この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します   作:伽華 竜魅

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ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます!

操作ミスにより書いていた内容が消滅。
結果モチベーションが下がりに下がってしまい更新が遅れました。
大変申し訳ございません。

あと後書きにて当作品とは違いますが、あることを書いておりますので、確認していただけると幸いです。よろしくお願いします。




仮免へ向けての圧縮訓練開始!

 

 

 

 

ヒーロー公安委員会。

 

「いや~すいません、忙しいのに来てもらって」

 

「別にあなたのせいじゃないんだから、それに、あなたはあんな奴らと違って()()()()ってのも分かりきってるし」

 

「ハハハッ、相変わらずの限度が過ぎるほどのお人好しなようで」

 

その廊下に2人のヒーロー……否、1人のプロヒーローと()()()()()()()()が歩いていた。

 

「あの事件での公安のやり方は、流石の俺も納得できてないんです」

 

「でしょうね。私も私で頑張って、謹慎まで持ち込んだのにその条件としてヒーロー免許剥奪だもの」

 

1人は背中に羽根を生やし、No.3という看板を背負っている速すぎる男、ホークス。

もう1人はAFOに"個性"を奪われ、公安にはヒーロー免許を剥奪され、もはや彼女の実力を知らない者から見ればただの一般人女性でしかないギア。

ホークスは戦闘服(コスチューム)、ギアはスーツを着て歩いて話をしていた。

 

「今回俺経由で呼び出しを受けたはずですけど、これから話すことはお察しの通りです」

 

「……()()()()()()か…あのクズ共め」

 

「まぁ、今回ばかりは俺もそう思ってしまいますよ。俺なりに説得はしますが、期待しないでくださいね」

 

「大丈夫よ。義娘の為なら例え火の中水の中よ!」

 

そんな会話をしている2人は、1つの扉の前に止まり、その扉を開いて中に入る。

その部屋には数人のスーツを着た50~60代あたりの老人たちが座って待っていた。

 

「随分とまぁ最悪なお招きね」

 

ギアは低いトーンでそう言い放つ。

その理由は、公安である彼らがギアに怒りなどの感情を少しばかり漏らして向けていたからだ。

 

「今回呼び出したのはわかるわね?」

 

その中の1人の女性がギアに話しかける。

それを聞いたギアはため息をしながら、殺意を意図的に少し漏らして言い返した。

 

「悪いけど、あの子の処罰を謹慎からちゃんとしたのに変えて、今度こそ与えるなんてことはさせないわよ?」

 

「ですが彼女が(ヴィラン)であるのに変わりありません。()()()()()()()()()()()。もっと事細かに尋問もするべきよ」

 

「それをはいそうですかどうぞどうぞってなるか」

 

容赦譲らないとばかりに言葉を強める。

既に"個性"も免許もないギアだが、それでも超越者としての実力は残っており、今も暇な時間があれば衰えないよう鍛錬もしている。

対して公安は命令するだけで基本高みの見物と言えるような立場ともとらえることができる。よってここで交戦しても結果は目に見えていた。

 

「免許もない今、ただの一般人である貴様に拒否権はないとなぜわからない。黙って従えば——」

 

「あ”?」

 

——瞬間、ギアは凄まじい殺気を漏らし、軽く腕を振るった。

それによって先ほどまで喋っていた男性に風圧が起こり、男性の後方にある壁は一部が砕かれた。

 

「……ッ!」

 

「言っとくけど、私の"個性"は使用者自体が強くなきゃ成り立たない沼。言い換えれば"無個性"と同種と言えるわ。奪われたところで、私に取っちゃあれはおまけみたいなものだったの」

 

「……ここで問題を起こしたら、どうなるかわかっているの貴女は」

 

「『レディ・ナガン』のようにタルタロスにでも幽閉する? そして世間には問題を起こさないように偽りでやり過ごす? ハッ、まさにあんたたちはオール・フォー・ワン擬きね」

 

「なんだと貴様…!」

 

空気がどんどん重くなっていく中、「まぁまぁ」とホークスが間に入ってなだめた。

 

「あなた方の言いたいことも、ギアさんの言いたいこともわかります」

 

「ホークス……」

 

「ですが確かに彼女が危険なのもわかる。なんせこの超人社会であのオール・フォー・ワンをも上回るほどの脅威を彼女は兼ね備えている」

 

