して無駄にはしないッ!!」
そんなオールマイトを見た他のヒーローたちは、それぞれが顔を合わせて頷き、駆け出す。
「——全員、オールマイトに続けェッ!!!」
「「「おうッ!!!」」」
♪ 神秘の音色 はためかせ (FLY TO THE SKY) ♫
♪ 届けたい あの
♪ 恋焦がれた光に 寄り添う調べ Yeah Yeah Yeah ♫
脳無たちもまたヒーローたちを殺そうとするために一斉にかかり、乱闘がさらに激しく起こる。
そんな中、一部脳無がヒーローを無視して真っすぐ幻神の元へ向かっていった。
それに幻神は気付くが歌うことをやめずに身構える。
「歌を、止めるな~ッ!!」
そこにMt.レディが巨大化し、その巨大な腕を振り下ろし脳無を叩き潰す。
「いいぞレディ!!」
「どうも! 私もこの子の歌、体育祭で聴いてから結構気に入ってるんですよッ!!」
それに驚く幻神は思わず周りを見渡す。
そして気づいた。一部ヒーローたちが自分をまるで護衛するかのように立っているのを。
♪ 気高き者よ 産声あげろ ♫
♪ (hu-u-u- 目醒める ha-a-a-) ♫
♪ 巡りめぐる 時代の中 共に歌え (ha-ha-a-) ♫
♪ 覚悟の咆哮 まだ まだ まだ まだ ♫
「歌い続けろ天堕幻神!」
「俺たちが命を懸けて守るッ! だから思う存分に歌えッ!!」
公安直属のヒーローたちは自分と美音を殺そうとしていた。それは表舞台のヒーローたちの中にもいてもおかしくないと幻神は思っていた。
だが現実は、今起こっているのはその真逆で自分の歌を途切れさせないようヒーローたちが必死に戦い、守り、信じてくれている。
それを知った幻神は涙を漏らすが、すぐにふき取り「ハイッ!!」と大きく返事して返し、歌を続けた。
♪ “あきらめない” 何も譲らない ♫
♪ 満たされない 愛が泣いてる ♫
♪
「ぬぅ!! はぁっ!!」
存分に戦えるようになったオールマイトは他ヒーローたちを抜いて迫ってくる脳無を殴り、蹴り飛ばしながらAFOへと向かっていく。
「【ジェットバーン】!!」
「邪魔じゃァ!!」
エンデヴァーも、グラントリノも脳無を相手し倒していく。
♪ 呼び合う心 重ねあい 共鳴の歌 解き放て ♫
♪ 超時空の彼方で 深く 深く あなたを 感じさせて! ♫
「(状況が悪くなっているな……天堕幻神の歌を止めようにも『転送』はなぜか効かない。同時に脳無らは彼女を守るヒーローたちがいるせいで難しい状況……)」
AFOは左手で遠距離技を放とうとするも、同じく遠距離技を放つことのできるヒーローたちがそれを妨害した。
♪ あきらめない あきらめない あきらめない Ai Ai ♫
♪ もっとよくして ♫
♪ 響かせたい 響かせたい 響かせたい Ai Ai Ai A ♫
♪ どこまでも ♫
——◆——
激しい戦闘とその戦闘の中響き渡る歌の中、後方で治療を受けていた負傷者たちと救助活動に移っているヒーローと警察たち。
その負傷者の中には幻神の義母である翠…ギアもおり、彼女は応急処置された身体を動かしていた。
「動いちゃだめです! あなたも負傷者なんですよッ!?」
「関係ない…みんなが…戦友が、義娘が……必死に戦ってるのに、私だけ休むなんて嫌なの!! それに、一番辛いのは幻神なんだ……子供が泣いて、それでも立ち上がって前を向いているっていうのに……大人が、それも親が寝っ転がってるなんて…恐竜の時代から許されないって決まっているのよッ!!!」
母として、親として傍観者になるわけにはいかない。この手が、この脚が届くのなら法などすべてを投げ捨てて動かし向かう。
それほどの覚悟がギアにはあった。
「ですがあなたは"個性"を奪われてしまったことで、"無個性"にされてしまったんですよ!?」
