この"沢山の歌声"で、"曲"で、ヒーローを目指します   作:伽華 竜魅

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ちびたXtreme様、誤字報告ありがとうございます!




インターン 編
始業式とかインターンのこととか


 

 

 

 

仮免試験並びに夏休みが終わった翌日。

ぐっすり眠った身体を伸ばして軽くほぐしてから制服に着替えて、1階の共有スペースに降りる。

そこではもうみんな制服に着替えて学校に行く準備ができているが、何故か出久くんと爆豪くんの2人だけがラフな格好のまま共有スペースを掃除していた。もう登校時間なのになぜ2人だけが掃除をし続けているのか、飯田くんが2人を注意するように聞くと——

 

「えぇ~っ!? 喧嘩して謹慎!?」

「馬鹿じゃん!!」

「ナンセンス!」

「馬鹿かよ」

「愚の骨頂」

 

「ぐぅ……!!」

 

——どうやら昨晩、皆が寝静まり帰った時間の間に喧嘩して問題を起こし、相澤先生に叱られて謹慎処分をくらったようだ。

いやなぜ?

 

「それで、仲直りしたの?」

 

「仲直り……っていうものでも、う~ん……言語化が難しい……」

 

「よく謹慎で済んだものだ! では君ら、これからの始業式は欠席ということだな!!」

 

「謹慎っていつまでなの?」

 

謹慎の期間を聞けば出久くんは3日、爆豪くんは4日間の間、さらには反省文まで書くことになっているらしい。

出久くんも後からガンガンとやったようだが、実際喧嘩を吹っ掛けたのは爆豪くんからのようだ。

 

「爆豪、仮免の補習どうすんだ?」

 

「うるせぇ…! てめぇには関係ねぇだろ!」

 

まぁ出久くんから喧嘩を吹っ掛けるような展開は全然できないから、喧嘩が生まれる理由は大抵爆豪くんからの吹っ掛けによるものだろう。

その後も皆で弄ったり小言を言ったりしてから、私たちは寮を出た。

 

 

——◆——

 

 

今日は入学式の時のようなことはなくちゃんと始業式に出られるらしい。

 

「皆いいか!? 列は乱さずそれでいて迅速に! グラウンドへ向かうんだ!!」

 

「いや、おめぇが乱れてるよ」

 

「はっ! 委員長のジレンマ…!!」

 

それもあってか飯田くんがいつものように張り切って列を整理している。

そこに瀬呂くんがツッコミを入れてたりしてる。

いやまぁ委員長としてやろうとしているのはわかるけどね……。

 

「——聞いたよA組ィィ……!」

 

その途中で、ちょっと鬱陶しい声が聞こえた。

 

「2名!! そちら仮免落ちが2名も出たんだってぇ!? おっかしいよねぇA組は優秀なはずなのにねぇ!? アーッハッハッハッハッハ!!」

 

「B組物間! 相変わらず気が触れてやがる!」

 

うわぁ…相変わらずのニヤケ面…上鳴くんもドン引きしながらの返答レベル。

別にしてないのに勝手に競って煽ってくる物間くん…ホントどんなメンタルしてるんや。

 

「さてはまたオメェだけ落ちたな!」

 

「アッハッハッハッハッハッ! ……こちとら全員合格! 溝があいたね、A組?」

 

さっきまでの煽り顔とは一変して、スッキリしたかのような顔をしてそう言ってきた。

やめたげてよ、ホラうちの轟くんが「悪い、みんな」って落ち込んでるから、彼のライフは削れまくってるから。

これから始業式だっていうのに落ち込んでたら最悪だから!

 

「ブラドティーチャーによるぅと、後期ぃはクラストゥゲザー授業あるデスミタイ。楽シミしテマス!」

 

「へぇ! そりゃ腕が鳴るぜ!」

 

「つか留学生さんなのね」

 

おい上鳴くん鼻の下伸ばすな。

というかそんな角取さんに物間くんが近寄って耳打ちをする。

 

「ボコボコォに、打チノメシテヤァンヨ?」

 

「「えっ?」」

 

衝撃的すぎる言葉に切島くんと上鳴くんは固まってしまう。

そんな物間くんは当然のように拳藤さんの制裁を受けていた。

 

 

——◆——

 

 

「——ライフスタイルが乱れたのは皆もご存じの通り、この夏休みで起きた事件に起因しているのさ。柱の喪失。あの事件の影響は予想を超えた速度で現れ始めている。これから社会には大きな困難が待ち受けているだろう。特にヒーロー科諸君にとっては顕著に表れる。2・3年生の多くが取り組んでいる『校外活動ヒーローインターン』もこれまで以上に危機意識を持って考える必要がある」

 

…?ヒーロー、インターン?

そういえば、お義母さんからもインターンのことで話していて、それを聞かされたことがあったっけ。

 

「暗い話はどうしたって空気が重くなるね。大人たちは今、その重い空気をどうにかしようと頑張っているんだ。君たちにはぜひともその頑張りを受け継ぎ、発展させられる人材となって欲しい。経営科も普通科もサポート科もヒーロー科も、皆社会の後継者であることを忘れないでくれたまえ」

 

校長先生はそう言って話を締め括った。

やっと終わる……ずっと立ちっぱってしんどすぎますよ。何もせずただただ話を立ったまま聞く……小さな拷問よありゃもう。

 

「それでは最後にいくつか注意事項を、生活指導の『ハウンドドッグ』先生から」

 

ブラドキングの言葉で朝礼台に登ったハウンドドッグ……あれで生活指導だってことに今更ながら気づいたし驚いた。

 

「グル”ル”ル”…昨日ゔゔ、ル”ル”ル”ル”ル”ル”……寮のグル”ル”! バウッバウッ! 慣れバウ!! グル”ル”生活バウ!! ——アオォォォオオオンッ!!!」

 

どうしてくれるんだこの空気……皆意味が分からなくてドン引きしてしまっているぞ。

 

「え~っと……『昨晩喧嘩した生徒がいました。慣れない寮生活ではありますが、節度を持って生活しましょう』とのお話でした」

 

いやわかるかァ!!