そしてまるであらかじめ用意してあったかのように部屋が暗くなり、壁にスクリーンが映し出される。

そのスクリーンには幻神と美音の纏ってきた『シンフォギア』と『ファウストローブ』の姿が映し出されていた。

 

「あなた方が危険視しているのは、『神獣鏡(シェンショウジン)』と呼ばれる姿。ギアさんの情報と彼女本人からの話では、【"個性"殺し】と呼ばれており、『神獣鏡(シェンショウジン)』が放つ輝きを浴びたものは誰であろうと、その身に宿す"個性因子"に直接ダメージが入り、最後には消滅……"無個性"になってしまう。これは雄英生徒1年たちの林間合宿の際に襲撃してきた(ヴィラン)の1人、ムーンフィッシュが食らったことで本当に"無個性"になったことは決定づけられています」

 

「この超人社会、オール・フォー・ワンのように奪うなどではなく、この世から完全に消滅させることのできる力……こんなものを野放しにしておくわけにはいかないだろう。それに貴様らも見ただろう。軍すら知らない未知の戦闘機、プロと同等の実力、ある意味ではオール・フォー・ワンの上位互換とも言えるのだぞ」

 

「それはあくまで"個性"増幅装置による大幅な強化によるものです。それに我々と対峙したのは黒換美音でもあります。天堕幻神がどうやって1つの身体で2つの魂である状況から、現実で同一人物とも言える依り代を生み出したのかは不明ですが、そこからの彼女の行動からも、天堕幻神は入学時から変わらずヒーローを目指す卵の1つだと断定できます」

 

「だが手を下し、犯罪に手を染めたのも事実だ。それに、あの小娘のせいで被害は予想以上に大きく、被害者や犠牲者も多くいた。これだけのことをしておいて謹慎で済ませることはできない。だからこそこうやって改めて処罰を決めようと話し合っているのであろうが」

 

「そうですね。ですがこれを見てください」

 

ホークスは端末を操作すると、スクリーンに映る映像が変わる。

『ガングニール』を纏い、白色マフラーの裾が【BURNING・EX-DRIVE】のように七色の音色、輝きで燃え上がらせている姿。

そして【Yami_Q_ray】と共に歌っている姿が映し出された。

 

「彼女がもたらした力は、その場にいるヒーローたちの糧となり、勝利を見出したのも真実です。現に、あの現場にいたヒーローたちは揃ってこう言います。「歌が導いてくれた」と」

 

「ですがその歌によって多くの人々が被害にあった。「歌が導いた」と言いますが、私たちからすれば「歌が破滅を齎した」ともとらえられます」

 

そこでずっと聞いていたギアが我慢の限界に来たのか、1人の女性の前まで来て、机の上に両手をバンッ!とついた。

 

「貴女たちは心というものがないわけ!? 本当だったら精神的にも壊れて、自殺行為までしてもおかしくない経験を美音は味わった!! そしてそんな美音を救おうとして、逆に救われて……それでも前を向いて夢に向かって歩き続ける幻神の気持ちがわからないの!? 本当だったら泣いて、閉じ籠ってもおかしくないのに、あの子はそれでも心配かけまいと必死に笑って、「へいきへっちゃら」って言ってるのよ!! それを見て私は心を強く痛めた!! 私だって本当は美音も救いたかった……あの戦いで一番辛い思いをしたのはオールマイトでも、巻き込まれた人たちでもない…あの子だっていうのに……!! 社会維持の為、平和を保つ為って…そんなの自分たちの都合じゃない!!! そのためだったら子供であろうと切り捨てるなんて、そんなの(ヴィラン)よりタチが悪いわよッ!!!!」

 

ギアは息を荒げながら溜め込んだ本音を、感情論とも言える言葉をさらけ出した。

あの戦いで一番辛い思いをしたのは幻神であるはずが、本人は平然と笑っている。

だが血は繋がらなくとも家族として過ごして来たギアには、幻神が無理をしているのはお見通しだったのだ。

 

「100人の人々を助けるために1人を切り捨てるなら、私たちはそうする。それが私たちのやり方、全ては社会の平和維持のため。平和の象徴(オールマイト)を失った今、それはより重要になるのよ。あなたも元は公安直属に近い立場でもあったのだからわかるはずよ」

 