ギアは幻神と美音の歌合戦の間にAFOに"個性"を奪われてしまい、今は完全に永遠な"無個性"となっている。超常世界にて"
それが当たり前であり常識の考え。
「——それが何だっていうの……」
だがギアは違う。
「何を言って——」
「私の"個性"は、放った攻撃を好きな数おまけで放てるだけの"個性"。弱ければその分弱い衝撃が、強ければ強い衝撃が放たれるだけの……"
ギアの"個性"『衝撃波』は、自身が放った打撃を、同じ火力で追加で衝撃として放つ"個性"。
軽いデコピンの威力なら、その威力が衝撃波で起こり、壁を壊すレベルなら、同じレベルが衝撃波で放たれる。"個性"以前に己の肉体、筋力、体力などが強くなければいけないもの。
つまり、"無個性"の状態でプロ並みの実力を得ないと"個性"も強くなれないのだ。
「私はそれまで、"個性"を使わない戦闘をしてきた……私にとって"個性"は単なるおまけみたいなものだったのよ……だから——」
♪ 壊して もっと もっと 僕を感じて ♫
♪ そこに そこに 君は 居ますか ♫
「——関係ない!!」
ギアは一気に戦場へと駆け出した。
——◆——
♪ 戦場に咲く 命よ 燃えろ 燃えろ ♫
♪ 殺して いっそ いっそ 朽ち果てるなら ♫
♪ たぎれ たぎれ 破滅の果てに ♫
ヒーローたちは戦うが、それでも圧される者もいる。それもそのはずだ。
大半が脳無に対しての戦闘は不明であり、そもそも複数持ちというもの自体が普通の
「クソッ!」
「まずいッ!」
その結果、一部のプロは逆に苦戦してしまい、追い詰められている。
そして脳無はヒーローを殺そうと奇声を上げながら攻撃する——
「【
——がその攻撃よりも早く、俊敏な速度と言えるレベルで脳無が吹き飛ばされた。
「えっ!?」
「ギ、ギアさん…!? なんで…貴女は重傷で、確か"個性"を奪われたとか……」
前戦に復帰したギアが、"無個性"でありながら奪われる前と何ら変わりない火力で脳無を吹き飛ばしたのだ。
♪ 奇跡を呼び覚ませ 閉ざされた空へ ♫
「"個性"なんて関係なく人は強くなれる。日々の過酷な鍛錬とそれらに関する知識でね!」
プロが驚く中、ギアは"無個性"でありながら、己の鍛え上げた戦闘能力と身に纏う
♪ ギリギリ愛 あぶないボーダーレス 非常識だね ♫
♪ まだ加速しているよ ♫
「ッ!」
そこに炎が乱入し、脳無に燃え移る。
「全く貴様は…! なぜそこまで動けるッ!? もう"個性"もないのだぞ貴様は!!」
その正体はエンデヴァーであり、彼はギアの前で別の脳無の頭部を掴み、炎で炭にするごとく燃やし尽くす。
♪ キリキリ舞い 限界点なら 塗り替えていい ♫
♪ 破壊と再生から私が出来る ♫
「そんなの家族を思う【愛】で乗り切るわッ!!」
「なぜそこで愛だッ!? ふざけてるのか!?」
「うっさいっ! 私がふざけてると思う!?」
2人は軽い口論をしている中、脳無らは一斉に2人に襲い掛かる。
それに気づいた2人はアイコンタクトなしで一瞬のうちに互いの背中を合わせる。
♪ ギリギリ愛 いけないボーダーライン 難易度Gでも ♫
♪ すべて壊してみせる ♫
そしてプロたちも絶句するほどの完璧なコンビネーションを発揮し、一瞬のうちになん十体もの脳無を倒していった。
♪ キリキリ舞い さらなるGへと 意識が溶ける ♫
♪ 体は制御不能 いっちゃうかもね ♫
「すげぇ…あれが元と現のNo.2で、タッグでならNo.1とも言える2人…!!」
「私たちも怯まず進むぞッ!!!」
それを見て、他のヒーローたちも再び脳無へ駆け出し攻撃を再開した。
——◆——
♪ 届け! 愛で (リード) 踊って (自由よ!) ♫
♪ 幻想アークリウム ♫
「【ウルシ鎖牢】!!」
「【忍法・千枚通し】!」
シンリンカムイが脳無らを捕縛し、そこにエッジショットが腹部を貫き内部からの攻撃で活動を止める。