まだ英語での発言のほうがましだわ!あんなのただの本当に興奮した犬…いや狼や!

 

「キレると人語忘れちまうのかよ……雄英ってまだ知らねーことたくさんあるぜ……」

 

「緑谷さんと爆豪さん、立派な問題児扱いですわね……」

 

困惑した空気に包まれたまま、始業式は終わった。

 

 

——◆——

 

 

とまぁそんなこんなで始業式を終えて私たちは教室に戻って来て着席していた。

 

「じゃあまぁ、今日からまた通常通り授業を続けていく。かつてないほど色々あったが、切り替えて学生の本分を全うするように。今日は座学のみだが後期はより厳しい訓練になっていくからな」

 

相澤先生が後期の授業の話に軽く触れていると、芦戸さんが梅雨ちゃんにコソコソ話しかけ始めた。

 

「何だ芦戸?」

 

「ヒッ! 久々の感覚!!」

 

それに対して先生はすかさず髪の毛を逆立たせて睨みを利かせる。

だけどすぐに梅雨ちゃんが先生に手を挙げて質問を投げかけた。

 

「さっき始業式でお話に出ていた『ヒーローインターン』がどういうものなのか、聞かせてもらえないかしら」

 

「そういや校長が言ってたな」

 

「先輩方の多くが取り組んでらっしゃるとか……」

 

やっぱりみんな、インターンが気になってしょうがないようだ。

お義母さんから話を聞いたことはあるけど、それでも本格的なのはあいまいな感じで聞いてなかったんだよね。

 

「それについては後日やるつもりだったが……そうだな、先に言っておく方が合理的か。平たく言うと校外でのヒーロー活動、以前行ったプロヒーローの下での職場体験、その本格版だ」

 

「ん? …………——体育祭の頑張りはなんだったんですかァ!!?」

 

「むっ! 確かにインターンがあるなら体育祭でスカウトを頂かなくても道が開けるか?」

 

お茶子ちゃんが思わず椅子から立ち上がってそう叫び、私の後ろにいる飯田くんもその言葉で、お茶子ちゃんの叫びの意味を理解していた。

 

「落ち着け……ヒーローインターンは体育祭の得たスカウトをコネクションとして使うんだ。これは授業ではなく、生徒の任意で行う活動だ。むしろ体育祭で指名を貰えなかった者は活動自体が難しいんだよ。元々は各事務所が募集する形だったが、雄英生の引き入れのためにイザコザが多発し、このような形になったそうだ」

 

そんなことがあったのか。

ようは争奪戦みたいなのを避けるため、今先生が説明したような状態へと変わっていったと。

 

「仮免を取得したことでより本格的、長期的に活動へ加担できる。ただ1年生での仮免取得はあまり例がないこと、(ヴィラン)の活性化も相まってお前らの参加は慎重に考えてるのが現状だ」

 

なるほど。

インターンをまずやれるかどうかは不明ってのが現状。でも仮免許を取ったのはあくまで自己防衛、だから緊急時には"個性"の使用が認められる。

それだけであり、インターンはまだいけないかもしれないのか。

 

「まぁ体験談も含め、後日ちゃんとした説明と今後の方針を話す。こっちも都合があるんでな」

 

きっと先生方の間でも、インターンに行っていい派と行かせない派で分かれてる可能性があるのかもしれない。

それに、私は私で事情があれだし……そもそも受け入れがあるかどうか……。

 

 

——◆——

 

 

夕方。

後期に入った途端授業が難しくなって食らいつくのに必死なのと、インターンのこともあって頭がいっぱいいっぱいな状況だ。

そして出久くんと爆豪くんへの授業内容等の伝達は先生に禁止された。

 

あぁ見えて2人も上位に入るほど座学の成績はいいけど、みんなが今日の内容を話している際、ゴミ袋をまとめていた出久くんは分かりやすく周りから置いていかれているような気がすると言いたげな表情を浮かべていた。

 

飯田くんにそのことで聞こうとしていたけど、飯田くんは怒っており、まさかの謹慎君呼びをし、相澤先生の指示通りに伝達をしないとハッキリ言ってたし。その話をこっそり聞いていた私はちょっとだけ目を逸らしてしまった。

 

「(まとめたノートを出久くんに貸そうとしたら怒るかな……)」

 

一日座学だったため、1限から最後までの授業内容を取ったノートを後で貸そうかなって思ってた。

まぁ爆豪くんは出久くん経由でも知るだろうと思ったけど、自尊心の塊である彼からしたら「変な気遣いすんじゃねぇ! 死ねぇ!」って言ってくるのが普通に想像できる。うん。

 

 

 

 




今回…まぁ正確には次回からインターン編ついにスタートです。
まさか『シンフォギア(歌系)』でここまで行けるとは思いもよらなかったデスよ。

あと活動報告の方にまぁ小さいことですがちょっとした悩み(?)的なのを貼ってます。
もしよければ(無視して構いません)。


もしよければお気に入り登録と評価、感想の方よろしくお願いします!

ここだけの話『ギャラルホルン』は"個性"としてでも……

  • ある
  • ない
  • 何もせず、傍観者として見届ける
  • そんなことより早く出幻をくっつけろ
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