「……大人ってのは、未来ある子供たちを支える立場でもあるのよ……! あんたたちのそれは!! 自分たちのことしか考えてない!!」

 

「いいえ、この社会を生きる人々の為よ」

 

「~ッ!!」

 

表情を一切変えない女性の態度に、ギアはこめかみに血管を浮き出させるほどの怒りを露にしてしまう。同時に「もういっそのこと、ヴィジランテとしてこいつらぶっ飛ばすか」という考えがギアの脳裏によぎるが、それでは余計に義娘の今後にも影響を与えてしまう。

だからこそギアはグッと抑え込んだ。

 

「それに海外でも【"個性"殺し】の存在は広まりつつあるわ。どっちにしても彼女への対処はとても重くなる。結果は変わらない」

 

「なっ…!?」

 

「まだ活発的な行動はしていないとはいえ、【思想団体『ヒューマライズ』】……その日本区域を拠点とする者たちが最近動き出しているのも確認している。きっと、彼女の【"個性"殺し】を目に付けたのでしょう」

 

「それは本当ですか?」

 

「えぇ」

 

【思想団体『ヒューマライズ』】

【個性終末論】の下、『"無個性"こそが真の人間であり、"個性"所持者は撲滅すべき』という過激な思想を掲げるカルト教団。

これと言った大きな事件、犯罪を犯していないが、公安…それ以上に国連によって特定(ヴィラン)組織の指定を受け、マークされている。

そんな教団らは、全世界に展開している各支部らがある中、日本の団員たちだけが少しばかり動きを活発化しつつあるのだ。

 

「"個性"所持者を撲滅し、"無個性"だけの世界を望む彼らにとって、"個性"を殺す"個性"は喉から手が出るほどに欲する力。ヒューマライズも目を背けるわけにはいかないけど、これらも踏まえてやはり彼女は我々で直接保護したほうがいいのよ」

 

「……上手いように言ってるようだけど、私からすると、あんたの言う保護は頭文字に隔離って言葉が浮かんでいるわよ」

 

「……」

 

「免許を剥奪されようと、私は止まらないわよ。子を持たない奴らはどうであれ、家族を、子を持つ人たちは少しでもわからないわけ? この状況が、自分の子供であると考えて見なさいよ?」

 

周りの他公安委員の者たちにそう言い切るギア。その通りであり、公安の中には、薬指に指輪をしている者たちもいるのだ。

 

「近内に行われるヒーロー仮免許取得試験。そこに彼女も来るのでしょう?」

 

「ん、そこらは学校の方で決めるから私は知らない。それが何?」

 

「ならば我々も…その審査にて彼女の今後を判断します」

 

「……」

 

「神野で予想以上の被害の中、資格未取得者が"個性"を使用し行動したこと自体がそもそも法律で禁じられている。そして過去は変わりません。彼女が(ヴィラン)として動き、最後にはヒーロー側として動いたことも。だからこそ見極めます。彼女が真にヒーローたり得るのか。彼女の行動は、真にヒーロー精神であるのかを」

 

女性公安の宣言に、他の委員会は多少なりと驚いている。ホークスはチラッとギアの様子を伺い、どう返答するかを待っていた。

 

「……わかったわ。それで手を打ってあげる。ただし! 幻神が仮免許を取得した際には、処罰は本当に取り消し! 今後も彼女に対しての疑いの眼差しを向けるのもやめなさい!」

 

「では未取得だった場合は特別講習の受講による個別テストもなし。今度こそ正式に(ヴィラン)と認定します。そして彼女に加担したあなたにもそれ相応の処罰を下します」

 

「ッ……勝手にしなさいッ!!」

 

ギアは捨て台詞のように言えば、その場を後にした。それに続くようにホークスも去って行った。

彼らがいなくなった途端、彼らはため息をついたりしていた。

 

「あそこまで肩を持つとはな……」

 

「【"個性"殺し】……未だに信じられんな。"個性"を持って"個性"をこの世から消す……()()()()()()()()()()()

 

「おまけに他情報だと、『ガングニール』と呼ばれる肉弾戦を得意とするあの姿……あれの元となったのはゲルマン民族の神話の主神『オーディン』が使用していた【神殺しの槍】じゃないか。もしそれが本当なら報告も嘘ではなくなるな」

 

「全くね……」

 

公安は近付きつつある仮免試験に向けて、動き始める。

 