♪ イケるわ ♫
♪ 目覚めたら傍に居る 二度と 離さない ♫
♪ 誓った (瞳) 眩んで (squall) ♫
「このまま押し切れッ! 子供が辛い思いを乗り越えて今歌ってるんだッ! 大人である我々が怯んでどうする!」
「なるべく多く脳無を抑えてッ! オールマイトが主犯である奴のところまで行ける道を作るんだッ!!!」
♪ 本能RUSHファンタムONレガシー ♫
♪ 静寂 永遠の隙間 ♫
♪ 真空バイブrayション ♫
「(美音くんの力でヒーローたちの信頼は失ったはず……なのに今、なぜ奴らは彼女の歌を止めず、むしろ信じているんだ…?)」
AFOは困惑し、このままではオールマイトが本当に来ると悟り推進力を加えるためにも宙に浮遊しだした。同時にAFOは気づく。
「(…どうやら、彼女も時間が残されていないようだね)」
幻神の首から微量ながらに稲妻が走っていることを。
♪ God Bless You ♫
♪ こんなにも誰かを愛せるなんて ♫
♪ 知らなかった この想い 戻れるはずなんてないから ♫
幻神は歌い、歌い続けるも、身体に力が入らなくなっていくのに気づいていた。
同時に、"個性"増幅装置に稲妻が走り、ピシッと亀裂が入る音が鳴り始める。
美音の時から今に至るまで、装置は休むことなくずっと起動し続けて、『
♪ God Bless You ♫
♪ こんな世界で たったひとつの幸せ ♫
♪ 分かち合う 喜びも 溢れそうな涙の訳も ♫
だがその装置も限界が来ていた。
それにより『体力、生命力をエネルギーに変換する』という能力の軽減がなくなり始めていたのだ。
「(意識が…お願い……もう少しだけ、もう少しだけ保って…! まだ、まだみんなに歌を届けたいんだッ!)」
幻神は必死に歌い、意識を保とうとする。
だがその意志とは真逆に脚に力が入らなくなり、倒れ——
『——まだ終わってないよ、
「……ッ!?」
——る瞬間、幻神の身体は誰かによって支えられ、前世で歌としても聴きなれた声が耳に入った。
そして右手は繋ぎ合うために握られた幻神は驚き、思わず顔を上げる。
「——……ぇ」
幻神は困惑と驚愕に染まる。
なぜならそこには、『闇フレイア』がいたからだ。
♪ まだ まだ まだ まだ ♫
♪ “あきらめない” 何も渡さない ♫
♪ 希望の鐘を 打ち鳴らせ ♫
だが幻神は【Yami_Q_ray】の具現化を行っていない。ではなぜ?己の意思と真逆に出てきているのか、幻神は頭を必死に動かし答えを導きだそうとしている。すると左手も握られ、反射的に振り向けばそこには『闇雲』と『闇カナメ』が微笑みながら隣に立っており、手を繋ぎ合っている。
幻神は再度『闇フレイア』を見れば、『闇フレイア』の隣に『闇レイナ』と『闇マキナ』もおり、彼女たちは堕天使でありながら天使の、女神の歌を歌っている。
♪ 誰が欠けても不完全? そんなの必然! ♫
「ッ! ぁ、ぁああ……ッ!!!」
そして幻神は『闇フレイア』の顔を、否、その左目を見て気づき、涙を漏れ出す。
何故なら『闇フレイア』の左目のピンクは、
「——
その正体は幻神にすべてを託したはずの『黒換美音』だった。
彼女は、全てを幻神に託した。
だが今、この瞬間の奇跡が、歌が、想いが、一時的に美音を呼び戻した。
——『
『『
「~ッ! ゔんッ…歌おう…! 美音ッ!!!」
声は『闇フレイア』でもその言葉は美音の心からの叫びだと幻神は理解できている。
嬉しさの涙を流しなら幻神は前を向き、2人は……6人は互いに繋ぎ合い、太陽に、月に、星々に、銀河の輝きに勝るほどに輝きながら最後の最後まで最高のliveを続ける。
♪ 五つの道が
♪ 語り継がれる 物語 ♫
♪ 超高速の速さで 熱く 熱く わたしを 刻みつけて! ♫