 

——◆——

 

 

雄英高校。

寮生活も始まり、翌日は徒歩5分弱で着くようになった雄英高校。私たち1年A組は自分たちの教室に集まり各自席に着いていた。

 

「昨日話した通り、ヒーロー科1年A組は仮免取得を当面の目標にし動く」

 

「「「はい!!」」」

 

「ヒーロー免許ってのは人命に直接係わる責任重大な資格だ。当然、取得の為の試験はとても厳しい。仮免といえどその合格率は例年5割を切る」

 

「仮免でそんなキツいのかよ…」

 

峰田君の呟きが聞こえる。

実際どれ程のものなのかはわからないけど、相澤先生がそう言うってことはそれほどのものなのだろう。

 

「そこで今日から君らには1人最低でも2つ……——【必殺技】を作ってもらう!!

 

それを合図にしていたのか、めっちゃタイミングよく教室の扉が開き、エクトプラズム、ミッドナイト、セメントスが入ってきた。

 

「「「学校っぽくてそれでいて、ヒーローっぽいのキタァア!!!」」」

 

マジか、必殺技ですか。

 

「必殺、此レ即チ必勝ノ型、技ノ事ナリ!」

 

「その身に染みつかせた技、型は他の追随を許さない。戦闘とは、如何に自分の得意を押し付けるか!」

 

「技は己を象徴する。今日日、必殺技を持たないヒーローなど絶滅危惧種よ!」

 

「詳しい話は実演を交え合理的に行いたい。戦闘服(コスチューム)に着替え、体育館γ(ガンマ)へ集合だ」

 

早速実戦で作ろうって話ですか。

さすが合理的に動く人だ。

 

 

——◆——

 

 

久々の戦闘服(コスチューム)に着替えた私たちは、指定された体育館γ(ガンマ)へ来た。

 

「トレーニングの台所ランド……略して『TDL』」

 

「「えっ?」」

 

「「(TDLはさすがにマズそうだ…!!)」」

 

雄英のネーミングセンスはなんでこう……際どいラインを狙ってるかのような感じなんだろう。

それでいて絶対先生方はわかっていて言ってるよね?これで「あ、被ってるのこれ?」ってなったらさすがにおかしいよ本当に。

 

「ここは俺考案の施設。生徒1人1人に合わせた地形や物を用意できる、台所ってのはそういう意味だよ」

 

「な~る~」

 

「質問をお許しください! なぜ仮免許の取得に必殺技が必要なのか! 意図をお聞かせ願います!」

 

本当にロボットのように一回一回に質問を挟んでくる飯田くん。けど正直言うとこういう人がいると自分たちはしなくていいからちょっとありがたみあるよね。遠慮せず質問してねって言われても恥ずかしさとか遠慮さが出てきて結局できなかったりするし。

 

「順を追って話すから落ち着け。ヒーローとは『事件』『事故』『天災』『人災』……あらゆるトラブルから人々を救い出すのが仕事だ。取得試験では当然その適正が見られることになる。『情報力』『判断力』『機動力』『戦闘力』……他にも『コミュニケーション能力』『魅力』『統率力』など多くの適性を毎年違う試験内容で試される」

 

雄英入試試験は仮想(ヴィラン)を倒してのポイントと、知らされてないとはいえ救助活動(レスキュー)ポイントが意図的にあり、その2つの合計で合格不合格を決めていたけど、仮免はその更に高難易度って感じか。

 

「その中でも戦闘力はこれからのヒーローにとって極めて重視される項目となります。備えあれば憂いなし! 技の有無は合否に大きく影響する」

 

「状況に左右されることなく安定行動を取れればそれは高い戦闘力を有している事になるんだよ」

 

「技ハ必ズシモ攻撃デアル必要ハ無イ。例エバ、飯田君ノ【レシプロバースト】。一時的ナ超速移動、ソレ自体ガ脅威デアル為、必殺技ト呼ブニ値スル」

 

それを聞いた飯田くんは「あれ必殺技で良いのか……!!」って嬉しそうに上を見上げて震えていた。

 

「なる程……自分の中で『これさえやれば有利、勝てる』って型をつくろうって話か」

 

「その通り! 先日大活躍したシンリンカムイの【ウルシ鎖牢】なんか、模範的な必殺技よ。相手が何かする間に縛っちゃう」

 