「『空気を押し出す』+『筋骨発条化』+『瞬発力×6』+『膂力増強×5』+『衝撃波』ッ!!!!」
AFOは"複数個性"を合わせた衝撃波を地面に打ち込み、その衝撃を全体へ広げていく。
それは後方にいる護衛するヒーローらと幻神たちの元まで伝播し、幻神たちはそれによって足場を崩され土煙に飲み込まれてしまう。
「しまったッ!!」
「オールマイト! 前から来てるぞッ!!」
「ッ!!」
オールマイトは思わず振り返るが、グラントリノが叫び、それに気づいてすぐに前方を見れば大量の飛行脳無が接近しており、中には遠距離"個性"を持つタイプが一斉に攻撃してきた。
♪ (ha-ha-ha-ha-ha-ha-ha-ha-) ♫
♪ (ha-ha-ha-ha-ha-ha-ha-ha-) ♫
オールマイトはそれらを避けていき、時には腕を振るってそれらの軌道をそらしていく。
だがそれでも迫っていき、オールマイトは防御しようとする。
「ッ! こ、これは…!?」
だがそれらを
「オ、オールマイトが飛んでるッ!?」
「こ、これは一体…!?」
「どういうことだ…?」
全員が困惑している中、青と白の輝きが強くなり、それぞれが刀と短剣を具現化し、脳無へと向かって断ち切っていく。
「ッ! まさか…!?」
オールマイトはこれらの正体に気づき振り返る。
♪ あきらめない あきらめない あきらめない あきらめない ♫
♪ あきらめない あきらめない あきらめない あきらめない ♫
土煙が晴れれば、幻神たちが止めることなく歌い続けている。
そして全員が七色の輝きを纏っていた。
同時に次にはピンクと緑の輝きが強くなり、大鎌と巨大なヨーヨーが具現化され、その刃で脳無を切り刻んでいく。
それを見たオールマイトは笑い、『
♪ 歌は幻なんかじゃない ♫
♪ 繋がりあう音楽は 幻想なんかじゃない ♫
♪ 聞こえていますか? この声が ♫
『闇カナメ』『闇雲』『闇レイナ』『闇マキナ』、そして『
♪ 泣いていますか? 笑ってますか? ♫
♪ いつだって (そばで) 問いかけ続けているから ♫
『イチイバル』のクロスボウと『
『
そして『シュルシャガナ』と『イガリマ』の『ザババ』の刃がその両方を切り刻んでいった。
「彼女は僕の歌姫だ。お前たちのじゃないッ!!」
「それを決めるのは貴様じゃないッ!! これまでも、これからも! その運命を決めるのは天堕少女と黒換少女たち自身だッ!!!」
♪ 瞳を閉じて 耳すまして
♪ いつでも感じて欲しい 離さないで! ♫
AFOの左右から泥ワープが現れ、そこから黒い脳無をが計2体現れる。
それを見てオールマイトは身構えるが、同じようにオールマイトの左右から2人の影が飛び出た。
「行くよエンデヴァー!!」
「言われるまでもないッ!!」
その正体はギアとエンデヴァーであり、それぞれが構えていた。
「【赫灼熱拳・プロミネンスバーン】ッ!!!」
「【ラグナロク・ファウスト】ッ!!!」
そして2人は最大の技をそれぞれ黒い脳無へと放ち、道を切り開いた。
♪ 両手伸ばして 触れていて ほらすごく温かいわ ♫
♪ 折り重なる言の葉で (あなたの全て) 抱いてる ♫
♪ まだ まだ まだ まだ まだ まだ ♫
「さっさと行けッ!」
「行ってッ! オールマイトッ!!!」
「あぁッ!!!!」
2人のNo.2に押され、オールマイトは輝きを放ちながら、他6つのアームドギアと共にまるで流れ星のごとくAFOへと飛んで行く。
それをAFOは右腕にさらに"複数個性"を合わせて迎え撃とうとしている。
♪ “あきらめない” 何も譲らない ♫
♪ 満たされない 愛が泣いてる ♫
♪
オールマイトは右腕を構える。
すると輝きが全て右腕に集まっていき、6つのアームドギアも全てがその右腕へと輝きとなり1つになる。そして形が作られ、その右腕には『ガングニール』のガントレットが武装され、ブースターへ変形し輝きをエネルギーとして噴射し、オールマイトは残る『残り火』すべてを込める。
♪ 呼び合う心 重ねあい ♫
♪ 共鳴の歌 解き放て ♫
♪ 超時空の彼方で 深く 深く あなたを 感じさせて! ♫
AFOが先に右腕をオールマイトへ突き出す。
「なにッ!?」
オールマイトはその右腕を避け、空中でありながらも腰を入れ、力強く握り、ブースターともにそのすべてをAFOへぶつけた。
♪ あきらめない あきらめない あきらめないAi Ai ♫
♪ いっそこのまま ♫
♪ やりきりたい やりきりたい やりきりたいAi Ai Ai A ♫
オールマイトはAFOの顔を殴ったまま、一気にひび割れていくブースターの輝きの噴射による勢いで一緒に地上へと落下していく。
そして地上へ殴り潰す勢いで激突。
次の瞬間、ガントレットが完全に崩壊し、1つになった膨大な輝きが渦巻きのように夜空へ、周辺の瓦礫なども巻き込んでいく勢いで立ち昇っていく。
その衝撃波は凄まじく、周辺のヒーローたちは必死に耐え、幻神たちもまた、ヒーローたちが自ら盾として守り、守ってもらいながら同じように耐えていった。
やがて渦巻は消えていき、衝撃も全てが収まる。
全員がオールマイトたちを見れば、そこには大きなクレーターができており、その中の中央に2人の影が思わず、全員が息を呑んでしまう。
そして土煙が晴れるとそこには動く気配のないオールマイトとAFOの姿があった。
その姿を人々は見守るしかない。
だが次の瞬間、静止したまま動かなかったオールマイトが、左腕をゆっくりと持ち上げていき、拳を握りながら——
——天へと掲げた。
その姿を見た瞬間。
『『『オールマイトォォオオッ!!!!』』』
街中のモニターやテレビの前では割れんばかりの歓声を上げ、中には号泣してる者も多くいた。
『
——◆——
歓声という名のメロディを人々は世界中で響き渡らせている中、元のウェディングドレス姿に戻った幻神は光輝く夜空を見上げていた。
何故なら、彼女の両手には繋ぎ合った堕天使たちが、そして美音がもういなくなっているからだ。
「……ッ」
でも幻神は悲しい表情をしていない。
むしろ微笑んでいた。
「お別れは笑顔で…だよね?」
声は震えている。
それでも心配かけないために、美音が安心して両親のもとに行けるために、幻神は涙を流しながらも微笑む。
「——……ありがとう」
振り絞って、天へ向かって誰にも聞こえない声量でお礼を言った。
そして朝日が昇り始めた。
——◆——
辺りが薄っすらと明るくなってきた頃、負傷の少ない及び後方で救助活動をメインに動いていたヒーローたちは今も救助活動を行っている。
同時に警察や医療班、さらにマスコミなども集まっていた。
「オールマイトたちの交戦中も、ヒーローによる救助活動が続けられておりましたが、死傷者はかなりの数になると予想されております」
その中には気絶から目を覚ました公安直属ヒーローらもいるが、彼らは上からの指示で幻神を連れずに撤退。
幻神は警察らと一緒におり、塚内が謝罪しながら今だけ幻神の手に分厚い専用の手錠をかけていた。
だが塚内は保護者であるギアの同行も求め、ギアはしぶしぶ了承し、マスコミが来ないようにしていた。
「元凶となった
マスコミは、拘束されたAFOを
それに気づいた周りの一部、そして幻神も気になり反射的に振り向く。
そこには無言のまま、左手でカメラを指差しをしている、トゥルーフォームへと戻っていたオールマイトがいた。
短く発信されたメッセージ。
それを聞いた人々は、まだ見ぬ犯罪者や敵への警鐘、平和の象徴の折れない姿と思い、感涙や更に歓声を上げ、後に神野の悪夢と呼ばれるようになる事件の長い長い一夜の戦いは……ヒーローたちの勝利となり——