セメントスが徐々に何もない体育館に大きく凸凹したセメントを作り上げ、その1つ1つにエクトプラズムの分身が移動した。

 

「中断されてしまった合宿での"個性"伸ばしはこの必殺技を作り上げる為のプロセスだった。つまり……これから後期始業まで、残り10日余りの夏休みは"個性"を伸ばしつつ必殺技を編み出す、『圧縮訓練』となる! 尚、"個性"の伸びや技の性質に合わせて戦闘服(コスチューム)の改良も並行して考えていくように……Plus Ultraの精神で乗り越えろ、準備はいいか?」

 

「「「はい!!!」」」

 

「ワクワクしてきたァ!!」

 

 

——◆——

 

 

みんなそれぞれが"個性"伸ばしや必殺技作りを始めてる中、私は自分の手を握ったり放したりして、身体を確認していた。

 

「確認シテオクガ、身体ニ問題ハナイノダナ?」

 

「あの日以降、"個性"を一切使っていなかったので問題どうこうとかはまだ分かりませんが……とりあえずやってみます」

 

息を整えて、『天堕幻神』としてのガングニールの『聖詠』を歌った。

 

 

——Balwisyall nescell gungnir tron(あなたと繋がりたいから、その手を掴む)——

 

 

ドクンッ!!と心臓が高鳴り、私は黄金の輝きに包み込まれた。

 

肌にピッタリと張り付く黄色を基調とするバトルスーツを身に纏い、両腕両脚には白色と黄色の機械装甲であるガントレットとグリーブが装着。

 

SG-r03´Gungnir

 

頭部には白色と黄色のヘッドセットとブレードアンテナを装着。

 

SYSTEM ALL GREEN

NORMAL OPERATION

 

胸もとの『ギアペンダント』の左右だけがそれぞれ2本ずつ黄金へと変化。

最後に首元には足先まで伸びている白色のマフラー1本で巻かれていった。

 

 

ガングニール・Ver.XV

 

 

「……できた」

 

【戦姫絶唱シンフォギアXV】でのガングニール装甲(ギア)……記憶の世界から神野での戦いで纏っていた『シンフォギア』……今では当たり前のように纏える。

 

「何カ身体ニ異常ハアルカ?」

 

「えっと……」

 

あれ、消耗が……——

 

「——()()()()()()()()()()()()……?」

 

何時もなら纏ったときに体力を結構持ってかれて、その後も消耗し続けるから歌って軽減させたりしていたはずなんだけど……今は歌わずとも全然減ってない……ゲームで例えるなら、今までは体力バーの緑のゲージが必ず削られてたのに、今では纏ったのにも関わらず遠くから見たら変わってないように見えるような…そんな感じだ。

 

「異常どころか……なんか、"個性"による消耗が今まで以上に軽減されてて、消耗しているように感じません」

 

「フム……アノ晩ダケトハイエ、君ハ"個性"増幅装置ニヨッテ"個性"ガ活性化ト増幅ヲシ続ケテイタカラナ……君自身ガ問題ハナイト思ッテモ、実際ハ何カシラ後遺症ナドガ残ッテイテモオカシクナイ」

 

確かに、あの戦いは美音の頃から終わりまでずっと"個性"増幅装置を付けて、私も私で使い続けていたんだ。あそこまで"個性"を活性化並びに増幅をし続けていたら、"個性"にも何かしらの後遺症が残っていてもおかしくない。でもこれは……。

 

「ダガ君ノ場合ハ……アマリヨロシクナイガ、"個性"ガ大幅ニ成長、言ワバ"個性"伸バシデ到達スルハズダッタ領域ニモウ踏ミ込ンデイルト言ッタトコロカ」

 

「……」

 

私は体勢を、右腕を構えるとガントレットはブースターへと変形した。

そして意識を集中すれば左右の部品が分離、電磁波によって浮きながら回転していき、高速ドリル形状になった。

 

「フンッ!」

 

そのままドリル状の右腕を突き出せば、目の前にある壁が一気に貫かれて大穴を開けて砕かれた。

息を大きく吐くと同時にガントレットは元の形へと戻った。

 

「フム……消耗ガ今マデ以上ニ軽減サレテイルト言ッテイタナ。林間合宿デノ課題モモウ出来ルノカ?」

 

「あっ……」

 

そういえば、他の『シンフォギア』に切り替え武装できるようになるのが私の課題で…それらも含めた体力の上昇とかもあったっけ?

息を整えて…意識して…歌う!

 

 

——Imyuteus amenohabakiri tron(羽撃きは鋭く、風切る如く)——

 

 

ガングニールを纏ったまま『天羽々斬(アメノハバキリ)』の『聖詠』を口ずさむ。

ドクンッ!!!と心臓が高鳴るとガングニールのギア、装甲が黄金に輝きだして、私を包み込む。

 

ガングニールの装甲が身体から一度パージされると肌にピッタリと張り付く黄色を基調とするバトルスーツは、その色を青と白を基調へと変え、下部に刃があるヘッドセット。

左右の二の腕に青い鎧。

前腕には白い鎧が武装される。

後腰部にはスラスターが武装され、脚部には膝横に青い鎧。脛も青くなっており、水色が入ったヒールが繋がっている。ヒールの左右外側に青と白のブレードが武装された。

 

天羽々斬(アメノハバキリ)』を纏い終えたけど……口の中に鉄の味が広がることもない。

身体が重いとか痛むとかもない……でも、少しばかり体力が削られたのはわかる。

 

「(アームドギアも普通に出せる…)」

 

「ドウヤラアノ戦イデ"個性"ガ成長シタノハ本当ラシイナ」

 

エクトプラズムはそう言いながらなぜか身構えた。

 

「纏エタトシテモ、動ケルカハ分カラナイ。来テミロ」

 

「ッ! ……はいッ!!」

 

私は『天羽々斬(アメノハバキリ)』を纏ったまま、アームドギアの刀を構える。

 

参るッ!!

 

大きく一歩を踏み出し、アームドギアを振るうが、エクトプラズムはアームドギアを避けた。

 

「中々ノ速サダ」

 

「フンッ!!」

 

「ッ!」

 

エクトプラズムはそのまま私の背後に行くも、私は左足のブレードを起動させて、後ろ蹴りの勢いで斬りかかる。だけどそれすらも避けられた。

 

「ならッ!」

 

アームドギアを地に突き刺し、そのまま身体を上に持ち上げる。

そしてアームドギアを杖代わりに身体を捻らせ、両足を揃えて再度ブレードで斬りかかる!

 

「イイ動キダガ……——」

 

「なっ!?」

 

「——ソレデハ回避モ防御モ間ニ合ワナイゾ」

 

そのまま義足で蹴りかかるが、私はそれを咄嗟に片腕で防いだ。

 

「何…!?」

 

私はすぐに両足を開き、ブレードを伸ばして高速で身体を回転させた。

だけどエクトプラズムはそれに巻き込まれまいと瞬時に離れた。

 

「やり方次第では……不可能を可能に出来ます!」

 

「ソノヨウダ。一本取ラレテシマッタナ……サテ、"個性"諸々ノ事ハ我ガイレイザーニ知ラセテオコウ」

 

「ありがとうございます」

 

おもむろにアームドギアを見る。

『ガングニール』は『ガングニール』でも……ガングニールでも【XV】バージョン……もし他の『シンフォギア』でも出来たら……いや、出来るはずだ。美音は『神獣鏡(シェンショウジン)』をシェンショウジン・ファウストローブとして、私は『ガングニール』をBURNING・EX-DRIVEとして纏うこともできたんだ。ゆっくりであろうと、やってみる価値はあるはずだ。

 

 

 

 




改めて、更新の方遅れてしまい申し訳ございません。


そしてこれから話すこと何ですが、私は現在、【曲アカ】【ヒロキュア】の2つを執筆させてもらっております。
ですが、最近また新しいクロスオーバーを書きたくなってしまい、もしかしたら近々それらを執筆しようかなと考えております。
それらを判断するのは結局、私個人なんですが、やり始めたらこれらの作品の更新速度も遅くなってしまうので、一応と思い、書かせていただきました。

もしそれでも、お好きなようにしてくださいと思ってくださるのであれば、私は私の好きなように書き続けていきます。
もちろんこちらの【曲アカ】も皆様のご期待に応えられるようなるべく日を開け過ぎずに更新し続けようと考えております。

余計とも言えるお時間を取っていただきありがとうございました。
もし新しいのを執筆し、気づいていただいた際にはよろしくお願いいたします。



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